平成25年10月2日〜5日   予土県境尾根・東部トレイル

大田尾越〜東光森山〜野地峰〜黒岩山〜大登岐山〜兵庫山〜玉取山〜大森山〜佐々連尾山〜カガマシ山〜橡尾山〜
笹ヶ峰〜土佐北街道〜新宮


予土県境尾根・東部トレイル 東光森山から笹ヶ峰まで 3泊4日のLSD歩き  (その1)


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使った予土県境尾根ルートのGPSトラックログ図図

平成25年8月より不完全ながら定年退職となり、基本的には月曜日のみの出勤で後は外航船の入港前後は自由の身となった。さて、
仕事の合間に山歩きを存分に楽しんで来たのだがいつでも山に行ける環境の下で山へのモチベーションが続いていくのだろうか?

退職以降信州や屋久島を旅してきたが、やはりお金がかからない四国の山にも目を向けて歳相応のスタイル、LSD=ロング・スロー・
ディスタンス(Long Slow Distance)つまり長〜い時間、ゆっくりと、距離を歩く事に取り組んでいく事にも挑戦して行こうと考えた。それに
欠かせないのが装備の軽量化、U・L=ウルトラ・ライト・ハイキング(Ultra Light Hiking)スタイルへの取り組みである。

ウルトラ・ライトに関する実践は主にアメリカで誕生し、古くはエマ・ゲイウッド(エマおばあちゃん)が1950年代に軽装備でアパラチア・
トレイルを歩いたり、レイ・ジャーディンが1990年前後に岩登りからロングトレイルに転向し軽装備に関する本を出版したりして話題に
なった。
日本でこのウルトラ・ライトを積極的に展開し実践されているのが自らハイカーズ・デポという店を経営する土屋智哉と言う人で最近山
の本でよく登場している。

まあ、我々のロング・トレイルと言ってもたかが数日の事ではあるのだが四国の山歩きにもこのスタイルを取り入れる事は意義がある。

その第一弾として今まで細切れにしか歩いていない予土県境尾根の東部を歩いて見ようと計画を立てる。四国の尾根縦走の難点は
何と言っても水の確保に尽きる。山歩きでは多少食糧が切れても歩く事は可能だが、水が切れるとアウトである。泉保さんの山歩き地
図2で水場を確認すると中川峠付近にある。よっしゃ〜 ここで水を補給しよう・・・で、万が一水が涸れていた場合は適当に沢へ下れ
ばいいじゃないの 急ぐ旅でも無いんだし

交通手段に関しては大田尾越まで車で行き、終点の新宮からバスに乗り川之江へ出て電車で新居浜へ帰る。新居浜から電動アシスト
自転車で車を回収する事に。色々段取りを真剣に考えていると計画自体が無謀なものと結論を出しかねないのでその辺りは楽天家に
徹する事にした。

         

今回の県境尾根縦走の装備は給水場所が不明だった為 6リッターもの水を携行した為少々重くなった。水の補給場所が明確で
あれば4kg装備重量を減らせる事が出来た。


第1日目 :(平成25年10月2日 晴れ)
       大田尾越〜東光森山〜野地峰〜黒岩山 ( 約9時間弱 )


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 大田尾越〜東光森山〜野地峰〜黒岩山


1)大田尾越〜東光森山 (1時間30分)
  登山道は急登だが明瞭で藪無し 

 
準備をして08時大田尾越から東光森山へ向かう      最初から急登が続く 春はアケボノが美しい場所だ

 
08時50分肩から奥の東光森山が姿を現す         おっと これは一体なに?

 
山頂直下には少しルートに注意が必要な場所あり             大座礼山方面を振り返る


        09時30分 東光森山へ到着


2)東光森山(1,486.1m)〜4時間〜三角点(1,400.1m)〜2時間〜野地峰(1,279.4m) 計約6時間 

東光森山から三角点まで約4時間、標高1,400m前後の稜線が続く。多少の藪やアップダウンがあるものの総じて笹が刈られて
整備されておりルートも明瞭で歩き易い。
ポイント1)
東光森山から約3時間ほど歩いた所に1.403mピークがあり、ここから県境尾根がヘヤピンカーブで左へ切れ込むので注意
ポイント2)
三角点(1,400.1m)から1時間歩いた所が窪地状になっておりススキ原の為ルートが分かりにくい。この窪地を下がると大きな
滑車が転がっている。窪地には踏み跡が下がっているが、ここは窪地へ下がらず右側端に沿って尾根を回り込む。

 
09時40分 山頂右手に延びる県境尾根へと進む      09時55分ヌタ場がある窪地上の平地に出るが右側に
                                     尾根の笹刈りルートあり

 
10時08分左へターンするが笹が刈られておりわかり易い  10時25分 大座礼山、東光森山方面を振り返る

 
10時40分又左へターンするがここも笹が刈られてルート明瞭   快適な尾根道 時々前方にピークが現れる

 
  リョウブの樹皮が鹿に喰われて痛々しい           11時25分 左へターン 笹も鹿に食べられている

 
    11時37分 洞のあるブナ通過             11時40分少し荒れ気味の岩場に出る 展望を楽しむ

 
前方の1,403mピークへは少し右へ回り込んで行く様だ        後方の歩いてきた小ピークを振り返る

 
12時13分 少しの間笹薮が続く(ルートは明瞭)        12時40分最大のヘヤピンカーブがある 要注意

 
先の1,403mピークへ進むと植林細尾根となっている     ヘヤピンカーブの県境杭には「四」と記されている
(偵察した後、ここを引き返す)


1,403mピークを過ぎると前方が開けて正面彼方に黒岩山とキューピーの頭「大登岐山」(おおときやま)が姿を現す
(手前左端のピークが1,400.1m三角点と思われる)


  
             古木を見上げて気合を入れる

 
    13時05分前方に三角点ピークが見える          しばらくの間深い笹薮が出現

 
  13時25分 1,400.1m三角点に到着          三角点を過ぎると笹薮も薄くなる


             予土県境尾根東部のランドマークは大登岐山だ

 
       13時45分大ブナに遭遇                     キノコの文化住宅


少し深い笹薮を抜けると14時22分ススキの窪地へさしかかる。ここは右手の斜面沿いに前方のピークへ尾根筋を進む

 
   窪地には大きな滑車が横たわっていた          窪地から強引に右手の尾根筋に這い上がると道に出た

 
14時50分 野地峰への尾根筋の向こうに大登岐山が頭を出す    右手下には白滝鉱山跡の建物が見える


          1500時 長かった東光森山からの尾根を振り返る

 
    サワフタギの紫は色鮮やか                  折宇(うりゅう)からの登山道にはロープが張られている
羽毛の様な白い花からは想像出来ない色の変化だ

 
    白滝鉱山跡の白滝王国施設                 カマキリと思いきやナナフシくんではあ〜りませんか


 15時30分 やっと野地峰に着きました〜   大登岐山のキューピー君 明日行くからね

3)野地峰(1,279.4m)〜黒岩山(1,341.6m) 約1時間20分

野地峰の反射板からの下り道は笹薮が深いが見通しが良く、足元に踏み跡が確認出来るので問題なし。黒岩山へは少し上り坂
となるもルートは明瞭。右手をトラバースして黒岩山最高点(約1,359m)へ至る。黒岩山三角点はピークから南西方向へ下がる
笹薮の中にある。

 
 15時50分野地峰から少しの間深い笹薮を下る        16時15分笹薮を抜けると概ねこのような道となる

 
  
風が強い事がわかる雲の流れ                  黒岩山へのトラバース道

 
16時45分大登岐山への分岐を振り返る (左は登って来た道)   分岐から黒岩山の最高点ピークへ進む

 
17時10分 ツェルトを張って三角点へお散歩           17時20分 黒岩山三角点

 
     
東赤石   権現 エビラ 二ッ岳                     手箱 筒上 平家平 チチ山


 近くに住んでいたイノシシ一家と縄張り争いの結果獲得した狭いながらも寂しい我が家


第一日目をビバーク地にした黒岩山ピーク近くにはイノシシの巣があり結果的に先住民の彼らを追っ払った格好になってしまった。
夕食の支度をしながら夕焼けを眺める。風が一晩中強く吹きドームシェルターを揺らしたが内側からポールをクロスする設営なので
問題なかった。夜中から雨が降って来たので外に置いてあったスパッツを濡らしてしまった。

さて明日はいよいよ大登岐山への這い上がりだ。

第2日目 黒岩山〜大登岐山〜兵庫山は  ここ 
第3日目 玉取山〜白髪隧道分岐〜大森山〜佐々連尾山〜中川峠 は ここ  
第4日目 カガマシ山〜橡尾山〜笹ヶ峰〜新宮 は ここ  

   

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