イノシシ達の挽歌  尾根這い上がりシリーズ 

平成2454日〜5日 宿願「五代ヶ森尾根」完全縦走


第2日 五代ヶ森〜鞍瀬ノ頭〜堂ヶ森〜梅ヶ辻 約7時間
        (1,713m)     (1,889m)    (1,689m)

五代ヶ森縦走2日目 トラックログ図


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを利用したGPSトラック・ログ図  五代ヶ森〜鞍瀬ノ頭〜堂ヶ森〜梅ヶ市

五代ヶ森縦走2日目

朝方になってまどろんだが、風は弱まったもののまだかなり吹いている。05時辺りが明るくなって来たが太陽の光は
ントを通さない。外を見ると濃霧だった。


0530分マーシーさんを起こしてお湯を沸かしてもらう。相変わらず山では食欲がないのでコーヒーとチョコレート
ケーキを食べる。横で元気なイノシシはお湯を入れて作るピラフを作っている。結局持って来たカロリーメイトは箱
を眺めるだけでマーシーさんと山分けした。


支度をして0645分 五代ヶ森・三角点を出発。昨日は早めにテントに入ったものの体がだるい。どこまでこの笹刈
りが延びているのだろうと思いながら先に進むと「五代ヶ森
(1,713m)山頂があった。なるほどリップさんが言って
いた白骨樹があるし、三角点より見晴らしは良い。でもテントを張る様なスペースは見られないので昨日手前で幕営
は正解だった。


  
   藪の中のテン場                            出発する頃には霧が晴れてくる

  
   先にあるピークは五代ヶ森山頂だろう              少し見晴が良い五代ヶ森山頂


    なるほど  確かに藪っぽいが中々味のある山頂である


五代ヶ森〜鞍瀬ノ頭


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
五代ヶ森〜鞍瀬ノ頭  カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図

さてここからは我等がフィールド・藪尾根となる。ピークの北端に出ると前方に端正な形をした「鞍瀬ノ頭」が最終
地点に構えている。その頂きまで蛇行して続く尾根沿いはまだ相当距離とアップダウンがあり、二人で五代ヶ森〜鞍瀬
ノ頭を
4時間と予想した。

潅木と深い笹を分けながら少し左側(西)にある次の1,690m ピークに向う。0736分そのピークを通過して又笹尾根
を下る。モミの大木が枝を張り出しルート取りがややこしい。足元にも倒木や木の枝、岩が笹に隠れて向こう脛を攻撃
してくる。


0756分次のピークを這い上がっているとアケボノツツジが数本現れた。少し貧相なものだが、この尾根歩きには嬉し
い彩である。笹を掻き分けて五代ヶ森をバックに撮影する。


0800分 1,674m ピークに上がり大岩を左にトラバースする。北側に出ると前方のピークにも大岩が立ちはだかっ
ていた。ここの下りは少し複雑でそのまま進むと岩の絶壁となるので今度は中央の窪地へ廻り戻してその窪地の崖を
下りる。ここには下り口を示すテープが見られた。

コルに下りて岩壁の右手に這い上がるルートを選んで次の1,650m ピーク0820分上がる。藪っぽいこの1650
ピークから振り返ると、五代ヶ森
(1,713m)が南側の二つのピーク(1674m 1,690m)の間に見える。

この辺りに来ると、右手の景色は筒上山がメインとなり、瓶ヶ森、子持ち権現、伊予富士の山並みが見え石鎚は次第に
二の森の後ろに隠れていく。ここから見る二ノ森はゴツゴツした形をしている。鞍瀬ノ頭は二ノ森から派生した稜線上
にあり
1,889mの標高を持ちながら正式な名前すら無いが明らかにここから見る姿は立派なものだ。丁度笹ヶ峰から派生
したチチ山、東赤石から派生した東峰ピークと同じ境遇である。


  
    五代ヶ森から先は道は無い                 笹薮は深いが尾根に沿って灌木を掴みながら進む


                 前方が見渡せる場所で尾根の並びとピークを確認

  
先ず 左手にあるピークを目指す                   大きなモミの木が枝を横に張っている

  
     振り返ると五代ヶ森が尖って見えるぜ                 岩も現れる様になった

  
   風の強い尾根ではモミが低く枝を張るので歩きにくい    第2アケボノ  ちょっと貧弱だけど(五代ヶ森を振り返る)

  
       目指す鞍瀬ノ頭が見えるが遠い〜         岩場になる まっすぐ行くと崖で行き詰るので右手に振る

  
   左に岩の崖を見ながら下りる                 岩と岩の間にある窪地を下がる  赤テープあり


        前に見えるピークにも岩が有る   これを右側から岩に沿って這い上がる

  
 先ほど見た岩の下側、この右側を這い上がる          岩の上に出て下ったピークを振り返る


           二つのピークの間に五代ヶ森が頭を出している


0840分深い笹とモミの木、五葉松の大木尾根となる。これを越えると前方に大岩の前衛峰を持つ次の1700mピーク
が近づいて来た。この岩は垂直に立っており直登は無理、又右手は相当切れ落ちて尾根への復帰が思いやられる。

ここは左から巻いて急な傾斜を岩の向こう側の尾根へ這い上がる。
0915分潅木を掴みながら尾根に付くとマーシー
さんは南側の大岩展望台の上に出ていた。ここからの眺めはすこぶる良い。これまで歩いて来た尾根が見渡せる痛快
な場所だ。西側には手前に延びる支尾根の向こうに堂ヶ森のアンテナが見えた。



  
モミの木越しに瓶ヶ森、子持ち権現、伊予富士が見える       鞍瀬の頭       二ノ森      石鎚

  
      白骨樹が所々に現れる                  この場所は笹が深いのでモモ上げ歩行となる

  
      モミの大木が並ぶピークへと進む             五葉松越しに見る石鎚と向こうに瓶ヶ森、子持ち権現

  
    イノシシが藪で笑ってるよ〜                    筒上山と県境尾根を眺める

  
   残す所2ピークとなりやした                  大岩が近づく  ここは左からトラバース


              大岩展望所からは五代ヶ森からのルートが一望出来た

  
一応 しぇ〜をしとかにゃなるまい  五代ヶ森をバックに   主稜線の手前にある尾根越しに見る堂ヶ森

  
主稜線手前にある尾根越しに見る二ノ森と石鎚               土小屋〜岩黒山〜筒上山


0918分大岩を後にして絶頂(鞍瀬ノ頭)を目指す。相変わらず笹は深くて潅木が酷い。高度が上がるにつれて後方
には五代ヶ森の秀麗な姿が目立つ様になる。


笹原に出たので遠めには楽勝の歩きに思われたが、実際歩くと笹も深い場所と傾斜があり、登りが堪える。足元を見
ながらヘロヘロと
09時37分なだらかな1,749mテラスに着き、先を眺めるとあとピークを1つ残すのみとなった。

のんびりと辺りの風景を眺めながらここで10分間休憩を取る。二ノ森から南に延びる尾根はそんなに長くないが這
い上がりに苦労したもんだ。ここまで上がると堂ヶ森までの主稜線が見渡せる。こちらから見る堂ヶ森はミニ瓶ヶ森
って形をしている。


0954分笹が深いモミの樹林帯を抜ける。樹林帯で強い風が弱まる場所では笹は思い切り背丈を伸ばす。遠めには
楽勝と思われた笹原歩きも厳しいものだった。雄大な風景を写真に撮りながら最後のピークからコルを見ると明らか
に登山道と思われる筋が笹原の中に延びており、マーシーさんはその場所で待っていた。

はっきりした登山道では無かったが笹にトレースが付いているだけでも足運びが楽になる。左手に見える堂ヶ森が
眼下になり、
1020分五代の別れらしき場所を通過。マーシーさんが先頭を譲ってくれて 1030分最終目的地で
あった「鞍瀬ノ頭」に到着した。


  
大岩から藪っぽい細尾根を抜けて上のピークへ          少し笹が低くなりホッとする

  
   灌木と笹原を歩きながら五代ヶ森を振り返る           二ノ森と同じ高さになったぜよ


 やっと あと1ピークやで〜〜  中央奥が鞍瀬ノ頭   右がニノ森
  
  
ここまで来ると主稜線越しの堂ヶ森が眼下となる        どひゃ〜  最後の笹薮の抵抗に遭う

  
    笹薮を歩きながら五代ヶ森を振り返る           疲れた足よ あれが目指す鞍瀬の頭だ がんばれ

  
  おっ 何かトレースが付いてるね                   トレースに沿って足を運ぶ

  
       幾多のピークを乗り越えて                鞍瀬ノ頭 北方稜線  あな 懐かしや


              鞍瀬ノ頭 (1,889.0m) から堂ヶ森 (1,689.0m)   相当下って行く

思えば面河の車道沿いからこの尾根に取り付き、ここまで長い道のりだった。こんな長くて厳しい尾根歩きの計画に
付き合ってくれる相棒イノシシに感謝。


晴天の山頂で風を受けながら2年前この場所から北側へ延びる尾根へと出発した事を懐かしく思い出した。光陰矢の
如しだ。朝食が早かったので昼食タイムとする。マーシーさんはパンをかじり、私は孫のおやつせんべいと一口羊羹
をかじる。




     鞍瀬ノ頭より東側              西ノ冠岳                 石鎚山

  
10時30分 五代ヶ森尾根の天辺に到着〜            感動的な握手のタイミングを逃すマーシーさん


     五代ヶ森尾根を眺める   五代ヶ森から向こうは右に尾根が流れ落ちている

さてここで30分の大休止のあと1200分下山開始。五代の別れまで下りると堂ヶ森方面から単独登山者が上がって
来られた。
そしてしばらく下りると今度は今治から4人程の登山者に会う。その後単独登山者にも遭遇。

堂ヶ森への稜線を歩きながら、以前下った鞍瀬の頭北方稜線や今回這い上がった五代ヶ森尾根をじっくりと眺める。
北側の尾根は三ヶ森(みつがもり)を起点に東へと流れていく。一方南側の尾根は五代ヶ森までは緩やかにピーク
が続くが、その後は急に傾斜が落ち込んで西側へと回りこんで延びていく。


ショウジョウバカマが沢山咲く笹道を堂ヶ森「愛大避難小屋」分岐へ1140分降りる。水は涼しかったので十分残
っており、水場に寄る必要は無かった。


「もう登りは嫌じゃ〜」と思いながら堂ヶ森への最後の斜面を登る。1150分堂ヶ森三角点に付く。反射板の日陰
に入ると風が冷たく寒いので陽だまりのなかで
10分間休憩をする。

  
   五代の別れを西に向かうと単独登山者に会う        鞍瀬ノ頭 北方稜線 (三ヶ森から右に曲がって続く)


五代ヶ森・尾根

鞍瀬ノ頭  南方稜線     鞍瀬ノ頭 五代の別れ    (この間 藪尾根 )                  五代ヶ森
  
  
   堂ヶ森手前の愛大避難小屋分岐                  お地蔵さんが置かれいた

  
   堂ヶ森から五代ヶ森を見る  すぐ近くに見えるのだが・・・   堂ヶ森三角点  反射板の陰では寒かった


1200分 梅ヶ辻へと下山する。下山道は尾根を越えるが、堂ヶ森の山塊は少し変わっており、主稜線の反対側へ
下る印象だが、実際は南尾根を乗り越えるだけである。
1235分「保井野」・「梅ヶ市」分岐標識を通過。

登山道はその直下にあるコルから小ピークへと上がっていく。これは従来地図の破線にある登山道とは違っている。
私もマーシーさんも暫く振りなのであまりここの記憶が無い。


此処は旧道を進まず標識に従って小ピークに向いブナの美しい尾根筋を急降下して植林帯に入る。長くて退屈な植林
地帯をどんどん下りて
1347分梅ヶ辻登山口へ下り立った。途中の登山道は一本道でよく整備されており迷う場所は
無かった。


ここから車までまだ結構長い。林道を下側の登山口まで下り、田植えの準備をする田んぼの間に続く舗装道路を歩き
1420分国道494号線にデポしたマーシーさんのXトレイルに帰りつく。登り口へデポした私のラッシュには14
34分帰り着いた。

  
        堂ヶ森から見る石鎚山                   堂ヶ森から梅ヶ辻方面へ下山する


    梅ヶ辻、保井野分岐 (白い標識)  梅ヶ辻へは左前のピークを越えて行く

  
     梅ヶ辻登山道の樹林帯が始まる                    美しい登山道

  
    植林地帯までの束の間の美しい風景            そこを過ぎるとず〜〜と植林地帯となる

  
  エントツ山さん  これがコシアブラでんがな              沢筋まで下山する

    
  広い林道に下りつく (登山口の標識あり)          舗装道路のある下の登山口  駐車スペースは無い

  
    国道筋のマーシーデポ車まで歩く               面河の昼野に置いたエントツ山デポ車へ帰り着く


ここ数年計画を温めてきた鞍瀬ノ頭 南方稜線 「五代ヶ森尾根・完全縦走」は無事ここに完了した。


第1日目 : 面河、昼野〜気多山(けたやま)〜八辻の峰〜五代ヶ森・三角点 は  ここ

鞍瀬ノ頭 北方稜線完全縦走 (鞍瀬ノ頭〜三ヶ森〜虎杖) は  ここ



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