穂高縦走 (西穂高岳〜奥穂高岳) 平成22年7月17日〜19日

第1日目  新穂高ロープウェイ〜西穂山荘(テン場)

第2日目  西穂山荘〜西穂独標〜西穂高岳〜間ノ岳〜天狗ノ頭〜ジャンダルム
        〜奥穂高岳〜白出コル(テン場)


第3日目  白出コル〜涸沢〜横尾〜徳沢〜明神〜上高地


第1日目  平成22年7月17日 (土)
坂出―平湯―新穂高ロープウェイー西穂山荘

7月の半ばになっても梅雨の明ける様子も無く雨が良く降り続いた。山を歩く意欲が相当削がれて
いたが、天気予報では7月17日あたりに梅雨明けしそうな雰囲気となりマーシーさんと相談の上
穂高縦走を決定する。



穂高縦走ルート図        カシミールソフトを利用したGPSトラック・ログ図 
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである 


平成22年7月17日(土)0400時坂出のコメリ駐車場にてマーシーさんと待ち合わせて上高地の
入り口、平湯へと向う。名神高速辺りで以前登山靴を忘れた話題になった所でマーシーさんが「あっ
 ヘルメット忘れたかも」と言う。2年前剣岳へ行く時私がプレゼントしたモンベルの青ヘルメットは
去年槍ヶ岳で廊下に置いていたのを誰かに盗られてしまった。

その後自分でペツルのを沢歩きなどの為に買っていたのだった。奥さんからも「台所にヘルメットが
あったけど要らんの?」と電話が入る。まあ 今更しょーないわ。でもこの縦走で使わなければあの
値段が高いヘルメットも浮かばれないような気がするのだが・・・



お昼近くに新穂高温泉辺りに到着。無料駐車場らしきものが見つからず、ロープウェイの宿泊車用駐車場
に入ろうと値段を聞くと6時間500円と言う。単純に計算して3日で6000円? 「そんなバカ高い
場所は止めましょう」とマーシーさんが言う。この男、山の上ではどんなに高いビールでも平気で買うの
だがなあ

で・・・もう一度無料駐車場へ向うが満杯で警備員が地図をくれた別な場所からはとてもじゃないが歩く
気がしない。


それで去年使った平湯の宝タクシー営業所へ向う。ここのタクシーを使って上高地などへ行く場合は、営業
所空き地に無料で車を置かせて貰えるのだ。

車を出る前に出来るだけ荷物を軽くしてタクシーで新穂高ロープウェイ乗り場へ向う。料金を聞くと「定額
6千円です」と言う。ぐへっ 結構高い。 でも、どうせ下山後に平湯からここまでタクシーを使うのだ
から駐車料金だけでも儲かったと考えよう。

13時に新穂高ロープウェイに乗る。こんな中途半端な時間にも拘らず結構混んでいた。

切符売り場には荷物が10キロを超えると超過料金300円とある。車にそこそこの荷物を置いて来たので
10キロ以下になったと思っていたが秤で量ると14.5キロあり300円のセーブにはならなかった。
マーシーさんも15キロあった。

今回の西穂→奥穂縦走は厳しい岩場歩きなので荷物は最小限にするつもりだったが、やはりテント泊となると
寝袋やマット、水など一つ一つはそんなに重く無いのに合計すると10キロを超えてしまう。


  新穂高登山口へ到着して登山届を提出        新穂高ロープウェイ乗り場


  え〜〜!? 15キロもあるのかい!                  新穂高ロープウェイ  鍋平高原駅

まず45人乗りの第一ロープウェイで標高1,117m新穂高駅から標高1,305mの鍋平高原駅まで5分
乗車。ここから少し高原気分を味わいながらビジターセンターより2階建て121人乗りの第二ロープウェイ
で標高2,156mの西穂高口まで7分位で一気に上昇。西穂高口駅に着くと辺りは深い霧に覆われて何も
見えない。去年の悪夢が蘇ってきた。



    第2ロープウェイ乗り場                         2階建の第2ロープウェイ


  西穂高口   ウゲッ   霧で何も見えないじゃん                   キヌガサソウの群落

遊歩道を登山口へと歩く。水芭蕉があったが、葉っぱがドでかくまるで野菜の様なので写真を撮る気も起こらない。
播隆上人の像横を通り、足元が悪いが木道などもある遊歩道を進む。


 

小屋があってその横手から登山道の入り口となっている。岩のゴロゴロする深い森の中を歩くと雨が降って来た。
雨具を着るのが面倒なのでギリギリまで待って仕方なく雨具を出して着る。ズボンの代えが無いのにもうグショ
グショに濡れている
.

上から下りて来る登山者には子供も結構混じっており、西穂高山荘にて家族連れで泊まっていたのだろう。

ロープウェイの駅から約1時間10分歩くとナナカマドの白い花の向うに西穂高山荘が見えた。と同時に雨が激しく
降りだした。私は山荘でテン場を申し込み、マーシーさんがテン場を確保する分担だ。混み合った山荘受付でテン場
使用料500円x2人を支払い、臨時テン場となるヘリポートに向うと既にマーシーさんはテントを設営していた。

 
ミズバショウがありますけど大きな葉っぱだけです     マイズルソウも石鎚のより大きい

 
   本州では定番のゴゼンタチバナ              雨の千石尾根を登る

 
  ナナカマドの向うに西穂山荘が見えた      正規のテン場はもう満杯状態 奥のヘリポートへ



隣には大きめのテントが設営されており、オシャマな女の子がず〜〜と大人顔負けの話をしていた。結構うるさいが
同じような孫を持つと小さな子供には寛大になる。


こちらは前日坂出カントリーで炎天下のゴルフが堪えてテントの中で寛ぐ。マーシーさんはさっそくビールを買って
きていかにも犬の餌みたいなジャーキーをしゃぶりながら一杯やっている。食糧品の中で酒のおつまみほど割り高な
ものはない。値段の高い割には内容が少ないのだ。


私はあまり食欲もなく、酔っ払いのグダ話しに付き合う元気もなくアヘン中毒者の様に朦朧状態でテントの中で横た
わっている。


時々テントの外を覗くが相変わらず霧が辺りを覆ってちょっと明日の山歩きが心配になる。マーシーさんが先ほど
から酒の相手が欲しくて声をかけてくるが生返事を返しているとその内、いびきをかきだした。
「明日はどんな天気だろう」


 
  天気が悪いし、もう飲むしかないですわ              西穂山荘のヘリポートが臨時テン場に ここも一杯

 

少し眠った後うつらうつらして目を覚ますと相変わらずあちこちのテントからは大きな声が聞こえてくる。テント
の外に出るとまるで天から落ちてきそうな大きな星が輝いているではないか。ライトを持って山荘の方に散歩する

と星に詳しいオッサンが得意そうに女性群に向って解説をしている。余りロマンチックな人には見えなかったので
その鑑賞会には加わらず一人で星空を見上げる。

宇宙を見上げていると流れ星が飛んで余計に切ない気持ちになる。テントに帰るとマーシーさんが目を覚ましたので
「ええ天気やで〜」と言うとテントから顔を出して天を仰いでいる。「明日が楽しみやな〜〜」


いよいよ2日目 西穂〜奥穂縦走に進む


           目次に戻る              トップページに戻る