平成19年 8月5日  日本一の山  富士山へ日帰り登山

富士宮口新五合目ー富士山頂ー河口湖5合目  ( 9時間半
 )



この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図250000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図

富士宮口 06時30分 −富士宮山頂 1000h 剣ヶ峰 1130h  吉田口山頂 1240h 河口湖登山口 1600時

親父さんが富士山を見てみたいというので、恒例の一族親睦旅行が平成19年8月に富士山方面へ繰り出す事に
中々宿が取れずに長崎の研治が四苦八苦して何とか富士宮のホテルを押さえる

両親が曲がりなりにも健在であるという事は何よりの幸せと思う。兄弟がバラバラに分散しているので新居浜の実家を
どうするのかって問題を含みながらも一家の要(かなめ)に元気でいて欲しいと願う

 
   久しぶりに東京の兄貴一家も参加              近くの料理屋で夕食と一家の健康を祝って乾杯


私が山登りにハマってからは家族旅行には一日の自由時間を頂く事が暗黙の了解となっている。すまんのう みんな
事前にヤマケイの「富士山ブック」(フジヤマに登るゾ) 880円を買って付録の地図だけを持って行く事にする
翌朝 サマンサと息子、娘に登山口まで送って貰う。土地勘が無いので本の中に合った富士宮新五合目レストランの
電話番号をGPSにセットしてホテルを5時前に出発

変な方向にGPSが導かれ着いた先がレストラン・オーナーの富士宮市内自宅だった。ガックリ
丁度観光バスが数台先を行くのが見えたので後を付いて富士山スカイラインに入る。これが一番カタかった。

七曲を過ぎると道の両端には車がずら〜〜と並んでいる。警備員が駅伝があるのでこれ以上上には行けませんと言う。
登山口まで送ってもらうだけと説明して富士宮新五合目登山口まで何とか到着。

 
富士山スカイライン  ずら〜〜と駐車している          富士宮新五合目登山口   いくぞ〜


           富士宮新五合目登山口から富士山を見上げる

車が停められないので登山口をい過ぎた場所で下りて夕方反対側で再会を誓う
子供連れグループは富士サファリパーク、大人組は箱根・河口五胡を巡る予定

日本一の山だから夏場の人出は覚悟していましたけど登山口から大勢の人だかり。これじゃ迷う心配もありませんわ
高山植物はあまり期待していなかったが、案の定最初は栽培しているんじゃないかと思うほどオンタデが茶色の土から生えて
いる。これがピンク色でもしていてくれたら長い道のりも気にならないのだけれど・・・・

 
夏の富士山 トレードマークはオンタデ              まるで栽培畑の様なオンタデ


     これが富士山??  どこかの畑のようだけどなあ   

一時間程歩くと新七合目の御来光山荘という前に到着。登山道が茶色い砂地から段々溶岩っぽい岩場も増えて
ゴツゴツしてくる。思ったより傾斜が緩いので最初はシンドイという気がしない。

相変わらずこのコースの植生はあまり豊かではなくオンタデばっかり。何か他の花はないかいなと捜すと
イワツメグサとミヤマオトコヨモギを発見

 
      新七合目に到着                             溶岩の登山道

 
       イワツメグサ                           ミヤマオトコヨモギ

 
七合目を過ぎると一段と登山者が多く見える          俺たち もうダメ〜〜 高山病で倒れている人が増える

 
八合目の小屋前も人だかり                      赤十字の旗を背負った救護員もいる

登山道は歩きやすく傾斜も緩やかであるが、標高3,000mを越えると普段山歩きをしていない人はバテてくる
私も8合目を越えた辺りから時々休まなければ動悸・息切れをする様になった

富士山は特別な場所で外国人も沢山登ってくる。普段何の運動もしない人も沢山いる訳だから当然体調を崩す方も
出てくる。介護員の人もいる。

9合目あたりからは残雪が見られるが廻りの風景がまるで月世界の様に殺伐とした様相となる。何合目と言っても「元祖何合目」
とか「新何合目」とかややこしい

九号5勺(9.5合目?)とかいう胸突山荘まで来るといよいよ富士山の頂がグランドキャニオンの様に見えてくる
人の数はますます増えてきた様な気がする。(新聞で後から知ったが、この日 富士山は今年最高の3万人の登山者で
溢れていたようだ

 
   9合目  万年雪山荘                        9.5合目  胸突山荘

 
       万年雪と山頂を臨む                            登山道風景

富士山頂までもう少しとなるが、やはり空気が薄いので動悸が激しくなり頭痛もしてきた。これが高山病というものか
前をみると何と子供を背負った登山者がいる。荷物が無くっても相当キツイのにこりゃ大変だわ

富士宮登山口の最後の鳥居をくぐると平坦となり富士山頂に着いた  時刻は丁度1000時
登山口が06時半だから3時間半で山頂に着いた訳だ

 
子供を背負った登山者がゆっくりゆっくりと登っている     山頂手前の鳥居をくぐると山頂だ


何や この風景は  これが日本一の標高を誇るフジヤマの景色かいな   感激も半減  右後ろが剣ヶ峰


「富士山は遠くにありて眺むるもの」 日本人の心の故郷 富士山の頂に立ってそう思った
この世に別天地というものなど無い。 日本一の標高を誇る山に登ったという達成感だけをかみ締める

さて次は日本の最高点に立つ為に剣ヶ峰(標高3,776m)に向かう。 やはり富士山に登ったらここまで来なくちゃね
富士山の火口はこれまた殺伐としていて写真を撮る意欲もあまり湧かない。ただただドデカイだけ
道は広くて歩き易いのにお鉢巡りになると人の数が極端に少ない

剣ヶ峰への最後の登りは過酷だった。 傾斜が急な上に火山岩が砂利道の様になって滑って前に進めない
横に張ってある鉄の手すりを掴みながらズリズリと這い上がる

 
富士山 火口  確かにデカイ蟻地獄

             
             剣ヶ峰を目指す

 
いよいよ日本最高地点に向かう 砂利があって歩きにくい     富士山2等三角点にて

 
     日本最高地点でのシェー                     富士山火口

日本で一番高い所も結構人が少なく殺風景な印象でした。と言ってもそこそこの人はいるのでシェーを撮ってもらうのは
支障はない。 日本の最高点の三角点なのに 2等三角点だった。 これはどう屁理屈つけてもあっても一等三角点に
すべきじゃないの?国土地理院様〜

さて 日本で一番高い場所を制したからあとは下山しかない。家族の待つ河口湖登山口へスタコラと向かう

 
       お鉢巡りの登山道                    吉田口山頂付近から剣ヶ峰を見る


吉田口登山口近くから富士山の火口を見納める  もう来ないかも知れない・・・・

南側の富士宮から登って来て、北側の登山口は吉田口、河口湖登山口、須走口と共通の場所となっている
ここには山口屋支店という旅館、売店がある。 お土産を買おうと思うがお金をあまり持っていないのに気がつく

とりあえず 杖とお札とマグカップを買う。

  
      みやげ物屋が並ぶ                      吉田口山頂銀座通り

  
下山する段になって杖を買ってしまった         吉田口山頂を振り返る

山頂はラッキーにも晴れていたが、下界は雲が立ち込めて見えない。夏の雲が湧いてきて風が強くなる
山の天気は変わりやすい。 早く下りよっと

12時40分吉田口山頂を下りる。大分高度にも慣れてちょっと楽になり下山は快調だ。北側の富士宮登山道の風景は
溶岩などの岩がゴツゴツしているが、こちらの風景は茶色い平原ってイメージとなる。

でも見える植物は相変わらず「オンタデ」一辺倒  ザクザクと靴音をさせながら下山する


 
こげ茶色でなだらかな北東斜面                   8合目まで下る

  
須走口への分岐  ここまで山頂から70分            夏の雲が下界を埋め尽くす

須走口への分岐点があり、左側へとルートを取る。右に行くと東側の須走口へと向かう。ここから先はちょっと斜面が
崩壊しかかっている部分が目立つ。沢山の団体登山者が下山しているがドンドン追い抜いていく。

コークスの斜面を下りている様なものだから油断するとズル〜と滑る。

   
       フラットな砂漠 須走登山道              緑っぽいのは全てオンタデ

やがてルートはガレ場の落石事故防止コンクリート道を通り大きく左に迂回していく。ここまで下ると傾斜はなだらかになり
同時に猛烈な霧が出てきた。15時20分 吉田口と河口湖口の分岐に到着

この辺りからやっと砂漠の様な殺風景な風景からやっと木々のある景色に代わる。 するとこんな時間というのに物凄い
団体客が下から登ってくる。まるで昔映画「戦争と平和」で見たナポレオン舞台がロシアから撤退する様な光景だった
普段 登山者と対面したら必ず挨拶するが、これは無理ね

この等高線に沿って河口湖口に向かう登山道には色んな花が見られ退屈しなかった


 
    落石事故防止のコンクリート道               吉田口分岐  ここを又 左に進む

 
   何じゃ〜  この行列は!                    なるほど これじゃ 一日3万人も頷ける

  
      タイツリオウギ                         メイゲツソウ (まあ これもタデなんだけど)

  
     シオガマにクルマユリ                     タカネバラもある

    
   ミヤマオダマキ                           色気のあるミヤマオダマキ

普通の格好をした観光客がチラホラ現れだしたのでもう河口湖口は近い。観光客用の馬なども居り下界に下りて来たって実感する。
下界に下り付くと今度は逆に富士山がガスに包まれて良く見えない。

携帯電話を入れると富士スバルラインは大渋滞で上の駐車場が空かないと上がって来れなかったそうだ。いつも迷惑を
かけるので恐縮する。暫くすると4台の車に分乗した一族がバスターミナルまで上がってきて再会を祝する


 
      河口湖口手前の登山道                  河口湖口のバスターミナル


最初は全く富士山が見えなかったが記念写真を撮る時にラッキーにも姿を現してくれた
河口湖は霧に包まれて何も見えなかったので、ここまで上がってきて富士山を拝めたので大満足してくれた親父だった

 
    富士山をバックに一家の長老               甲府の温泉ホテルに入って乾杯〜〜

富士山  南側の五合目から登って北側の五合目に日帰り登山しただけでは何とも言えませんが、山としては日本アルプス
や石鎚の方が勝っているという感想。でも山歩きを趣味にする以上 一度は極めなければならない山頂でした

  
河口湖バスターミナルから見た富士山               まあ一応富士山登頂記念品なども

いつもながら私のエゴに協力してくれた家族に感謝


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