平成23年6月4日   花の石鎚山

土小屋より石鎚東稜コース〜石鎚三角点〜西ノ冠岳



石鎚山  三角点尾根のシャクナゲ   正面は西側から見る石鎚弥山


Toshi さんから掲示板に石鎚東稜コースのイワカガミとシャクナゲの様子が届けられた。
その時、以前石鎚水晶尾根をマーシーさんと這い上がった折の、石鎚三角点のシャクナゲの素晴らしかった
様子が目に浮かぶ。

じゃあ東稜から三角点を歩いてみるか・・・


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
土小屋〜石鎚東稜コース〜南尖峰〜天狗岳〜弥山〜石鎚三角点〜西ノ冠岳〜土小屋 
カシミールソフトを使用したGPS トラック・ログ図


6月4日05時に高松自宅を出発、07時30分頃土小屋に着く。高松から土小屋は遠い。帰りに新居浜に
寄る目的が無かったらちょっと行くのを躊躇する距離だ。まだ早いので土小屋ロータリーの駐車場にスペース
があった。ラッキー 


車を降りて準備をしていると愛嬌のある笑顔で挨拶してくれる女性がいた。あんりゃ きぬちゃんじゃない
のさ! とすると青帽子のやまちゃんはどこだ? いたいた 愛車ジムニーの近くでこちらに向って挨拶して
いる。以前裏寒風で会った時「そんなヤワい帽子をかぶるな〜」って一喝したのに捨てずにまだ被っている
ではないか。

やまちゃんはマラソンなどもするアスリートで、山へ行く時のどうでも良さそうな目的などを箇条書きにして
気合をいれるタイプブログが面白い。一応山行を行ったあと、良かった点、悪かった反省点などを列記して、
まるで小学校の優等生みたいな総括をする。
やまちゃんの礼儀正しい体育会系ときぬちゃんのかわいい笑顔の
コンビネーションが特長のカップルだ。
「どこへ行くの?」と聞くと「東稜です」と答える。あれ?おんなじ
じゃん

今、土小屋はシロヤシオの筒上山と石鎚組に分かれる。

「一緒にいくで?」と言うと「お願いします」と答える。う〜〜ん かわいいやつらじゃ。でもお邪魔になら
ないかと心配しながらも一緒に出発する。
二人と久しぶりにとりとめもない話しをしているとあっという間に
08時50分東稜分岐に到着。


休憩所には中国地方から来られたグループがいて向こうの天気が悪いからこちらに来たと言う。大山はお山開き
で今晩松明を焚くらしい。
見知らぬ登山者とのちょっとした会話は山歩きの楽しみでもある

裏手の東稜へ向うと「え? そんな方へ」と後ろから驚きの声がかかる。マニアックルートを歩く者にとっては
ちょっと得意になる瞬間だ。


 
  石鎚登山道はどの季節に歩いても美しい             東稜分岐の休憩所  中国地方から来られた登山者

さて、東稜コースのやま・きぬコンビはと言えば結構いいペースでついて来る。さすがじゃなあ

白骨樹がある場所でシャクナゲが現れたのでやまちゃんにシャクナゲと白骨樹と東稜を写真に収めるようリクエスト。
見るとザックの中から一眼レフを出している。そうか、東稜コースではカメラが邪魔になるのでザックの中に仕舞って
るんや。手間をかけてしまった。

笹滝が見える場所まで進むとこんな時間に上から登山者が一人下りて来ている。二人は「木下さんみたいやなあ」と
言っている。顔見知りの人らしい

近づくと二人の予想通りその方で、やまちゃんが挨拶をしている。話しこんでいるとどうも今朝がたの石鎚夜明け写真
を撮っていたらしい。弁当箱みたいな大きなデジタルカメラを出して夜明けの天狗岳画面を見せてくれた。そう言えば
以前、墓場尾根辺りでこのヘルメット姿で写真機を持ったこの人に会った事がある。大げさないでたちの理由を聞くと
「ヘルメットは落石だけでなく木などで頭を怪我しない為」だと言う。合点 ガッテン がってん !


 
    東稜コースのシャクナゲ                     あ〜 今日もあの笹滝を這い上がるのか〜

 
    木下さんに写真をみせて貰う二人                  笹滝を這い上がるやま・きぬコンビ


きつい笹滝を這い上がると09時40分南沢からのコルに着く。要するに石鎚南沢をどんどん這い上がって来ると
この場所に到着する訳だ。ここにシャクナゲの群生があり、周りの岩峰を背景に素晴らしい景色を作っている。


石鎚南沢ルートは ここ

今までシャクナゲといえば暗い林間にぼ〜〜っと派手くるしい花をさかせ、それが余計に陰気なイメージをかもし
だしあまり好きではなかた。しかし、ここのシャクナゲはどうだ
明るい太陽の下、絶壁の友として思う存分明るく
輝いている様だ。




         南沢コル近くより南尖峰を見上げる


                         今日の山友 やまちゃん、きぬちゃん

 
   やまちゃんが撮ってくれたエントツ山              南尖峰の岩がバックに聳える

更に頭上高く聳える東稜基部へ向って進むと、細いピークを越え、西沢からのコル部に着く。すなわちここも石鎚
西沢、中沢からどんどん這い上がっていくとここに到着する訳だ。

石鎚中沢ルートは ここ

このコル手前は岩場となっており、イワカガミが沢山咲いている。岩を乗っ越してカニの横這いをコルに進む。この
場所から南尖峰を見上げても尚、こんな岩場を上がれるんかい?という厳しい風景だ。


10時06分最後の岩棚まで来ると「あれ? いつものデベソが無いぞ」東稜最後の岩場は腕力の無い女性にとって
難所と言える。ここは普段2m半あたりの高さに岩盤の間から尖った足場岩が丁度良い具合に突き出ており、そこに
何とか掻き付いて腕力で足場岩まで身体を引き上げる。ここまで上がれば後は問題なく南尖峰はすぐ上だ。
さもなければ、左手にある本の見開きの様な岩の窪みを這い上がり、並行に走る岩の割れ目に沿って足場岩まで移動
する。

が・・・今、そこを見ると足場岩が崩落していてのっぺらぼうとなっている。

ロープがグラグラ木より垂れ下がっているが、これは女性の腕力ではちょっと無理っぽい。先にこの岩場を上がって
様子を見ていると、やま・きぬコンビは慌てず左手へと進み、別ルートで這い上がってきた。きぬちゃんの方が岩場
では身軽やとやまちゃんがボヤく。



 
                             石鎚東稜コースのイワカガミ


 
東稜コースの見せ場 カニの横ばい                     ホンマにこんな所登れんの?

 
  あんりゃ? 足場の出っ張り岩が無いぞ                これが肝心の岩の出っ張りだった (崩落前)

 
       東稜コースの最終地点                   南尖峰の岩場を這い上がってくるやま・きぬコンビ

暫く南尖峰で休憩の後、弥山へと向う。二人に先へ行ってもらい、天狗岳にいる二人の写真を撮る。その後天狗岳
で合流し、10時44分私は石鎚三角点へ行くので一応二人にお別れする。


弥山直下の鎖場は岩場に慣れない登山者で大混雑して相当待たされる。10時58分やっと弥山へ着き、石鎚大権現
に来るべきLNG船の安全を祈り、社殿でお札を買おうとするが、珍しく記帳を希望する人がおり又相当待たされる。
するとやま・きぬコンビに追いつかれちゃった。


で・・・又お先にと石鎚三角点へと向う。石段を下りた場所に石鎚ザクラの樹があり小さな花を沢山つけている。

 
石鎚天狗岳の山頂に立つやまちゃん・きぬちゃん               ちょっとズームアップ

 
  やまちゃん しぇ〜〜付き合ってくれてありがとう              きぬちゃんとツーショット

 
    アケボノツツジが咲き残っていた                         ムシカリとアケボノ

 
    石鎚天狗岳 裏側から                         石鎚天狗岳  表側から

面河ルートへ進み、縦走路分岐で右手に進む。しばらくトラバース道を三角点への取り付き部を探しながら歩くと、
石にテープが2重巻きされて置かれている。ここから最初は踏み跡が薄いが稜線へ向ってルートが確認出来た。
三角点の分岐を這い上がっていると、何とやま・きぬコンビに又追いつかれた。そこで声をかけて石鎚三角点まで一緒
に行く事にする。



11時40分三角点尾根に這い上がると、予想通り怪獣の様な弥山岩峰(垂直)を背に、白骨樹(垂直)を配して
シャクナゲ(水平)が咲き誇っている。う〜〜んこりゃ理想的な構図だ。満足〜〜

石鎚三角点に11時50分着き、3人で写真を撮りあう。その後、私は尾根伝いに西ノ冠岳まで足を伸ばす事にし、
又二人と別れる。


 
    お〜元気な子供も石鎚に登って来たぞ             イシヅチザクラの大きな樹がある

 
    三角点尾根のシャクナゲ                     三角点尾根のシャクナゲ

 
   三角点尾根のシャクナゲ                            石鎚三角点はここだ〜

石鎚の北側には水晶尾根以外に2つ程尾根が存在する。その支尾根を確認しながら主尾根を歩くのだ。しかし主尾根
は笹薮が深く、その上モミの枝が低く拡がって障害物となり往生した。
やっとの事で12時20分西ノ冠岳が眼前に
見えるコル部まで到達し、下の登山道を見下ろすとあれ?やま・きぬコンビが優雅に昼食を取っているではないか


インディアンの襲撃シーンを真似て二人の所へ「アワ アワ アワ」と声を上げながら下りて行く。二人からゲジゲジ
眉毛のおいわさんに石鎚三角点の取り付きで会った事を聞く。
四国では剣山頂上小屋の新居さんとならぶ立派な眉毛の
持ち主なのだ。羨ましい〜〜〜  まあ他人が羨ましくても本人は悩んでいる事だって世の中にはあるのでこの話題
はそこそこにしておこう


「ところでお花畑ってここ?」「そうです」 「で・・・ユキワリソウってどれ?」「あそこに」「え? どこ」
「あのあたりに・・・」「え? どれ?」
何度もこの辺りを歩いているが、ここが皆さんが言う「西冠・お花畑」
だったのか
。 単なるザレ場と思っていた。

慎重に小さな植物を踏まない様にあの辺りと言われた場所へ進むとちっぽけな花がけなげに咲いていた。あんれまあ
これがあちこちの掲示板やHPに大きく載せられた雪割り草の正体かぁ 
う〜〜ん レストランなら「看板に偽りアリ!」と訴える所だが、相手は山野草だ。どこに文句を言えようか


 
   石鎚三角点から尾根を西に進む                       ここの尾根は荒れている 

 
       やっとコル部の上まで出る                     西ノ冠岳が正面に見えてきた

 
       キバナノコマノツメ                     これはトンちゃん撮影 寒風山のユキワリイチゲ



          生まれて初めて見た・撮った石鎚のユキワリイチゲ  非常に小さな花だ


ユキワリイチゲを教えてくれたやま・きぬコンビに別れを告げて西ノ冠岳へと進む。この時期ここに来る登山者が
極めて少ない様で踏み跡は相当荒れて時間がかかった。13時00分 西ノ冠岳について、お目当てのイワカガミ
を探すが見つからない。辺りを相当ウロウロした挙句に引き上げる。こんな事なら二人と一緒に土小屋へ帰るん
だったわい。


 
西ノ冠岳のシャクナゲ  バックは二ノ森、堂ヶ森              西ノ冠岳に咲いているイワカガミ

途中で20人位の団体登山者に遭遇。先頭のリーダーは女性で堂ガ森まで縦走中と言う。登山者に声をかけると大阪
や東京からのツアー参加者だった。


その後、どこかでみかけた様な単独者に会い、挨拶をする。ん? 一体誰だったのだろう?と考えながら歩く。ひょ
っとしたら太鼓会館さんか
・・・・・(後でやまちゃんにその事を話すと、きぬちゃんが太鼓会館さんの特徴ある車が
土小屋に停められているのを発見 納得〜)


朝上がった東稜分岐まで来ると登山道を整備している人達がいて、ちょうど東稜から下りてきた人と声を交わしていた。
旅は道ずれ・・・この方は私の掲示板を覗いてくれているクムトマトさんでHP、掲示板運営の苦労話・裏話やグチなど
を聞いてもらいながら一緒に土小屋へ向う。15時43分石鎚国民宿舎分岐でお別れして土小屋の駐車場に着く。


あまり見ない角度から石鎚弥山の姿  鉄階段も見える 結構切り立っているでしょ

 
    石鎚山のヤマシャクヤク            一般登山道も満足出来る風景

あれ? 青レンジャーがまだ居るではないか。それと数が増えている。懐かしいストーンリバーさんと、つらつら山の
「ろくべえ・かお」さんだった。


「ろくべえさん」は私と同じ骨格をしており、車も同じラッシュなので良く間違われるそうだ。すんません それと彼
は顔に似合わず独特のポエム・ブログを運営している。
以前うる覚えで「くろべえさん」とかブログ名を「つれつれ山」
だとか間違って紹介したりした。 これも又すんません


ろくべえ・かおさんの「つらつら山」ブログは ここ

みんなで旧交を温めていると、土小屋の食堂からソフトクリームを平らげたさぬき乙女隊(蘭ちゃん、Keitannさん、
Reikoさん)とその用心棒えーちゃんだ。さらにいつもダンディなHIROさんも・・・



 
   クムトマトさん                             ろくねえ・かおさん   ストーンリバーさん

 
エントツ山とろくべえさん 間違わないでよ〜〜          Reikoさん Keitannさん え〜ちゃん 蘭ちゃん HIROさん


山仲間は一緒に歩けなくても登山口で会うだけども嬉しいものだ。

今日は単独で土小屋に来たが、石鎚三角点のシャクナゲを見れただけでなく、やま・きぬコンビと一緒に歩けたり、
沢山の山仲間に会ってとてもお徳感が一杯の山行であった。



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