2003年12月14日
祖谷のかずら橋をはぐくむ平家落人伝説の山「寒峰」 シーズン初の雪山登山
  
   「寒峰」 アクセス道路地図  大歩危より登山口まで車で約50分

 
  カシミール平面図による「寒峰」登山ルート
  上り : 住吉神社よりの西ルート 頂上まで約2時間45分
  下り : 東ルート林道コース 分岐より約1時間30分

雪の「寒峰」へ盟友ロボコンと忘年会登山  12月14日

我が登山盟友であり、私の叔母ライオンウサギの夫「登山ロボット・タッキー」(通称ロボコン)から「山 どうですか?」とメールが入る。
串が峰の立派な標識が松山さんより届けられて気になるが、「寒峰あたりどうでっしゃろ」と返事して今シーズン初の雪山登山成立。 
香川と愛媛と別方向からなので阿波池田の合流地点から一番近い山際の広い所(アバウトすぎた)で朝8時半待ち合わせと決める。

この時代に携帯電話を持っていないという羨ましい環境の前近代ロボットだが、待ち合わせの時は不便極まりない。予想通り待ち
合わせに失敗して結局以前ロボコンがうなぎ弁当を買った「レストランまんなか」の公衆電話から連絡が入る。
出かける前メールを開けると「山アザミ・ノリピー」からメールが入っており、東祖谷山村の「いやしの温泉郷」に行き大雪に遭遇と
あった。この為第二待ち合わせ場所で無事合流した後、雪道に強いロボコンの4WD車「モビリオ」で登山道まで行く事にする。

 
  439号をこの標識から左に入る     下瀬集落を抜けて奥の井へ
 
大歩危から祖谷のかずら橋へ行く道に入り、途中、京柱峠からの道に合流し439号線を剣山方面へ進む。京上という学校など
がある集落を抜け、八幡神社方面の標識を左折。茶色の4段標識には八幡神社・安徳帝御火葬場跡・住吉神社・寒峰と書かれ
ている。(途中で地元の人に登山口の住吉神社を聞いたがわからなかった。)舗装道路を山にはいり10分位で住吉神社に到着。

 
 奥の井登山口  駐車場は無い     住吉神社 ここから登る

旺文社の「剣山周辺地図」には駐車場ありと記載されているがどこにも駐車場は無い。路肩にせいぜい2台くらい置けるスペース
しかなく、登山者が多い場合は300メートルくらい手前まで引き返さなければいけないだろう。幸い今日は一台もいない。そんなに
マイナーな山なのだろうか?

10時に住吉神社の石段をあがり、お参りしたあと左側の杉林沿いに登山道がある。頭上の杉からは解けた雪が雨の様に降り
注ぎ首筋に入ってゾクっとする。最初から急な上り坂が続く。雪が結構積もっているが今シーズン初の感触を楽しむためアイゼン
は着けない。約50分くらい歩くと右手に「福寿草自生地」の標識があった。是非3月に福寿草を見に来なくては。

 
   杉林の登山道が続く        福寿草の自生地看板に見入るロボコン

なおも雪と杉林の登山道が続く。この辺りの木を見上げるとかずら橋に使う立派な「シラクチカズラ」が垂れ下がったり絡んだり
している。最近はカズラも減ってつり橋保存会も苦労しているようだ。

 
 雪の登山道 ちっとも寒くはない   これが祖谷のかずら橋の材料

この雪の登山道は赤いテープが随所に見られるので間違うことは無い。谷へ滑り落ちそうな箇所もあり退屈はしない。沢に出る
辺りでは一瞬視界が開ける。イノシシの足跡が登山道に続き、一旦谷に消えて又登山道に続いている。出てこないでネ

 
 沢の水を飲む私 ベストは暑いから脱いだ  退屈しない雪道

      
  イノシシの足跡が導いてくれる  ブナ林には鹿に皮を食べられた木が

約2時間くらいで視界が急に開けブナ林に出る。やはり自然林が明るくて良い。ここから西寒峰(標高1,518m)を少し
トラバースして尾根に出るまでは素晴らしい景色の連続だ。

    
         雪山の登山道はこうでなくっちゃね

  
   ツララのある風景            樹氷もツララになっている

登山口から約2時間半で寒峰山頂に続く尾根に出る。尾根の途中から樹木が次第に低くなり、やがて笹原となって頂上へ
と続く。ここが山と渓谷社の四国百名山で登山者がピッケルを持ってぞろぞろ登っている写真の場所じゃぞ

 
 寒峰の頂上が見えたよ〜         山頂へ続く低い潅木の尾根道

     
             寒峰 山頂 1,605m

     
  
 山頂手前 笹の登山道(山渓写真の場所)    寒峰頂上へ立つ

    
       寒峰山頂の風景   左奥は中津山

最後の上りを頑張ると素晴らしい展望が開けた。前方の帽子山・矢筈山方面は剣山までず〜とガスがかかっている。
南東方面は綱附森から牛ノ背・天狗塚と雲がかかっていないので良く見える。前回、南側の白髪山から見た景色を
今度は北側から見ている。少し遠くて臨場感がないのは祖谷川をはさんでいるので仕方が無い。思ったより時間がかか
ったのでお腹が空いた。ロボットもエネルギー補給のサインが出ているらしい。

    
 まずは山の神に弁当を捧げて、結局は人間様がいただくことに(国見山バック)
    (バナナとゆで卵とリポビタンDはライオンうさぎからの差し入れだ)

 
   ロボコンも食事タイム         後ろには懐かしい「国見山」が

     
       これが寒峰から見る いとしの 「三嶺」です

山頂で暖かいお茶をすすりながらゆっくり食事を楽しむ「グルメロボット」を残して、帰りの道をチェックに東側の尾根に
下りてゆく。笹と雪で歩きにくい。すると落合峠へ向かう尾根筋は一面の樹氷が広がっている。その向こうにはガスの
切れ間から前烏帽子、その左に烏帽子山、尾根の右側には矢筈山の山塊が見える。

     
            寒峰から落合峠に向かう尾根道

 
   重たくへばりつく樹氷           東側分岐より寒峰の風景

東側から来る登山道分岐が見つからず相当尾根伝いを進む。ロボコンが寒峰より心配そうに覗いている。構わず進む。
すると 寒峰0.3km、落合峠4.7km、奥の井4kmの分岐標識があった。 あたりの樹氷が素晴らしくロボコンの事を
忘れて自然美の虜になる。ロボコンの金属音に我に返り、リュックやストックを取りに引き返す。私の「下山道発見!」の声
に二人分の道具を引っさげたロボコンがやって来た。二人で又樹氷の美しさを堪能する。

     
     近頃日本の夜をけばけばしく輝かせている「電飾ツリー愛好家」
     に見せてやりたいこの天然ツリーの素晴らしさ

    
      懐かしい天狗塚牛ノ背が彼方に見える

   

2時近くになったので東側のルートで下山開始。少し下がると東側の視界が開ける道となり、すると今までガスがかかって
見えなかった剣山方面が少し顔を覗かせ出した。三嶺あたりの下側から湧いてくるガスが次第に上がってくる。待つこと20分
。やっと次郎笈、剣山の撮影に成功! 帰って画像を取り込んだらデジカメ設定が動いていて夜景モードで撮っていた。ガックリ。

    
      夜景モードの写真を必死で補正してこのザマです

帰りはまだ小さい杉の植林帯を通りグングン降りていく。尾根筋に入ると作業用のモノレールが敷設されておりしばらく並んで
進む。このモノレールが右下に分かれる場所から尾根道を外れて左に下がる。この場所はテープが無いので注意が必要だ。
左に尾根道を下がってすぐ今度は右側のくぼ地に沿って進むと、スケールの大きい杉の植林帯の中に入りテープが現れる。
薄暗い杉林の中にプレハブ小屋があったが近づくともう傾いていて廃墟になっていた。

 
 若杉の植林帯と笹の下山道      モノレールに沿って進む

  
 造林小屋跡の横を通る         ヘソ曲がりはどこにもいるもんじゃね

いきなり小さなダムのような貯水施設(砂防ダム)が現れ面食らうが、その横の橋を渡り、杉林の林道を延々と降りてゆく。
下り坂がなだらかになっても道は続く。すると林道の工事現場があり3−4人の作業員の人たちがコンクリートを打っている。
日曜日なのにご苦労な事だ。済まなさそうに「奥の井へはこの道でよろしいでしょうか」と聞くとそうだと答えてくれて、「山は雪
だったろう?」と話しかけてくれた。割といいオッサン達だ。
雪が解けて、作業車が通ってグジュグジュになったぬかるみの林道を15分くらい下ると見覚えのあるモビリオがご主人様の
帰りを寂しげに道端で待っていた。

 
 東ルート最終は林道となる     林道をおりると住吉神社前に帰って来た。

年の瀬で忙しくなる前に盟友「ロボコン」といい山登りが出来た。この「100名山宿敵ロボット」は寒峰で53山になるという。
こちらもちょっとどのくらい登ったか調べようっと。  寒峰 福寿草を見に又来たい山です。




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