徳島の人には申し訳ありませんが私にとって剣山は山行きとしては魅力がありませんでした。頂上が整備されすぎていて四国で
2番目の高山とは思えないのです。徳島の山といえばやはり「三嶺」「天狗塚」がいいと思っておりました。。でもここ剣山には切り
札があります。宮尾登美子の小説「天涯の花」で一躍有名になったキレンゲショウマなのです。このキレンゲショウマ群生地を
見に8月12日雨模様の中を剣山へ。
徳島方面から出かけましたので美馬インターで下りて、貞光から国道438号線一宇経由で行きました。貞光には「うだつ」の町並
みが残っており、途中、土釜と呼ばれる急流が岩を穿つ名所と鳴滝に寄りました。
一宇町の名所 「土釜」(どがま) 土釜からすぐ近くの「鳴滝」
リフト乗り場には雨と霧にもかかわらず県外ナンバーの車が来ており、雨具に着替えています。雷注意報まで出ているので「行くん
ですか?」と聞くと「はるばる本州からやって来たので登ってみます。」との返事。 行場方面への道は初めてなのですごい霧で不安
になりながらもこちらも雨具に着替えリフトに乗る。
シシウド カニコウモリ レイジンソウ
メタカラコウとソバナ 山アザミ、タカネオトギリソウ タニソバ
ナンゴクグガイソウ トモエシオガマ
リフトの西島駅につくと思った程の霧ではなく、小さな孫を連れた登山者も結構きている。中央登山道にはこの時期、タカネ
オトギリソウ(黄色)やシコクフウロ(紫)、ハナウド(白)などたくさんの花が咲き誇り思ったよりお得な気分になります。こちら
は通称「刀掛ノ松」から左へ折れ一の森、行場方面へ進む。 約20分くらいで更に左下、行場に下がる道があり、その左手
の谷に「キレンゲショウマ」の群生が現れる。ここで第一感動モードに入るが、しばらく下っていくと今度は右手の上り斜面に
黄色のオタカラコウとキレンゲショウマの群生が現れ感動モードが更に盛り上がる。雨の為足場が悪いが気にならない。
これが剣山のキレンゲショウマ です
行場谷への道筋にあるキレンゲショウマの群生
行場近くに咲くキレンゲショウマ
キレンゲショウマの咲く岩場 谷筋に咲く花
キレンゲショウマと谷
霧とキレンゲショウマの咲く登山道
古剣神社と両剣神社が大きな岩の下にある。天気が悪いせいか平日のせいかこちらに来る人が少なくてラッキー。ゆっくり
写真撮影しながら花を観賞できました。ここから剣山山頂ヒュッテまで沢沿いを登ってゆく。この沢にも沢山のキレンゲ
ショウマが咲いていて3度もおいしい思いをさせてもらった。確かに登山道から撮影する花はアングルが限られているので
随分中まで踏み込んだ後が見られた。そっと登山道から見守るだけでも十分である。石鎚山系でのキレンゲショウマの
惨状を見るに、この素晴らしい剣の財産をいつまでも守っていってもらいたいものです。
登山道のかわいい子供達 山アジサイの咲く登山道
剣山山頂ヒュッテ近くの登山道にはタカネオトギリソウ、山アザミ、シコクフウロが両傍に列をなして続く。ヒュッテを
通り抜け山頂へ。この季節にくるとどうして剣山の山頂に板の歩道が施されているのが理由がわかる。頂上の広場
はお花畑になっていてこれを保護する為だ。でも頂上の三角点は興ざめ。山なんだから護岸工事の様な風景には
して欲しくない。でも登山客の多さを考えると仕方ないのかも。
味気の無い剣山山頂 次郎笈方面から見た剣山
剣山から次郎笈 (シコクフウロ)
剣山への単調登山に飽き足らないので南西隣の次郎笈へ縦走。一旦尾根を下がり次郎笈峠へ向うがさすがこの
尾根道には誰も来ていない。尾根の上り道になると又花が咲いていてきつい登りの清涼剤になる。峠付近で本州
から来たという老夫婦に出会う。「元気ですね」と声をかけるとこれから八幡浜に出ると言う。ここで会ったが8年目
、デジカメのシャッターを切ってもらう。三脚をセットするのが面倒くさい無精者の私はよく他人に頼むが皆快く応じ
てくれます。でも大体が人物を中央に入れて周りの景色には無頓着です。文句は言えないでしょう。
次郎笈縦走路の風景 剣山を見る
次郎笈縦走路からの風景 笹のスロープ
霧に霞む大剣岩 シシウドと大剣神社の岩盤
次郎笈の山頂は見晴らしが良い感じですが、生憎の霧で剣山ですら霞んでいます。尾根道を下山して、剣山頂上へ
は帰らず途中から大剣神社に寄るルートで西島駅に向う。剣山は大きく丸い山なので女性的ですが、ここかしこに
石灰岩の大岩があります。大剣神社にも剣のような岩盤がそそり立っていました。大剣神社には偶然宮司さんとお
話が出来て、例の宮尾登美子の小説の話を持ち出すと意外な内輪話が聞けた。
「天涯の花」では捨て子の女の子を宮司さんが育てますが、実際は男の子でその子が目の目で話をしている宮司さん
だった。宮尾登美子さんが取材に徳島市内のホテルにみえられて話をした。それをヒントに女の子の話として小説に書
いたのだ。へ〜〜 色々得する事があったこの剣山でありました
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