平成22年12月4日  忘年会登山   天狗塚・牛ノ背


谷道ー牛ノ背ー天狗塚ー牛ノ背(三角点)−オコヤトコ 周回



カシミールソフトを使用したGPSトラック・ログ図
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 

今年の忘年会登山は紫雲さん、与力さん達と一緒にしようと計画。いままであまり足を向けていなかった天狗塚の南側斜面
のルートをお願いして案内して頂く事に。 ペーコちゃんが参加出来なかったのでグランマー啓子さんに声をかけてご一緒
する事になった。

石鎚山系から雪を被った剣山系の主稜線を眺めると、先ずこの牛の背、天狗塚あたりから山塊が剣山へと続いているのが見える。
つまり石鎚山系から見ると、剣山系の出発点とも言える山域である。

この牛ノ背山塊へのアプローチは北側の久保蔭から西山林道沿いがメインであり、亀尻峠の西側や牛ノ背の南側から登るルート
は、登山口までが遠い事や、地形の複雑さから下山に道迷いが発生しやすく一般的で無いとされている。

いままで様々な理由でこの界隈に入るのを遠慮していた。でもそろそろ解禁しても良いだろうと気持ちに折り合いを付けて気の合う
仲間と出かける事にした。


牛の背南尾根を登る

06時30分祖谷道の駅で合流。与力さんの案内で2台に便乗し登山口へ向かう。

京上トンネル手前で右手に曲がり、谷道川沿いの道路へ入っていく。最初は民家などがあって舗装されて
いるが、その内未舗装道路となる。この辺りは初めて乗り入れる未知の山域だ。アプローチは谷道川の左岸
(進行方向へ沿って川の右側)を与力さんの車を追ってドンドン進んでいく。


川を挟んで東祖谷の麦生土(むじゅうど)、阿佐を抜けると、古味辺りで川が2つに分かれるが道なりに右手
から迂回をして左の本流へと進む。


秋が楽しみな雑木の生えた谷道が続く。所々に水溜りがあるものの、普通車で通行可能な道路状態である。
07時15分頃オコヤトコ対岸の土捨て場の様な広場に駐車。
準備をし、07時24分ここから更に林道を歩く。

07時40分京柱峠へ続く林道が右手にあり、少し覗くと直ぐに通行止めのゲートがあった。左手上方には朝日
を浴びて黄色に輝く牛ノ背の笹原が見える。絶好の登山日和である。


普段なら退屈な林道歩きであるが、今日はグランマー啓子さんの明るい声が谷間に響き苦にならない。


 
07時22分 林道の広場で用意する                   07時40分 京柱峠への分岐を過ぎる

 
08時08分 天狗塚の標識があり谷へと下りていく          08時14分 沢を渡る

更に歩くと、08時09分左手の谷に植えられた杉の木手前に「天狗塚」の標識が立てられている場所に着いた。
右側には何か白い看板も見られた。どうもここから一旦谷へ下りる様だ。


急な斜面を川床に下りると適当な大石が点在する渡渉部がある。先に渡った与力さんがカメラを構えるが、期待に
反して何のハプニングもなく渡りきる。


沢を渡って落ち葉が一杯の斜面を滑りながら這い上がると作業道があった。

この作業道を左に歩き、コーナーを曲がるとそこから又沢へと下る。えらい「まどろっこしい」ルートだこと。
最初は雑木を掴みながら下がるが、川床近くでは樹木がなく滑りながら下り付く。 ここを渡渉すると対岸の護岸
整備工事場所を又這い上がる。


08時30分やっと尾根へ取り付き登山が開始される。

 
一旦 対岸の斜面を登る                           少し林道を作業道を進み又沢へと下りる

 
08時27分 沢を渡り又対岸を這い上がる             ここから尾根へと入る


最初は雑木が密生したり、倒木などがあり歩き辛いがしばらくすると快適な尾根道となる。
この山域は不思議と笹薮は全く無く、スペースも十分で、愛媛の藪尾根で苦労している身としては実に歩きやすい。

09時20分なだらかな登りの後一旦鞍部に出る。すると少し進んだ前方に大きな岩が立ちはだかる。右手から
大岩を回り込み枝を掴んで這い上がると前方に魅力的な景色が飛び込んで来た。牛ノ背、天狗塚のセットはこういう
場所からの風景もあるんだなあ


今取り付いている牛ノ背への尾根と天狗塚から南西へ伸びる尾根との間には深い谷がジグザグに切れ込んでいる。牛ノ背南斜面の
樹林帯は黒っぽく重い色相いであるが、トップ付近で長い笹原となりその境界の上側が陽を受けて黄色く輝いている。天狗塚の方は
手前の大きなピークの向うに続く鋭角な山頂まで南面は樹林帯特有の黒っぽい色となっている。


 
尾根は結構荒れている  08時43分                 岩などもあり変化がある  (09時)

 
09時25分  大岩展望所直下に到着                  09時30分 大岩に這い上がる


         牛ノ背と天狗塚が見える   ええとこや〜

不安定な大岩に跨りながら皆で景色を楽しんだ後、更に上を目指す。大岩の付け根付近はシャクナゲの藪に
なっているが、ルートはここを正面突破する様だ。私やマーシーさんには毎度の事であるが、グランマー啓子
さんは女性らしい声を上げながら藪に突っ込む。


シャクナゲの藪は直ぐに抜けて、そこからはスペース豊かな樹林帯を歩く。日差しが足元まで差し込み、
反対側には樹木の間から綱付森らしき山塊が見える。


10時10分大きな木が立ち並ぶ気持ちの良いなだらかな場所を歩く。それぞれが好きな場所を散会して進む
と10時30分頃にはススキとモミの木がまばらに立った森林限界付近に着いた。足元に広がる背丈の短い笹
には鹿と思われる獣道が縦横に走っており、適当にそれを選んで歩く。


天狗塚の鋭角的な尖がりが右上に見えて、歩く傾斜が急になるのもあまり苦にならない。ここまで紫雲さんと
グランマー啓子さんが遥か先をトップを歩いていたが、やっと合流。

ちょっとした岩場で天狗塚をバックに記念写真を撮る。私には色んな山仲間がいるが、今日のメンバーも気兼ね
のない良い構成である。



 
09時42分 大岩奥のシャクナゲ薮に突入               細尾根を歩く

 
10時10分 巨木広場に出る                        10時30分樹林帯を抜ける


天狗塚をバックに記念撮影   10時36分


         土佐矢筈をバックに笹尾根を進む

 
尾根を少し外して天狗塚へショートカット               紫雲さんとグランマー啓子さん お付き合いありがとう

牛ノ背の森林限界線は直線ではなくクネクネうねりながら天狗塚へと続いている。笹原の傾斜は次第に緩やかに
なり11時00分なだらかなに波打つ牛ノ背砂漠に到着。


ここまでは暖かかった南斜面であるが、さすが牛ノ背の上は風が強く冷たい。皆で天狗塚を目指す。グランパは
相変わらず写真を撮りながらしんがりを務める。


左手から地蔵の頭、天狗峠の丸い山塊と対照的な右手の鋭角な天狗塚を眺めながらのんびり歩いていると久し
振りに「カタックリさん」と会った。へ〜こんな所にも登ってるんだ。

天狗の池は端が凍っており、紫雲さんがお得意の長靴でバリバリと水に向う。こういう時は長靴がいいのだが、
登りや下りではどうなんだろう。
池のほとりで香川県の山岳グループとすれ違い、11時38分天狗塚山頂に到着。


 
    傾斜は緩いが結構キツイ                       11時00分 牛ノ背に上がる



 
天狗の池  紫雲さんはお得意の長靴姿や (11:20h)           香川の登山者に遭遇


        牛ノ背は雄大や    森林限界がよくわかる

天狗塚から見下ろす牛ノ背は天空に泳ぐ巨大な鯨の様に丸く西に向って伸びている。その地平線には
石鎚山系の山並みが空と地球を区切っている。眺める限り牛ノ背は単調なカマボコ型でその向うには
登山者を迷わす複雑な地形を持っているとは思わせない。

東側は天狗峠、地蔵の頭の向うに三嶺が斜めに横たわり、その右手彼方には次郎笈と剣山の吊り尾根
がまるで中央が凹んだ一つの山の様に見える。
風を避けて山頂の南斜面で行動食を取りながら休憩。

天狗塚の南側にはピークを持った尾根が谷道川へと落ちて行き、その谷の向うには綱附森の縦走路が
西に向って伸びている。その向うにも山並みがあるが、それがどの辺りなのか定かではない。


山頂でシェーを誘うが紫雲さんやグランパは気高いのか、茶目っ気が足りないのかそんなバカな行為には
なかなか乗って来ない。それがわかっているので与力さんだけを誘う。




  11時38分 天狗岳山頂に到着    まあ  ヒコーキもやっとこう

 
      シェーもやっとかなきゃ                      地蔵の頭への縦走路

 
グランパ、グランマー啓子さん おつきあいありがとう        12時11分 天狗の池に降りる 

牛の背砂漠をミツコバ(三角点)へと歩いていると又香川の団体に会い挨拶をしていると、グランマー啓子さんの
知り合いで香川の「くろべえ・かお」さんご夫婦にも遭遇。 ころべえさんは「つらつら山」という異色のブログ
を運営されている
方で、お住まいも私の国分寺から近い。

一緒に牛の背を西に歩き、私は西端の低いルートを取る。12時40分ミツコバ(三角点)に着き、その下部で堰堤へ下りると言う
くろべえさんご夫婦と別れる


 
      牛ノ背社交場                            天狗塚を振り返る

 
        ただっ広い牛の背                     本体とは別なルートを行く  砂漠みたいや〜

 
12時40分 牛ノ背三角点(ミツコバ)  くろべえさんご夫婦と      三角点からは背伸びをして天狗塚の頭が見える

13時00分、少し下がった広い場所で昼食にする。レスキューフードという水も火も要らないカレーと牛丼を
用意し、鍋にお湯を沸かしラーメンを作る。


6人揃えば話しに花が咲き、待ち時間も気にならない。笹原に寝そべって石鎚山系を眺めながら食事をする。
ここでグランマー啓子さんがソプラノを歌えばまるでサウンド・オブ・ミュージックの映画の様だ。配役はもう
一つだけど・・・


「余ったものはマーシーの胃袋へ!」の標語通りに片づけが終わり、14時頃下山する事に
 
 
くろべえさんご夫婦と別れる                      13時30fるん  レスキューフーズで昼食 



     石鎚山系をバックに最高のピクニック場所

只っ広い牛ノ背三角点の西側に広がる笹原から目標の尾根に乗るには視界が良くても至難の業だ。眼下に見える
尾根の樹林帯へと下りて行く。


14時20分アセビの木を過ぎると樹林帯に入っていく。ここは細尾根ではないので樹林帯に入ってしまうと
紫雲さん、与力さんの案内がなければコース取りは不可能に近い。


モミの密生した林を少し左手へ進みながら下りて行く。その間にも紫雲さんと与力さんが声を掛け合って相談し
ながらコース取りをしていく。 ここは二人にお任せだ。
14時37分平たい地形になると、どでかいヌタ場が
現れ、そこを抜けるとカラマツ林となる。 秋は綺麗やろなあ


そこを抜けると14時42分阿佐分岐に着いた様だ。分岐と言っても登山道がある訳でもなく、テープと境界杭があるだけで、
単独ではとてもここで正確なルート取りは出来ないだろう。


 
    14時10分 下山開始                        牛ノ背三角点方面を振り返る

 
      祖谷の山々を同定する                      アセビの木を過ぎると樹林帯に入っていく

 
   こんなところコース取りが出来まへんわ (14時25分)            ビッグなヌタ場

 
    14時40分 カラマツ林を通る                 14時47分  阿佐分岐  ここを左に進む    


阿佐分岐を左手の樹林帯に入るとオレンジ色の境界杭のあるはっきりとした尾根沿いに進む事になる。 
ここまで来れば後はこの境界杭沿いに急な尾根を下れば良さそうだ。左手が植林、右手が雑木の潅木帯という
パターンが途中から全て植林帯になり、境界杭には黄色の物が見られた。


15時06分岩がゴロゴロした境界尾根を通過、12時20分沢に近づいた雰囲気がある平たい場所まで下り
付くと、そこからは林業の作業道が右手へと下りており、それを下って行く。


14時32分 作業小屋があり、それを回り込むと石垣の沢山ある平地に出る。ここを急角度で左手に曲がり、
谷へ向って進むと植林の向うに沢に架かる赤い橋が見えた。


15時40分この橋を渡り対岸の斜面を這い上がると、今朝歩いた林道に帰り着いた。この場所は車を駐車した
場所にとても近くて、5分で車に着いた。

    

 
   14時47分 尾根境界杭沿いに下りる                   岩も現れる

 
     杭が沢山放置されている                     15時06分 沢山岩が尾根に散在している

 
15時20分 平坦な場所に下り付く ここから尾根をすすまず、右手の作業道に従って下りていった

 
    15時32分 作業小屋の横を通過               石垣が残っている平坦地を左手へ回り込む

 
     15時40分 鉄の橋が見えた                        この橋を渡れば対岸の林道に復帰

 
    15時40分 対岸の林道へ復帰                 15時45分 デポした車に帰りつく

ペーコちゃんが参加出来ず残念だったが、気の合う山仲間で今年の締めくくる楽しい忘年会登山となった。

紫雲さん、与力さん 案内ありがとうグランマー啓子さん、グランパ、マーシーさん お付き合いありがとう
ございました



グランマー啓子さんの今回の登山記は ここ




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