平成18年6月3日 阿波のメイン縦走路 (高御位山さんにご挨拶)
奥祖谷かずら橋ー丸石分岐ー白髪分岐ー三嶺ー名頃
平成18年6月3日 高御位山さんに会いにマーシーと阿波の山縦走路へ
奥祖谷かずら橋ー丸石分岐ー白髪分岐ー三嶺ー名頃


奥祖谷かずら橋ー丸石分岐ー高ノ瀬ー白髪分岐ーカヤハゲー三嶺ー名頃 縦走
GPSによるカシミールソフトを使ったトラック・ログ図
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634) 

6月3日、高御位山さんのグループ「稲美山の会」が加古川市から剣山―次郎笈ー丸石ー白髪山ー三嶺―西熊ー綱附森−天狗塚の
1泊2日ロング縦走に来られた。
その縦走車移動部隊の任務で本隊と離れて天狗塚登山口へ06時30分に到着と言うのでマーシーさんと相談して挨拶しに行く事に。

 
準備をされる塚田さんと高御位山さん    エントツ山流 会えば即友達〜 

高御位山さんは想像通り精悍な山男であったが、想像に反して優しそうな笑顔の人物だった。天狗塚から牛ノ背ー西熊ー三嶺へ行き
、三嶺で本隊と合流との事。三嶺で再会を約し、私とマーシーさんは名頃登山口に一台をデポした後、奥祖谷かずら橋へと向かう。

 
じゃあ 三嶺で再会しましょう〜      マーシーとエントツ山の車 名頃登山口

周辺が不釣合いな近代化をしてしまった祖谷かずら橋と違い、この奥祖谷かずら橋こそが今となっては祖谷のかずら橋の風情を残す
存在となってしまった。揺れる橋をへっぴり腰で渡ると正面の沢に沿って登山道が伸びている。

  
奥祖谷かずら橋入り口=登山口        奥祖谷かずら橋

緑のあふれる沢筋を詰めて、国体橋を渡ると笹と雑木の登り坂となる。沢筋で一部不明瞭な場所があるか、総じて尾根まで道を
迷う事がないしっかりとした登山道が付いている。沢山のブナや名前がわからない巨木が生えており、縦走尾根までは退屈する
事はなかった。

 
   沢筋の登山道に入る          ミソサザイが迎えてくれた

     
            大木

 
国体橋を渡ると緑豊かな急坂となる       笹も現れるシラベ林

尾根に出るとマーシーが「すぐ左に丸石避難小屋がありますよ」と言うので見学に行く。小屋の中は思ったより綺麗に片付けら
れている。先ほどの丸石分岐に引き返して三嶺への長い縦走が始まった。なだらかな中にも幾つかのピークがあり、この辺り
は幹が細い広葉樹が茂っているので陽射しが柔らかい。ツルギミツバツツジだろうか、オレンジかかった綺麗なツツジが見ら
れる。

 
    丸石分岐               丸石避難小屋を表敬訪問

 
    細い広葉樹と笹の尾根道             高ノ瀬が見える

見通しの効く場所から剣山方面を見るが、次郎笈が霞んでいた。しばらく歩くと「高ノ瀬(こうのせ)」手前に徳島県の標識が
斜めに倒れ掛かっており、三嶺まで10.2kmとある。マーシーさんと「え〜〜 これからまだ10kmもあるんかい・・・」と
高御位山さんとの再会の地を見るやるがそこは遠い彼方に霞んでいる。

 
    次郎笈が霞んでいる         高ノ瀬手前の倒れ掛かった標識

先日は紫雲さん夫婦を先行させ逃げ切られてしまったので、今回は終始マーシーさんの前を歩かせてもらう。彼を先に行か
せるととんでもない事になるからだ。二人の山歩きは会話が途切れることはない。かずら橋からず〜〜とバカ話をしながら
歩いてきた。

    
                美しい尾根道

高ノ瀬のピークに向かって尾根を進むとやがて岩場が出現し、何か白い花びらが落ちている。見上げるとまさしくゴヨウ
ツツジだった。今年は筒上山でのゴヨウツツジのチャンスを逃して落ち込んでいたのだが、まさかこの縦走路で会えるなんて・・・。
群生とまではいかないがミツバツツジに混ざって尾根筋をずっと彩っている。葉っぱの薄い緑と花びらの白がとても柔らかくマッチ
して上品な印象だ。マーシーを見ると近頃は花に目覚めたらしく盛んに写真に収めている。

   
         シロヤシオや〜〜

 
  夢にまで見たシロヤシオ         ミツバツツジのピンクが彩を添える

   
             シロヤシオのある風景

思わぬ花街道に大騒ぎの歩きが終わると高ノ瀬の三角点が現れた。それを過ぎるとミツバツツジがあるもののまた単調な
尾根道が続く。高ノ背あたりから石立山に向かって南へ伸びる縦走路が気にかかってずっと眺めながら歩く。

 
    高ノ瀬(こうのせ)山頂        ツルギミツバツツジ街道


            ミツバツツジのある風景

この縦走路分岐はピークにあり明瞭な尾根の踏み跡があり安心する。この縦走をする為にテントとシュラフを先日買った
のだ。私の山歩きは「サラリーマン週末日帰り登山」だった筈なのだが・・・
さらに2〜3箇所縦走路に降りる踏み跡を見ながら三嶺に向かう長い縦走路を進む。

     
     石立山分岐  中東山まで2.2km 石立山まで6.2km


石立分岐付近から中東山と 奥に石立山が霞んでいる

今度の目標は白髪分岐あのだが、そこまでの遠い事。延々と続く尾根歩きに少し退屈していると今度は石灰岩群が現われ、
黄色い笹と白い岩、それにミツバツツジの橙色が彩りを添えて写真撮影意欲をそそられる。

   
      白髪山が姿を現した  マーシー 邪魔じゃ〜

 
ヒガラちゃん みっけ〜         南側をトラバースする 日陰がない 暑い〜

ここを過ぎると前方が開けて左手に白髪山、右手に三嶺が見え出す。ここから見る三嶺はイイダコのような形で美しくない。
見覚えのある白髪避難小屋まで着くと、三嶺も台形状に見え格好良くなる。以前は気がつかなかったが、避難小屋から白髪
分岐の稜線はツツジの縞模様が出来て、普段何でもない斜面が華やいでいる。

 
石灰岩が単調な尾根にアクセントを与えてくれる   三嶺が見えた〜

 
    フモトスミレ (?)             ツクバネソウ


      樹林帯にはいると凄い形の老木が現れた

 
    1700.8mの三角点          白髪避難小屋に着いた

  
     白髪避難小屋まで来ると三嶺も形を整える

白髪避難小屋から名頃方面の沢へ下る登山道をチェックしていたマーシーさんが尾根道に戻るのを待って白髪分岐に向かう。
避難小屋の赤い屋根が見えなくなると白髪分岐に着いた。すると今日初めてマーシーさん以外で人類の声が聞こえてきた。オレンジ
色の揃いのジャンバーを着た若者グループで「高知大学ワンゲル部」だという。女性の逞しさに比べて男性軍は細くてちっとも山男
らしくない。見ると清掃登山をしているようで全員ゴミを摘む道具を持っている。


 ひゃ〜 綺麗な登山道だこと    白髪分岐手前

  
    高知大学ワンダーフォーゲル部の皆さん  清掃登山ご苦労さん

体格の割りに異様に大きなザックが目に付いたのでちょっと担がせてもらう。アレ?座って背中に背負うと身動きできない? 
こりゃ相当の重量だ。ひ弱そうな男性軍に助けられて立ってもヨタヨタする。ひぇ〜 若者は細くても馬力があるもんじゃと感心。

 
マーシー 女性の荷物の重さに唖然  エントツ山 男性の荷物を背負うと歩けず

いつまでも後輩たちと遊んでいる訳にもいかず、すがすがしい若者達と別れてオジサン二人は三嶺に向けて最後の苦行に入る。
以前白髪分岐からカヤハゲへの下りはバイケイソウやテンニンソウの藪だったが、今はスッキリして歩き易くなっていた。ここは
下る程にその反動で三嶺への登りが恐ろしくなる。

 
    カヤハゲと三嶺              次第に近くなるカヤハゲと三嶺

三嶺南斜面の美しさはビロードのようなシコククマザサの斜面と山頂の平原を支える石灰岩の巨石群だが、今日はそれが登山道
のミツバツツジ越しに次第に迫ってくる。色んな大岩を見てきたが、この三嶺南登山道にある大岩も相当遠くからも眺められて立派!
三嶺の要塞を眺めているとマーシーさんが見えなくなった。あわててイノシシを追うと、オオヤマレンゲの蕾の前で追いついた。
上からご夫婦が下りて来られた。こんな時間だから白髪登山口からのピストンだろう。

樹林帯が終わり笹の斜面をカヤハゲに登りつめると14時を回ったのでここで昼食にする。心配したほど虫もおらず寝そべって始めて
のお米を食べる。剣山方面を眺めるが延々と続く尾根が切れた更にその右手後方に霞んでいる。こりゃ相当の距離だわ。

 
     堂床分岐                歩いてきた尾根縦走路を振り返る

うっかりして水を2リットルしか持って来なかったので、ここでマーシーさんのビニール袋から水を分けてもらう。いつもは私が余分に
水を持ちすぎるのだが今日は反対だ。
時折吹く風の爽やかさにいつまでも横になっていたかったがいよいよ高御位山さんとの再会の地 三嶺へ向かう。

 
    三嶺が迫ってくる           なおも美しい登山道

   
     三嶺の斜面が登山道の向こうに姿を現す

最初の目標は四角い大岩となる。デカイだけであまりにも変化の無い岩なので俗称はどうも無さそうだ。ここまで来ると登山道
の左側、西熊側にも相当量の大岩が衝立のように三嶺を支えているのがわかる。西熊山から天狗塚方面を眺めているとマーシー
さんはもう大岩の影に消えようとしていた。

刻々と変化する三嶺の姿

 
うひょ〜 これを最後に登るんかい!   大岩が沢山見えてくる


             お〜  三嶺の全容が現れた


            大岩も近くに見えてくる

 
まずはあの大岩まで頑張ろう        お〜〜い マーシー 待ってくれ〜


       三嶺の屋台骨も横手に見えるようになってきた


ゼイゼイ言いながら大岩の鎖を登ると、ありゃ 更に急坂が待っていた。以前ここを歩いた時は霧で周りが見えずだた眼前の
道だけに集中していたのだが、周りが見えるとその急さに唖然とする。

 
大岩を越えると更に最後の詰めが待っていた  ビロードの様な三嶺南斜面


        おっ  三嶺避難小屋も同じ高さに見えて来たぞ

 
    イワキンバイ                シコクハタザオ

登山道の砂礫地に咲くシコクハタザオやスミレを撮りながら登っているとメガネをかけた優しそうな単独の登山者が下りて
来た。挨拶をして更に進むと上から話し声が聞こえてきた。また誰かが下りて来るのかと思っていると、そこは三嶺山頂で
高御位山さんが優しいまなざしで四国のB級登山者を迎えてくれた。

     
     一足先に到着していた高御位山さんと再会 (三嶺山頂)

   
     再会を記念して 三嶺山頂でシェ〜の揃い踏み

   
    高御位山さんと三嶺避難小屋へ一緒に行く

 
     三嶺避難小屋前で         再会を約して三嶺下山口でスナップ

剣山から縦走してくる本隊はまだ到着せず、心配している様子だった。まだ時間が早いのでしばらく山の四方山話を伺った後、
高御位山さんと三嶺非難小屋へ一旦入り香川名物「醤油マメ」贈呈の後お別れする。

   
    後ほど無事三嶺に到着された「稲美山の会」の皆様

三嶺―名頃ルートを快適に下山する。崩壊地は以前とほぼそのままの無残な姿をさらしていたが、それを迂回するルートも踏み後が大分はっきりと付いてきて迷うこともなさそうな感じだった。

 
     ダケモミの丘                平尾谷分岐

 
       崩壊地              平尾谷 林道地点に下り付く

 
     ヤマハコベ              クルマムグラ  ボケてる〜

 
  タニギキョウ                  フタリシズカ

17時半過ぎに林道へ下り立ち18時名頃駐車場、そこから奥祖谷かずら橋の車に帰り、盟友マーシーさんと別れる。
朝から体調が悪く、暑い縦走だったがマーシーさんも私にペースを合わせてくれてた。また高御位山さんに四国の山でお会い
する事が出来て満足のいく縦走登山となった。




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