2004年09月09日
9月5日 ウゥ〜 ♪ ウォンティド !♪ 「ヤマホトトギス」 IN 皿ヶ嶺
ヤマホト恋しや ホーヤレホ 「とことん皿ヶ嶺!」 エントツ山的徘徊録
 皿ガ嶺(1,270.5m) 愛媛県重信町―久万高原町


皿ヶ嶺 ヤマホトトギス捜索歩行図  08:30h−16:30h on 5th Sept.,2004

の地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)
を使用したものです。(地図使用承認番号 平15総使、第634号)

クールガイANちゃんがWAIWAIさんの掲示板にヤマホトトギス写真を得意げに貼っていた。私の細い目を釘づけにしたその花は
イソギンチャクのような面白い形と色をしている。
 ANちゃんのヤマホト   ひとなさんのヤマジノホト

偶然 おいわさんや萩生の森さんのリンクで「ぐるっと野の花・蘭ちゃん」のサイトに出会ってから、この徹底した花サイトとそこに
集まる人たちの平和さに心を打たれ、押しかけ弟子になって以来自分でもあきれるくらい「山の花」に狂っている私なのだ。

さっそく「ひとなさん」から「皿ガ嶺に行けば両方見れるよ」とアドバイスを頂く。でもね皿ガ嶺って一言でいわれてもあーた一体どの
あたりなの? う〜〜ん けど、あそこなら隅から隅まで自分で探してみよう!
かくして思い立ったが吉日 9月5日雨とカミナリ注意報が出ていたが、恐怖の八ヶ岳カミナリ走破を経験した私なので何の躊躇
も無く「さだまさしの字余りソング」CDを聴きながら川内インターを目指す。YASUKOさんとも懐メロ談義をしたもんだ・・・REIKO
さんがあんなになってしまった松山千春のファンだなんて信じられない。どうせなら人相が悪くても南こうせつみたいになりたいものだ。
KAZASHIさんが鶴田浩二の歌を耳を押さえながら歌っていた?そんな歳かよ・・・とか何とか妄想に耽っていると川内インター
に着いた。

川内インターで高速を下りすぐ高知方面へ左折、重信町下林サンクス信号を又左折して皿ガ嶺へ進む。当然このコンビニで紙に
包まれた高級おにぎりとお茶3本を購入。1,2,3、とセロハンを剥がしていくタイプのおにぎりは一度も開封に成功した試しがない
のだ。上林(かんばやし)登山口に8時半すぎに到着。天気が悪いので誰もいない。さらに風穴(かざあな)登山口まで上がる。
ここは2−3台の車があった。

 
  風穴                     上林からの皿ヶ嶺登山道

上林登山口手前の広い急カーブ地点にハガクレツリフネが群生しており車を止めて撮影。ここで偶然ヤマホトトギスを発見。風穴
(かざあな)に上がる登山道の柵の中にもヤマホトトギス発見! これじゃドラマにならないので、見ない事にして風穴へ。あくまでも
山の登山道でヤマホトを発見して感激に浸るのだ。 風穴の中はヒマラヤの青ケシは既に時期が過ぎ寒々とした雰囲気だった。
ここからヤマホト探索登山を開始。最初だけ折り返しの登りがあるものの、登山道という程の傾斜は無くお皿の様な山頂の東端、
竜神平に向かいなだらかな道が続く。

  
  皿ヶ嶺登山道                クロモジ 発見

いきなり「くろもじ」発見 ほ〜「くろもじさん」はこの木から名前をもらったのか。何々 この木は香りがいいだと?ふ〜〜ん いい木
を選んだものじゃなあ。 何々 高級ツマヨウジはクロモジから作られるだと? なんとクロモジ君は実はツマヨウジだったのだ 否
 もとい 爪楊枝はクロモジだったのだ。(ゴメン)

登山道のはじめから「およけない」ほどのハガクレツリフネとモミジガサのオンパレードが続く。「およけない」とは私のおばあちゃん
タケさんが良く使っていた新居浜弁で「だらしがない、気持ちが悪い、おびただしい、かっこ悪い」などに似た意味で使われていた。

               
           キツリフネとハガクレツリフネソウ

     
     ヒヨドリバナと大木             カニコウモリと木

まあそれでも気になるので写真を撮りながらダラダラと歩く。風穴付近は標高900m、竜神平が1,145mだから標高差250mくらい
を一時間かけて歩くことになる。すぐにブナの木などが現れて素晴らしい登山道である。こんなのが高松近辺にあったらなあ・・・と又
いつもの無いものねだりの妄想に取り付かれながら左右の花に目を凝らしながら歩く。

           
            ハリギリの大木  若いときは棘があるが
「成長とともにトゲがなくなり滑らかになる」 人間もこうでなくっちゃ 反省〜!

       
           木々の色合いにも秋の兆しが・・・

台地に上がると笹に覆われた登山道となり、竜神平方面へ進む。ここ竜神平はかつて湿原だったらしいが今は乾燥化している。
でもこの標高1,270m位の山でブナやミズナラ、多くの花の宝庫になっているのは、この台形をした台地の保水力に他ならない。

        
          心が穏やかになる皿ヶ嶺のブナ林

          
                       竜神平

竜神平の花も楽しみに取っておいて、先に皿ガ嶺山頂をめざす。山全体がブナ、ミズナラと笹などにより心を和ませる柔らかい
色をかもしだしている。ここから約20分くらいで皿ガ嶺山頂へ着いた。今治から来られたご夫婦とすこしこの山の素晴らしさを
称えあったあと、すぐ南側に落ち込んでいく「六部堂越」への急な山道を下りてみる事に。

 
 皿ヶ嶺 山頂にて             六部堂越へ下りていく

 
なんともはや ここまで赤くならなくても  こちら 典型的なキノコ雲?タイプ

 
けがれを知らぬブリーチ、ハイタータイプ  六部堂越分岐からと登山道を撮る

山頂から少し下がるまでは道が荒れていたが、すぐにまともな登山道となる。が、またスズタケが生い茂る道と化し、景色も悪いし
坂も急でキノコ以外には何も無い楽しくない登山道だった。ここを下り切ると六部堂越の旧道で、当初ここから杉林を抜けて西側
の正規の「六部堂コース」を登り返すつもりだったが、ソニーデジカメのメモリーが切れたので取り替えようとするとスペアが無い!
 途中で落としたと思い仕方なくだめ元で急登を引き返す。こんどはメモリースティクの小さなケースを探しながら息を切らして上り
返す。やはりキノコしかない。山頂まであと少しまで来たところで、道の真ん中に何か花が咲いている。ん? あれ?

   
なにか登山道の真ん中に咲いているぞ   きゃ〜 ヤマジノホトトギス 発見!

これってひょっとして「ヤマジノホトトギス」じゃないの!? リップさんに教えてもらったようにリップが上を向いている! まさかこんな
殺風景な所に? 周りの松の葉っぱなどを丁寧に払って眺める。どこから見ても今話題沸騰のヤマホト! 災い転じて福となす。もう
メモリースティクはどうでもいい。ヤマホト ヤマホト ヤッホッホ これでANちゃんと肩を並べる事が出来たし、ひとなさんにも胸を張っ
て報告できる。

ここで昨日高松のヤマダ電機で買った「キャノン光学10倍ズームデジカメ」のお出ましだ〜〜
いままでの経験からあまり近づいた写真でピントが合ったためしがない。そこそこ離れてズーム撮影。ピッピ カシャ 初めて撮る
花写真! 急に元気がでて満足しながら山頂へ向かう。

山頂では松山から来られたご夫婦がおられ、奇妙な方向からニコニコして登ってきたこの中年男を不思議に思ったのか「その道は
どこからの道ですか?」と聞かれた。「六部堂越からの道です」「どんな道でしたか?」 「急な道でしたがヤマホトトギスが咲いてい
ました」(言ってしまった!」「見たいわ〜」 「ご案内しましょう」(又余計なこと言ってしまった) と得意気に先ほどの現場まで案内。 

あれ? どこだったっけ? しこたま急坂を下らせて結局見つからなかった。恐縮して又はあはあ言って登っているとその女性が
「これじゃない?」 「あ〜それです」 ホットトギス〜

山頂へ帰ると数組の登山者が来られていた。左へ進み十字峠へ向かう。途中古い看板がかかった皿ガ嶺三角点があった。
十字峠からまた竜神平へ降りると、愛大小屋前では学生らしきグループがおりしきりにノートを取っていた。そういえば以前山へ
来るときにはノートと筆記用具、地図を持ってくると決心した事もあったわい。歳を取ると何でもすぐ忘れる。

 
皿ヶ嶺三角点のある場所       十字峠(六部堂、引地山コースへの分岐)

          
                 竜神平のオタカラコウ

  
   竜神平               竜神平の愛大小屋

竜神平を横ぎり野鳥の森へ入る。WAIWAI隊が写真に収めた「モグラのオバケ」か、あわよくば野うさぎがいないか探しながら
歩くが小鳥のさえずりしか聞こえなかった。

尾根道の合流点に着き、惑わず上林峠方面へ右折する。この道も実に味のある。ここでもヤマジノホトトギスを発見! でも
ちょっと葉っぱが虫に喰われていた。
皿ガ嶺台地の東縁に着くとそこからは木製の整備された階段がず〜と下がっている。滑らないように気をつけながら下っていくと、
陣ガ森のパラボラアンテナが見えた。石墨山への尾根道がそこから続いているのか。 皿ヶ嶺ー石墨山の日帰り縦走は可能
だろうか?

 
  野鳥の森                    上林峠への道

 
皿ヶ嶺東端から上林峠への木道階段    パラボラアンテナの立つ陣ガ森

 
 上林峠 分岐               台風の大雨で崩壊した登山道

木道の階段が終わるとまた美しいブナ林が続き、「上林峠の分岐」らしい場所に着いた。ここから左へ上林登山口まで4,600m
とある。
この道は途中で崩壊箇所もあり最初は荒れていたが、またハガクレツリフネの咲き誇る安定した登山道となる。女性の声が響き、
近づくと男女5−6人が道で楽しい食事をしていた。挨拶をすると、「おいしい水がすぐ下にありますよ」と教えてくれた。角を曲がる
と山からパイプが出ていてそこから冷たい山水が湧き出ていた。

           

しばらく歩くと大きな岩とブナが配置された「これぞ皿ガ嶺の懐刀」と言うべき素晴らしい場所を抜けた。そのあとは又ハガクレツリフネ、
レイジンソウ、マツヨイグサ、ハギの咲く山道を進み、一体この道は何処に着くのか?と思ったらいきなり下側(水の元)登山口に飛び
出した。 地図上ではこの登山道は上林トンネルへの林道と交差している事になっているが、実際歩いた道は林道と交差せず、その
下側に沿っていた。

 
下の駐車場にたどり着いた登山道     ヤマホトトギスを撮影

また、そこから車を置いてある風穴登山口まで登り返して、小雨振る中、風穴付近でヤマホトトギスを探して写真撮影する。結局この探索
では ヤマホトトギス 3株、 ヤマジノホトトギス 2株という成果だった。でも大満足でした。

9月5日 皿ヶ嶺でヤマホト捜索のついでに見つけた花

 
 アカソ  (イラクサ科)             アキチョウジ (シソ科)
 
イシヅチウスバアザミ(キク科)       オオバショウマ(キンポウゲ科)
 
  オタカラコウ (キク科)             ガンクビソウ(キク科)
 
 キツリフネ (ツリフネソウ科)        キバナアオギリ (シソ科)
  
   ギンバイソウ (ユキノシタ科)      キンミズヒキ(バラ科)
 
 ゲンノショウコ (フウロソウ科)     シコクブシ(開花前)(キンポウゲ科)
 
シラネセンキュウ?ムカゴニンジン?(セリ科)  シロヨメナ (キク科)
 
シロヨメナとハガクレツリフネ        ダイコンソウ (バラ科)
 
 タチフウロ (フウロソウ科)          ツリガネニンジン(キキョウ科)
 
ツリガネニンジン(キキョウ科)      ツルニンジン(キキョウ科)
 
ナガバハエドクソウ(ハエドクソウ科)    ノダケ (セリ科)
 
 ハガクレツリフネ(ツリフネソウ科)    ヒメキンミズヒキ(バラ科)
 
  ヒヨドリバナ(キク科)              ホタルブクロ(キキョウ科)
  
 ミズヒキ (タデ科)          ミゾソバ (タデ科)
 
ミヤマコウゾリナ (キク科)            モミジガサ (キク科)
 
ヤマアジサイ(ユキノシタ科)とシロヨメナ   ヤマハギ (マメ科)
 
 ヤマジノホトトギス (ユリ科)          ヤマホトトギス(ユリ科)
 
 ヤマラッキョウ (ユリ科)           レイジンソウ(キンポウゲ科)

「皿ガ嶺」 花の山を歩こう(花山楽さん)、おいわさん、WAIWAIさん、萩生の森さん、我が「しまなみ隊」等多くのサイト仲間
が惚れこんだ愛媛の里山
こんなにも町にちかくて自然に恵まれた懐の深い愛媛の誇る山でした。




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