平成24年11月24日(土)
イノシシ達の挽歌シリーズ サガリハゲを這い上がれ
色んな尾根を這い上がって来たが、徳島にある滝下の天狗塚からサガリハゲの尾根は以前から大いに興味を抱いていた
場所だ。矢筈山の南に延びる尾根で、標高1,800m からサガリハゲ山を経て滝下の天狗塚の壁にぶつかる。四国の1,700m
以上の山踏破を目指すマーシーさんもサガリハゲ山(1,722m)が気になっていた。
天狗塚直下の尾根から見る滝下の天狗塚、サガリハゲ山、矢筈山 蔓原(かずらはら)が今回の取り付き口
問題は滝下の天狗塚へどのルートで行くかを検討。ネットに出ている林道丸見線を利用するルートが一般的でそら人さん、
わいわい隊やしまなみ隊もこれで滝下の天狗塚に登っていた。高知のカモシカクラブの方達は精力的にサガリハゲを西尾根
から経由して滝下の天狗塚〜林道丸見線へ下山されている。
でもネットの登山記を読むとテープに惑わされて苦労している様だ。元々こんなへんぴな場所を選んで歩くのに他人が気まぐ
れに残置したテープを頼ってそれを探し回る山行なんて多少滑稽とも思える。
南の滝下集落からはむらくもさん、坊主さん達が果敢に這い上がっていた。
道場近くから尾根伝いに滝下の天狗塚まで行けるじゃん。このルートは長くて標高差が900m以上あるので1つの山として敬意
を払いながら登り甲斐があると言うものだ。
但し趣深山さんのブログを見てもこの2山を経由して矢筈尾根まで這い上がり落合峠に至るルートは相当ハードである事が
判る。この時期日没後の歩きになる事は必至であるが、何とか矢筈尾根近くまで明るい内に這い上がれば後は問題ない暗夜
行路と思われた。
11月24日(土)マーシーさんの予定が空いたので決行する事にした
落合峠〜(自転車)〜蔓原(登山口)〜滝下の天狗塚〜サガリハゲ山〜矢筈尾根分岐〜落合峠 (約11時間)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使用したGPSトラック・ログ図 蔓原〜滝下の天狗塚〜サガリハゲ山〜矢筈尾根分岐〜落合峠
05時前に新居浜の実家でお袋さんに朝食が出来たと起こされる。食欲は無いが食べれば食べれるこの因果な私の胃袋。
06時川之江でマーシーさんと合流し大歩危のコンビニに寄り食料調達、取り付き口を偵察の後08時落合峠に到着。ここから
自転車2台で尾根取り付き口まで下がるのだが、車を峠に置くと言う事は途中敗退した場合、車を取りにこの峠まで歩いて来な
ければならない事を意味する。それはほぼ不可能なので即ち撤退が許されない背水の陣で臨む訳である。
峠から国道筋まで標高差1,000m程、くねくねと遠い道のりだった。途中来る時には無かった道路工事や部落の草引き作業に出
くわし挨拶をしながら下る。
国道分岐に下りて少し上流へ進むが、電動アシスト自転車のギアチャンジがわからず1段ギアで足をグルグル回転しながら進む。
後ろからマーシーさんが来ないので引き返すと店屋に入って何やら買っている。岩豆腐でも買ったのかと思いレジ袋を持って店
から出るマーシーさんに聞くと「コンビニで買った食料を車に忘れた」と言う。コレコレ!
そば道場近くに落合谷川がありここが急カーブになっている。左手上方に伸びる林道丸見線が滝下の天狗塚へ行く正規(?)
の道だ。右にカーブした辺りが広くなっており、道路標識とガードレールの間に自転車をデポする。
08時20分 落合峠を出発〜 さあ 長い一日になるど〜 電動アシスト自転車がフツーの自転車の後塵を拝する
あの尾根へ取りつくのだ 08時55分国道筋まで下りてくる
う〜〜ん あの尾根筋か〜 09時06分自転車をデポ
第一部
蔓原〜滝下の天狗塚 (約4時間10分) 標高差 約900m
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 蔓原〜滝下の天狗岳 (4時間10分)
カーブまで少し引き返し、右上に続く道路を上がると無線施設へ続く石段がありここを取り付き口に決定〜。 いきなり
急な登りが続くが藪は薄くて快適な尾根である。
取り付き口を探しながら右手の道を少し上がる コンクリートの石段を登る
セメントで補強した石垣の切れ目を登山口とする
何かの通信施設から裏山に取りつく 少し岩場を這い上がって尾根に上がる
尾根は植林と自然林が混在し、特段藪なども無く歩きやすいが所々に標高を上げる急傾斜がありヘロヘロする。あちこち
四国の急登を歩いたがここも引けを取らない場所である。
09時45分右手に石段と鳥居が見え、そこから前方の岩場に向って参道が続いている。鳥居には「鳥越神社」という
表札が架かっていた。石段を詰めると大岩の前に祠があるのでマーシーさんが「おらを無事に帰してけれ」と拝んでいる。
エントツ山からダメ出しが入り「おら達を無事に帰してけれ」に念仏を訂正する。
素敵な場所だこと 細尾根の急登り
どれだけ捻じれとるんや 私の根性といい勝負じゃ ありゃ? こんな所に鳥居があるぞ
まあ こんな所に丁寧な石段が・・・ オラ一人だけでも無事に返してケロ この〜〜
10時頃に植林の物凄い急登がありそれを越えると左手が植林の細尾根が続く
フカした場所で初めて休憩を取る。ペットボトルの飲料水を飲んでいるとマーシーさんは山専ボトルのお湯を飲んでいる。
あれ?水は・・・「買い忘れました・・・」オイオイこちらもギリギリの水しか持っていないが一人で飲むわけにも行か
ず少し分配する。まあマーシーさんは普段から水の使用量が少ないので今日の天気なら水の問題はそう無い筈だ。
休憩の後尾根に岩が沢山出て来て急な傾斜となる。白い杭があるので見ると「佐川急便社有林」とある。最近買ったのか
境界割り出し作業をしたらしく、鉈で馬酔木(アセビ)が沢山切られて尾根に無造作に横たえられている。この杭は三角点
のある場所まで続いていたので佐川急便も相当広い山を買ったものだ。
とっても歩きやすい尾根道 イノシシのアングルになって見る
所々に半分が植林地帯となっている 落ち葉が気持ちがいい
ぎょへ〜 結構出てくるこんな急登り 野趣溢れるこれぞ尾根歩きの風景
岩や木を持って這い上がる所も この辺りは佐川急便様の社有林だった
滝下の天狗塚までの尾根は急傾斜の後しばらく緩やかになり又急傾斜になるの連続でメリハリが有るといえばそうも言え
る。11時08分岩を乗越すと気持ちの良い見晴台に到着。南側の山並みを暫く眺める。その後左手が植林の急登となる。
11時46分前方雑木林の向うに大きなピークが見える。予想では3時間程で滝下の天狗塚に着くかと思っていたがこれが
思いのほか長い道のりでなかなか天狗が現れない。(結局4時間10分を要した)
左に岩崖を見ながら急登を喘いでいると12時に村からお昼を告げるチャイムがなり時間が経った事を思い知る。辺りが
なだらかになり12時20分山中らしからぬ広場に出るとそこに三角点があり近くにアンテナの残骸が転がっていた。地図
には道など記載されていないが何か里に近いと感じさせる。左手が植林の道を進むと12時35分大ブナに出会う。
今グランパとグランマー啓子さんのブームになっている事を話しながら物好きな夫婦に想いを馳せる。まあ物好きさでは
どっこいどっこいだけど・・・
高いピークが現れる 細尾根の回廊
岩場があるが基本的には左手に植林がある 低い山肌には黄葉がある 遠くはガスって見えない
岩を乗越すと今日一番の見晴台があった
進行方向の風景もまたいいもんじゃ
森の精がいるぞ あのピークに向かってまっしぐら
今は稀有な存在となった雑木林の風景
基本的には岩尾根だ 歩いてきた尾根が遠ざかる
12時20分 三角点広場にとうちゃこ〜 アンテナの残骸などがあり、何か人の気配がする
大ブナ発見〜〜 でもウェストサイズを測るメジャーは持っていない
12時50分前方に尖った山が見えたのでそろそろ滝下の天狗塚かと思ったがピーク近くまで這い上がると道が岩峰を少し
右側をトラバースしその向うに同じ様な尖ったピークが見えた。それが目的の山だと確信し、コルまで岩場を下ると気持ち
の良い窪地になっており、眼前に崖の様な傾斜が聳えている。
小規模ながら鋭い岩峰を右手から廻り込みルートを選びながら這い上がると13時20分ネットで見覚えのある祠があった。
測量用のポールが立っているが、細い針金がその天辺から四方に伸ばされて足を取られる。天気が良ければここから南側に
三嶺〜天狗塚界隈が眺められる筈なのだがガスでサッパリである。矢筈山方面も手前のピークがやっと望める程度であった。
時刻は既に13時を回って先を急がれるが、ここで昼食とする。二人共山専ボトルのお湯をカップ麺に注ぎ、その間何かを
口に入れる。モンベルの山スキー用の2室ザックはポケットが少なく服や食料などが中でごちゃごちゃして出し入れが面倒
だ。ガスで辺りは何も見えなかったが、13時45分食事を終えて出発する頃になると眼下に菅生蔭の集落が見えた。
その後もブナが現れる ん? 尖がりピークが見えたぞ
岩場を這い上がるとピークを右手にトラバースした 今度は間違いないやろ 手前の窪地
岩岩した尾根筋を右手から巻いて最後は左手から山頂に至る 南側が見えるが三嶺方面は雲の中
13時20分 登山口の蔓原から4時間10分で「 滝下の天狗塚 」に到着
いやしの温泉郷辺りか 歩いてきた西側の高みは三角点のあるピークだろう
第二部
滝下の天狗塚〜(3時間)〜サガリハゲ山〜(1時間45分)〜矢筈尾根分岐
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 滝下の天狗塚〜サガリハゲ山〜落合峠
横長い山頂から踏み跡は東側の杉木立へと下って続いているが、どう見てもこちらは進むべき尾根ルートでは無さ
そうである。思い切って山頂から北側へ急斜面を下ると右手が植林帯で左手が自然林というパターンの稜線部が
はっきりとしてきた。
さて、ここからサガリハゲまで約3時間かかる筈だから到着予定は17時前になる。漠然と暗くなる前に矢筈尾根
まで出る腹積もりだったがここで無理だと諦める。逆に今度は暗くなる前にはサガリハゲに到着しなければ・・と
目標設定を下げる。
しかし稜線はと言えば下がりっぱなしで、前方に見える高い尾根ピークまでの登り返しを考えると悲しくなる。
どんどん下がって、14時00分最低コルに出た。この辺りが林道丸見線からの登山道合流点だろう。左手のなだ
らかな傾斜にある雑木に黄色いテープが見られた。
滝下の天狗塚から直接北側へ急降下する 右手が植林、左手が自然林の急な下り
前方に高いピークがあるのにグングン下がって行った 最低コル部 ここが林道丸見線よりの合流部
そこから最初はゆるやかな尾根だったが、次第に1,449.8mコルまでの急傾斜が現れる。14時10分徳利型のブナ
が現れ酒飲みマーシーさんがその形に喜ぶ。この辺りまでの尾根道は比較的笹も薄く歩き易いものだった。
14時33分三角点に到着。ここが1,449.8m三角点に間違いが無いと思っていたが、5分後に又三角点が現れた。
後者は新しいタイプの埋め込み式三角点だった。
そこから暫くなだらかな下りが続くと、今度は笹藪の急傾斜となり休憩中に地図とGPSでどの辺りまで進んでい
るか確認する。マーシーさんのGPSは電池切れでただの箱。私が位置を読み上げてマーシーさんが地図上で現在
位置を確認する。滝下の天狗塚から約1時間でサガリハゲの半分まで進んでいてニッコリし合う。
れまでの地形が比較的緩やかで進捗度が高いだけだった。
最初はなだらかな傾斜で美しい癒しの風景だ
徳利型のブナやで (酒飲みが喜ぶ) 滝下の天狗塚を振り返る
上り坂になって少し笹が現れてくる 三角点があった
三角点尾根から見る滝下の天狗塚
あれ? また三角点があったぞ 尾根にはブナが点在する
背の高いブナがあった あれがサガリハゲ山の山塊か
アップダウンを繰り返して前方のピークに近づいてくる 右側斜面が樹林帯のスロープとなっている
その後続く急傾斜で足を大きく上げた途端持病の太ももが攣り出した。ロングトレイルを覚悟して窮屈なミズノの
タイツを履いて来たのにその効果は無かった様だ。左太ももを守って右側を使うと今度は右太ももが攣って来た。
筋肉が攣る原因は色々取り沙汰されてはいるが、ほぼ体質だと考えてマグネシウムやカリウム、塩、クエン酸など
勉めて試そうとは思わない。痛くなると数秒我慢してそのまま歩く。当然歩行スピードが落ちるが仕方がない。
要は自分の筋力よりオーバーペースなのだ。マーシーさんに先に歩いて貰いマイペースで歩く。
場所だ。 そこから一旦緩やかな下り坂となり、今度は更にサガリハゲ前衛峰への厳しい傾斜に突入する。
15時20分急傾斜になると右手でストック、左手で潅木や笹を掴みながら一歩一歩這い上がる。後ろに見える滝
下の天狗岳群が視線より随分低くなっている。今まで藪はほどんど無かったがここに来ると踏み跡は有るものの笹
薮と言える程度になった。
笹が次第に多くなる
大岩も現れる 多少笹薮ではあるが獣道が続く
これも気に入った景色だ
モミの林と笹原の尾根 ガンガン歩くマーシーさん
16時30分ピークに着くと稜線が左と右に分かれ、双方に獣道があるコーナーになっている。コンパスを確認す
ると右手が北を指し、その向うに尖った更なるピークが見える。「あ〜あれがサガリハゲに違いない!」と二人で
信じた山名を口にする。
16時45分二人のザックを並べて記念写真を撮る。もうあたりは薄暗いしガスで見通しもそんなに良くない。
ターニングポイントで右手に進むとサガリハゲ山が見えた サガリハゲ山の標柱がある
サガリハゲ山でザックを並べる
細長い稜線を北に進むと雪の残った下り坂になりそれを下りると17時10分薄暗い尾根に1,657.6m三角点があ
った。サガリハゲから北側の尾根は歩いている人もそこそこあると見えてテープなども出現する。
地形的には単純で暗くても笹薮の中に獣道か踏み跡が続いており、良く判らなくなると取り敢えず稜線部へと上が
る。この頃になると私はライトを出して足元を確認しながら歩くが、マーシーさんは夜目が利くのでライトをギリ
ギリまで点けない。
雪が残った岩の傾斜を下がる 笹が深い尾根道
前方のピークに向かって尾根のコースを変える 17時10分 三角点を確認
17時45分GPSと地図で位置確認すると矢筈尾根分岐近くまで進んでいる。
岩場に出ると踏み跡が不明となりルートを確認しながら歩く。大筋では道迷いは起こらないが細かい道筋が良くわ
からない場所があるので昼間より無駄な時間が多い。
18時02分大岩を左から強引に巻いて上側に上がるとススキの生えた様な平坦な場所に出た。月が雲間から時々姿
を現し始め、木々には小さな霧氷が付いている。途中冷たい風が吹き上着を着ようと思った時もあったが、その後
風もおさまりウィンドブレーカーで事足りる。
踏み跡を追って更に進むと前方に大岩が現れ、踏み跡がその前で不明となった。GPSと地図を出して位置を確認
するとほぼ矢筈山分岐地点だった。手分けして道を探すが見つからない。これが暗夜行路の宿命と言うものだ。
大岩の左手は崖状でとても道は続いていそうにない。大岩の右手から岩の間を抜けて下がっると右手に矢筈山が月
に照らされている。しかし、ここにも踏み跡を発見する事が出来なかった。ただこの辺りには霧氷が良く付いてお
りLEDでライトアップしてしばし眺める。
岩場を乗越し矢筈南峰に上がる 矢筈中峰の岩場から下がると霧氷が見られた
矢筈山近くからみた矢筈南峰(右)とサガリハゲ山(左のトンガリ)
奥に牛ノ背、天狗塚 (以前 矢筈山〜石堂山を縦走した時の写真)
元に帰ってもう一度GPSで地図上の位置を確認すると、地図の大岩マークを過ぎて左に廻りこむと縦走尾根へと
続いている。「踏み跡を探すのを止めて左の尾根に廻りこもうや」と言う結論を出し、地図に従い大岩の北側にあ
る笹薮の傾斜を西側に強行突破する。岩場を廻り込み尾根筋に這い上がると踏み跡があった。
後から国土地理院ウォッチズで確認するとどうも登山道はこの岩場の上側を乗り越して左手の尾根伝いに続いてい
る様だった。思わぬ所で手間取ったものだ。
第三部
矢筈尾根分岐〜落合峠 (約1時間45分)
矢筈尾根は踏み跡もしっかりしてテープなども出現する。その時はこれが矢筈山登山道と思っていたがどうもサガ
リハゲへの分岐道だった様だ。尾根を暫く下ると18時53分標識が出現。落合峠まで2.3kmと表示されていた。
ここが矢筈縦走路とサガリハゲ分岐になっている印象だ。この標識を過ぎると俄然ルートは登山道然として来た。
但し夜の為辺りの景色は見えず先ほどの標識を信じて歩くしかない。記憶にあったロープが2段に敷設された
場所に出て安心する。上段のロープにはビニールが巻かれており、下段はフツーのロープだった。
大岩の北側をトラバースして尾根道を下がると標識に出会う 向こうに寒峰方面が見えたが写真には写らない
ただ樹林帯を右へ左へと気分的に長い道のりだ。開けた場所に出ると8割方丸くなった明るい月と雲間から沢山の
星が煌き、山際のシルエットがまるで日本アルプスを歩く様な気分にさせてくれ、暗夜行路の面目躍如である。
19時56分三角点を通過し、どんどん足元のスペースに従って進むが、中々落合峠への笹原が現れ無い。足が弱
っているのでちょっとの岩や木の根で滑ったり転んだりするので気を付ける。
19時56分三角点を確認 お〜〜 やっと落合峠まで500mや〜〜
右手に烏帽子山のシルエットが見えて暫くすると見覚えのある大岩があり、そこから落合峠へ向けて最後のステー
ジとなる。
にも霜が付き、ライトの照らしが悪いので手の爪で霜を剥ぎ取ると視界が良くなった。フロントガラスも厚い霜が付
いているので暫くエンジンをかけてデフで暖かい空気を送る。
もうボロボロやで やっぱ 車は便利な道具やで 落合峠にて
峠からマーシーさんに運転して貰い自転車を回収。途中何匹ものウサギが車のライトに照らされて逃げ惑う姿がか
わいかった。
標高1520mの落合峠から自転車で標高500mの蔓原まで下がり、そこから標高1,445mの滝下の天狗塚、
そこから1,240mの最低コルへ下がり、更に1,820mの南矢筈山へ登り返し、落合峠へ帰るという目まぐ
るしいアップダウンの一日を順繰りに思い浮かべ、今日も面白い歩きが出来た満足感に浸りながら高速道路を自宅
に帰る。