2003年11月23日
剣山系が一望  奥物部 白髪山(1,769.7m) 11月23日 快晴
あなたにも「あいつは今頃どうしているんだろう?」とふと思い出す友がいますか? 家人の提案で高知と徳島の県境にある
ホワイトビーチホテル」で総支配人をしている旧友「善玉コレステロール山坂」をふと思い出し、会う旅をする事に。

それならついでに一山制覇を!と体力の無い家人も行ける百名山を探す。あった!奥物部の「白髪山」! 山頂まで約1時間。
ホワイトビーチホテルには撮影の為中村雅俊も滞在中との情報を得て家人も納得。昔テレビで見た「俺達の旅」効果で11月23日
(日)白髪山へ行く事に。

  

自宅を06時過ぎに出て、高知道を南国で下り、土佐山田から195号線を大栃で左折、西熊渓谷への林道に入る。道は狭いが
舗装されていて運転は比較的しやすい。この林道を入り30分くらいで急カーブのあたりに大きな駐車場があり車が溢れている。
ここは三嶺への光石登山口である。さすが人気の山だけはある。

登山口には5−6人の若い登山者がいたので車を止めて話しかける。聞くと「高知大学・情報科学・探検部」だと言う。それまで
下手(したて)に話しかけていたのが急に先輩面になり「昔はワンゲル部はあったけどそんな部活は無かったぞい」と態度がデカ
くなる。皆かわいくていい若者だ。この大学の後輩と記念撮影をする。

 
 三嶺に向かう高知大の後輩達と   白髪山登山口駐車場から白髪山を見る

この三嶺登山口からクネクネと上り道が続き、左手に白髪山らしき雰囲気の山があるのだが登山口を見つけることが出来ず、
峠を越えてしまった。大分下がってから大き目のバンの横で6−7人の登山者が準備をしているので白髪山登山口を聞くと峠の
手前と教えてくれる。 「どこへ登られるのですか?」と聞くと「石立山分岐まで」と言う。分岐が目標? 色んな登山があるものだ。
    
    
        西熊林道から見た白髪山 (南面)

この「峯越林道別府・西熊線」という長たらしい名を持つ林道を峠まで引き返すと、道端に登山口の大きな標識がある。どうして
見逃したのだろう?林道下には結構広い駐車場やトイレがある。でもこちらは、先ほどの三嶺登山口駐車場の混雑に比べて
軽四車が一台止まっているだけだ。香川の「はやらないうどん屋」を想像してちょっと不安になる。   10時登山開始!

    
  白髪山登山口                 前半の登山道

上り口から急坂が続くが登山道はよく整備されている。道が大雨などで崩壊しないように丸太が打たれている。少々歩きにくいが
整備した人の苦労がしのばれる。半時間くらい雑木林が続くと急に視界が開け、一面の笹原に出た。南側の景色が一望出来、
南国市と太平洋がよく見える。

 
 南西方面に南国市と太平洋      山の南面笹原 登山口駐車場を望む

  
 山頂手前の笹原と石            山頂直前の剣山(右)への分岐

石灰岩質の白い岩と笹原は剣山系の特徴だろうか。頂上に向かって北側に回りこむと剣山、三嶺への分岐へ別れる標識がある。
この左が山頂だ。先客は先ほどの軽四で高知から来られた年配の男女3人で外れの岩で食事中だ。「最高の素晴らしい景色ですね」
と挨拶すると「どこが素晴らしいかね?」といきなり返されて言葉に詰まる。土佐人は素朴だが時々面食らう。

 
 おう! あれは三嶺じゃないか     白髪山頂上で高知の80歳登山者と

北側の岩場に出てびっくり! ずら〜と憧れの剣山系のオンパレードじゃないか。左から雪山登山でヘロヘロになった「天狗塚」
西熊山、正面に私を山のとりこにさせた「三嶺」、右に眼を移すと高ノ瀬、丸石、ハンサムな「次郎笈」、そのすぐ左にグラマーな
剣山」、ちょっと距離をおいて剣山の左向こうに夜明けのスキャット「丸笹山」、その左には丸笹山を鏡で写したような塔の丸。
一時間足らずでこんな別天地に来て良いものだろうか!北側の奈落の大岩の上にて昼食 贅沢な眺めだ!

   
    白髪山山頂北側の大岩ごしに見える三嶺  (北方面)

       
      天狗塚、天狗峠  お亀岩     西熊山  (北西方面)

    
    白髪山より 高ノ瀬、丸石、剣、次郎笈  (東方面)

食事を終えて頂上に戻ると、新たに徳島の中年男女3人組と、しばらくして若い女性や子供を含めた5−6人の家族連れがやって
来た。聞くと広島から来たと言う。へ〜どうやってこの山を知ったのだろう?

もうここまで来たら止められない! 何をって、せめて白髪分岐までの尾根歩き。家人に「あとは尾根だけだから楽勝!」と無責任
サラリーマンに変身〜!でも行ってみると結構アップダウンがあり、信用を失う事はなはだしい。

     
  白髪山から白髪分岐までの登山道 樹氷のシーズンは綺麗やろね

       
        
      ここが白髪山(手前)、三嶺(左)、剣山(右)への白髪分岐

雑木林を抜けると、左手で人声がする。そこが白髪分岐のコルで、先ほどの徳島の3人連れが昼食を取っていた。すごい! 何が
スゴイって見ると憧れの「手作り弁当」なのだ。たいそう美人でもないが料理好きですばらしい女性だ。ここからの景色が又素晴ら
しい。この分岐から約2時間でカヤハゲ(東熊山)を経て三嶺に行ける。行きた〜い!でも今日はダメ。

    白髪分岐より矢筈山越しに石鎚連峰(西側) 天狗塚、
西熊山(北西)


    
     白髪分岐より   カヤハゲ(左)を経由 三嶺への登山道が続く

例の徳島登山隊から「カヤハゲ」まで行ったらどうですか?と勧められる。カヤハゲって言う名前にこの東熊山は迷惑しているに違いない。
カヤハゲは無理でも、もうここまで来たらせめて白髪避難小屋を覗かなければ・・・・・
「恐れながら白髪避難小屋経由が下りでしかも近道なんですが」と進言。下りと近道が効いて行ける事に。やっほ〜 足取りも軽く赤い
屋根に向かって下りてゆく。

    
        丸笹山      剣山   次郎笈 (手前は高ノ瀬と丸石)
       白髪分岐から白髪避難小屋へのメルヘンチックな風景

 
 避難小屋の陰で笹に霜がおりていた。 避難小屋にとりあえず避難してみる

暫くここからの風景を楽しむ。お岩さんならここで更に三嶺の素晴らしい写真が4−5枚角度を変えて並びたてられる所でしょうが、
気が弱い私にはその自信が無い。
しばらくすると剣山方面から3人の家族連れがやって来た。聞くと何と東京から剣山へ来て、お亀小屋まで行って一泊するという。
T電力にお勤めのこの方から、翌日のタクシー予約時間変更を頼まれる。向こうは恐縮しているが、頼まれた方もお役に立てて嬉し
いものだ。無事明るいうちにお亀小屋まで行けただろうか?

  
 東京から来た3人連れ           高知から来てここで一泊する登山者

さて、中村雅俊が待っている!この白髪避難小屋から直接林道に下りる道があるのでそれを行く。高知から一人でやってきてここで
一泊するという登山者に下山道を確認すると間違いないと言う。確かに近道だがものすごい急坂!懐かしいマユミの木にまだ実が
残っていたが、家人はそれどころではなかった。ヒザが・・ ひざが・・・膝が・・・と言い通しでちょっとばかし悲惨な近道下山となった。

        
  白髪避難小屋からの下山道   白髪避難小屋への林道からの直登道

「俺達の旅 中村雅俊」に会えるぞ!

林道に下りて結構長い距離を駐車場まで車を取りに帰り、ヒザ故障者を回収して別府(べふ)峡へ下る。195号線を徳島県へ入り
木頭村経由193号線を海南まで出て、我が友「善玉コレステロール山坂」に会いに甲浦ホワイトビーチホテルに向かう。途中眠た
くなると、私の青春時代にとりこになったテレビドラマ俺達の旅の主題歌

♪ 夢の坂道は〜 ♪ 木の葉模様のいしだたーみ♪

まばゆく白い長い壁 ♪ 足跡も影も〜 残さないで〜 ♪

たどり着けない山の中へ♪ 続いている 物なのです〜 ♪ 」

(作詞・作曲 小椋佳)
 を歌い続けながら17時過ぎにホテルに着いた。

  
   甲浦 ホワイトビーチホテル (徳島県に近い高知県)

この旧友は香川県、豊島(てしま)の漁師の生まれで腕っ節が強く、私と同じくバレーボールをしていた為手の指が異常に太い。
正義感と向こう意気が強く敵にするとうっとうしいが、一旦味方になると面倒見が良く頼もしい存在となる。まるでギリシャ人のよう
な性格をしている。彼にゴルフを勧めたのだが、あっという間に上達した。得意技は右のOBに打ち出したボールがフックして
ちゃんとフェアウェイセンターに着地する(彼の意思とは全く関係が無い)まるで彼の生き様そのものである。 元気で地元に
溶け込んでホテルマンしてるようで安心した。

 
旧友「総支配人山坂」とその右腕、明るいキャラの「ボディボーダークロピー」    フロントにはこのハチャメチャな総支配人を
コントロールする正規のまともな支配人がいる。

  
   きゃ〜 憧れの中村雅俊じゃ〜    布施博もいるぞ!

閉店後のレストランに総支配人の陰に隠れて潜入! 聞き慣れた中村雅俊の低い声がレストランに響き渡る。旧友とコーヒーを
飲みながら健康の事を心配してくれてあれこれアドバイスしてくれるが、こちらは隣の席でスタッフと食事をしているカー助が気に
なりうわのそらだ。ウェイトレスが中村雅俊に呼ばれて注文を聞いている。よっぽど総支配人に頼んでウェイターに成りすまそうか
と真剣に考えたほどだ。

中村雅俊が立った! 背が高くかっこいい! 負けた!やはり俳優というものは華(オーラ)があるもんだ。この日は残念ながら
田中健や十朱幸代はまだ到着していなかったが華やいだ雰囲気を味わうことが出来た。こちらの興奮とはうらはらにこの善玉
コレステロールはあくまで冷静で従業員にも一般宿泊客と同じ扱いをするように教育されているのに感心した。

今回の山行きはこんな付録がついた面白い旅となった。




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