東三方ヶ森・白潰縦走
プロローグ
チョーほろ苦(にが) 東三方ヶ森への旅 白潰にて一泊付き、その上 遭難騒動のおまけ付き
平成21年8月22日〜23日
黒滝神社〜東三方ヶ森〜白潰 (敗退・野宿)〜迂回〜明神ヶ森〜福見山〜福見寺 カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである
山渓・四国百名山を何気に登っていると次第に遠い山ややる気が起こらない厄介な山が残ってくる。東三方ヶ森もそんな気乗りのしない
山だった。この山をどうクリアしようかと思っていた時、サスカッチさんが黒滝神社から東三方ヶ森のピストンをしてそのレポを投稿登山記に
まとめてくれた。
サスカッチさんの黒滝神社から東三方ヶ森はここ
この時から東三方ヶ森へのルートは黒滝神社ー東三方ヶ森ー白潰ー明神ヶ森ー福見山と決めていた。
そんな時、今度はしまなみ隊のはるちゃん、楠さんから福見寺までの車道を利用して明神が森へアプローチされた投稿登山記を頂いた。
しまな隊の福見寺ー明神ヶ森ー福見山は ここ
エントツ山投稿登山記に登場の二人が紹介してくれたルートの間を埋めて歩くのも意義があるし、同時に私の東三方ヶ森縦走が完成する
って寸法だ。
8月22日福見寺に車をデポして無謀にも自転車で黒滝神社に回る。ヘロヘロになりながら10時30分を回って黒滝神社登山口に到着。
いきなりの急登が更に老体に襲いかかりピッチが上がらない。結局肝腎の白潰(しろつえ)で日没を向かえてしまい、迂回する林道も
見つけることが叶わず、白潰の沢で野宿を強いられた。
おまけに携帯電話が通じず、家族が山で遭難したのかと心配をかけてしまった。
白潰で野宿した近くの堰堤 堰堤に刻まれた堰堤符号
いきなり エントツ山の替え歌登場
原曲:井上揚水のリバーサイドホテル
題: 「野宿は白潰(しろつえ)バレーサイド」
1) 誰も行かない マイナー縦走路 ♪
黒滝神社の 急坂這い上がる ♪
知らない山道 夢中になれるから ♪
出遅れ気にせず 気合で旅に出る ♪
14時過ぎに やっと東三方ヶ森 ♪
行く先果てなく 疲れ果て ♪
日暮れに尾根が 見事に切れ落ちて ♪
そこで私は 途方に暮れたのさ ♪
野宿はリバーサイド
沢沿いリバーサイド
白潰 バレーサイド
OH バレーサイド ♪
2) 林道探して 白潰沢下り ♪
アンテナ立たない 携帯だた見つめ ♪
愚かな自分を しみじみ思い知り ♪
ベターな野宿の 場所探す ♪
夜の沢筋 冷たい風が吹き ♪
家では家族が 遭難騒ぎ ♪
鹿の啼く声 谷間に木霊して ♪
星の光が 寂しく光る ♪
野宿はリバーサイド ♪
沢沿いリバーサイド ♪
白潰 バレーサイド ♪
OH バレーサイド ♪
翌朝、携帯電話の電波を探して白潰林道を少し下り、支尾根に取り付き稜線に復帰。携帯電話が通じて家に電話を入れると警察に
遭難届けを出す用意をしていたらしい。 こりゃイカン! 白潰まで引き返す気分にもなれずデポした車に急いだのであった。
リベンジ! 白潰!
因縁の白潰を乗り越えて東三方ヶ森への道 (逆コース編)
平成21年9月6日
その後、掲示板で oniさんから「エントツ山返しのキレット」と命名してくれた白潰の崩壊地をもう一度明るい内に見てみたいという思いが
募る。中途半端に終わってしまい反省点の多かったこの縦走を完成すべく、2週間の謹慎生活の後マーシーさんを誘う。今回は車2台に
よる縦走となり、先に黒滝神社登山口にマーシーさんのパジェロ・イオをデポし、私のラッシュで福見寺に向かう。
福見山〜明神ヶ森~白潰〜東三方ヶ森〜黒滝神社 カシミールソフトを使ったGPSによるトラックログ図 (マーシーさん原図仕提供)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである
松山道小松インター出口で05時30分マーシーさんと待ち合わせ、国道11号線を少し松山方面へ進み、適当に右へ折れて田滝集落へ
向かう。関屋にある大きな採石場が遠くから見えるのでこれを目標に車を進め、今治方面からの道に合流し、田滝集落より分岐の目印、
石柱とカーブミラーから右に入り田滝川に沿って黒滝神社登山口へ進む。
途中で右手にサーキット場や採石場がある。農園を越して細い道を奥へと進むと黒滝神社登山口に突き当たる。ここにマーシーさんの車
をデポして関屋から窓峠、酒樽村を経て神子野(みこの)採石場横にある福見寺への観音道に入っていく。
福見寺に到着し、07時15分因縁の白潰え向かい縦走を開始する。
福見寺で安全を祈願すると、前回奉られていたスイカがまだそこに置かれたままだった。
田滝への分岐点 黒滝神社登山口
福見寺への車道入り口 福見寺
福見寺にて安全祈願 アレ? すいかがそのままある 福見寺右手の登山道入り口
福見山から明神ヶ森への登山道は3度目だが、踏み跡がしっかりしているのでこれと言って迷う場所も無く、又、しまなみ隊
をはじめ色んなサイトがここを紹介しているので省略〜。強いて言えば、明神ヶ森直前の広いコル部で南側からの登山道と
合流するのでテープが散乱しているので帰りに注意を要する事くらい。
野草はかろうじて途中の伐採地傾斜にシコクブシ、キバナアキギリ、ミツバヒヨドリ、オオバショウマ、モミジガサ、その他
ヤマジノホトトギスが見受けられた。
08時55分明神ヶ森(1,216.9m) に到着。山頂はもしアンケートを取ったら四国百名山の中でも「サエない山頂」ワースト3に
絶対入るであろうショーモナイ場所である。植林と深い笹、おまけにわんさか虫が押し寄せる。さあ 先を急ごう!
福見山 明神ヶ森
白潰へ向かう登山道は一見わかりづらい。福見山方面から上がってきた登山道のすぐ近く(左手)を北側に向かって鋭角に
切れ込んでいる。笹薮が深く、そちらへ行く人が少ないので入り口の踏み跡が定かではないのだ。でもよく見ると深い笹薮の
底に踏み跡が存在する。深い笹薮を我慢すると次第に前が開けてきて細尾根の急下降となる。低いコル部から又笹が深く
なりそのまま少し登ると、09時13分前回失意に暮れ、おまけに毛虫に刺されながら白潰林道から這い上がってきた小ピーク
に合流した。
前回はここでやっと携帯電話が通じて家族の騒動を知り、白潰方面へ行くのを断念したのだった。このホロ苦い場所から
一旦下がり、1,118mピークに又登り返す。このピークは左手(西側)に支尾根を持っているが、ルートは右手が切れ落ちている
ので誤る心配はない。次第に笹が薄く低くなりとても感じの良い縦走路となった。
笹薮を抜けると細尾根の下りとなる 木々が生い茂り日差しに輝く
あ〜〜 又 笹藪なのね ここが前回の縦走合流点 (這い上がった支尾根側から撮影)
振り返ると右側に明神ヶ森が見える。左側は手前のピーク 笹が低くなり気持ちの良い縦走路となった
夜の魔物か? 因縁の「白潰(しろつえ)」のベールを剥ぐ
カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図 (白潰付近)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである
サスカッチさん提供の白潰全容写真
さて、いよい白潰エリアに入った。白潰は今回歩く縦走路と北側の「北三方ヶ森」「水ヶ峠」「伊乃子山」から南下してくる
ルートの三角交差点となっており、文献を検証した人によると、その昔は「西三方ヶ森」と呼ばれていた場所の可能性が
あるそうだ。 何にしても高縄半島は三角交差部が多い山だ事。
白潰の山塊は南北にどっしりといくつかのピークで形成されており、三角点(1,150.9m) はルートの三角交差部手前にある。
途中の尾根もちょっと崩壊しかかった花崗岩があり、白潰エリアに入った事を感じさせる。 登山道の右手には所々踏み跡が
崖に向かっているが、これが迂回路なのか鹿の獣道かは定かではない。
まだかまだかとはやりながら歩いていると10:00時やっと白潰三角点に着いた。すでに大汗をかいている二人はここで
初めての休憩をとる。
崩壊地や向かいの尾根筋を眺めながら2週間前の思い出が走馬灯のように廻ってくる。あの夕暮れにみた白潰の崩壊地は
明るい時にみたらどうなんだろう?とドキドキ胸が高まってくるのだった。
雰囲気の良い白潰エリア
白潰三角 帰ってきました 白潰に
三角点から崩壊地を眺める 北側ルートとの合流点 ( 1,156m )
白潰ルート交差部をいよいよ崩壊地に向かい右手(東側)に進む。思ったより崩壊地まで細尾根が続き遠い気がした。先行する
マーシーさんが細尾根からちょっと右手に外れて「この下が例のキレットみたいですよ」と言う。確かにキレットの上に立っていた
見覚えのある白骨樹がある。近くまで下りて下を眺めるが樹木や角度の関係でその全容は見えない。
oni さんがこの地を訪れてくれて掲示板でヒントを頂き、私が乗り越える事が出来なかった場所を「エントツ山返しのキレット」と
命名してくれてその写真を貼ってくれた。更にもっと写真をお願いすると崩壊部を紹介してくれた。よくはわからんけど南側の崩壊地
からアプローチ可能みたいだ。
尾根を左側に外れて倒木などに掴まりながら下っていくと倒壊部の上側に出た。何かの目的で置かれたワイヤーが見える。
大きな倒木で多少の安全が保証されている。そこを乗り越えるとマーシーさんは既にこの北側崩壊地を渡っていた。
あんりゃ?! 何やねん 北側の崩壊地は15mくらい下側に倒木や樹木があり比較的簡単に渡れるじゃん・・・ショック!!
遭難騒動まで起こしたあの野宿は一体何だったのだろう。砂状になった斜面をズルズル滑りながら向こう岸に着いて、例の
キレット直下に這い上がる。
ここから細尾根をキレット部へ向かって下がる 跳ね返されたキレット部を上から (ちょっと見えにくい)
北側崩壊地の上に回りこむ 倒木を乗り越えて崩壊地に入るマーシーさん
北側崩壊地より「エントツ山返しのキレット」を見上げる
倒木を乗り越えて崩壊地に入った所 (マーシーさんと写真を取り合う) ワイヤーが垂れ下げられている
崩壊地を渡り終えたマーシーさん
「エントツ山返しのキレット」((oni さん命名)に立ってもう一度じっくりと周りに目をやる。
キレット自体は数メートルで何とか正面の壁までは到達可能である。でも正面の壁は手がかり、足がかりが無く、ザイル
無しでよじ登る事は不可能だ。
左手は大きく崩壊が切れ落ちておりこれは一見して無理。崩壊の絶壁が更に左手に続いている。
さて、問題の右手(南側)の崩壊は? キレットから見るとこれ又鋭く切れ落ちている。うん うん あの日没後の状況では
撤退したのは仕方がないと自分を納得させた。
姿勢を確保してさらに注意深く下を覗き込むと崩壊地の下側に樹木が見えた。う〜〜ん あそこまでライトの光りが届いた
ならば・・・・
撥ね返されたキレットから上部の崖を見る 撥ね返されたキレットを正面から見る (手がかりがない)
キレット部から左の崩壊地景色 昼でも夜でもこれは無理やろ
キレット部から右手の崩壊地景色 夜この切れ落ちがライトに照らされたら無理と思うじゃろ
これがエントツ山返しのキレットか〜 明るい時に北側崩壊地を更に覗き込むと迂回できそうやんけ
キレット部から更に少し下がった場所から崩壊地を眺める
白潰の南側崩壊地は城壁の様で一見迂回は無理そう
夕闇でキレット上に立った私は、進むべき明神ヶ森方向である左手への迂回ルートを模索した訳だが、この先入観が
左手下方にあるべき林道へと向かわせたのである。結局この判断が間違っていたのだった。 oni さんもアドバイスして
くれた様に地図上の地形を信じて右手の迂回路を模索すべきだった。
遭難騒ぎまで演出した「白潰」は、持ってきたザイルやスリングをザックの中から出すことも無く、あまりにも簡単にクリア
出来てしまい、そこは単なる「闇の魔物」だとわかって急に力が抜けてしまった。
東三方ヶ森への縦走開始
「もうドラマは終わってしまった。後はただ歩くだけ」とマーシーさんに告げてトボトボと東三方ヶ森への長い縦走に入る。
白潰を過ぎるとやがて細尾根になり鹿の防護ネットが左手に現れる。尾根の交差部ではネットを潜らなければならない。
そこを右手に細尾根を上がっていく。なおも黒い鹿防護ネットが続く。北側に若い植林地帯があるので白潰側からの鹿に
対して万里の長城を築いているのだ。
前回はもう薄暗かったので気がつかなかったのだが、所々に鹿の頭蓋骨が網に引っかかっている。でも角はない。
白潰からコルに下がる 前回はここから沢に向かって右手に下りていったのだ
鹿避けネットをくぐる 進む方向から左手を見てもあちこちに崩壊部がある
ここにも三角点あり ネットが続く縦走路
哀れな鹿の骨が2〜3体ぶら下がっている 地盤が崩壊し根が浮いている
この縦走路は湾曲、ジグザグなルートが繰り返されながら東へと進む事になる。おまけにたくさんの三叉交差部があり、その
方向取りに気を使う。
11時43分、第1ターニングポイントである三角点に着く。「白潰」への白い鉄板が置かれている。そこから振り返ると通り過ぎて
来た明神ヶ森とその手前のピークが見える。その三叉路から右手に踏み跡が続くが、ここは左手に進む。
すると左手の木々の間から白潰(しろつえ)の全貌が見え隠れする。その姿を見ながら「やっぱり山歩きは昼間がいいな」と
しみじみ思う。人生もそうだけど周りが見えない、遠くが見えないってのは大いなるハンディだ。
岩抱きヒノキ 明神ヶ森を振り返る
ターニングポイントの三角点 (ここを左に) ここも3差路で白い標識がある
白潰が向かいに見え隠れする
前回は夕暮れに追われて足早に通り過ぎたものだが、ゆっくり見ると美しい尾根縦走路が続く。う〜〜ん中々良い景色だ。
少し小高いピークに何かアンテナの様な物が見える。低い笹の斜面を這い上がると第2ターニングポイントである三角点
に12時28分着いた。ここにはビニールシートに囲まれたテントがあり、中を覗くと何か計器の様な物が置かれていた。
白い鉄板が置かれ「木地奥林道第二隧道へ 松中OB山の会」と書かれている。どうも北側すぐ近くに林道が走っている
様だ。でもこの看板矢印方向に進んではダメ。その東側=右側に続く一見崖の様な急斜面を下りて行く。
快適な登山道 分岐へのピークを這い上がる
テントが敷設された三角点
この「木地奥林道第二隧道へ」方向に進むのはダメ。 東側 (この写真に向かって左側へ下る事)
その後、細尾根あり笹薮ありと幾つものピークを乗り越えていく。笹薮はあるもののそんなに長続きのするものではなかった。
美しい笹原の並木道が現れうっとりする。2週間前にここを歩いたのだが、今回は逆方向からの歩きなので景色の記憶が
定かではない場所がある。
崩れかかった岩尾根や老木など中々の縦走路なのだが、いかにも長い。タフなマーシーさんからもボヤキが出る。
「もうそろそろ東三方ヶ森やろ」と全くアテにならない予想を数回繰り返した。
縦走路の主
笹薮もあるがそう長くは続かない 岩の細尾根もあり変化に富む縦走路
美しい縦走路や〜〜
やっと14時15分、最果てのピーク「東三方ヶ森」に着いた。この山への単独登山道は南側の木地(えひめ酒樽村近く)
の阿歌古渓谷やその東側の尾根を伝って約2つあり、山渓「四国百名山」解説書によると歩行が約7時間となっている。
我々は7時間かけて福見寺からやっと東三方ヶ森に到着した。山頂はこれ又サエないピークで、北側にかろうじて道前
平野らしき白い街と瀬戸内海が見える。入り口にヤブシグレの赤い色がこの殺風景な名山に彩を添えている。
もうこりゃヒコーキ1号さんを真似て編隊飛行姿になるしかない。自動シャッターで10秒後のタイミングで飛ぶぞ〜〜
ブイ〜〜ン お〜〜 結構楽しいじゃん! 久々に心の底から笑った気がした。
この先にも三叉路がある やっと東三方ヶ森に着く
ヒコーキ1号さんを真似てイノシシ二機編隊 う〜〜ん これは結構楽しいぞ!
阿歌古渓谷への下山口 北に向かって下がる
さあ、kれで全行程の約3分の2が終了した目安だがまだ先は長い! ここから暫く北東方向に下って行く。 東三方ヶ森を
過ぎると直ぐに2箇所で右側に南側への下山口が確認出来た。我々の進むルートはサスカッチさんが紹介してくれた五葉が森
への主稜線を進み、途中から西山興隆寺方面への支尾根へと変進するのである。
14時50分 ちょっとやっかいなターニングポイントに着いた。左か右かそれが問題だ。東三方ヶ森から北東に延びた主稜線
がここで東にちょっと方向を変える。従ってここは右手に下る事になるが、この直下に「根くぐり松」があるのでこれが目印と
なる。
根くぐり樹じゃ〜 サスカッチレポにあった根くぐり樹
さて、15時17分このルート最大のターニングポイントにやって来た。五葉が森へと続く主稜線から黒滝神社への支尾根に
乗り換える訳だ。これが実に厄介な場所で、もしサスカッチさんのレポで前回反対方向から来ていなければひょっとして
見過ごしてしまったかも知れない。
ラッキーにもこの場所に鉄製のアンテナの様な物が立っていて、近くに大きな青いビニール袋が何かを包んでいる。ここに
大き目の赤いテープが貼られており、地形的には下りるべき尾根は見当たらない。
登山道の右手に続く背丈ほどある笹薮の平らな斜面を下って行く。所々にテープが見られるが兎に角 5〜6分我慢して下がる
と左側に崩壊地が現れ、その縁にそって深い笹薮の中に踏み跡が下がっている。 この崩壊地に沿って尚も下がっていくと
自然に進むべき細尾根に乗れるって按配だ。
全ルートを通じてとても急な傾斜が存在するが、笹薮を伴った急勾配はここだけと言える。
ここが重要なターニングポイントだ。 主稜線から右側の支稜線へと急激に下がっていく
思い切って右の笹薮に突っ込む ただっ広い笹薮を下る
左手に崩壊地がありその傍を踏み跡が続く ルート上から崩壊地が見える
平らな縦走路になる 大きなヌタ場がある文殊谷
さて、黒滝神社への細尾根に乗れてホッとしながら小さなアップダウンを更に繰り返す。この支稜線も全体的には東へと
進むが決して単純ではなく大きく湾曲しながら南や北へと変進するので注意が必要だ。
15時57分広い平地に出た。ここが文殊谷(もんじゅだに)と呼ばれている所で三角点がある。サスカッチさんのレポで
初めてこの場所の名前を知った。大きな池の様なヌタ場があり獣達の憩いの場だろうか。前回ここに逆方向から到着した
時は霧がかかっており、一体どちらに進んだら良いやら結構悩んだ場所だ。
でもここまで来たら後は知れている。やっと今日は明るい内に下山出来るメドが着き、サスカッチさんお気に入りの文殊谷
風景を二人で楽しむ。
南側に向かって「窓峠」方面への登山道が延びている。前回ここを少し下ってみたが植林の急な傾斜となっていた。ここは
三角点を見つけてその場所で地図とコンパスを使うと東側へ進むルートが確認出来る。
サスカッチさんお気に入りの文殊谷風景
文殊谷三角点 文殊谷の精?
文殊谷から黒滝神社への下山口まで地図を見ると二つのピークを乗り越えて行くのがわかる。比較的緩やかな笹の傾斜を下ると
少し尾根が左手に振れ次第に植林が現れてくる。いきなり崖の様な急登を持った最初のピークが現れ最後の力を振り絞って上昇
する。
これを越すと最後のピークは比較的緩やかで長い。ここを抜けると山肌が掘れ込んだ広い道が下っている。四国の山にはこの様な
道があちこちに見られるが、古くから利用された山道や参道などが多い。やがて植林の細尾根となり17時05分、黒滝神社への
下山口に到着した。ここはその先にある三角点「黒滝神社」への上り坂に差し掛かった辺りで植林に赤テープが巻かれている。
最後の急登 大きく掘れ込んだ道を下る
植林地帯の登り坂に黒滝神社へ下るルートがある 真っ直ぐ尾根を進めば三角点「黒滝神社」がある
前回この三角点に訪問しているのでここから黒滝神社へと一気の下りる。ここの傾斜も四国屈指のキュートさで、植林を
ブレーキにして落ちて行くって感じだ。先ほどから安物の登山靴で足の指先にダメージを負い、それが限界に達していたので
前を向いて歩けず、横歩き・後ろ下がりで最後の苦行を強いられた。 いや〜〜 長時間の歩きは靴が大事やわ
黒滝神社は下見を含めて3度目の訪問となるが、この神社横にある杉の大木や途中、急坂の参道にある古木の迫力には
感動させられる。
17時半過ぎに痛い足を引きずりながらマーシーさんのデポしたパジェロ・イオにたどり着く。以前マーシーさんに「登山の後は
汗臭いのでファブリーズを車に買っておいて下さい」と言われて以来私のラッシュはカテキン・ファブリーズ装備車である。
マーシーさんに「そちらの車にはファブリーズ(消臭ミスト)積んどるやろな」と聞くと「無い」と言う。 けっ いい加減な奴っちゃ
着替えを持って砂防ダムの上に行き、誰もいない川原で体を洗う。 あ〜〜気持ちよか〜〜
物凄く急な植林地帯を転げ落ちる 黒滝神社を通過 (カエル石?)
黒滝神社のシンボル樹
黒滝神社登山道を下る サスカッチさん差し入れのユンケルで乾杯〜
車の回収は国道11号線を使って川内に出て19時15分もう暗くなった福見寺に着く。車に貼り紙がありサスカッチさんが
ユンケル2本を保冷パックに入れてサイドミラーにかけて置いてくれていた。疲れた体にグッとくる思わぬプレゼントに元気が
出た。
このルートを紹介してくれたサスカッチさん、しまなみ隊のはるちゃん、楠さん、白潰エールを送ってくれたoniさん
みなさんのお陰でマーシーさんと共に白潰〜東三方ヶ森をきれいに繋ぐ事ができました。ありがとうございました〜