2006年12月24日
イノシシ達の挽歌シリーズ  藪の中のメリークリスマス 

橡尾山ーカガマシ山ー三つ足山ー奥工石山 周回
藪の中のメリークリスマス H18年12月24日

橡尾山―カガマシ山―三つ足山―奥工石山 周回 

紫雲さん、マーシー、ランボルギーニ & エントツ山


カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図  縦走時間 約7時間
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)

前回「中川峠」よりカガマシ山を周回してこの山域の渋さを体験した。視界が悪かったのでもう一つ周囲の景色がわから
ないのが残念だった。紫雲さんより年末までにもう一回行きましょうとの提案があり、マーシーさんにルート計画を頼む。

その中の一つ、橡尾山から工石山までの周回に決定。今回は石鎚中沢コースを一緒に歩いたランボルギーニも参加
することになった

12月24日06時30分 新宮インター出口付近で待ち合わせ小さな四駆2台でこのロマンチックなクリスマスイブの日に
藪尾根へ向かう。

新宮から県道5号線を遡り笹ヶ峰トンネルを越えて立川番所跡へ。そこから立川川沿いを仁尾ヶ内林道を14kmひた
すら詰めて工石山登山口へ到着。ここに一台車をデポしてカガマシ山登山口の標識がある林道まで引き返して、今度
は橡尾山とカガマシ山の山腹に向けて支林道を登る。

終点にはチェーンが張られ、道はまだ続いているが車は入れない。ここで身支度を整えて縦走開始。適当に林道をショー
トカットしながら尾根方面へ適当に進む。途中小さな沢を一つ越えて植林地帯をこれまた適当に尾根を目指す。林道には
2箇所カガマシ山登山口の標識が見られた。

 
   仁尾ヶ内 登山口ゲート        ここから林道の続きを歩く
 
    わき道を進む               林道に出てすぐ標識がある

 
  植林地の小さな沢を渡る        あとは適当になだらかな斜面を登る

ほどなく尾根部に到着した。私と紫雲さんが橡尾山へ行った事がなかったのでザックを置いてGPSとデジカメだけを提げて
尾根を東へ進む。なだらかな尾根の向こうに橡尾山がありブナが所々に現れる。潅木が生い茂っているので展望は極めて
乏しい。この辺りは愛媛側の北面が良く、南側の高知県側が植林地帯で興味に欠ける。

 
   橡尾山付近の尾根            栃尾山付近の尾根 スペースがある

潅木の中に「橡尾山」山頂標識があった。まあ山というものは山頂だけで判断するものではない。そう分かっていても
いかにも地味な山頂だこと。記念写真を撮っても潅木の為顔がマンダラになってしまう。更に西側に進むとちょっと樹木
が薄い所があり、そこから奥工石山が眺められた。


初めての展望  橡尾山の山頂を越えて右に入ると工石山方面が見える

   
    橡尾山山頂    ランボルギーニ 紫雲さん マーシー

以前マーシーが歩いた橡尾山から笹ヶ峰へ向かう尾根道を教えてもらったが相当笹薮がきつそうだ。

ザックをデポした尾根合流点に帰りカガマシ山へ向かう。尾根にはほぼ踏み跡がありテープも沢山見られる。
所々にブナの木があり笹とブナがいい調和の風景を作っている。南側にちょっとした登山道がある。この辺りが
栃尾峠らしい。秋にまたこの南面を歩きたいものだ。

 
尾根合流点でデポしたザックを回収     さらに西へと向かう


      典型的なこの辺りの尾根風景です

右手前方が開けた場所ではガレ落ちた斜面と茅の山頂を持つ「三ツ足山」が見える。この辺りから少し標高が高く
なったのか木々には霧氷が見られるようになった。寒風山や伊予富士のそれに比べればちょっと迫力に欠けるが、
まあこれはこれで中々感動するもんである。


     木々の先端には霧氷が白く花を咲かせている

別の「三ツ足山」右手に見えて暫く進むと見慣れた「カガマシ山」山頂に付いた。少しお腹がすいていたが、昼食は
工石山への分岐である「三つ足山」で摂る事にしていたのでそのまま進む。紫雲さんの糟糠の妻から配給を受けた
「乙姫おやつセット」から酒饅頭を口に放り込む。

   
    カガマシ山 山頂にて カタブツ紫雲もポーズに慣れてきた

2週間前に歩いた道を三つ足山まで喘ぐ。結構登りがキツくて霧氷があっても気温が暖かく体が熱い。前回は手袋
やズボンが濡れて寒くて往生したが、今回は素手で大丈夫だった。
見晴らし尾根までヘロヘロになって辿り着くともう三つ足山はその向こうだ。


ここから霧氷が出現し 感動のためオジサン達の歩みがのろくなる


            ブナのある登山道


        霧氷に飾られた尾根道を進む

    
     見晴らしが良い所ではしばし立ち止まる

 
     中川峠が見える        知らぬ間に岩の天辺に登っているマーシー


         佐々連尾山が顔をだす


               もう最高の風景


       もう最高の尾根歩き


  見晴らし尾根からカガマシ山を振り返る

視界が良いので周りを見渡せる。三つ足山の細尾根を真っ直ぐに進むと工石山への急な尾根へと続く。中川峠には
ここで直角に同じ様な笹薮を下りていかなければならない。視界が悪いときはちょっと注意を要する場所だ。

  
     三つ足山の狭くて細長い山頂

さあ、やっと食事だ。鍋を初めてザックに押し込んできた。えらい底の深い鍋じゃなあと思ったらどうもスパ
ゲッテイ用の鍋だったらしい。どうりで沢山水がドボドボ入った筈だ。ランボルギーニのバーナーが大きな火
を吹いたが、すぐに消えてしまった。

私のバーナーに取り替えてお湯を沸かす。マーシーさんに「ラーメンを4つ入れて」と頼むと「2つしか持って
ません」「え?どう言う事よ」仕方なく既に割れた卵とブロッコリー、ちくわはちぎって放り込む。

暫くの間、大の大人4人が所作なく蓋のされた鍋を眺めおあずけ状態。程なく男の料理が出来上がり清貧なる
昼食を楽しむ。でもこの場所はどうも鹿のたまり場のような匂いがした。

 
少ないラーメンを分け合って食べる     これが三つ足山山頂だ

さて、イノシシ達のクリスマス会も終了し、すぐそこに見える奥工石山へ向かう。あれ?崖になって道が無い。
まあ適当に下の尾根部に向かって転げ落ちる。ここからの尾根は踏み跡が少なく自然に溢れていた。笹薮も
ヌタ場も岩場もシャクナゲの尾根もあり、ピークを越えたら次のピークが現れ思ったより遠い道のりだった。

途中、平たい峠道があったが、中川峠への道は完全に藪化していた。

 
急な崖の様な坂を工石山へ向かう            峠に出た

 
相変わらず踏み跡は薄い           大岩もある


小さなピークが結構あり休みを取らずに歩く

皆がそれぞれに敬意を払っている仲だからリーダーがいない。従ってだれもがお互い牽制をし合って「休憩」
の号令を発しない。ただ黙々とあんな坂、こんな藪を進んでいく。やっと工石山本体のどてっぱらに取り付くと、
そこから笹が小さくなって歩き易いがダラダラと登りが果てしなく続く。最後の急な斜面を登りきると工石山一等
三角点のある細尾根に出た。

 
     藪尾根                大きなヌタ場


        最後の登りを頑張る紫雲さん
   
山頂標識にはボールペンで前の日に同じルートを縦走したとしたためてある。感想ノートじゃないんだから標識に
書くこともないのであるが、彼らの達成感がそうさせたのであろう。

    
     工石山一等三角点のある山頂
 
そこからユルギ岩へ下りる。アケボノツツジの季節にサマンサと来た懐かしい場所だ。ここからの眺めは
実に素晴らしく、いままで歩いてきた展望の少ない藪尾根とくらべれば天国のようだ。紫雲さんが剣、次郎笈
を見つけて呼指してくれる。そういえば・・・


     奥工石山のゆらぎ岩  白石神社の祠がある

鹿が先ほどから下の谷でしきりに鳴いている。マーシーさんの笛を鳴らすとそれに応える様に啼き返してくる。
イノシシと鹿との交流のあと車をデポした工石山山荘の広場へと向かう。朝見上げると真っ白だった霧氷が斜面
に落ちて雪の様に積もっている。滑らないように気をつけながら竜王峠分岐から支尾根へ出て岩がゴロゴロした
登山道、さらに植林地帯を下り白石神社の鳥居をくぐる。

 
  しばし鹿と戯れる我が同行者      お世話になりました 我が同行者

 
ユルギ岩の横を通って尾根部へ      支尾根から岩っぽい道を下る

 
植林地帯に入ったらゴールは近い     工石山山荘と白石神社の鳥居

時間はマーシーの計画通りぴったり16時だった。偶然を得意がるマーシーを載せたランボルギーニの4駆車に
揺られてラッシュの置いてある登山口へ帰る。思わぬ好天に汗をかき、冷たい夕方の風に震えながら帰り支度をする。

霧氷も見れたし、自然に溢れた縦走路を歩けて4人とも満足のクリスマスとなった。

紫雲さんの橡尾山ーカガマシ山ー三つ足山ー工石山レポートは ここ 



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