2006年07月14日
平成18年7月14日2億年前の海底火山の跡 「四国カルスト」を訪ねる
平成18年7月14日 四国カルストを歩く
五段高原―天狗ノ森―黒滝山―大引割・小引割―大野ヶ原


四国カルスト台地に咲くハンカイソウ

山渓の四国100名山も半分くらいからあまり進んでいない。
サマンサが上高地ツアーへ行った留守にちょっと南予方面をこなす事にする。


四国カルスト 五段高原ー天狗高原ー黒滝山ー大引割・小引割
カシミールソフトを使ったGPS ルート トラック・ログ (GPSの衛星捕捉が
出来ていませんが復路は黒滝山の南側、四国の道トラバース路を歩いています)
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634) 

四国カルストへは何度も訪れているが、山を意識した事はなかった。位置関係も曖昧で改めてどうやって行ったら良いか
調べる。

国道33号線 三坂峠を越えて久万高原町を通り、さらに御三戸嶽を左に見ながら高知方面へ進むと、「地芳(じよし)峠」
への標識があり左へ一旦曲がり、Uターン・ループして440号線となる。この440号線は入口は立派だが途中は狭い。

地芳峠に着くと、右(西)は大野ヶ原、左(東)は四国カルストとなる。
左に折れてしばらく行くと標高1,310m程の「姫鶴平」(めずるだいら)の風車が2台見える。これが四国カルストの代表的
な牧歌的風景だ。


姫鶴平(めづるだいら)  風車のある風景

更に尾根に沿って道が登っていく。左右に広がる放牧地帯にはたくさんの牛が胴体に番号をペイントされてのんびりしている。
石灰石の岩(カレンフェルトと言うらしい)がいかにもカルスト台地の雰囲気を盛り上げる。 ハンカイソウが大きな茎を伸ばし
黄色い花を付けている。

 
姫鶴平にはレストランやおみやげ売り場がある  牛がのんびりと草を食む

    
      五段高原の石灰石群 カレンフェルト

五段城」1455.6m三角点らしき小高いピークが見え、そこへ行こうとするが放牧場の有刺鉄線が張り巡らされ行き
場がない。有刺鉄線の隙間から放牧地へちょっとお邪魔してみる。足場がモコモコして段があり歩きにくい。朝会社に
出勤したままの格好なので通勤靴が地面にめり込む。次の有刺鉄線を越えようとすると一匹の牛が寄ってきた。シッシ
と追い払い稜線部の藪に進む。

藪が深いので石灰岩の上を跳び足で進むが、石が尖っているのでひっくり返る。いい所まで進んだがイバラや藪が深く
撤退する。登山の準備をして来なかったのが残念。

 
柵を越えて五段城を目指す        五段城 山頂付近のササユリ

まあ、四国100名山は「五段高原」となっているので、これも制覇とさせてもらいましょ。

更に東に進むと国民宿舎「天狗荘」があり東側の広い駐車場から「天狗高原」への登山口がある。
車の中で登山の服装に着替えて出発。遊歩道がありしばらく森を歩くと 1,484.9mの山頂標識に着いた。

 
    天狗ノ森 登山口                  登山道

  
    ウツボグサ                シモツケ

 
    ツチアケビ                      ホタルブクロ

     
        ヒメレンゲトツルアジサイ

 
   これは何ショウマ?                   ササユリ

     
        天狗の森  山頂


そこから尾根伝いに「黒滝山」(1,367.1m) を通りすがり、大引割、小引割へ行くことにする。道なりにドンドン下がって
行くと刈り払いの作業をしているご夫婦に出会った。大引割への道はこれで良いですかと問うとそこまでは綺麗に刈り
払いを済ませている、帰りはトラバース遊歩道を通りなさいとありがたい返答が帰ってきた。

 
開けた場所からは鳥形山が見える    登山道 刈り払いご苦労さま

 
刈り払いのお蔭で歩き易い          黒滝山  尾根の通りすがり

黒滝山から下がっていくと、分岐の標識がありそれに従って大引割へとさらにドンドン下る。ヒメシャラの美しい並木を
過ぎて更に下がって行くと休憩広場に出た。看板がありどうもこのあたりに大引割があるらしい。キョロキョロあたりを
見渡すと、何じゃ すぐ横に岩の亀裂があった。

 
   ヒメシャラの木が多くなる           苔むした老木

 
分岐標識  ここから四国の道に合流     西日に輝くヒメシャラ林

 
    大引割の広場                 大引割

国の天然記念物に指定されているこの「大引割・小引割」は表札の説明によると白木谷層群(古生代二畳紀)に属する
赤褐色チャートが大地震によって出来た亀裂らしい。大引割は長さ80m、幅 3〜8m 深さ 30m、 小引割は長さ
100m 幅1.5〜5m、深さ20mとの事。 まあ話の種に一度訪れてみれば納得する。

  
     大引割                      大引割
      
小引割の道しるべがあり藪っぽい中に入ってぐるりと大引割を回りこむと、その向こうに小引割があった。 どうも あたりを
見渡しても中引割っていうのは無さそうだ。こんなところに「おいわさん」が来た日にゃ何枚の割れ目オンパレード写真が
レポートされるんでしょうか

 
      小引割                   小引割

これだけ天狗の森からドンドン下ったので帰りが不安。途中からもう稜線に上がらず「四国の道」遊歩道を通って
天狗荘に帰る事に。この道は綺麗に刈り払われており快適だった。天狗の池という標識があったので気になったが、
大野ヶ原への予定があったのでそこまで下りて行かなかった。

 
やはりここのヒメシャラ並木は必見だ   黒滝山への分岐からトラバース道を帰る

 
   ギンバイソウの咲く四国の道     快適なトラバース道

 
   ブナの大木                 サワグルミの大木

  
             お空は緑のステンドグラス

 
ヤマアジサイとハシドイの樹林            ギンバイソウ

天狗の森 登山口 − 天狗の森 山頂     約 30分
天狗の森 − 黒滝山                約 40分
黒滝山 − 大引割・小引割             約 30分
大引割ー四国の道トラバースー天狗荘  約  1時間20分

大野ヶ原へ


大野ヶ原 位置図 
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634) 

夕暮れ迫る四国カルストを地芳峠まで引き返し、真っ直ぐ西に進むと大野ヶ原らしき場所に着いた。ここは山では放牧、
山すそでは農業とい九州の様な風景だ。下調べをせずに来たのでどこが百名山の「大野ヶ原」をさすのかわからない。
農家の方に尋ねると「そりゃ源氏ヶ駄馬」のことじゃろうと場所を教えてくれた。

元に帰って車を廻し放牧用の道を進むと駐車場があった。更に道が続いて、その向こうに一夜ヶ森らしい茂みが見える
のでそこまで歩いて進むが、上も下も牛放牧の有刺鉄線が張られて登れない。

     
          大野ヶ原ののどかな風景

 
   一夜ヶ森の原生林            ホタルブクロの咲く作業道

駐車場に帰ってもう一度辺りを調べると、奥には柵にそって道があった。

もうあたりは夕暮れで薄暗くなってきたが、ライトを持っているので、イブキトラノオが風にそよぐ様を見ながら稜線に
向かって歩いてみる。 あれ? 稜線に出ると広い道があり「源氏ヶ駄馬」の大きな看板があった。 霧の出てきた
薄暗い稜線を更に進むと何やら怪しげなお地蔵様とお堂があった。「奥四国カルスト大師」が祀られているらしい。

こんなとってつけた様な神様の名前も怪しげなお堂やお地蔵様もどうも馴染めない。山頂の一等三角点がこのお堂
の横にある。「薊野あぞうの峰」という点名命標識が掛けられており、読み方がわからなかったが、REIKOさんに教
えて頂いた。

 
日が沈みかけて薄暗くなる         駐車場の左奥に道があった

 
  イブキトラノオが風に揺れる       尾根に上がると看板があった

 
お社の横に一等三角点がある       柵の横を通って下山

霧が辺り一面を覆い何も見えなくなったので車まで帰り、ここで一夜を明かす。
翌日はいよいよ宇和島の山へ心は飛んでいた。


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