平成17年5月28日友と歩く「新緑の皿ヶ嶺」 OMIYAさんとクマガイソウに遭遇
皿ヶ嶺 コウチワカエデの陰影
高知のソクラテス・モネ婦人から皿ヶ嶺のお誘いがあった。以前皿ヶ嶺で知り合った松山の方と一緒に登るという。徳島勢も誘ったが
今回は日程が合わなかった。この時期は銅山峰のツガザクラなんですが・・・・・老後の事を考えて付き合いが大事
松山道を川内まで運転中、眠たくなったとサマンサに言うと「歌を唄ってあげようか?」という。そういえばフリーになった彼女は現在
ババさんコーラスのソプラノ担当だと聞いていた。 即「否(いや)!」と答える。結局YESと答えてもNOと答えてもどっちにしてもサマ
ンサのソプラノが車の中に響き渡る運命になっているのだけれど・・・
頭の先から出るソプラノに眠気も吹っ飛び集合場所の風穴登山口に定刻20分前に着く。駐車場には高知組が来ておらず、古くて長い
スキー用ストックを持った年配の人がいた。それとなく会話で探ると今回松山から参加のウェストヒルさんだった。心配していると携帯
電話が鳴って「いま道に迷って何処にいるのかさっぱりわからんにかわらん」と嘆く。
今回皿ヶ嶺が3度目の土佐のソクラテスなのにカーナビに従って皿ヶ嶺を目指しとんでもない所に入り込んだみたい。(そういう男なの
だ)結局一時間弱遅刻して駐車場にカーレースのピンフラッグを受けるように突っ込んで来た。今更最後を頑張ってもどうなるもので
もなし・・・(そういう男なのだ) 今更ながらこの男は文明の利器には無縁だという事がわかった。(そういう男が私にぴったりの友なのよね)
さて前置きが長くなったが、そう 今日は皿ヶ嶺をゆったりと散策の日、出発〜
ソクラテスとモネ夫人が恐縮しながら到着 緑の皿ヶ嶺へ
風穴駐車場から見上げる皿ヶ嶺は新緑の緑に覆われ、優しい五月の風に揺れていた。皿ヶ嶺の緩やかな登山道は今日のメンバー
にはピッタリの様子で早速楽しい会話をしながら竜神平をめざす。
タンポポの綿毛が沢山並んでいる 風穴登山口
風穴までの両側にはタンポポの綿毛が夕暮れの街の灯のように円く白く光り、その周りには何やら定かで無い草の葉っぱの間に
ホウチャクソウやムラサキサギゴケが咲いていた。緩やかな登山道の両側にはブナをはじめ沢山の自然林が残されてとても心が
落ち着く風景だなあ。
緑一色の皿ヶ嶺登山道
見上げる木々の幹と葉のコントラストが美しい 見るからに明るい緑 鳥さんはいないかなあ
途中二人の年配の男性が石の入った袋の様なものを車の付いたキャリーバックに積んで下りてきたので「お疲れさん」とか「お早う
ございます」とか挨拶を交わす。こんな山歩きが出来るのも皿ヶ嶺の緩やかな登山道ならでは・・・
ベンチのある休憩所についた。休憩所だから休憩するのが当然とさっそくくつろぎにかかる。松山のウエストヒルさんから懐かしい
板チョコが振舞われる。ふと傍の古木を見ると??あれ? サルノコシカケが無い! よく見ると全て剥ぎ取られている。何てこった!
先ほどの二人組みの仕業に違いない。あの手押し車の中身はサルノコシカケだったのだ。いったいどんな罪が適用されるんだろう?
里に近い山ってひどい奴らもやってくるもんだ。ひとしきり人間の悲しい性を嘆いたあと、気を取り直して所々に咲いている花を見な
がら竜神平に到着。
休憩所のベンチ前で
無残に全て剥ぎ取られたサルノコシカケ 龍神平手前のブナ林
竜神平は周りの緑に囲まれてそこだけがまだ春が来ないって感じのススキ色した荒野だった。今度は何やら男の人が二人うろうろ
して測量みたいな事をしていた。今日は何だか怪しい人間と出会う日だなあ。近づくとカメラで風景を撮っている様子だった。
この二人連れのカメラマンが去ったので辺りを探してみるが、辺りには目立った花は見あたら無かった。一体何を写していたの
だろう? (後から聞いたところでは ポールを支点に360度パノラマ撮影をしていたらしい)
竜神平 この人たちがOMIYAさんだった
竜神平にて
風景にマッチする竜神平の愛大小屋
どこの山小屋も不思議と自然にマッチしているものだが、この愛大小屋も緑の中に赤い屋根の西洋的な風情をかもしだして
辺りの風景にとけ込んでいた。愛大小屋の横のオタカラコウの群生地近くの水場ではシャクナゲの花が終わりを告げようとし
ていた。
みんな野鳥の森へ行く気配が無かったので山頂へ進む。今日の連中は片道一時間半が自分達の限界だと固く信じている人
たちなのだから。一人で野鳥の森に行きたいが滅私奉公の精神で付き合う。サマンサとモネ夫人は同じ教育畑の職場や花が
好きという点もさることながら最大の共通点は体力不足で最後尾で励ましあって歩くので非常に気が合う。しかし今日はぺちゃ
くちゃ喋りながら先頭を歩いているぞ。これが皿ヶ嶺ならではの良さか?
皿ヶ嶺山頂を目指す(唯一の難所?) ブナが美しいと言ったら怒られた
ブナっていいよね〜
天気は悪くないものの皿ヶ嶺の山頂はガスで視界が効かず石鎚方面が皆目見えない。かろうじて大川嶺の中腹あたりが見えた。
この平凡な山が今年初めてFALCONさんやはるちゃんらにツルギミツバツツジ群生の美しさで有名な事を教えてもらった。ネット
によって色んなお山の知識を頂いている事に感謝。
皿ヶ嶺山頂にて OMIYAさんに撮ってもらう
山頂には先ほど竜神平で見た二人組がいたので皆の記念写真を撮ってもらう事にした。「原さんですか?」っていう。 はい?
「オミヤです」「え? 西赤石の?」 実はこのオミヤさん、遠登志の登山口でクロモジさんに道を尋ね西赤石に来られたのだ。
山頂ではお会いしなかったが私やクロモジさんが写った兜岩での写真をメールで送って頂いていた仲だった。さすが写真が
趣味だけあってお二人ともいい一眼レフ・デジカメを下げていた。
もっと西赤石の話を続けたかったが、それは他の仲間と共通の話題ではないのでご挨拶をして別れる。
肖像権を尊重して小さ目の写真 楽しい昼食タイム OMIYAさん(左)とお連れのNさん(右)
少し道を戻って木陰の涼しい所で昼食にする。先日の赤石山系の虫の多さを心配したがそれほどでもなかった。朝 一番大きな
魔法瓶にお湯を沸かして持ってきた。こんな事はまず自分の登山記の中には登場しないパターンなのよね。モネ夫人もポットに
熱いコーヒーを作って持ってきている。弁当も自作だよ〜。 ピクニック気分の昼食会は和やかで楽しかった。
初めてお目にかかる伊予鉄OBのウェストヒルさんは温厚ですぐ打ち解けて仲間になった。今年70歳になったとの事だがとても
若く前向きな人だ。
十字峠 左は六部堂、右は竜神平 出合った登山者に道を確認
熊笹が綺麗な模様と雑木林
引地山尾根道 尾根から風穴へ降りる道
斜面が次第に開けてくる 風穴遊歩道が見えて来た
帰りは十字峠から引地山方面へ進み風穴へ直接下りていく道を提案。途中で出会った人達に道を確認しながら尾根を進む。
尾根から風穴へ下りて行く道は少し急だがしっかりした踏み後が付いていて間違う恐れはない。もう緑のシャワーを浴びるおとき
話しの世界だった。
これだけしか見つけられなかった 皿ヶ嶺の花 5月末
タニギキョウ ヤマルリソウ
クサイチゴ クルマムグラ
シャクナゲ シロドウダン
ホウチャクソウ ハシリドコロ
ツルキンバイ ウマノアシガタ か?
ヤマブキソウ コミヤマスミレ
ラショウモンカズラ ムラサキサギゴケ
マンボウのようなクマガイソウの横顔 クマガイソウ
たったこれだけ 大事にしよう 皿ヶ嶺
なお 我が花の蘭師匠が5月に2度皿ヶ嶺を歩いていますのでぜひ蘭師匠の花レポートを参照して下さい 花に関しては見所も種類も写真も一味違います
風穴の休憩所で30分くらい今日の楽しい思い出を確認しあってから、次の再会を約束してそれぞれ高知と香川へ帰って行った。
こんなゆったりした山歩きもたまにはいいもんだ。土佐のソクラテス、モネ夫人 誘ってくれてありがとう。
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