平成22年11月29日

沖縄の山 円錐カルストの山 本部富士 (ミムライ) 250m



平成22年は統一地方選挙などの選挙が多く、市役所に勤める我が息子が「残業代が溜まったので沖縄旅行に
招待する」と言い出した。まあ 嬉しい事だが、よく考えるとこの長男には学生時代大型バイクを買ったり、
結婚資金など幾度も借金を踏み倒されているのだ。


これくらいでは元は取れないがここは殊勝な招待に応じる事にしよう。
参加者は高松の原一家合計10名、旅行計画は全て子供達が立ててそれに従う。

で・・・問題は私の恒例であるちょっとだけ登山の場所である。新居浜実家の家族旅行と違ってここでは一応
威厳はないものの一族の長である。孫も4人同行するので、勝手な行動は極力慎まねばならない。


う〜〜ん  旅行計画と沖縄の地図を睨めっこして出した結論は美ら海水族館に近い「本部(もとぶ)富士」
と決めた。



本部富士(もとぶふじ)とは


                 これが沖縄 本部(もとぶ)富士

沖縄本島の北部、本部(もとぶ)町にある標高250mの円錐カルスト地形の山だ。円錐カルスト地形とは
約2億年程前のサンゴ礁が隆起した古い石灰質の地形で、何でも炭酸ガスを含む雨が石灰岩を侵食して独特の
円錐カルストを形成し、日本ではここだけに見られる北限の熱帯カルスト地形である。


まあ、標高は250mで登山としては少し物足りないが、日本ではここにしかない珍しい地形の山である事に
自分を納得させる。


11月28日高松空港から沖縄に着き、世界遺産「首里城」跡を見物してホテルに入る。

翌11月29日はホテルで豪華朝食バイキングを食べた後、古宇利大橋へ向う。生憎天気が悪く風が強かったが
エメラルドグリーンの片鱗は味わう事が出来た。


その後、世界遺産「今帰仁城(なきじんじょう)跡」を観光する。13世紀に作られてという城壁はまさに遺跡
という感じがした。


首里城 (首里城跡は世界遺産)

まあここは有名なので解説の必要もないでしょう。


       最初の入り口  守礼門                   奥の入り口


     城壁の曲線が美しい                    奉神門前の広場  正殿は有料なので覗いただけ


                ここが一番気に入った風景

 
   孫達は何処へ行ってもアイスクリームや             何か顔が似ている様な






お菓子工房の裏にある海岸 あみちゃん          沖縄かりゆしビーチリゾートリゾート・オーシャンスパ
少ない髪が風に舞う                           ホテル名 長すぎて覚えられるか〜


     ホテルのバーベキュー夕食  食った〜             楽しげなシーサー


    踊れや 唄えや  ♪                      まあ 一杯いかがすか〜

古宇利大橋


           我ら 砂と戯れん               きゃ〜  あみたんが笑った  しかし髪が薄いのう



                 古宇利大橋にて全員集合



今帰仁城(なきじんじょう)跡 (琉球王国のグスク及び関連遺産群としてとして世界遺産)
ちなみにグスクとは沖縄で神聖な場所、城の事 世界遺産のグスクは石垣をもったお城であるらしい


今帰仁城(なきじんじょう)跡 入り口         いろは(左)は沖縄系の顔やで


   今帰仁城(なきじんじょう)跡で一番気に入った場所で全員集合



いよいよ本部富士へ!  平成22年11月29日


さて、ここから我が家族の最大イベント「美ら海水族館」へと移動する。で・・・この間を利用して本部富士へ
登る算段だ。息子達(義理の息子も含む)は孫達が期待する13時からのアシカショーに間に合うかが最大の
関心ごとで、私の単独行動でそれを失望させる訳にも行かない。

登山口まで送ってもらう事は諦めて国道505号線で目標のゴルフ場がカーナビに出た近くで下ろして貰う。
「じいちゃん がんばって〜」の声と手が車内から振られる。 う〜〜ん 登山とは孤独なものだ


「何とかなるやろ」って気楽さ、アバウトさが私の弱点であり利点でもある。

一箇所「本部富士」の私設標識が道路沿いにあったが、その後道路は複雑に分岐しており、適当に山の方に進む。
一度玄関口で声がする家で道を尋ね、ウロウロしていると運よくパークゴルフ場の間の道路に入り込んだ。セルフの
プレーヤーがカートに乗って左手のフェアウェイでゴルフをしている。道路右手のホールへの移動はどう見ても
熱帯樹の茂った崖道となっている。野生的なゴルフ場だ。



    パークゴルフ場の真ん中を抜ける道                ワイルドな9番ティへの通路


    おっ  あれが目指す本部富士か             手前に何かの建物あり

そこを抜けると左手前方に飲食系の店屋があり、その向こうに円錐形の山が見えた。

確信を強めて緩い坂道を進むと、右手に何かの施設がありサイトで見た事のある登山口の看板があった。14時
10分、登山口から右手に湾曲する遊歩道を進む。その途中で左手に小道があるが、まるでジャングルだ。一瞬
「ハブ」の姿が頭をよぎるが、今は冬場、ハブは冬眠・・・
え? ここは常夏の沖縄や ヘビは冬眠せんやろ・・・
 まあええわ


ジャングル小道を進むとロープなども一部敷設されているが、標識は一切無い
踏み跡を辿って四国の山では味わえない独特の森を歩く。


  ここが本部富士登山口                           遊歩道から左に入る


ロープなどが張られていた  一見ジャングル             これが名物の石灰岩か


前方が開けてくると登山道は石灰岩となり、これが槍の様に尖って我がスニーカーの底が突き抜けそうになる。
でもそれ以外は迂回出来そうもない藪なので、大道芸人の日本刀刃渡りの術みたいにそ〜〜っと歩く。


振り返ると隣のウフグシクムイのどっしりした台形が見え、右手には霞んでいるが東シナ海に浮かぶ伊江島
があり、標高172mの岩山「城山」の姿が何とか見える。



 なるほど  聞きしに勝る奇岩じゃわい


登山口方面を眺める  ちょっと天気が・・・        再びジャングルのトラバース道


     沖縄特有の植物が生えている               目指す山頂が見えてきた


         鋭そうな岩です                 これが登山道なのでルートは分かり易い



更に三途の河原みたいな登山道をなるべく切れ味が鈍そうな尖んがりを選びながら上がっていくと14時43分
ポールの立った本部富士山頂に立った。
風が強い山頂でウィンドブレーカーを出しておむすびを食べる。気持ち
いい〜


でもあの美ら海水族館のマンタも見たかったなあ・・・


     隣のウフグシクムイ山                    本部富士山頂に着いた (登山口から約30分)


    あれ? 向こうにも何か山頂があるぞ             よせばいいのにイバラの道を・・・


山頂から周りを見渡すと、同じように山頂部が石灰岩で覆われた小山が幾つも見られる。又、この山も双耳峰と
なっており、奥にもう一つピークがある。
悪い病気が起こった。(あのピークまで行ってみよう)

山頂は鋭く尖った石灰岩と凄い刺のある植物に覆われている。こんな刺のある植物は四国では見たことがない。
ジャケツイバラかと思ったがどうも違う。刺が非常に小さく、無数に枝に生えていて、ジャージに引っ掛かったら
まず外せない。結果、繊維がだらしなく出てアディダスのジャージは悲惨な状態になった。(これは家族に見つ
かると非常にまずい。)


もう一方の山頂に到達するが、ここで受ける風は既に爽やかなそれではなく、ブルーな気持ちになる。帰りも
どんなに気をつけようが、イバラの奴が容赦をしてくれない。この憎っき植物をネットで検索するがとうとう
わからなかった。


元の山頂へ帰って気を取り直して美ら海水族館あたりを眺め、下山にかかる。下山が特に大変でまるで剣の上を
歩く様だった。ここは靴底の厚くて硬い登山靴が必要の様だ。



     周りには同じような石灰岩の山がある             奥の山頂で記念写真



      何とて平たい場所がないし岩は鋭すぎて座れない  奥の山頂より見た風景



東シナ海に浮かぶ伊江島が見える、標高172mの岩山「城山」の姿が霞んで見えた。



   この植物のトゲにジャージがやられた           石灰岩の登山道を帰る


       ターニングポイント                     針の山を歩くようじゃ  くわばら くわばら


     最後は又ジャングルの様な場所を通る        帰り道 よく見える場所で本部富士を振り返る


15時30分下山口に下り、途中まで同じ道を歩き、左へショートカットする。行き当たりばったりで歩いて
何とか海岸線の114号線交差点まで出た。

ここからは広い舗装道路を一路「美ら海水族館」へと歩く。 後ろを振り返ると本部富士が小さく見えた。
16時30分美ら海水族館の駐車場に到着し、丁度出てきた家族に合流。双方とも満足の時間だった様だ。
夕闇迫る国道をホテルに向って帰る。


ガラス工房 「ていだ工房」にて  (「ていだ」とは太陽の事らしい)

平成22年11月30日、沖縄最終日は雨でガラス工房体験と国際通り観光、ショッピングだった。
沖縄はガラス工房がたくさんあり体験をさしてくれる場所がある。息子のお嫁さんの友達が沖縄でガラス工房のおかみさん
をしているので体験予約を入れていた。

まあ体験といっても流れ作業の手取り足取りなんだけど、初体験者には結構楽しめる。


はい 顔も膨らんでいるけど ガラスも膨らましてね      おばちゃんがやったげるからそっと握っててよ


何か歯医者さんで治療をうけてる様やった               「そら! お前楽しいんか?」


     娘も結構真剣やった                  はい 皿回しの要領で  え? 猿回し・・・


  要らん事せんとじっとしといて下さいよ〜                  出来ました〜 


   おっ 男にも結構親切やなあ                  我が息子は私に似て不器用だ


一番張りきっていた「かなたクン」                  息子の嫁さんがここを推薦してくれました


      ていだ工房で全員集合                 作品はまとめて後日自宅に送ってくれます


という訳で沖縄家族旅行は私の本部富士登山と共に思い出に残る旅となりました。


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