平成17年12月23日  綾歌郡国分寺町 高松市に合併記念特集

里山縦走 国分寺を取り囲む山々 



縁があって香川県綾歌郡国分寺町の住民になって25年。色々ないきさつを経て平成18年1月10日 国分寺町は高松市に合併される
事になりました。

それまで北側にある国分台から五色台にかけての溶岩台地は舗装道路が縦横に走っており山歩きの対象にはしていなかったのですが、
高松市に合併される前に綾歌郡国分寺町を取り巻く里山を歩こうと思い立ち歩いてみました。

国分寺町の山々 北部編 (思ったより手ごわかった〜)

袋山ー赤子谷ー大平山ー猪尻山ー国分台ー蓮光寺山 (9時間半)


カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ
                                            (国土交通省 地図使用承認番号 平15総使、第634号)
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23日 袋山(261.8)― 赤子谷―五色台(443m)―大平山(478m)―
猪尻山(483m)−国分台―315mピークー神社のある山―蓮光寺山370.6m
合計約9時間半

「袋山」 標高261.8m 


鷲ノ山から見た袋山(右端)から五色台への稜線 (中央奥は勝賀山)

袋山の南側、国分寺町と高松市の境界にある「西部運動センター」の広い駐車場に車を置き出発。取り付きはアスファルトの道が山に
向かっており、境界を西にそれるが作業道らしきものに沿って進む。

     
     袋山 旧国道筋(南側)登山口 (右が衣懸(こかけ)池がある)
     西部運動センター側からJR線路と旧国道11号線を越えて直進

 
舗装から未舗装作業道となる       鞍部から右へ道が続く

次第に道が細く藪っぽくなり左に巻いた細道が支尾根にあがった所で藪が一層深くなり、小さなビワの木が2〜3本ある所から尾根に
踏み跡らしきものを発見。 ヤブっぽいルートではあるが、スズタケも低く弱いので袋山山頂までは問題なく上がる事が出来た。

 
袋山稜線取り付き部 ビワの木がある  振り返ると伽藍山と六ッ目山

   
        大好きな里山の風景 (ふみ跡は薄い)

 
          袋山山頂          袋山 山頂私設標識

  
           袋山三角点        袋山 山頂の祠

袋山から北西に下りて行くのだが、2箇所絶壁で行き詰る。見定める方角は次の221mピークの斜面に見える白い大岩。右側の
樹木を頼りに絶壁を迂回。ともすれば東側に振りそうになるので意識的に左側へと進む。何処にでも好き者はいるもので緑色の
テープが所々に見える。

    
      袋山北側の絶壁より進む赤子谷への尾根を見る
      中央の白い大岩を目標に尾根を進む事に

袋山から鞍部に降り立って次の221mピークまではイバラとツタが多く歩きにくい。途中で鬼無への綺麗な登山道があり、誘惑
されるが尾根に登り返してイバラの道を選択。

 
大平山ー国分台ー蓮光寺山が左手に見える  イバラの道を進む

 
尾根道は藪が深い              相越の地蔵尊(泉保さんの本で知る)

袋山から見えた大岩に着く。岩の上に立つといい展望所となって気持ちがいい。振り返ると袋山の尖がり、西の彼方に国分台、
そのむこうに目指す蓮光寺山が霞んでいる。遠いなあ〜 そのピークを越すと又スズタケとイバラの尾根道が続く。

 
   岩場から袋山を見る     大岩から221mピークへ向かう(右は勝賀山)

 
 大岩から国分寺町を眺める 左から火ノ山ー十瓶山ー鷲ノ山

次の221mピークの手前で石鎚山登山記念の杖を忘れた事に気がつく。仕事の電話が数回入ったのでその時に置き忘れたん
だろう。大事な旅の相棒を探しに10分くらい引き返す。

石鎚山の金剛杖を手に喜んでいると後ろから人影が・・・まさかこんなところで人と会うなんて。その老人は先ほどの鬼無方面
(高松西高付近)から歩いてきたそうで腰に鉈(なた)を下げている。一緒に次のピークまで上がってお別れする。このピークの
西側には更にびっくりするような巨石群があり興味を引かれた。

 
里山をよく登られている高松の人に会う 221mピークの西側に巨石群がある

このピークの手前から境界は更に西に振るのだが、境界杭らしきものは見えず、大池を左に見下ろしながら尾根を北に進む
事に。ここにも緑色のテープが所々に見られたからこの「グリーン・マン」は袋山から赤子谷の縦走をしたのだろう。尾根が次第
に低くなったのか、周りが高くなったのか次第に高度感がなくなると、左手にゴルフ練習場の廃墟らしき設備があり、尾根道に
ネットが残されている。

 
221mピークから尾根を下る       ゴルフ練習場の跡か? ネットがあった

ほぼ尾根伝いに赤子谷近くまで出たので、手前から尾根を外して西に下りる事に。しかし、酷(ひど)いイバラに行く手を遮られ
苦労しながら舗装道路にたどり着く。大御殿があるミカン農家のハウスに人がいたので場所を聞いいてここが「赤子谷」である
事を確認。更に大平山への境界道を聞くが要領を得ない。

 
又次のピークに祠があった       赤子谷、その向こうにイルカの頭「五色台」

境界尾根へ復帰すべく南側へ続く路地を入っていくと、別のミカン畑におじいさんがいたので「大平山へそこの小さな尾根を通って
行きたいのですが」と質問すると「そんな所は通れんぞ、北側の五色台スカイラインへ上がらんと」と言う。こういう時は非常に困った
状況になる。親切に教えてもらった恩をアダで返し辛い。仕方ないので「ちょっと様子を見てきます」と挨拶して小尾根に入り境界を
進む。

確かにこの辺りから大平山が見えないので進む方向が難しい。計画通り境界の尾根を歩く。踏み跡が薄いが歩けない事はない。

 
一旦赤子谷の舗装道路に出る      ミカン畑から又 境界尾根に戻る

しばらく進むと尾根が古い道とクロスした。尾根とほぼ平行に右のミカンのビニールハウスに沿って小道があるのでそこを進むと、
大きなミカン御殿に突き当たってしまった。右には五色台に上がっていく舗装道路とガードレールが見える。少し引き返すとミカン
畑の斜面に又おじいさんがいたので「大平山へそこの尾根を通って行きたいのですが」と先ほどと同じ質問をすると「そんな所は
歩ける道がないよ。 五色台スカイラインを歩きなさい」って同じ答えが帰ってきた。 

う〜〜ん これまた「ちょっと様子を見てきます」と姿が見えないところまで引き返して、ミカンハウスから崖を攀じ登る。踏み跡が
現れたり消えたりの尾根道を進むと、広い草だらけの道に出た。

 
ミカンのビニールハウス この左の尾根に這い上がって境界を進む

地図を見ると破線があり、赤谷へ下がって行く道のようだ。尾根に帰って進むと次第に急な登りとなる。2万5千分の1地図にある
ように境界線は2回スカイラインへ続く舗装道路に出る。道路の下にはゴミがたくさん投げ込まれていてウンザリする。

  
スカイラインへ上がる舗装道路にぶち当たる 道路交差部から袋山を振り返る

二つ目の舗装道路に上がると遊歩道の様な立派な道が左へ向かっているある。地図で確認すると確かに破線で道があり楽に
五色台のターニングポイントまで行けそうだ。一瞬誘惑の悪魔が脳裏をかすめるが、我に帰ってここはあくまでも尾根を攻める事に。

 
左手を尾根に取り付いていく      次の道路交差部にも猛烈なゴミ投棄が

 
誘惑の楽な道  無視〜          次の尾根への取り付き口からの眺め

しばらくスカイラインからの景色を眺めたあと、取り付きを探すが踏み道はない。適当に山へ這い上がって尾根らしき場所を探り
ながら急な坂を登っていく。

 
尾根に上がって進む ふみ跡は所々あり、境界杭らしき石柱も見える

「五色台」 433m付近


国分寺町とその北側にある五色台 中央奥あたりに大平山がある(狭箱山より)

突然広い空き地に着いた。ここが五色台の高台であることは回りにそれ以上高い場所が見えないことからも窺い知れた。
境界線はもう少し下側からショートカットしているが、折角上がったのだからちょっと見物。

 
尾根を五色台へ上がりきった場所    ビニールハウス越しに瀬戸内海が見える

ミカンの作業道路らしき舗装された道を進むとビニールハウス越しに北側の瀬戸内海の長閑(のどか)な風景が眼下に
広がっている。お城の天守閣の様なものが見えたので気になってそこまで歩いて見ると、瓦はなく草が茫々生えていた。
この空虚な建造物からおさらばして藪だらけの道を下りると五色台スカイラインの三叉路に出た。

    
     ミカン畑の向こうに勝賀山の頭と瀬戸内海が見える

 
ミカン畑の向こうに天守閣?       藪道を下りる 正面は青峰の電波中継塔

こうなるとどっちに進むのが正解なのかサッパリ方向感覚がわからない。地図とコンパスを出して占う。ありゃ? ち
ょっと境界から北に歩きすぎたようだわい。右が根来寺(北)へと標識があるので反対側の左の舗装道路を歩く。

しばらく舗装道路を歩くと見慣れた三叉路があり、食堂があったので中のおばちゃんに「大平山はあの方向ですか」
と確認。すみません 時間が無いものでなにも食べずに失礼おば。
あちこちに電波中継塔があるのでどれが大平山かわからない。片っ端から電波塔のあるピークを訪問する。

*その中の一つに、泉保さんの「私の山歩き」に登場する海上保安部の電波塔のすぐ南に「那是なぜ)が峯」(
470m)の三傍示点というのがあったのだが、うっかりして尋ね忘れた事が残念至極!

 
舗装道路   中山休憩所付近       大平山に近い電波塔

「大平山」 478.7m

地図を出して大平山を確認すると道路の右側だったので、直線の下り坂を歩きながら右側の四国電力白峰中継所に
入ると「大平山」の登山口らしき標識を発見。そこから1分で大平山の山頂(?)に到達。複雑な気分になる。どうせ次の
「猪尻山」もこの程度だと想像できる。

 
四国電力電波中継所横の大平山 登山口(?) 大平山 山頂標識と三等三角点

「猪尻山」 483m

五色台で一番標高の高い山「猪尻山」に山頂標識が無い事は前出の泉保さんの本で知っていた。直線舗装道路を下り
きると、今度は左側に航空レーダーみたいな施設があり、地図でみるとこの近辺が「猪尻山」だった。気の毒な山だが、
こんな情緒も無い所にかかわらないで早く蓮光寺山へ急ごや・・・

 
オラ こんな所歩くのイヤだ〜        猪尻山にある航空レーダー

この狭い舗装道路が境界線上を通っているので更に進むと閉鎖されたゴルフ場があった。そのクラブハウス跡の向こうに
また電波中継基地が。 なんだ この山は! そこらじゅう 電波中継塔だらけじゃないか〜

そこから鬱蒼とした樹海に飛び込む。磁石を手に西北西に進路を取るが、進むほどに不安になる。こんな所で迷うと今日
のスケジュールに支障をきたすかも。少し引き返して崖を下って舗装道路に下りる。しばらく行くと「四国の道」が横切っていた。
はは〜〜ん ここが先日KAZASHIさんが歩いて白峰方面へいった遍路道か。

 
ゴルフクラブハウス跡の向こうにも電波塔が  四国の道と交差 一本松

「国分台」 407m


    蓮光寺山             国分台          五色台 (狭箱山より)

次に進むのが国分寺の奥に綺麗な台形の形をした「国分台」となる。一本松の交差部を少し進むと左手に狭い別け道があり、
その尾根部に沿って上がる。何かの施設跡があり、すぐ藪道となった。しばらく歩くと整備された広い砂利道に出た。ふつう未舗装
でこんな広い道など無いものだ。自衛隊のニオイがする。どこかに通行止めのゲートがないか不安だったが問題なく進むことが
できた。

 
国分台の南縁にはこんな立派な道路が  蓮光寺山、その向こうに鷲ノ山、火ノ山

ここの境界はもっと北側にあるのだが、自衛隊の演習場という不安から南の縁に沿って歩こうと最初から決めていた。北側に国分寺
の町と山々が見えて実に見晴らしの良い場所だった。目指す最終地点の蓮光寺山はぐるっと谷を挟んで北側にせり出している。
どこまでこんな道が続くのだろうと思いながら早足で進むといきなり急斜面が下っていた。

 
五夜嶽に向かって防火帯をいきなり下る       西奥の谷部から国分寺

そこを下り切ると進む尾根方向への道が途切れた。あちこち回りこんで踏み跡を探すが見当たらない。仕方なくなるべく蓮光寺山
が見える谷側に沿って尾根道に取り付く。ここから蓮光寺山までは地獄の行進となった。

サヌカイトの山 「蓮光寺山」(れんこうじやま)への藪道

潅木はいいとしてイバラがスゴイ。頭を押さえながら突き進む。さして大きくもない一つのピークを越すのに40分もかかってしまった。
そして五夜嶽と地図に記されている石切り場に出た。団地の造成地みたいな石切り場を右に見ながら少し歩くが、絶壁があり進めない
のがわかったので、又恐怖の尾根道に取り付く。崖に沿ってパイプのようなものが置かれており、ロープが張られているのでそれに
沿って登る。登りきった所でまたスゴイ藪。

 
五夜嶽手前の小ピークの藪に突入       五夜嶽の採石場

 
境界礎石を確認               あれ? こんな所に神社の社が!

するといきなり神社の社があるピークに出た。地図を出して確認するが、すぐ南西方向に烏帽子山と記された小さなピークが
あるだけで、この神社の山名は無かった。すこし神社の名前が無いか見るがどうも見当たらない。ここから下山する参道の様
なものがあるはずで、それを下れば日没前に下山できる。

「蓮光寺山」(れんこうじやま)  370.6m

でも、迷わず尾根を進むと見晴らしの良い場所に出て、目指す蓮光寺山とその向こうの国分寺の町が見える。

   
   北側に谷を挟んで歩いてきた国分台の広い防火帯が見える


  蓮光寺山とその手前に又採石現場が見える 左の尾根を進む
  その向こうには国分寺の町と 右から堂山ー六ッ目山ー伽藍山ー狭箱山

そこから下りて、北側の石切り場近くに出るとダンプやブルドーザーが作業をしている。ここも絶壁があり通ることが出来ず、
又尾根に取り付く。日暮れが迫り遅遅として進まぬヤブ漕ぎにウンザリするが、蓮光寺山がすぐ目の前に迫っている。あ〜〜
あ また下山は暗闇か〜


採石現場とその右側に城山(きやま)の東斜面「坂出カントリー」が見える

夕方が迫るだけでもうら悲しいのに、鬱蒼とした藪はなお一層寂しさを心に落とす。蓮光寺山直下まですすむとテープが現れた。
それは右手の西側へと下がって行くので、逆に最後の登りに取り掛かる。

 
北西尾根部にテープが現れる     山頂部手前にはお決まりの大石が現れる

半ヤブの道を喘ぐと細い樹海の中に木のポールがあった。この付近を捜すが三角点はない。地図をみると蓮光寺山の山頂部
は南北に細長い。ここでライトを出して更に藪を進むと山名板と三角点があった。

 
尾根から蓮光寺山を見る          蓮光寺山 山頂標識

デジカメのフラッシュが焚けないのでライトを照らして写真をとる。ここで辺りが暗くなるのを待つ。夕闇が迫ると心が騒ぐので、
返ってあたりが真っ暗になると諦めがついて度胸が据わってくるのだ。

ライトを2本にして進む方角を決める。境界部方面はヤブがキツイので少し南側の比較的スペースがある場所を選んで下山に
かかる。この真下には農業試験場の施設と演習畑があるはずだ。私は独眼流なので夜の山道は時間がかかる。町の灯かりが
眼下に見えて、多少東へ軌道修正したいがどうしてもヤブが深くてほぼ真っ直ぐにしか下りられない。
農業試験場の西端に下り立ち国道まで小雨の中を歩く。

思いのほか最後で手間取ったが、国分寺の北側に並ぶ里山縦走に満足した一日でした





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