おいでまい 香川の山へ  讃岐里山 縦走シリーズ 
 
提言 いわゆる一つの縦走法 「五岳縦走 with bycycle 」
  縦走は ♪ 自転車〜で ♪ 気軽にゆきま〜しょ ♪

2月28日 善通寺「五岳」縦走 
香色山(こうしきさん)ー筆ノ山(ふでのやま)ー我拝師山(がはいしやま)ー中山(なかやま)ー
火上山(ひあげやま)


 
    象頭山より2キロ西、上空2,300m辺りから見た五岳カシミール3D

このところ2週続けて週末天気が悪く盟友タッキーとの県外山行きがキャンセル。う〜ん、土曜日午前中の仕事を終えて行ける
ところでコマシな山は!?
という事で前回「讃岐七富士シリーズ」で六つ目山・堂山縦走に続く「里山縦走シリーズ」第二弾 五岳縦走に決めた。
いくら勤務時間が昼までと言っても1200時丁度に会社を出る訳にもいかず、車に愛用のアラヤ自転車を積み込み坂出を
出たのは12時半を廻っていた。

まず
自転車
を下山するだろう「鳥坂とっさか峠」手前の山際に置く。どこに下山してくるやらわからないけどマアこの辺りだ
ろう。「頼むからトラックに積まれて連れ去られるなよ」とアラヤ自転車に別れを告げて善通寺へ折り返す。自転車を利用する
縦走は初めてだが「帰りの自転車を下り坂で利用する」高低差を考えたら歩きは必然的に低い所から高い所へ進む登山口
からとなる。

 
 国道11号線鳥坂(とっさか)峠手前   香色山 登山口
 に自転車を置く(盗られるなよ〜〜)   善通寺駐車場裏(西側)

善通寺の駐車場付近にコンビニが見つからず時間浪費。お寺の駐車場に午後1時半前に着き、係員に「門限は何時ですか」
と聞くと「5時」と言う。「今から山へ登るから少し遅れますが・・・」と言うと「そこの山なら時間はそんなにかからんよ」と縦走など
おじさんの念頭には当然無い。説明すると「係員がいなくなるが午後6時まではチェーンが空いているからそれまでには帰って
ください」という事で駐車料金200円を払う。

1)香色山(257m)までは善通寺の見晴らしを求めて散歩される人が多いのか塵一つ無い立派な歩道や脇道がついている。
山頂には「愛染明王像」や「不動王明像」などがある広い展望台となっている。善通寺の敷地全体や市内、飯野山方面、北側
の瀬戸内海方面が見渡せる。市民の憩いの場となっているだろう。

 
香色山頂上 2体の像と筆ノ山、我拝師山  霞む善通寺市内と飯野山
 
山頂から西側に段を降りると「筆ノ山方面」へ松林や雑木の登山道がある。すぐに大師堂へおりつく。このすぐ近くまで車道が
来ているらしくお参りを終えたお年寄りの家族がセメント道を北側に下りて行った。筆ノ山への登山道はこの大師堂の突き当
たりにあり、さらに少し道が下っていく。

 
 香色山からの下山口           香色山下山地近くの大師堂

2)筆ノ山(295.7m) 大師堂から下り切った所にミカンの果樹園が筆ノ山に向かって開けておりしっかりした道がある。
左手には舗装道路が伸びてきている。何か果樹園の奥に道がありそうな雰囲気がして登っていくがそこからの道は切れて
いた。左側に竹林があるのでこの中を暫く進む。竹林が終わっても道が現れないので仕方なくブッシュを暫く進むが相当
手強そうなので左手に迂回して進むと筆ノ山への登山道があった。やはり最初から「舗装道路」を進まなければ道はないみ
たい。

 
ミカン畑と竹やぶ方面には登山道はない  ミカン畑の上端から見る香色山
(左手に舗装道路があるのでそちらに進まなければいけない)

  
  竹やぶの後はブッシュとなる        迂回して登山道に出る

登山道に出て少し急坂を登ると大坂峠より伸びてくる我拝師山への縦走路と出会う。筆ノ山へはこの出会いを右に登って
いく事になる。この道は結構急だが岩が多く樹木が少ないので見晴らしがとても良い。上から年配のご夫婦がヒザをかば
いながら下りて来たので挨拶をする。この人達が今日の縦走路で最初で最後のホモ・サピエンスとなった。

 
筆ノ山尾根道より我拝師山・火上山   筆ノ山の見事な柱状節理

 
 筆ノ山 頂上 (高射砲陣地の窪地)  讃岐富士方面

 
 雨霧山、瀬戸内海方面           香色山、善通寺方面

  
 筆ノ山より象頭山と大池        筆ノ山と大坂峠の間にある小さな峠

筆ノ山の山頂は五岳のなかで一番見晴らしが良く唯一360度の展望所だ。頂上には四角い穴があり、泉保さんの著書で
「高射砲陣地」と記されている所だろう。山頂から北側にも登山道が下りて行き「朝比奈登山口・西山登山口」と標識がある。

ここから見える象頭山はいつものイメージより尖って見える。次に進む「我拝師山」のいびつな形(西赤石山に似ている)とその
向こうに「火上山」が逆光に霞んでいる。

六つ目山ー堂山もそうだったが、この縦走路の繋ぎ部も味がある景色を見せてくれる。雑木と鳥の声で野暮な私でも心が癒さ
れるようだ。小さな明るい峠を越えて道は大坂峠に向かって下がっていく。車道が現れコンクリートの水槽などもある。ここが
大坂峠と呼ばれている場所だろう。見上げる我拝師山は天を突くようで、先週登った相栗峠の急坂を思い出す。

 
筆ノ山から我拝師山への中継点      我拝師山登山口

3)我拝師山(481.2m)は出釈迦寺方面からは何度も登っているが、こちらからは初めてのルートでどんな坂かワクワクする。
最初はなだらかな樹木に覆われた直線道が続き、途中から急登となる。坂の角度は良く似たものだが、こちらの方がつかまる
木がたくさんあるので登りやすい。でもこちらの方が距離があるような気がした。

まあ人間の記憶などあてにはならない。どんなに苦しい事でも時がたって思い出せば楽しい出来事の様に変ってくるものなのだ。
どんなに苦しい事、つらい事があっても生きていけるように神様・仏様がそう人間をお作りになっておられるのだろう。
我拝師山に登っていると「哲学的な思考」になってくる。「仏様のオーラ圏内」に入った。

  
我拝師山登山道前半       振り返ると筆ノ山・香色山が見える

  
  山頂近くなると石が現れる       我拝師山 山頂

急坂部分をぶっ続けで20分登り、やっと鞍部のなだらかな場所に出て筆ノ山、香色山を振り返ると、三座目にして登山口から
相当歩いてきた事がわかる。飯野山の巨石群とまではいかないが、山頂が近づくと大きな岩がごろごろ点在するようになる。
向こうに西日が差してきたと思ったら見覚えのある我拝師山頂上にいつもと反対側から到着した。

先日「しまなみ登山隊」の報告にあった通り相当山頂部の木が切られている。何かレクレーション施設でもつくるのだろうか?
 でも周りの木はそっくり残されているから相変わらず見通しは悪くこれでは樹木の伐採の意味が無い。この山頂をどうする
つもりなんだろう。
釈然としない山頂を何度も振り返りながら出釈迦寺「奥の院」まで見慣れた道を降りる。

 
明るいんだが見通しは悪い山頂     捨身ヶ嶽付近から奥の院を見る

  
 今から行きますと中山と火上山      奥の院への回廊

奥の院にてお参りをすませ、未知(
みち)への道(みち)へ導(みちび)かれる
 (のんびり山歩さ〜ん! 久しぶりにダジャレできました〜〜  だめ?)

この時点で午後3時半少し前だから余裕が有るとは言え、やはり行ったことの無い山は道がどうなっているのかわからない
ので緊張する。さあ中山に向かって発車オーライ!(イカン 高嶺フラワーズ口調がうつってしまった)

 
    お地蔵さんと象頭山         梅と奥の院

  
  中山登山道から我拝師山       中山 山頂

我拝師山の奥の院からお地蔵さん群の横をお邪魔して水仙の花が咲いた岩場から中山に上がっていく。
4)中山(439m)には心配したほど時間がかからずあっという間に着いた。頂上は石が点在する以外は消防署の杭など
しかない実に愛想がなく、どうでもいい風景である。中学・高校時代で何の特徴も印象も無く未だに顔も名前も思い出せない
クラスメートって感じ? (自分の事だったりして・・)
どうでもいい様な山頂からどうでもいい様な尾根道を西陽を左手に浴びながら進む。

 
 笹が多くなる中山下山道         岩も点在する下山道

香川の里山の地味さに文句を言いながら中山から下山していると、笹道となったり、潅木の美しい道になったり、大地主の
立派な庭園のようなイケテル景色になってきた。中学時代何の変哲もなかった地味な女の子が卒業して数年後道で会って
いい女になってびっくりしたような感じ?

  
中山・火上山の分岐近くにある鉄塔       火上山登山道

中山の最下部を過ぎて少し進むとそこには鉄塔の広場があり、その奥左側の木に登山口の標識が掛けてある。

5)火上山(408.9m) は読んで字の通り鳥坂(とっさか)の峠を挟んで中世の見張りの要所で「狼煙(のろし)台」があった
事から名づけられた山だ。前半の縦走路と違って笹が多く見られて木々も鬱蒼(うっそう)としている。人が入らないだけ自然
が比較的残っているのだろう。 登山道は狭いが赤いテープが各所に貼られ人間が通れるだけの下草が刈られている。
ご苦労様です。

 
 中山・我拝師山筆ノ山を振り返る    笹と潅木が生い茂った登山道

 
 火上山 山頂                火上山 下山道

そうこうしている内に「火上山」山頂に着く。中山と違ってこちらには沢山の標識が立てられている。人気があれば山頂も輝き、
人気がなければくすんでくる。この火上山と中山の対比は芸能界の裏話のようなものであろうか。
この時点で時刻は午後4時。愛媛、串が峰での「月夜の下山事件」以来肌身離さず持っている「白色ダイオード小型懐中電灯」
は今日も出る幕は無さそうである。

    
     八大竜王社            三つ頭の井戸

高度差があるのでドンドン登山道が下がっていく。道は細くジグザグになるがテープが沢山あるので道を間違う心配は無い。途中
北東部に展望所があり出てみるが霞と逆光であまり良く見えない。空気が澄んでいたら素晴しいに違いない。登山道に帰り少し
下がると道の真ん中に石の祠がある。八大竜王社とある。その下に進むと「三つ頭の井戸」という窪みがある。謂(い)われをその
うち調べる事にしよう。
このいい加減さが偉大なる「
山登の部屋」さんHPとの大きな違いなのだ

 
下山口からコンクリートの農道を下る   ミカン畑があり国道まで農道が続く
 
国道11号線に出る            鳥坂(とっさか)峠を歩く

 
愛車「アラヤ号」 無事だったか     駐車場まで帰り自転車を収納
「誰かに触られなかったかい?」       これが「ナディア」のいい所

午後4時20分下山口に付く。ここに「火上山登山口」の標識がある。と言うことは自転車を次からここへ置けば良いのだ。ミカン畑
の舗装道を下り、畑で作業中のおばちゃんによそ者を通らせて頂く御礼に愛想を振りまいて国道をめざす。国道11号線にたどり
着くが「鳥坂峠」まではまだ少しあり、国道には似つかわしくない服装にうつむき加減で峠を越えて自転車を置いた場所まで帰る。

そこから峠を下り、少し錆びたチェーンを軋(き)ませながら吉原モーテル街を横目で見ながら、ついでに縦走してきた山々を眺め
ながら善通寺に午後5時帰り着いた。

     
           吉原から見た 我拝師山と中山

ここに「いわゆる一つの自転車を使った里山縦走法」は半日コースの忙しい日程ではあったがまずまずの達成感を持って
無事終了した。





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