おいでまい 香川の山へ  讃岐里山 縦走シリーズ 
 
金剛院の山々 大高見峰ー竜王山(三角点名 竜山)ー鷹丸山ー猫山 デジャブーを求めて

 

金剛院の山々 デジャブーの世界を求めて
小高見峰ー大高見峰ー竜王山(三角点名 竜山)ー鷹丸山ー猫山 縦走

  
     金剛院の山々 位置図 
(国土交通省 地図使用 承認番号 平15総使、第634号)

雲をつく様な厳しさと美しさを持つ高山には創造主たる神々の息吹を感ずる。
一方のどかな里山歩きは小さいとき自然の中で精一杯の冒険をした遠き昔の自分に会いにいく懐かしの旅だ。「雑然模糊さん」
掲示板を通じた御紹介で満濃町の金剛院を取り巻く山々をデジャブーを求めて歩いた。

     
      金剛院の地名発祥の寺 金剛寺 (金剛院と呼ばれている)

午前中の仕事を終えて前もって調べていた登山口に走る。レオマワールドの西を回り込み金剛院地区の金剛寺から左奥に進む。
この奥も去年の台風被害で相当荒れている。
林道の舗装が終わった所に大高見峰から猫山城山に至る縦走路への取り付きがあるのだ。
林道から縦走路分岐に上がる。祠のある広場横には縦走路と栗熊(畦田)からの三叉路標識があった。

 
金剛寺と竜王山を望む           登山道から縦走路の鞍部三叉路

 
三叉路には祠がある              早速倒木が出現

  1) 小高見峰(467m) 大高見峰(504.1m)

猫山方面が気になったが、まずは大高見峰方面に進む事に。いきなり竹林が去年の台風でひどい事になっている。「竹やぶに
竹立てかけた」とか「竹やぶでおっさんがへをこいた バンブー」とかバカな事を言いながら気楽で下品な中年は小高見峰へ上が
っていく。

竹やぶ障害物競走が終わると比較的マシな登山道となるがここでも大きな赤松などが登山道に倒れている。手前のピークまで出
ると讃岐富士方面が見渡せた。一旦道は下がってさらに小高見峰へと上っていく。小高見峰への稜線からは猫山や丸亀方面が
見渡せるが、山頂近くは見晴らしが利かない。特に山頂を現す標識は登山道沿いにはなく、栗熊東の境界礎石だけが見ら
れた。


 
「竹やぶに竹立てかけた」の図      ターニング・ピークより小高見峰へ

 
北側に飯野山が見える            通りすがりの小高見峰

さらに一旦下がって第一目的の大高見峰へ進む。小高見峰から大高見峰に向かう途中で北側方面の視界が開けて善通寺から
坂出方面が見渡せる。倒木を越えると山頂の標識があった。でも先日偵察の時におじさんが言ってた「天狗のお面」はどこなんだ?
 少し東に歩くと開けた場所があり神社らしき建物のそばで男性三人が食事をしながら休憩されていた。

     
        飯野山          常山     城山(きやま)

     
     象頭山         我拝師山        天霧山

 
      大高見峰山頂          つい最近まで賑わっていたという神社

そのうちのお一人は登山口で会った犬連れの御仁で犬は繋がれていた。芝が混じった雑種らしきその犬に近寄ると怖がって
う〜〜とうなり声をあげている。飼い主がいなければもっと反応を見たかったがそこらへんで止めといて神社に参拝。天狗の面
の絵馬がこの神社の中に架けられていた。

 
社に祭られた天狗 天狗伝説のお山だのだ  猫山 良く見ると崩壊地が見える


  国分台   鷲ノ山 火ノ山  十瓶山 六ッ目山 堂山

 
2) 竜王山 (竜山) 454.2m

しばらくお話をして次なる竜王山へ向かう。この地元の人も竜王山への縦走路は知らないという。
小高見峰へ戻る途中に鉄塔巡回路があったので取り敢えずこれを南へ下る。この道も途中崩壊していたが渡りきって
鉄塔まで下りる。

 
イノシシの山には犬連れがいいワン   鉄塔巡回路も崩壊していた

あれ? 電線がここから直角に曲がっていて竜王山への道はない。得意のヤブコギが始まる。潅木の間を適当に下って
いくと道路の上に出てフェンス越しに下りれるようになっていた。でもこれでは面白くないので右側に下ると行き過ぎて逆に
崖を登り返す事に。 そこにはおびただしい量の電気や自動車の残骸が捨てられている。少しの負担金をけちってわざわざ
こんな所まで持ってきて捨てる人間の浅ましさを里山で感じる。

 
ヨッコイショ〜と道路に上がる       お地蔵さんが迎えてくれた

「四国の道」によじ登りお地蔵様に挨拶。道路から竜王山へ向かっては高い崖になっているのでちょっと東に下がりヤブを入り
尾根筋を進む。道がかつてはあったような雰囲気だ。途中からヤブに分け入ったりしながら竜王山手前のピークまで登りつく。

 
竜王山手前のピークへの取り付き   何の繭(マユ)だろうと眉(マユ)をひそめる
                        のんびりダジャレ師匠 偶然出来ました

ここは何故だが山頂から南側の山すそまで広く刈り払われていて、今日半日の山歩きで最も快適な場所だった。次の目的
竜王山へは道がなきに等しくヤブコギ再開。
山頂に着くと祠があり橙(だいだい)が祀られていた。西側が少し開けて猫山が見える。東側は山頂近くまで大崩壊が迫って
いる。お〜怖

  
手前のピークを下る 大きな石がある  広く刈り払われた下り坂から竜王山
  
     
                 十瓶山    六ッ目山  鞍掛山

 
竜王山 山頂の祠 (三角点名 竜山)       山頂まで大崩壊が迫っている

ここからも道にはこだわらず、次の鷹丸山方面を目指して潅木の中に分け入りどんどん下りていく。ほとんど下り付いたころ
植林と笹の広い林道が現れそれに従い鷹丸山と竜王山の間にある貯水池へ向かって進む。貯水池の土手を進もうとしたが
水門から向こうに道が無いようだったので引き返して田んぼのあぜ道を抜ける事に。

 
大川山が南側に見える           藪を下るといきなり刈り払いされた道に出た

 
竜王山を下りて次なる鷹丸山を目指す  田んぼまでが崩壊していた

  
 3) 鷹丸山 (387m) と 猫山への尾根道

小さな小川があり、ここの田んぼが崩壊していた。 橋が遠かったので護岸を乗り越えて鷹丸山の南東側とりつきに上がる。
どうも造成地が途中で挫折したような場所で誰かがゴルフのアイアン練習をしているらしくてゴルフボールが山際に散乱して
いた。

 
左正面が鷹丸山の取り付き場所     道はないがスペースは充分

この取り付きから鷹丸山まではそう時間もかからずにたどり着いた。山頂には竜王山と同じ人が置いた寒暖計が山名とイニ
シャル、年月日が記されて木に針金で雁字搦めに取り付けられていた。 あとからこもれびさんが同じ日に「干支の山」シリーズ
で登られていたのを知った。ちょっぴり先を越されたが北極点到達でもあるまいし「こもさん」に華をもたそう。

  
下界(?)を見る                鷹丸山にも大きな石が露出している

  
針金(?)もっと美的感覚を持って欲しい   鷹丸山の山頂 礎石

鷹丸山の山頂から北の猫山に向かって尾根が続く。しばらくは道があったが、それは途中から金剛院のある東へ下りている。
そこからはこの日一番の楽しいヤブコギ歩きとなった。

 
尾根前半はどうやら道がある         アンテナ展望所

     
得意のヤブ漕ぎ道へ入る      大蛇の様にねじれた根性を持った木

ヤブコギで一番厄介なのは「スズタケ」でダニの恐ろしさもさることながらびっしり生えた茎が人間の侵入を拒む。見ると尾根
の東側に迂回すればスズタケは少ない。尾根の場所を確認しながら斜面の潅木を進む。ひぇ〜 ここは子連れイノシシの餌場
らしく不気味な穴っぽこが続いている。

 
藪がひどい場所は東に迂回できる  藪に咲くから「ヤブツバキ」蘭師匠に怒られる?

  
4) 猫山 (467.7m) − 畦田(あぜた)へ下山

猫山の取り付きまで進んでくるとそれまでの藪が薄くなり、クヌギか樫の様な潅木が多くなり歩きやすい。どの山も飯野山と
同じような安山岩が転がっている。成り立ちは同じなのだ。隆起前のちょっとした海流の気まぐれや偶然で讃岐七富士の様
な単独峰になったりこの猫山みたいに複数峰になってしまうのだろうか。

     
       猫山中腹より歩いてきた鷹丸山の尾根を見下ろす

 
山頂手前では岩が多くなる          猫山山頂

    
      猫山山頂が一番ムードがある場所だった

猫山の山頂は一番広くて緑の木が2本あり雰囲気が良い場所だった。ここであーぴょんをまねておそまつくんのシェーをやるが
思ったよりうまく出来ていなかった。

 
シェ〜 芸術点も技術点も不合格!  未知(みち)の道(みち)無き道を東に向かう

猫山山頂からはレオマワールドや讃岐富士が見渡せるが、肝腎の懐中電灯は昨日の雪山歩きのザックに入れてあり、日暮
れが迫って来たので下山する事に。 道は西側に向けて一本しかなかったので例によって小高見峰方面(東)に向かって道の
無い斜面を下りる。

10分くらい下ると崩壊地の上側に出くわす。相当の規模と傾斜だ。車を置いた方に下りなければならないので崩壊地の南側
に沿って下りていく。しばらく下りると あれ?? さらに右側に新たな崩壊地が現れ平行して落ちている。

 
至る所で猫山は崩壊していた       縦走登山道も崩壊場所で通行不能

もう相当無理して下がったのでやけになって更に下りると不吉な予感が当たってこの崩壊地の流れが合流している。中州の
先端まで下りて下を見るが生命の危険予知が働いてとてもじゃないが無理。
こりゃダメだわ。 登り返そうとするが、崖のような所を勢いで下りてきたので手掛かりが少なく、足元もジャラジャラ崩れる。
ストックの手すりを使ったり懸垂運動をしながら崩壊地にヘロヘロで帰った。

ちょっと悩んで、安全策をとり崩壊地の左側を下がるとやがて縦走路に降り立った。淡い期待で小高見峰へと進むが、やはり
大崩落の現場で道が無くなっており、この現場はとうてい渡れない事があきらめの悪い事で有名なこの中年にも一目でわかった。

  
土石流化した沢を下っていく         広場に到着

崩壊地の少し前に左手に下りる赤テープがあったので選択の余地無くこれを下りる。しばらくすると道が無くなり、沢の崩壊が
幾分少なかったのでこの沢伝いに下りていく。けっこう丸い岩などがあり雰囲気が良い沢だった。

再び崩壊が激しい場所になったので右の竹やぶに入りしばらく進むと 牧場の様な広場の上に着いた。(これが畦田のキャンプ
場だろうか?)右手の小川に沿って降りていくと、左手の上の民家で焚き火をしているので大声でタクシーの電話番号を教えて
もらって呼ぶ。場所は畦田(あぜた)という所だった

人の良い運転手を相手に道すがら最後の詰めを誤った反省と告白を聞いてもらい、洗礼と神の許しを貰って車に帰る。 
あ〜〜あ もう少しで完璧だったのに・・・

幼い頃野山を駆け巡ったデジャブーを体験しながら楽しい冒険の旅は終わりを告げた。





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