おいでまい 讃岐の里山へ

 
「讃岐七富士」シリーズ その一   讃岐人に最も愛される山  飯野山 

 

「讃岐七富士」のトップは当然 「飯野山」(いいのやま) 421.9mです。
讃岐富士
の名の方がわかりやすいでしょう。
讃岐平野のど真ん中にどっしりと構えたその姿に県外の人も目を奪われます。

    
         飯野山 飯山町登山口からの登山道

讃岐富士は上図のように坂出市、丸亀市、綾歌郡飯山町の2市1町からなっておりますが、
登山気分を味わうには飯山町側からです。ここからはほぼ直登コースとなっており、
うどんの腹ごなしにはうってつけの登山道です。

一見、火山のようですが下半分は花崗岩で中生代(恐竜時代)に溶岩が固まった成分で、
上半分は古銅輝安山岩(カンカン石)で表面は風化して赤土となっているそうです。
近くにサヌカイトで有名な金山(かなやま)があるので関連があるのでしょうか。
つまり讃岐富士の形は火山の噴火によってでは無く、海底で海水に侵食されて出来上がったものらしい。

もう一つの説は「おじょも」という山作りの好きな巨人がふごに土を盛って天秤棒で担ぎ、
瀬戸内海を渡ってきて、一つは双子山などの失敗作となり、きれいに盛って作った傑作が讃岐富士と言うことらしい。
山をみているとこちらの話に説得力がありそうだ。

    
          飯山町側登山口駐車場

善通寺高速インターを下りて、善通寺・府中線を高松方面へ20分くらい、
飯神社の標識を通り過ぎると左側にカーペンターショップ「ビルド」があり、
おじょもならぬ「ジョモ」のガソリンスタンドの信号を斜め左(マルナカ方面)へ入ると
すぐ登山口駐車場がある。(トイレも設備されています)

登山道は左手の住宅道を上がり、果樹園を右に曲がると飯野山が良く見える。
少し進むと一王子神社とおじょも伝説の解説板があり、そこから急登が続く。

       
    果樹園あたりからの飯野山   ケーブルカーの様な直線急坂

この直線の急坂を喘ぐと、さらにジグザグの天然アスレチックルートが待っている。
ここをトレーニングで毎日のように登っては下る強い辛抱と信念を持った讃岐人が結構いるそうだ。
私は軟弱な伊予の男です。

      
       第二休憩所からは南側の景色が良く見える

二汗も三汗もかきながらフィードバック登山道を登っていくと、讃岐平野が眼下に見えるので
高度感がありヘリコプターに乗っているような気分になる。20分くらいで丸亀からの広い登山道に合流する。
     
     
         飯山道と丸亀道の合流地点

この広い道を5mくらい進むと、左側に又狭い直登道があるのでそちらに進む。
この道は坂も急だが巨石がたくさんありとても興味をそそられる。
細い登山道は頂上まで続き「おじょも桜」の近くに(いわゆる裏側)出る。

       
     讃岐富士のロマンがあふれる巨石群のある裏道

        
                 頂上の薬師堂

季節のよい時にはこの頂上では家族連れが鍋を囲んで宴会などをしている。展望はあまり良くないが気持ちの良い広場だ。ここから南側に少し下がると立派な木製の展望台とおじょもの足跡がある。

 
おじょもの足跡と大きさを比べてみる      展望台の武井・原・加地
(話が大きい割には意外と足跡はちっこい) (この後 HP作成ソフトを買う事に)

 
  飯野山 山頂                  広い丸亀登山ルート

帰りは広い丸亀登山ルートを下りると瀬戸内海が一望できる。ここを10分くらいで
飯山町の登山道分岐に着く。けっこう色々な世代の人が運動がてらにこの山に来ている。

     
          丸亀主道からの瀬戸大橋風景

土曜日の昼にうどんを食べて、ふらりっと腹ごなしにこの讃岐富士に登る。半日もあれば十分。
考えてみるとこのあたりの讃岐人は贅沢な環境ではないか。
下山してまたうどん屋に飛び込んだりしているのだろう。

      

飯野山=讃岐富士 これからもず〜〜と讃岐の人々に愛されていく山でしょう。
考えてみると、四国のどの山よりも身近にあり、いつも皆に見つめられて、愛されてとても羨ましい存在ではないでしょうか


 飯野山 丸亀直登道ー天狗周遊道の魅力

 

 飯野山(讃岐富士)の穴場歩き 丸亀直登道ー天狗周遊道


飯野山 ルート図  (国土地理院地図使用 承認番号 平15総使、第634号)

雨の日曜日の仕事は諦めがつく。こんな日にお山などに行けるかってんだ・・・と自分を納得させて
仕事をしていると急に昼から雨が止んだ。
「雨が止んだら ♪ お山に行くのよ ♪ 仕事の事は ♪ 水に流〜して ♪」

先日KYOさんから書き込みがあり飯野山で讃岐富士さんに遭い(HPを知らない人には
ちょっとややこしい)丸亀遊歩道口よりの直登ルートを教えてもらったとの事。
さっそく地獄耳のREIKOさんに出し抜かれた。 
かねてから讃岐富士登りは東からの飯山ー巨石ルートしか興味はなかったのだが、これは耳寄りな話だ。

新居浜へ出張の途中トレッキングシューズとペットボトルを持って「飯野山」をめざす。
この登山口は初めてだったので高速道路の即道から右往左往しながら野外活動センター付近に着いた。





 宝性寺跡と書かれた広場から遊歩道へ   広場から見た青野山

野外活動センター付近は道があちこちにあるので、とりあえず左の石段を上がってみる.
すると宝性寺跡の標識が立てられた広場に出た。
これを右に上がると丸亀側遊歩道に合流。KYOさんのレポートの記憶を頼りに赤テープを探す。 
すぐに赤ペンキがあったのでそこから登り始める。

 
赤ペンキの塗られた入口?        真っ直ぐ進むと道がなくなった

結局、直登口は3箇所くらい目印があり、どこから登ってもちょっと左へ迂回すれば道は合流するようだ。
こちらは構わず道の無いブッシュを真っ直ぐ(東へ)登る。
潅木の隙間を狙って少し左にそれながら進むとテープのある正規直登道に合流した。

 
 直登道に合流                遊歩道に出た

丸亀側遊歩道に一旦でるが、KYOさんのレポートにあるように1メートルくらいの崖を登って
更に直登道が続いている。 
遊歩道ではゆったりと散歩を楽しむ市民がわざわざイノシシのようにコソコソ変な場所から出てきて
ヘンテコな場所へ消えていく私をみて怪訝(けげん)な顔をしている。
「すみません 私の人生は王道・大道を歩むことは無かったものですから・・・これからも・・・」

 
遊歩道を上がる ツタが木に刺青を彫っている  いい感じの道になったぞ

暫く樹海の中を登っていくと次第に樹木が薄くなり岩がゴロゴロしてきたそ。
いきなり無粋なコンクリートの壁が現れた。何じゃこれ? 
この辺りの岩は節理の為か風化が激しく、傾斜も断崖絶壁の如く老人福祉施設「珠光園」に向かって
切れ落ちている。
秀麗な讃岐富士のバランスを保つ為に役立っている無粋なコンクリートを訳も知らずにけなしたのを
詫びならが少し登ると細い道が左右に伸びている。



     岩場が多くなり視界が開ける    コンクリート壁が岩の崩壊を守っている

    
     視界が開けて 西に伸びる高速道路や天霧山が霞む

はは〜〜ん これが天狗周遊道じゃな。岩の感じからしてKYOさんやREIKOさんが雄たけび、
雌たけびをあげた天狗岩は右側にあるだろうと予測。

暫く讃岐平野の鳥瞰図を楽しむ。瀬戸内海は生憎の曇り空で鉛色だが詫間の紫雲出山も見える。
高速道路から哀れな姿をさらす天霧山、我拝師山、点在するため池は白く光っている。
水の少ない土器川は広い道路の様に見える。その昔「あばれ川」との異名があったの信じがたい。
縄文時代、弥生時代の人々もこの場所から今と違うのどかな景色を見たのだろう。



 
細い天狗周遊道に到着          あれが天狗岩展望所か?

気持ちの良い高度感につつまれて天狗周遊道を右側に回りこんでいくと予想通り岩場が現れた。
そこへはちょっと登りになっていて細い段を上がるとありました! 岩のテーブルが・・・

     
          ここが天狗岩展望所でございま〜す
向かいは巨人おじょもがここ讃岐富士と一方の足をかけた象頭山でございま〜す。
その間にはおじょものおしっこで出来た土器川でございま〜す。お行儀の悪い話しでございま〜す。

          
         天狗岩展望所には岩のテーブルが3つありました

天狗岩展望所からさらに小道が南東に伸びている。
とりあえず私の習性としてその道は無視してここから真上に山頂を目指す。あれ? 
期待に反してそこそこの道がある。更にちょっとした岩場があり、この道が少し左に迂回していたので
道の無いブッシュを真っ直ぐ上に登る。
ちょっとイバラがあったがすぐに山頂近くのメインストリートに合流した。
散歩者を脅かさないようにそ〜と音を出さずに道に出る。(余計に怪しい・・)誰もいなかった。

      
       天狗岩展望所から更に真上に上がると絶景が
       象頭山 − 我拝師山 − 天霧山  中央は土器川

         
            紫雲出山が右上に浮かんでいる

 
大好きな(?)藪を登る           メインストリートに這い上がる

山頂では3組程の初老の男性がおられた。やけに人なつっこい黒猫がいて餌をねだる。
警戒心のない猫は嫌いだ。もう展望は充分楽しんだのでおじょもの足跡がある展望所へは
どうしようかと考えたが、ひょっとして天狗周遊道との合流点があるかも知れないので下りて見る。

 
飯野山 山頂                 南西方向 象頭山方面

  
地元の小学生                     おじょも石

おじょも石付近には天狗周遊道は通じていなかったので、先ほど上がってきた場所に帰って
その辺りの道をチェック。成果は元気な地元の小学生にあった事。
先ほど藪こぎして上がってきたすぐ近くにちょっと広めに草が刈り込まれた道があり
そこを降りると天狗岩展望所への道だった。

 
メインストリートから天狗岩に下る近道  天狗周遊道を更に南東へ回り込む

今度は天狗岩から南側へ行くとどこへ通じるのか歩いてみる。
暫くするとおじょも岩の下を通って巨石群のエリアに出た。
結局「飯山ルート」からの東側上部の直登道とこの天狗周遊道が山頂南側に点在する
「巨石群エリア」で合流していたのだ。

 
  石鎚神社             締め縄が張られた巨石=ご神体?

 
  薬師堂の裏に出る          また巨石アリアを通り天狗周遊道に帰る

今度は天狗岩展望台から北側方面(左側)の道を歩いてみる。
何だか祠が設置された大岩がありその前には菊の御紋のような模様が彫られた亀の甲羅石?が
岩の上に鎮座していた。これは讃岐富士さんにでも聞いて見なきゃ何だかわからない。

ここを過ぎるとすぐにジグザグの登り坂となりメインストリートに合流。
ちゃんと「天狗周遊道」の標識が立てられていた。だいたいこれで全貌が掴めた。
 少しメインストリートを登り返して途中からまた藪を周遊道まで下りて見る。

 
祠が3つもある贅沢な岩     このありがたい花崗岩はなんじゃろ?

 
天狗周遊道の標識             周遊道から直下山道 (テープあり)

はっきりしなかった登山口を確認するため同じ直登道を降りる。
こんどは道なりに下がってみると最後は賽の河原のような石ころが川のようにゴロゴロしている道に出た。
歩きにくいが開けているのでこれを遊歩道まで下りてみる。なるほど、ここにも赤いテープがある。

 
下部合流地点に着く              賽の河原 下山道

しばらく遊歩道を降りていくと、私が石段を上がって来た所より更に下側に赤いテープとペンキがあったので
それを又少し登ってみる。結局この道も左へ迂回して賽の河原上部で合流するようになっていた。
合流地点はちょっと開けて左へ進むので間違いやすいが、迷ったところで大勢には影響ないでしょう。

 
直登道はこの左奥で合流する       西側から讃岐富士を眺める

 
飯(いひ)神社か飯野山を見上げる    飯天神も祀られている

小さな冒険、大きな発見に満足しながら山を下り、飯の精「飯依比古命」(いいよりひこのみこと)を主神に、
穀霊「少名比古奈命」(すくなひこなのみこと)を配祀している「飯神社」に参拝して出張先の故郷新居浜へ
風の様に去っていった。




        目次に戻る              トップページに戻る