エントツ山 第3休憩所
徳島のある山男の事   − 話はネパールまで飛ぶ −

「のんびり山歩」さんの山屋の独り言で地球温暖化を嘆いておられたので、その話題に関するお話をひとつ

私の30年来お世話になっている仕事仲間に徳島の山男「天野」さんという人がいます。現在は徳島にある某税関支署に勤務されています。
この天野さんは登山家で若いときは冬山訓練と称して冬でも毎日部屋の窓を開けて寝ていたというエピソードがある程の猛者(もさ)です。

ネパール・トレッキングが縁で、ネパールの山村に電気が無い為、住民やトレッカーによる薪(たきぎ)用の森林伐採が進み山が荒れている
事を知り、登山やトレッキングの最も多いアンナプルナ山域ブジュン村(戸数300、住民1,800名)に超小型水力発電装置建設の
援助を徳島県で募り、徳島大学の流体工学の専門家、中瀬教授(故人)を会長に天野さんが書記長となり1996年「徳島・ネパール友好協会
を設立しました。

   

私とこの小型水力発電プロジェクトとの関わりは、当時、徳島県の小松島に単身赴任していた私が、1994年折衝開始から1997年の起工式、
プロジェクト完成の1999年−2000年までの間、当時書記長だった英語の不得意な天野さんに手紙、書類、パンフレット、現地調査報告書その
他の英訳・和訳のお手伝いをさせて頂きました。(ちょっとばかし大変な作業でした)

ですから、私はこのプロジェクトが、資金面、技術面、モンスーン気候、ゲリラ活動など多くの障壁・難題をクリアーしてきた経過を良く知る
立場にありました。相当の苦労の末、この小さな村の谷に雪解け水を集める堰を作り超小型水力発電所の完成にこぎつけました。

これにより、それまで、子供達がろうそくや灯油ランプで勉強していた環境、年間1、125トンの薪伐採の代替、薪取りや炊事作業からの
女性労働時間の短縮、医療環境の改善、薬草、パン工場の稼動など様々な村の生活向上に貢献しました。

この協会は他にも就学里親制度や中古救急車の現地への寄付などを同時に行ってきましたが、またまた地球温暖化防止活動の一環として
徳島県の「発光ダイオード」で有名な日亜化学の協力を得て、ブジュン村の近くにある無灯火地域のヤンジャコット村に「白色発光ダイオード
=LED」を使った太陽電池式の家庭用照明設備プロジェクトを開始した。これはソーラー式だから発電所や導水管、送電線が一切不要で
費用も安く地球環境にやさしいときている。


   
     ネパール アンナプルナトレッキング基地  ポカラ

地球温暖化防止や自然保護は非常に
難しいテーマでその活動も難しい事です
天野さんをはじめ徳島・ネパール友好協会のご活躍を祈っております





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