1月10日 岩山 「王子ヶ岳」 探訪記
王子ヶ岳 位置図 (国土交通省地図使用 承認番号 平15総使、第634号)
世間は3連休というのにオイラは悲しい弱小企業のサラリーマン、ずっと岡山で出張
でも私には機動力(=別名「落ち着きが無い性格」とか「じっとしておれない性格」とか言う)がある!さっそく待機時間を利用して
以前から気になっていた渋川海岸の上にそそり立つ岩場へ行ってみる事に
海岸線道路よりこんな岩山が見える 建物は国民宿舎「王子ヶ岳」 その左に登山口
道路から海側にウィンドサーフィンをする人などの駐車場がありここに車を停める。ウロウロ探すと国民宿舎の向かって左手
に登山道の標識があった。最初は谷筋に沿って山に入り、西側に回りこんで登山道が続いている。直登コースを探すがどうも
無いようだ。
登山道を少し上がるとこの岩山の全容が姿を現す
登山道は全て園芸店で見るコンクリートの丸太もどき製品で階段状に整備されている。途中から道が急になるのでこうして
おかないと風化した花崗岩や砂岩で滑りやすく登り辛いでしょう。
次第に瀬戸大橋方面が見えてくる 下津井、鷲羽山方面
登山ルックの3人組が先を行く 尾根に上がると北側は殺風景
ちょっと東赤石の八巻山を歩いていなかったら感激もひとしおだったと思われる奇岩風景が一望できる。花崗岩の節理で
積み木のような絶壁だ。振り返ると仕事にしか使わないマリンライナーの瀬戸大橋と鷲羽山、真南には象頭山、讃岐富士
、城山などが良く見える。瀬戸内海は中国の大河より狭いなんて親父に聞かされたが、へ〜こんなに対岸が近かったんだ。
あっという間に尾根筋に着いた。左側(西)に少し歩いてみるがすぐに駐車場に出た。どうも子供の甲高い声がするので西側
の中腹には桜と小さな遊園地があるのだろう。東にはホテルのような建物があり、その向こうにピークらしきものがあるので
そちらに向かってみる。
巨石越しにホテルらしき建物が 動物公園の観覧車が見える北側
白い建物の近くには大きな岩があり、全てが石棺に見える。周りは良く掃除されているが、ホテルの様な建物は荒れていて聞く
ところによるとバブル時に建設をして完成直前にバブルがはじけて営業は一度もせずに廃館になったそうだ。悲しい運命の館
の窓は寒風を浴びながらじっと四国を見つめていた。
ここを回り込むと北側からの車道があり、主峰(?)新割山(234.4m)へのアスファルト道を進む。今日の格好は仕事着なので
違和感はない。先ほどの登山重装備の3人組はこの風景をみて悲嘆にくれている。そんな格好でくるからじゃ。 山頂にホテルや
車道? これって摩耶山麓住人の「てるてる登山記」のようじゃ
百済のお姫様に8人の王子がいた 山頂広場から下津井への海岸線
新割山では数人の職員が公園整備で草刈機で寒い中作業をしておられた。その傍らに「王子ヶ岳」の由来があった。この近くに百済
(くだら)の姫が住んでいてその人に8人の王子がいたので王子ヶ岳と名づけられたらしい。それなら「八王子山」でしょう?
三井金属日比の向こうに屋島が見える 高松と大槌島
坂出方面には煙突の煙がたなびく 展望所の下にも大岩が
うらぶれた初老の男が一人でボケ〜とこんな寒い日に瀬戸内海を見つめていると自殺志願者と間違われてもいけないので
下山することに。 でも対岸から見慣れた風景を見ると瀬戸内海って狭いなあと思ってしまった。 それと船乗りが航海したり
港に入るとき「山の形」を目標にするのが良くわかりました。
王子ヶ岳の風景
瀬戸大橋方面は海面が照らされている
国民宿舎、瀬戸内海を見下ろす
巨石群と大槌島 その向こうに高松の町が
ニコニコ岩 と 屋島・五剣山
常山 飯野山も見える 坂出 − 瀬戸大橋
幽霊ホテルを通り抜け下山口から一気に駆け下りる。登り30分 下り10分くらいでしょう。
下山口 最後に岩場風景を楽しむ
海に向かって一直線のレール 国民宿舎と海岸駐車場
駐車場からは形の良い讃岐富士が眺められた
後で調べてみると渋川海岸から尾根伝いに別の登山道がある事がわかったので次回はそのルートを歩いてみようと思う。
「こもれび」さんの「豪華絢爛三連休びっしり温泉・山三昧」に比べて何とつつましやかなエントツ山の山歩きだろう
1月30日 「王子ヶ岳」 渋川海岸ルート ニコニコ岩と対面
王子ヶ岳遊歩道コース図 (国土交通省 地図使用承認番号 平15総使、第634号)
前回 「王子ヶ岳国民宿舎」裏から登ってみましたが、今回は少しだけ距離が長いですが「渋川海岸コース」からニコニコ岩
を目指す事にしました。
王子ヶ岳の東側ピークにあるニコニコ岩とご対面に出かける
渋川海岸は日本の渚百選に選ばれた砂浜で、王子ヶ岳などの花崗岩に含まれる白い砂の為「白砂青松」と言われていますが
実際はどうひいき目に見ても茶砂青松です。
「白砂青松」って日本の過去の風景になったんでしょうか
駐車場はこの渋川海岸から少し西に行った道路の海側の漁港前にあります。 途中の自動販売機でペットボトル一本をポケット
に忍ばせて登山口へ。
渋川漁港より取り付きの尾根 渋川海岸 王子ヶ岳登山口
最初は尾根まで比較的急な坂道だがおおむね登山道は整備されて歩き易い。振り返ると渋川海岸とホテルが眼下に見え、その向こ
うには大槌島から屋島、高松方面が霞んでいる。
尾根に向かって階段が続く 渋川海岸が眼下に見渡せる
尾根に上がるとちょっと木々が茂って視界は遮られ、大きな岩も所々に散在するくらいである。北側の緩やかな傾斜地は幾度の
山火事が原因だろうか殺風景な様相だ。
最初の尾根にも柱状節理の岩が点在 尾根道の標識
新割山の展望台近くの岩山 動物ランドの観覧車とその後ろに常山
尾根の北側は殺風景 土佐の仙人さんが喜びそうな岩
(花崗岩の中央に白い石の筋が)
ークの4つ目くらいで目的のニコニコ岩に着いた。近づくと結構大きな岩だ。
西側から見ると確かに愛嬌のあるニコニコ岩だが、正面や東側に回りこむと当然だが岩の切れ込みが対象ではない事に失望する。
まあイサム野口の作ではなく自然の造形だから仕方がないわい
ニコニコ岩の裏側 西側から見たニコニコ岩
北側の岩山公園 ニコニコ岩の正面 しまりが無い!
ニコニコ岩より 大槌島
ニコニコ岩も東側から見るとエイリアンだった
前回引き返した「展望台がある岩場」まで歩く。 北側の岩場はどうもロッククライミングの初級練習場になっているのだろうか
8人くらいの集団が大きな声をだして3−4mの岩に取り付いている。
展望所から王子ヶ岳国民宿舎まで続く石柱
展望所に着くと玄米屋というレストランになっており、その西側の広場はパラグライダーの飛行基地になっていて3人のライダーが
スタンバイしている。 離陸の瞬間をカメラに収めようと待つが風が強く一旦中止となった。 どうしても離陸の瞬間が見たいので
レストランで玄米セットの昼食を食べながら時間待ちをすることに。
モアイ像のように立っている岩 王子ヶ岳 展望休憩所
パラグライダー強風で離陸中止 玄米屋さんの季節のおこわセット
ガラス窓で風が遮られたこの展望レストランには2組のカップルが景色を眺めながら食事をしていた。窓の外には瀬戸内海と
四国の山々、瀬戸大橋が逆光に白く輝いている。讃岐富士は霞んでいる上に、番ノ州工場地帯の煙突から出る白い煙が西風
を受けてたなびき噎せているように見える。
対岸の飯野山
玄米炊き込みご飯は美味しかった。一緒に付いて来たうどん(もどき)はただ温かかったと言っておこう。ここは岡山なのだ。
食事で時間稼ぎしても風は治まらず大空に向かって飛び出す気配が無かったので諦めて大岩展望所へ帰る。ここからもう一
度国民宿舎への絶壁を撮ろうと思ったが、アベックがそのポイントに居座っていたので遠慮した。幾つになってもシャイな私。
ニコニコ岩に向かって帰る事に
さて結局今日はニコニコ岩か・・・ 今度は同年代の男の人が居たのでニコニコ岩での写真のシャッターを願いする。再生すると
アカン アングルがなっとらん。結局自動シャッターで撮りなおす。何で人物を真ん中に持ってくるんだろう?
岩山公園でロッククライミングを楽しむ人達 意外と大きいニコニコ岩
人間いつまでもそうニコニコばかりはしておれない。引き締まった顔に返って登山口へ帰る事に。同じ尾根道を坂出方面や
その奥に見える山を見たり 大槌島から高松方面を見たりしながら渋川海岸へ帰る。最後の尾根がすぎて下っていると上空
に黄色のパラグライダーが舞っている。
ツツジが咲いている 向こうは大槌島
渋川海岸へ向かって下りる あっ 鳥だジェット機だ パラグライダーだ
お〜飛んだのか〜 それが渋川海岸へと気持ちよく下がって海の上をグルグル回っている。ひょっとして風に煽られて海にでも
着水しないかと心配になりじ〜と見守る。
そんな私の心配をよそにスルスルと渋川海岸に舞い降りて海岸で散歩する子供達のヒーローになっている。 やっぱりスーパー
マンだ。あとから色違いの2羽のパラグライダーが仲良く渋川海岸の砂浜に滑っていって浜辺の喝采を浴びている。リスクがある
がカッコエエ趣味があるもんだわい。
王子ヶ岳 ニコココ岩からの海岸線
エントツ山の得意技、出張王子ヶ岳探訪記は短時間にもかかわらず納得のいく対岸の岩山シリーズとなった。
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