2007年02月01日
平成19年1月14日  冬山の王道 「瓶ヶ森 東之川コース」  グランパ隊と
平成19年1月14日 東之川―台ヶ森―瓶ヶ森(女山)−菖蒲峠―東之川
グランマー、グランパ隊と合流


カシミールソフトを使ったGPS トラック・ログ図
東之川登山口ー台ヶ森ー瓶ヶ森(女山)−菖蒲峠ー東之川  約9時間半
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)

   
          台ヶ森から石鎚山

お正月にHP仲間のアライグマ一家がちびちゃん達も一緒に冬の瓶ヶ森に登っていた。今まで冬の瓶ヶ森は厳しすぎて無理って定説(?)
があったのに、何とボノさんに連れられて女子供が登っているではないか。(と言っても彼らはフツーの女子供ではないんだけどね)

1月14日快晴の天気予報に誘われて当初雪が少ない石鎚の東稜コースへ行く予定であったが、グランパ・グランマー啓子さん達が東之川
から瓶ヶ森へ行くって情報を掴んだ。(ちょっと大袈裟?)さっそくマーシーに連絡を取り集合時間の朝7時勝手に登山口に押しかける事に。

朝4時起床してマーシーさんを四国中央市で拾い、石鎚ロープウェーを通り越して東之川登山口に7時少し前に着いた。ここには数軒の
民家があり少し広めの駐車スペースとトイレがあった。この辺りの標高は約530m、ここから瓶ヶ森山頂の標高1,896.2mまで登るわけ
だから気合が入ってくる。

用意していると四国中央市の元気カップル、グランパ・グランマー啓子コンビが大型バンから明るい声で転がり出てきた。車にはお友達の
山仲間S・Mコンビが一緒に乗られていた。すみませ〜〜ん 勝手に集合させて貰いました〜


        東之川登山口  気合の入った出発風景

この辺りは初めて来る人には「瓶ヶ森迂回路」の看板があちこちにあり、どの道から入ったらいいのか悩ましい。だから今日は静かなるドン・
グランパが頼りなのだ。

グランパの案内で駐車場の少し下流にある鉄の橋を渡って植林地帯に入っていく。最初は雪がなく薄暗い植林の急坂をひたすら登っていく。
最後尾でゆっくり歩き枝打ちされた木の中から杖になりそうなのを調達する。これが私の隠れたせこい趣味なのだ。ダブルストックは車の
トランクに置いたまま。いい按配のストック枝が見つかった時の幸福感は登山の喜びを助長する。

 
川に架かった鉄の橋を渡る          植林地帯を歩く (標識が要所にあり)

暫く歩いて先頭に出させてもらいドンドン歩いてマーシーさんをつぶしにかかる。調子の出ない間にマーシーを急坂でつぶしておかなければ
後が大変なのだ。振り返るとメガネを曇らせながらイノシシの様にブヒブヒ言いながら付いて来る。アカン 今日もつぶせなかった。

 
       伐採地               自然林になると雪が深くなる

左手に伐採地があり展望が開ける辺りから雪が次第に増えてくる。二人とも今回は6本爪アイゼンを付ける。もう10本爪でスパッツやズボン
に穴を空けるのはゴメンだ。植林地帯が終わって自然林に変わっても相変わらずの急登が続く。右手に岩壁がせり出し、尾根に近づきつつ
あるのでその岩山が台ヶ森だと予想がついた。


    葉っぱに霧氷がへばりつき美しい風景を作る

  
 右手に岩壁が現れた 台ヶ森らしい      峠に近づいた  

細尾根の峠に標識があり、瓶ヶ森の反対方向へ急な尾根を登ると天然檜が生えた岩山のピークに到着。ここからは目指す瓶ヶ森がはるか
向こう、白い絶壁の最上部に見える。そこに至る鋭い支尾根にルートがついているのがわかる。まだまだ続くよ急な坂道。

  
   台ヶ森分岐の峠 ここが東之川コースの一区切り地点

 
    台ヶ森への尾根               台ヶ森から瓶ヶ森

三嶺 (1,893.4m) と瓶ヶ森 (1,896.5m) は両者とも山頂近くが平原状になっておりイメージ的には良く似た山だと思う。でも現在では孤高の
三嶺に比べて、この瓶ヶ森はすぐ横を通る林道のお蔭であまりにもお手軽な山としてその格を落としてしまった。
瓶ヶ森の山の価値を名誉挽回せしめるのはこの林道のゲートが閉まる12月から3月の間だ。この期間は東之川からしか登山ルートは
無く「冬登山の王道」瓶ヶ森の地位を復活させる。


右から左上へと伸びる細尾根に沿って瓶ヶ森へと登っていくのだ

台ヶ森から真っ白になった壁の高さを見るとまだ厳しい登りが待っている。木々の間から朝日を浴びた石鎚が雪の縞模様を刻みながら
秀麗な姿を見せて「今日はこっちには来ないの?」と呟いていた。暫くしても後続は現れないので先に瓶ヶ森へ向かう。


           台ヶ森から 石鎚山

さあ、ここからが冬の瓶ヶ森登山道の真骨頂だ。深い雪、頭上に広がる美しい樹氷、その向こうにデンと構える秀麗な石鎚の眺め、
さらには青い空の下に東予市から今治が見渡される。もうその景色の移ろいがたまんない!ええ所じゃなあ・・・

 
   雪が深い斜面を登る         帰りに通る菖蒲峠が見える

登山道は瓶ヶ森の北斜面に沿って東へと進む。深い雪には前日に訪れたであろう岳人の足跡が刻まれているが、所々で風や上から
流れてきた雪で途切れている。滑落しても命にかかわるような厳しい場所は見られなかった。樹氷越しに東予や今治を見下ろす場所
を過ぎると登山道は一旦尾根に上がり西にターンする。 

 
   ブナが雪と霧氷で飾られる        細い枝の霧氷も美しい
 
 真っ白な登山道 足跡も消えている     東予・今治方面が見渡せる

 
青空と霧氷 この取り合わせが一番良い  ターニングポイントが近づいた

ここまで来たら瓶ヶ森の準隆起平原はすぐ傍だ。雪を被ったシコクシラベかモミの木の斜面にはもうそれほどの傾斜は無くなだらかに
山頂へと続いている。正面に瓶ヶ森から西に張り出したコルとその向こうに石鎚山の御馴染の姿が見える。


       石鎚と霧氷 それと中年二人


                  霧氷と石鎚


         西のコルと石鎚  やっぱ 石鎚は美しいなあ

 
最後の踏ん張りで氷見二千石原へ出る    岩黒山、筒上山が現れた

石鎚展望コルまで出ると、そこだけは雪深く覆われているが、振り返ってみる氷見二千石原から瓶ヶ森へのスロープは雪は少な目
で淡いブラウン色の壁となっていた。張り出したコルから石鎚写真を撮っているとグランマーとグランパがやって来た。随分仲の良い
夫婦だこと。グランパの糟糠の妻に対する言葉使いは一見ぶっきらぼうだが愛情で溢れているのがすぐバレる。お友達は少し遅れ
ている様だ。ここで暫く記念撮影をする。


瓶ヶ森の写真を撮っているとグランマー啓子さんとグランパがやってきた

  
  グランパのお蔭で冬の瓶ヶ森へ来る事が出来ました あんがと〜

グランパが仲間をそこで待つ事にして、グランマー啓子さんだけが一緒に女山山頂を極める事に。石鎚の姿がすっきり見えるが、
冬景色としてはちょっと迫力に欠ける。山頂に着いて記念写真を撮ったあと、グランマーだけが又連れの待つ下まで下りていった。
小ちゃいけど元気〜


     瓶ヶ森から 石鎚山  ちょっと冬山としては迫力に欠けますなあ

 
   女山への道               マーシー、グランマー 女山に到着

 
氷見二千石原と岩黒山、筒上山、手箱山    女山 山頂

西の岩陰でバーナーを出してお湯を沸かす。マーシーさんは魔法瓶(古〜)に入れてきたお湯でカレーヌードルを作っている。朝から
何杯もお代わり出来るカレー好きとは知っていたが、山頂にまできて又カレーかよ!

そうこうしている内にグランパ隊が全員で山頂へ上がってきたので、ここで合同昼食時間となる。見るとグランパもグランマーもアイゼン
を付けていない。何故?って聞くと「私達はスケート部出身よ」とグランマー。 グランパは「単に二人とも付けるのがめんどうくさいだけ
じゃ」と言う。まあ真相は後者のものぐさ夫婦に違いない。


  笹ヶ峰   寒風山         西黒森山  伊予富士


    片吹山 黒森山 沓掛山 赤石山系  笹ヶ峰   寒風山

山頂は確かに少し風があるが、先週の笹ヶ峰ほどではなく展望を皆で楽しむ。石鎚は元より筒上山、手箱山、西条から今治、
瀬戸内海、西黒森から伊予富士、寒風山、笹ヶ峰、沓掛山、黒森山、その向こうには西赤石、東赤石、上兜山から串ヶ峰までも
見える。遠く雪を被った剣山系も地平線と雲の間に見渡せられた。一同満足この上なし


           冬の瓶ヶ森に全員登頂〜〜

時間が午後2時になったので名残惜しいが下山することに。グランパ隊は元来た道を東之川へ向かう。こちらはマーシーと
「菖蒲峠」への尾根へと進む。やはり周回するのが我々の趣味なのだ。

 
    今治方面を見ながら下山        氷見二千石原を後にする

大きく東に迂回して伸びる尾根に沿って、西黒森山の端正な姿を右手に見ながら進む。北面にはやはり雪が多く残って面白い
コースになっていた。登山道はピークをトラバースしているので比較的快適に歩く事が出来た。

 
菖蒲峠が見える 尾根は東へ振っている  東へと尾根を目指す

 
北斜面には雪が沢山残っている       石鎚も逆光気味に霞んできた

急坂を木々に掴まりながら高度を下げていく。途中、遥か彼方に遠ざかった瓶ヶ森を振り返ったり、ダケカンバでさえずるシジュウ
ガラを眺めたり、西に傾いた陽に霞む石鎚を名残惜しく立ち止まって見つめたりしながら快適に進む。目指す菖蒲峠の彼方には
東予から今治方面が相変わらず見え、今歩いている尾根の高度感を楽しませてくれる。

 
    瓶ヶ森を振り返る            シジュウガラちゃんがいた

 
雪の細尾根の斜面を下っていく       目標の菖蒲峠が見えるぞ

 
  西黒森山 カッコイイ姿           雪が少なくなったのでアイゼンを外す

遠目には雪が無いと思われた尾根道にも沢山雪が残っていた。それも菖蒲峠に近づくに従い次第に雪が少なくなりアイゼンを
外す。山頂から約2時間ほどで広い林道へ出て、更に少し進むと「菖蒲峠登山口」の広場に着いた。

 
林道を10分くらい歩く            菖蒲峠に到着  ここから左へ急降下

 
振り返ると 何と瓶ヶ森がバッチリ見える     植林の尾根を急降下

ここからは暗い植林地帯の作業道を東之川まで急降下する。この道もよくしたもので尾根をうまく追っている。薄暗い植林地帯
ではあるが道は思ったよりはっきりしていた。

東之川に近づくとお墓や石段などが現れ、昔ここで生活した人々の声が聞こえてきそうで、古(いにしえ)の生活に思いがめぐら
される。石垣や住居跡を過ぎて石段を歩くと駐車場から20mくらい上の空き地に下り立った。

 
古い石段が谷へ向かっている      下山地から菖蒲峠コースを振り返る

ピストン組は予想通りグランパが一番乗りで下りてきており、我々と時を同じくして残りの仲間も鉄の橋を渡って再会した。
暖冬という異常気象を逆手に取り、グランパにルートを教えてもらって念願の「冬の瓶ヶ森」東之川コースを歩く事が出来た。
多くの山仲間に助けられて私のキャリアを又一つ増やす事が出来た。


グランパ・グランマー啓子さん、 S・M・隊の皆様 ありがとうございました




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