平成20年10月4日 裏寒風山を這い上がれ
寒風山林道西条側西尾根取り付きー裏寒風展望所ー寒風山ー桑瀬峠ー
旧寒風山トンネル西口ー基安(もとやす)鉱山跡ートンネル西口ー(自転車)−登山口車
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ
西尾根取り付き(0800h)−裏寒風最下点展望所(1000h)−寒風山南西ピーク(1030h)−寒風山(1050h)−
桑瀬峠(1140h)−トンネル西口(1240h)−基安鉱山跡(1310h)−トンネル西口(1410h)−西尾根取り付き(1420h)
*トンネル口からデポ車までは自転車使用
前回、天ヶ峠より稜線経由寒風山へ行き、そこから西尾根を下る計画だった。 ところが濃霧の為西尾根が確認出来ず、
エントツ山2号もいたので一般道を下り長い林道歩きを強いられた。
その林道歩きに二つの収穫があった。まず裏寒風に這い上がるに支尾根取り付き場所を確認した事。 それと以前
一人で遡行した桂谷の基安(もとやす)鉱山のガレ場が林道から確認出来、ほぼ目的地まで達していた事がわかった。
金曜日の昼休みマーシーさんから電話があって裏寒風へ這い上がる事に意見がまとまった。
10月4日新居浜・山根公園へ集合し折り畳み自転車を旧寒風山トンネルの西口広場にデポし、西尾根取り付き場所へ。
08時前にここしかないと決めたポイントから尾根に取り付く。
植林地帯を登っていくと明瞭な尾根となり、左右どちらかが植林で反対側が自然林というパターンが続く。楽勝やなあ〜
一度軽い藪と岩場を抜けるとスペースがある広い尾根、それが終わると次第に変化に富んだ尾根道となる。
寒風山新登山口(?) 西尾根取り付き部 境界杭がある尾根道
植林は枝打ちやマーキングをしている 自然林地帯もある
境界杭、標識などが見られる 片方が植林、 一方が自然林
ちょっとした岩場 広々とした尾根
灌木が生い茂り尾根のスペースが狭くなる 急な自然林の登り
大岩が尾根の風景に変化をつける
何でもない風景だけど、こんなのが好き シャクナゲ尾根
なだらかな植林地帯や自然林の尾根が終わると景色は厳しい物になり、次第に寒風山の懐に入ったと実感する。私とマーシー
さんはお互いの好みで微妙にズレて歩く。尾根を左手に少し外して歩くマーシーさんが「オオヤマレンゲが沢山ありますよ」と言う。
見るとザクロの様な赤い実を中に包んでいる。
登山口から1時間半ほど歩いた所で左手にチラホラ寒風山の尾根筋が見え隠れしてくる。ここから笹と木々の美しい尾根道と
なるが、傾斜がきつくなりゼイゼイ言いながら登って行く。
寒風山の尾根筋が見える オオヤマレンゲの身
細尾根の崖もある 典型的な四国の笹尾根風景
う〜〜〜ん 秋の風情です
も〜〜 痩せないとキツいわ〜〜 ブヒブヒ (こんな風景 いいでしょ?)
おっと 久々に出た〜〜 エントツヤ山の替え歌シリーズ 原曲は「山本リンダの狙いうち」
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「裏寒風狙いうち」
ウララ ウララ 裏うらで ♪ 裏ら うらら 裏ウラよ ♪
うらら ウラら 裏うらの ♪ この世は表と裏がある ♪
見せて ごらん 裏寒風 今から乗るわ 藪尾根に ♪
メタボになった この体 イジメル値打ちがある筈よ ♪
西裏尾根を 寒風めがけ 外さない ゼイゼイ 狙いうち ヘイ!
神がくれた この景色 見ないでいては罪になる
四国中の山バカを ハシモト・ロードが 待ち受ける ♪
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物凄い藪を二人はバラバラの方向に這い上がって行くと突然眼前が開けた。お〜〜これが裏寒風の姿か!
以前、笹倉(さぞう)湿原から県境尾根に這い上がり、筒上山を見た時と同じ感激だった。
なるほど・・・・・ ここがストーンリバーさんが橋本さんに案内されて見た風景か・・・
庭の花は確かに美しいが、苦しい思いをして見た高嶺の花が更に美しく見えるのと似通った心境かいな
紅葉には少し早いこの「裏寒風」と呼ばれる場所に暫くたたずむ。
何処をどう進めばいいのよ 遮るものが無い空間に飛び出した
これが裏寒風から眺めた寒風山南西尾根
這い上がって来た尾根 正面は伊予富士への尾根
裏寒風山へ裏口からお邪魔しました〜 あれ? 綺麗な道が・・・・
さて、ここからが問題やぞ、 あの岩場まで登らにゃならん。 う〜〜ん・・・あれ? 笹が刈り込まれている。まさかシカが
食ったの? いや 同じような幅で登山道が整備されている。
呆れるやら感心するやらあの橋本翁がここにまで整備パワーの手を伸ばしていたのか・・・・ 参った!
基本的にあまり登山道を整備するのには否定的な哲学をもつ2匹のイノシシではあるが、橋本さんだけにはお手上げなのだ。
なにせあの情熱と奉仕精神、予想される備品金額の前には我々の薄っぺらい自然崇拝、藪道崇拝など粉微塵!!
「寒風山だけはあの人の思い通りに」という念が強い。
寒風山は「初心者登山の登竜門」、「冬山初心者の登竜門」という登山者の安全を橋本さんはここで保証し続けている。
ハシモト新道を使って尾根まで一気に這い上がる。10時50分、今日も残念ながら霧が出て展望がない山頂だった。
山頂で早い昼食を摂っていると高知のご夫婦が来られた。ここから桑瀬峠まで数組の登山者にしか会わなかった。
美しい初秋の風景 イカ? スルメ? ハシモト標識か〜
桑瀬峠、伊予富士がよく見える展望所 おっと〜 これもハシモト標識!
お〜〜 前回 この上の岩場で行き詰ったんじゃ しかしいい景色じゃねえ 裏寒風!
ザレ場を上がる ハシモト鎖にハシモト・ロープ
特に冬場に助かるこのロープ ヨイショ コラショ
この場所が裏寒風への下山口 (ナイショよ) 桑瀬峠が眺望できる
今日 這い上がって来た尾根が見える
南西尾根から寒風山へ向かう 寒風山に到着
桑瀬峠に11時40分到着。実にあっけない裏寒風山這い上がりだたので、ここから予定通り西側へ下りる事にする。
マトモな道は無い事は間違いない。地図を出して下山ルートを二人で検討、結論は案の定「適当に下ろうや」だった。
桑瀬峠から西北西に下れば旧寒風山トンネル西口に比較的簡単に出れる筈。
深い笹原を西側に進むと藪の中に掘れ込んだ道跡を足元に感じる。藪を抜けるとどうもはっきりしないが踏み跡が予想
より左へ振っているのでそれを無視して軽い沢沿いを下る事に。傾斜はさほどキツくないが地盤が相当弱く足元の石が
ゴロゴロ落ちていく。
所々に石垣があって、道らしい空間があるがこれが水平方向に伸びているので我慢し切れず下に向かって進む。
植林帯が見えると歩き易いのでそれを利用し、無くなると藪の薄い場所を選んで、二人の姿や声の届く範囲に分かれて
予定通り適当に下る。
ここからこの方向にネ (桑瀬峠にて) 桑瀬峠の笹原を西に進む
入り口は大藪 内部はスペーシー あの人はマーシー
石組みも残っている 面倒だ! 植林を転げ落ちよう
ジンジソウ 適当に下りましょう
桑瀬峠から西に下るこのルートは、道が無いがトンネル口への方角が比較的シンプルである事、危険な崖は無い事、
適当なスペースがある事などで、あまり問題なく1時間程で下山出来る。 でもまあ景色もイマイチだしこちらからわざわざ
下山する事もなかろうという結論に達した。
オートバイの爆音が近くに聞こえ出し、12時40分 トンネル西口に下り付いた。
ん? オートバイの音が聞こえるバイ 旧寒風山トンネル西口
あっけないスケジュールの消化に戸惑った二人は「基安(もとやす)鉱山跡でも行ってみますかい?」とトンネル西口広場
の奥にあるゲートを越える。 道は荒れているものの幅が2mくらいの「鉱山の道」がずっと続いている。ゲートを越えて10分
位の所に住居跡の平地があり、おびただしい数の空きビンが散乱している。
「立つ鳥跡を濁さず」 このマナーの悪さは一体誰の責任だろう。30分位で基安鉱山の住居跡らしい広場に着いた。ここ
でもプロバンガスのボンベや鉄管がそのまま放置されこれが東平と同じ住友鉱山の経営だったかと眼を疑う印象だった。
旧寒風山トンネル西口広場奥のゲート 基安(もとやす)鉱山跡への道
放置されたプロバンガスボンベ 導水菅が沢から伸びていた
鉱山跡を抜けると沢に出た。これが先日一人で川来須から遡行してきた縁起の悪い桂谷だ。沢に出て見渡すと何だか
見覚えのある景色・・・。 眼の前にある大岩を見て「マーシー! その岩 例のスズメバチの巣があるかも知れん」と言うと
恐る恐る斜め前に回りこむ。「巣があるわ!」 「え〜〜蜂 おらんか?」 「大丈夫 数匹まだ飛んでいるけど・・・」」
何と先日 不慮の怪我にもめげず歩き続けた挙句、スズメバチの巣とマムシで無念の撤退をしたこの場所が目的地だった
のだ。 惜しかったなあ・・・・・ 基安鉱山跡にはちょっと失望したが、桂谷遡行の最終点が確認出来たので成果があった。
桂谷まで到着 ん?何か見たことのある風景 あのスズメバチの巣で前回撤退したんや〜
桂谷から 伊予富士を見上げる お〜〜ここから伊予富士に這い上がれるかも^
基安鉱山跡の水道管とカマド 寒風山西尾根取り付き口近くにデポした車
また同じ道をトンネル西口まで引きかえし、置いていたブリジストンの折り畳み自転車で一度もペダルを踏むことなく
車まで帰りつく。前回延々と歩いたのがウソのよう・・・ やっぱ文明の利器は便利や〜
不便を甘んじて受け入れ、便利の有り難さを思い知る。これすなわち山登りの哲学か
ハシモト・ロードがある裏寒風 これが表に踊り出る日も近い