平成24年11月3日 寒風山東尾根を這い上がれ
寒風山東尾根とは何処じゃいな
大座礼線 寒風山東尾根登山口
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使用したGPSトラック・ログ図
寒風山東尾根とは
寒風山の山頂から東に、そして次第に南東へ伸びる大きな尾根がある。寒風山からはもう一本南東に延びる尾根がある
のでこの東側に延びる尾根を「寒風山東尾根」と呼ばさせてもらう事にする。」寒風山トンネルを抜けて旧寒風山トン
ネル口までの林道はほぼこの尾根にそってジグザグに付けられている。
桑瀬峠への登山口手前から右側に笹ヶ峰南尾根登山口まで未舗装の大座礼線が続いているが、最初に大きな尾根が張り
出している場所があり、ここから見るとなだらかな尾根が寒風山の山頂まで続いているのが良くわかる。
手前の尾根には目印になる高い樹が数本立っている。 この樹切らないでね。
取り付き部はススキの荒れ野で直接歩くのは思いやられる。入り口を調べると少し左手に向って荒れた道が続いている。
10時10分その道をススキを払いながら進むと直ぐに右手に廻りこみ尾根を越えた。そこから小さな踏み跡が尾根に
沿って続く。私にとっては立派な道なのだが、さて皆さんにとって道と言えるかどうか・・・
サルトリイバラや潅木を掻き分けながら尾根を少し進むと、その踏み跡クンは左側へトラバースしている。尾根筋には
道は無いのでこれが再び尾根に達するトラバース道である事を期待して進む。しかし残念ながらこの小道は一向に高度
を上げずに10時35分沢に到達して忽然と消えた。
寒風山はガスで良く見えない (尾根取りつき口) ススキが茂った荒れた道に入って行く
尾根を回り込んだ所に踏み跡がある これって道なの?
目標はあの木立 あれ〜? 踏み跡が左にトラバースした
目標の立木さ〜〜ん とうとう沢まで来ちゃった 踏み跡が消える
あんれ? 沢沿いを来た方が早かったみたい
それから パート1)沢を歩く
今更元の尾根筋まで帰る気もせず、歩きやすそうなこの沢を詰める事にした。沢の両岸には素晴らしい広葉樹が太陽の
光を浴びて輝き、美しい光景を作っている。
沢は時として理想的な登山道となるのだ。周囲の藪をよそに快適な、めくるめく様な紅葉回廊を一人うきうき気分で進む。
地図でみた地形を着実に反映して最初はなだらかな傾斜が続く。直ぐに高度を上げる辻褄を合わせるべき段差が出現する
がここは右手から難なくクリア出来る程度のものだ。
岩の上に上がるとトラロープが場違いな場所に張られており人が入っている事を証明している。そこを越えると又なだらか
な涸沢となり、周囲の紅葉が更に美しく輝く。
沢はやや左方向へ蛇行する。そして寒風山の懐深く入って行くにつれ、落差のある滝、(まあ水が無いので崖って表現が
妥当なのだが)が出現すする。それを越えると11時30分滑(なめ)の滑りやすい岩の崖が前面に現れた。う〜ん 一人
で這い上がって落ちたら騒動だ・・・ここは右手の岩斜面を迂回する事に。
この風景を見たらどんな事があってもこの沢を歩かにゃなるまいて
沢は時として素晴らしい登山道に変貌する
あんまり上ばっかし眺めているとつまずく 所々で崖が現れる
ここは右手から迂回して岩の上に上がる トラロープが見られたから人が入っている
歩いてきた沢を振り返る 両サイドには岩や笹が見える
祖谷のかずら橋に巻いている様な立派な蔦だ
沢床が滑っぽくなる 沢を外れると笹が深そうだ
歩きやすい涸沢です 青空が現れて黄葉が輝く
倒木も沢の風景の1部になっている
今の時期沢を歩いて正解〜
ちょっと沢が狭まり高度が上がっていく V字谷っぽくなる
滑りやすい岩と落ち葉 一旦右に迂回するとあっと言う間に沢から遠ざかる
それから パート2) 尾根筋まで這い上がる
滑りやすい岩を慎重に這い上がるが、藪を想定して古いハイカット登山靴を履いてきたのが裏目にでてマジやばい。
やはり滝の上部へ向かう岩の斜面では靴底が擦り切れて滑るので仕方なく更に急斜面を必死で這い上がって行く。
するともう沢には復帰出来そうにない高度まで上がってしまった。
さて・・・初心に帰って尾根筋へ出る事にするか・・・。
右手の小沢に挟まれた細い支尾根は笹薮に覆われているが構わずどんどん這い上がっていくと、広い笹原の傾斜に出る。
足元が抜け易い獣道を探しながら背の高い笹薮を喘ぎながら進む。
稜線が見えたので縦走路かも知れないと期待したが甘かった。11時55分稜線部まで頑張ると更に比較的広い尾根が
左上に続いておりまだ主尾根の途中だった。ガスの切れ目から前方に笹ヶ峰への縦走尾根方面が見える。
支尾根筋に沿って這い上がる 上を見てホッとする
こんな風景ならどんな藪でも我慢出来る
左の尾根筋はまだ高い 笹薮が凄いわ
足元の現実 後ろを向いて息をする
まだまだここの高度は低いなあ
小鳥の巣の跡があった 取り敢えず上方を目指す
比較的緩やかな笹の斜面 所々に出現する岩と紅葉
クロズルが行く手を遮る 稜線が近づいてきたぞ
12時頃 寒風山東尾根の主稜線に到着 奥側に笹ヶ峰への縦走路が見える
それから パート3) 寒風山東尾根を詰める
尾根筋には獣道かどうか定かでは無いものの踏み跡に見える筋がある。でもそれは人間が歩いた踏み跡では無かった。深い
笹の中に刻まれた線の様なものを探しながら傾斜を登る。右手には深い笹の向こうに冠山が見え、こことほぼ同じ高さに
感じられる。12時05分岩場に突き当たる。そこを右の笹斜面に沿って這い上がるとモミの林となる。
岩場の辺りから取りつき口の車を置いたコーナーが見える。ズームで写真を撮るといかにも近くに見える。まあ地形的には
単純で藪を少し我慢さえすれば誰でも歩けるだろう。
今度は左側へ笹原を回り込むと伊予富士方面が見えた。東に延びる屏風の様な1,596.2三角点尾根とほぼ高さが並んだ。
モミの木通りを抜けると一変ガレ岩の灌木地帯となる。そこを抜けると大岩が現れた。今度こそ縦走路かも知れないと思い左手
へ周り込む。ピンクのマユミの実が付いた木が一本立っていた。
笹ヶ峰への縦走路と期待したが、大岩を左に回り込むと更に上方へ笹原が続いていた。
12時23分ザレ場を渡って潅木の間を抜けると岩っぽい場所に出て、尾根筋が崖で切れ落ちてシャクナゲの樹が生えている。
そこを左手に回り込み急な傾斜を登ると広い笹原となる。上方はガスで良く見えないが、周りの山々の山頂と高さが並んで
来たので山頂が近いと感じる。上から人の声が時々聞こえるがまだまだ笹の斜面が続く。12時50分寒風山の祠近くに出て、
山頂直下に出た。上では数組の登山者が居る気配がする。
東尾根に這い上がる 踏み跡の様に見える でも獣道しか無かった
冠山に高さが近づいたぞ でも笹は深い
岩か? 樹か ? 岩と樹だった
岩を右手から這い上がる 平和な風景
岩場だけ笹が無い おっ デポした車が見えるぞ (ズ〜ム写真)
寒風山から桑瀬峠への尾根 右奥に伊予富士
寒風山の南ピーク モミ林を抜ける
ガレ場になると灌木となる 大岩が前方に出現
マユミちゃん 大岩を左から回り込む
崩壊地を渡る 崩壊地から這い上がる
ガスが出て来て視界が悪し 崖やんか 左へ迂回
お〜〜 笹原にやっと出た〜 白骨樹 あったっけ
12時50分 山頂直下に到着〜 南峰から寒風山を見る
それから パート4)一般登山道を下りる
山頂直下に12時50分到着し、西側の斜面を覗き霧氷を確認する。ガスで視界が悪いがもうあまり霧氷が付いていない様だ。
服装を整えて山頂へ上がる。入れ替わりに3人の男性が下山し、2組のご夫婦が居られた。コンビニで買ったおにぎり弁当を
食べるがやはり山では食欲がない。
15時に仕事上パソコンで交信する必要がある為そそくさと下山する事に。南側に見える尾根か沢沿いを下りた方が早いかなと
迷ったが思い直して確実に登山道を使って下山する。桑瀬峠へ下りるまで数組の登山者に会う。やはりここは天気が多少悪くて
も人気の山だ。
桑瀬峠から下側にある自然林が紅葉し写真を撮っていると先ほど桑瀬峠で会った今治の方が追いついて来られたので一緒に
下山する。この方は早朝に寒風山へ行き、その次に伊予富士へ登って来たと言う。寒風山は朝沢山の霧氷が残っていたらしい。
この夏に行った白馬岳の話を聞きながら14時20分東屋駐車場に着き挨拶をして別れる。
ここから車をデポした尾根筋まで歩くのだが、そんなに距離が無いから自転車などを予めデポしてはいない。
寒風山南嶺に進むと多少霧氷の名残があった
車をデポしたコーナーが見えるので駆け下りたい衝動に駆られる
寒風山ブナ尾根 桑瀬峠の向こうに1,596.2三角点尾根
裏寒風に霧氷は残っていなかった
桑瀬峠からの登山道も紅葉が美しい 今頃になって晴天かよ〜
黄葉写真を撮っていると鈴の音と共に登山者が・・・ 今治の方で寒風山と伊予富士をピストンしたと言う
車に帰りパソコンを開いて見るがAUのモデムはランプが点滅してどうも電波状態が不安定の様である。這い上がった尾根を
眺めながら帰り支度をしていると男性3人が笹ヶ峰南口から歩いて来た。「車に乗りませんか?」と誘うと「エントツ山さん?
ゆきねえさんの掲示板に出没していた Flow です」と言う。え〜〜 HNは知っていたがまさか男性だとは思わなかった。
四万十から来た男性2名を笹ヶ峰南尾根に案内して一緒に下ったとの事。こう言ったお誘いは嬉しいものだ。 山の世界が広
がって行く事になる。
「寒風山東尾根」・・・一般登山道を歩く人が多い山域で藪歩きするのは野暮である。次回もう一度東尾根を歩いて最後に
しようか・・・