平成25年5月25日  筒上山 (1,859.3m)・手箱山(1,806.2m) へ名野川コースを歩く


平成25年5月25日
名野川登山口〜筒上山東尾根〜筒上山〜手箱山〜手箱山北尾根〜名野川登山口 (約8時間)

筒上山と手箱山は石鎚山系の山同定する時のセット山である。タコ坊主の筒上山の隣に横たわる手箱山は丁度「沓掛・黒森
セット」「天狗塚・牛ノ背セット」の様な名コンビである


          伊予富士から見る筒上山・手箱山の位置 (冬季)


アケボノツツジの時期が終わり、シロヤシオが山の主役となり筒上山・手箱山へこの名野川コースから歩く事にした。

名野川とは

石鎚山系の南側に流れ出る沢水は四国の1級河川、仁淀川や吉野川の源流となっている。筒上山・手箱山から東に流れ出る
沢が名野川となり、瓶ヶ森南面から流れ出る白猪谷と合流し東へ東へと進み遠く紀伊水道に注ぐ吉野川となる。つまり名野川
は吉野川の西端部源流の1つである。

一方、石鎚山の南面から発する面河谷は岩黒山や筒上山の西面の沢を集めて面河川となり更に仁淀川へと合流し太平洋に
注いでいる。この予土県境辺りの山系が分水嶺となり水系を分けている。

アプローチ

香川県(瀬戸内海地方)からこの名野川方面へ行くには西条から寒風山トンネルを越え、更に高知方面へ進み、本川から石鎚
公園線(県道40号線)を長沢ダムへと入って行く。この春先に通った白猪谷分岐(寺川神社)を越えて尚よさこい峠へ向う長丁
場でいかにも遠い。登山口は大瀧(おおだび)の滝を過ぎて20分程のヘヤピンカーブにあり、ここに手箱山登山口の標識が立
っている。(カーブミラー有り) この為今まで名野川コースを歩いた事がなかった。
アケボノツツジの時期が終わり、シロヤシオが山の主役となり筒上山・手箱山へこの名野川コースから行く事にする。


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  名野川登山口から筒上山〜手箱山周回コース (約8時間)

アバウトな下調べと山歩き

私はあまり事前の下調べをしない性質だが、長い運転を無駄にしたくなかったので登山口だけは押さえとかなければと少しHP
で名野川コースを検索する。
すると髭じじーさんとreikoさんの山行記録がヒットした。登山口と分岐の写真だけを頭に入れる。あまり詳しく下調べをすると山
行の興味が半減するのだ。

大瀧から手箱へのルートは氷室祭りなどの行事がある為比較的整備されている。名野川登山口から筒上山へのルートも楽勝
のイメージだが、手箱山の北尾根を利用するコースは少し手強そうだ。

漠然と折り畳み自転車を車に積み、名野川登山口に車をデポして大瀧コースから登る計画を立てて平成25年5月25日(土)自宅
を05時半頃出発する。ところが高速の入り口で警告音が鳴り、ETCカードが車に入ってない事に気付く。あちゃ〜  先日お泊り
人間ドックの際、車上荒らしを心配して自宅に置いていたのを忘れてた。う〜ん 30分の遅れ。

名野川周回歩きに変更、 更に道順も変更  シロヤシオの群生地・筒上山北東尾根コースへ


   寒風山から伊予富士、東黒森山の後ろ側に控える手箱山と筒上山 (冬季)

石鎚公園線に入って赤橋を渡り07時30分水量の多い大瀧(おおたび)前を通過し07時50分名野川登山口に着く。ここでもう自転
車で大瀧まで引き返すのがおっくうになり周回歩きに切り替える。ヘアピンコーナーには「手箱山登山口」とあるのでこれが手箱
山北尾根へのコースだと思い込み歩き出す。コーナーには愛媛と高知の2台車が停められていた。

手箱山登山口に入ると踏み跡はしっかりしている。小さな沢筋に短い木橋がかかっておりそれを渡ると5分も歩かぬうちに長い木
橋に着いた。あれ?  これはネットで見た筒上山へのコースじゃん。 登山口には確か手箱山登山口となっていたんだけどなあ・・
もう面倒なので先に筒上山へ行き、帰りに手箱山北尾根を下がるルートに変更する。

登山口から8分程で沢に着き、長い木橋が壊れているので近くの沢を渡渉する。その後一旦植林地帯に入るとさっそく石楠花が
現れ標高の高さを感じる。この辺りは檜の植林地帯だが若木でスペースがあり、細い雑木も生えているので明るい。平らな場所
にドラム缶が転がっており石垣が見えるので造林小屋などがあったのだろうか

おびただしい木の根が登山道を覆っている。08時15分大きな倒木が横たわりチェーンソーで通路を作っていた。08時20分頃から
雰囲気の良い自然林となる。低山では新緑の季節は終わって深い緑となっているが、この辺りは標高が高いので黄緑色の若葉
って感じだ。風にそよぐ若葉が日の光に透けるのでとても気持ちが良い。

 
   水量が豊かな大瀧(おおたび)の滝              ヘヤピンカーブにある名野川登山口

 
    筒上山へは右上に入る                        小さな沢を渡る木橋

 
  この登山口の目印 長い木橋                 沢の木橋が流されて壊れている

 
    沢を渡ると登山道が続く                    平たい場所に古いドラム缶が置かれている

 
倒木が2箇所横たわり2本目は削られていた              緑のステンドグラス

 
   シャクナゲと登山道に横たわる木の根              前方に2人組が歩いていた


筒上の滝 (手箱の滝) どっちじゃい?

08時30分先ほどから時々声が聞こえていた二人連れの男性に追いつく。丁度傍らに「筒上の滝」の古びた標識があったので
挨拶を済ませ登山道を外れて谷へ向って急斜面を下りる。ここには踏み跡がなく適当に急傾斜を沢まで下る。沢に下りた場
所で帰りの目印に長い倒木をかかえて木に持たせかける。これがいつもやる私流の自然に優しい目印法である。

沢を少し遡ると岩が数段になって落差のある滝があったが水量に乏しく少し期待外れだった。もう沢には虫が飛んでおり耳を
噛まれる。08時50分登山道まで這い上がって耳たぶにリンデロン軟膏を塗り、帽子を敗残兵スタイルに代える。虫ネットも持
っているが風もあるのでそれを被る必要はなさそうだ。

ところが家に帰ってヤマケイ分県ガイドを見ていると「手箱ノ滝」となっている。上の地図を見て頂くとわかる様に位置的には筒
上山の山腹部にある。ここは現在の標識通り「筒上の滝」としておこう。

   
   筒上の滝と書かれた標識         沢部に下りた場所


      筒上の滝   (ヤマケイ 分県ガイドには手箱ノ滝とされている)

  
  まあどっちゃでもええわ〜と言いながら流れる滝       沢筋に下りた近くに帰る

シロヤシオ街道を歩く

登り坂がきつくなりコブのある木やヒメシャラが出てくる。右手後方には時々木々の間から岩黒山が顔を覗かせて天気も良さ
そうだ09時10分道が分岐している場所に着いた。尾根伝いに進む踏み跡と右へトラバースして沢へ分かれるルートがある。
少し右手の沢方面のルートを探索してみるが、沢部で不明瞭になったので引き返す。これがどうも名野川越への道らしい。

尾根沿いの登山道に復帰して急登を進むと笹が現れた。クルリン木やタコ足ヒメシャラを過ぎると09時35分ついに左手にシロ
ヤシオが現れた。岩黒山を右手に眺めながら笹原の斜面に次々とお出ましになる白い妖精に魅了される。瓶ヶ森から西黒森
が後ろ側に見えてシロヤシオ街道となる。

以前は土小屋からこの尾根に下りたのだが、どの辺りまで下がったのか記憶がない。シロヤシオの写真に夢中になりながら
歩いていると10時00分筒上山トラバース路に合流した。

 
        握りこぶし木                      ヒメシャラのグリーンステンドグラス

 
  09時10分頃名野川越への分岐(右側)を通過           クルリンパ木


           いや〜  気持ちが良い森です

 
       タコ足ヒメシャラ                     バックに瓶ヶ森と西黒森山が見える

シロヤシオ   言葉は要りません!

 

 

 


                          緑の輝き







 
        細い尾根筋になる                10時00分 トラバース登山道に合流 長いものは木の根です


筒上山への稜線分岐がどちら方面か記憶が定かで無く少し丸滝小屋へ進むが良く判らないので引き返した。結局筒上山への尾
根道は無く、もっと丸滝小屋方面へ進まなければならなかった様だ。修験道場に近づくと右側が大岩の壁となり、それに沿って石
段が続く。正に修験道の名残りの雰囲気がする。

面白い取り合わせ 愛媛と高知の二人連れ


長い石段を上がると先ほど筒上の滝分岐で会った二人組が休んでいた。そのうちの一人は今治の尾崎さんという山ヤでこの時
期この場所では不要と思えるピッケルを持っている。よく見ると由緒のありそうな雰囲気なので話を振ると案の定待ってましたと
乗ってきた。何でも土佐の鍛冶屋が北大山岳部の為に作ったピッケルだとの事。結構山の経験が豊富でうんちく満載の人だ。
う〜〜ん  でもこの時期誇り高きピッケルより軽いストックを持つべきなんだがなあ・・・

相方は高知の小畠さんで話をしていると何と高知大学の先輩だった。瓶ヶ森の大保子谷のルートで二人が出会い以後意気投合
し以来一緒に山を歩く中になったそうだ。旅は道連れ、ここからお二人と話をしながら筒上山へと向う。尾崎さんの方は幾島さん
や伊藤玉男さん達と親交のあったらしく色々昔話を聞かせて貰った。小畠さんは私のHPを良く見られていると言う事で大学時代
の懐かしい話しも出た。

 
      筒上山トラバース道                          手箱越手前の石段

 
    小畠さん(左) と 尾崎さん (右)              尾崎さんのピッケル 札幌 カドタの刻印があり
                                       Summit というブランド名だった

ようわからん大峰宗(おおぶしゅう)覚心寺派

しばらく歩くと立派な石垣が組まれている「大峰宗(おおぶしゅう)覚心寺道場」に着いた。この道場は高知市に本拠を置く「大峰宗
石鎚山覚心寺」派の修験者が修行を行う道場で、丸滝小屋もこれに属する。奈良の大峰山修験道とは特に組織的な繋がりが無
さそうで、開祖は意外に新しく昭和初期の深見玄峰と言う人で、先達に連れられて昭和8年頃に石鎚山へ天狗を見に来たのがき
っかけらしい。こんな立派な道場を作ったのにその活動や信者数についてはあまり知られていないのが不思議だ。

11時頃鎖場を上がり、こちらは筒上山・大山祇神社にて週末に入港予定のLNG船安全祈願を行う。鳥居もあり小ぶりだが立派な
社殿もあり一体どの宗教団体が設置するんだろうか。世の中には人事に万全を期してもなおこれを凌駕する運・不運が現に存在
する。この不安を少しでも払拭するには神仏のご加護に頼るしかない。これまでLNG船が入港する前に色んな修験道の山にて一
応安全祈願を行って来たので恒例となっている。

 
    石垣に沿って手箱越のコルに至る                大峰宗(おおぶしゅう)覚心寺修験道場

 
    10時55分 筒上山鎖場を登る                    県境尾根方面  (西側)


         細長い手箱山の全容  結構ギザギザしている

 
      立派な大山祇神社がある                     石鎚をバックに安全祈願

 
     筒上山三角点 標高 1,859.3m             11時08分 筒上山山頂には誰もいない

山ノ神の粋な取り計らい 筒上の山頂での出会い

11時08分筒上山の広い山頂に到着するがシロヤシオの時期なのに誰も居ない。ここから見る石鎚はあまり迫力が無いが堂ヶ森
から二ノ森、石鎚の縦走路が見える。日陰は無いが風が少しあるので三人で昼食とする。二人はさっそくバーナーを出してお湯を
沸かしたりお餅を焼いたりして手馴れたものだ。私は例によりソイジョイ一本の昼食。

 
    小畠さん、尾崎さんと記念撮影               お湯を沸かしてお餅を焼く小畠さん

reiko さん登場

そこへ石鎚側から山ガールが現れた。レギンスに山スカートの女性は大きなカメラを構えて石鎚方面の写真を撮っている。かっ
けいい〜 と、こちらを向いた瞬間「ありゃ?  reiko さんじゃおまへんか〜」お互い何で?って顔を見合わせる。嫌になるほどこ
の界隈に来ているこの四国山岳界の堀北真希と言われるreikoさんがお供を従えずここに単独でやってくる? 恐らく人生最初
で最後のツーショット写真をゲットする。

 
  どうや reiko さんとツーショットやで〜〜            それとなく山スカートを隠している  テレてるよ〜

呉の仕事人

しばらくすると単独登山者が南側から来たので少しお話をする。呉の人で先日西赤石でアケボノツツジを見た時に筒上山の
アケボノも良いと聞いてやって来たと言う。こちらは香川県から来たと言うと坂出LNG基地建設の時に7ヶ月程コンプレッサー
の据付で滞在したとの事。1つのプロジェクトには色んな会社や人々が係わっている。建設に係わった人とそれを利用する人間
が山で対面しているのだ。

高松の愛読者に遭遇

次にご夫婦が又南側から登場した。実直そうな旦那さんと気品漂う奥さんで二人合わせてすこぶる感じが良い。何だかどこか
で会った様な親近感を覚えて話しかけると前日高松を出発し木の香温泉に車中泊をしたと意外とワイルドな人たちだった。

私も高松から来ましたと言うと、昔は相当美人だった片鱗がある奥さんからじっと見つめられた。ポッとしてうつむくと「え  エ
えん・・とつ・・」「はいエントツ山です」「きゃ〜あなた〜」と何事があったのかと思う位上品且つ情熱的に喜んでくれた。

聞くところによるとHPの愛読者だと言う。う〜〜ん  我がHPもこんな知的で常識的な読者がいるのか・・・ありがとうございます。


            高松の優良愛読者 山本さんご夫婦と嬉しい出会い    今後ともよろしく〜

ムシカリの花咲く手箱山へ向う

そんなこんなで楽しい出会いがありましてゆっくりしたいのは山々なれど、こちらは手箱山から北尾根を下るので12時に山頂を
出発した。鎖場まで3組の登山者とすれ違う。その中に高知のアカリブタさんが居られた様だ。ムシカリの花が咲く鎖場下部を
抜けて手箱越まで帰る。手ぬぐいを水に濡らして12時18分鳥居を潜りいよいよ正念場へ出発だ。

手箱山は県境から離れた高知県独立の山で、細長い稜線を持ち山頂は東の端にあるので結構遠い。

 
      手箱越へ下りる                      鎖場はロープなども置かれている

 
  ここはムシカリの聖地だ                      手箱山大権現の神名が鳥居に掛けられている


とどめの出会いはスターダスト

長い手箱山北面に続くトラバース道を進んでいると12時30分前から3人組がやって来た。先頭の女性を見ると何と土佐の流れ星
さんだった。第一声は「お父さん  又会っちゃった〜」 気のいいレーサーさんも後ろに居られた。日頃から花好きな方たちが出
所も不明にしながら山の花を掲示板などでお互い見せびらかすのに違和感を覚えているが、別に毛嫌いしている訳でもない。

逆に何でもオープンにしたがる私のやり方に警戒心を持たれているのも事実の様だ。先日、鋸山で山の会山行の事前調査に来
ているのに遭遇したが、今回も同じ目的だとの事。リーダーや責任者が事前調査を怠り山の会が道迷いなどを起こしているが、
事前調査山行とは感心な事だ。

3人とお別れして振り返ると展望が開けて筒上山のタコ坊主が見える。トラバース道にはムシカリの白い花が群生している。単独
で目にするこの花がこれだけ並んで群生しているのは珍しい。

 
        流れ星さんに遭遇                     カエデの大木


                             筒上山を振り返る

尾根筋に上がるとツツジの並木道となり美しい。手箱山の北面は凹凸の少ない斜面だが中ほどに明瞭な尾根が一本北に下がっ
ていいる。このコル部にはシロヤシオの樹があり、これを過ぎると北側が開けて瓶ヶ森と西黒森が良く見える。南側斜面は大森川
の沢筋が続き大森ダム湖となる。南にも山並みが見えるが雨ヶ森くらいしか同定出来ない。尾根の岩ピークには終わりかけのア
ケボノツツジがまだ残っていた。手箱山南面は結構急斜面となっており、ミツバツツジとシロヤシオが並んで咲いている。

13時05分鉄枠がある手箱山頂上へ着いた。筒上山から丁度1時間かかった事になる。山頂にはウスノキがあり写真を撮るがいつ
もの様にボケていた。山地図を見ると手箱山の南東尾根斜面にもシロヤシオと記されているが、それらしい群生は見られなかった。

 
    ツツジのピンクに染まる登山道                シロヤシオのコルを抜ける

 
ムシカリの彼方に瓶ヶ森と西黒森                       ワチガイソウ


        遠くから見る手箱はなだらかに見えるが近くから見るとまさに手箱だ

  
手箱へのピークにはアケボノツツジが咲き残っていた      手箱山南斜面は急だ  向こうは県境尾根

 
    ツツジのピンクとホワイトのコラボ                13時05分 野球のバックネット(?)山頂へ

 
相変わらず北側は瓶ヶ森と西黒森のセットだ            南側は雨ヶ森しかわからない

 
  ボケてごめんよ   ウスノキさん              13時15分 筒上山東尾根が続くが登山道は右手に下りる

山頂から右手へ下りて手箱山の岩ゲートを抜ける。ここから登山道は手箱山東尾根の南側をトラバースしている。下山する北尾根
へ進むには東尾根筋を歩く方が距離が短いのだが果たして踏み後があるかどうか・・・尾根の稜線を左上に見ながら大瀧への登山
道が続く。ネット情報によればこの辺りはヘビが大変多いとの残念なお知らせが多い。爬虫類全般が苦手なのでトカゲがガサガサ
足元を動いてもギョっとするのでなるべく足元を見ない様にして歩く。

最初は笹原であるが次第に樹林帯となる。13時38分登山道は尾根部に復帰し5分ほどで尾根を北側に乗り越える。すると直ぐに
「氷室跡分岐」と心眼でしかの読めない標識が立っていた。左手の笹薮にテープが貼られているのでここが目指す北尾根への分岐
らしい。

 
   手箱ロックゲートを下る                     スフィンクス岩も健在

 
        笹原を下る                        東尾根の右側(南)をトラバースする登山道

 
 13時40分やっと東尾根に合流しやがて北側に回り込む   右手に瓶ヶ森・西黒森を見ながら北側斜面を歩く


 13時45分氷室跡分岐に到着 : そのまま登山道を進むと氷室跡を経由して大瀧(おおたび)の滝に至る

いよいよ最後の詰め 手箱山北尾根

しばらくブナの生えた笹薮を進むが不規則なテープを拾うのが面倒になりGPSと地図を出して方角を決める。石鎚山系らしいブナ
と笹原の美しい斜面に入るが地形図通り目立った支尾根は辺りには見えない。地形図では少し北側へ下った辺りから尾根が現れ
るのでそれまでは適当に西側へ下り気味み進めば良い。

ブナの風景が良いので暫くは等高線にそって笹薮を西へ歩く。10分程でヤマシャクヤクが群生する沢筋に着き、そこから少し北側
へ向うと左手に支尾根の壁が見えた。14時12分尾根部に這い上がるとピンクの石楠花の花が沢山咲いている。この石楠花尾根は
すぐに岩の崖になり行き詰った。

 
   最初は踏み跡が左手の笹薮へ続いている         すぐに踏み跡が不明瞭になる

 
   でもとても雰囲気が良い斜面に満足〜               結構デカいブナもある

 
     中々尾根筋に行きつかない                 ヤマシャクの群生地があった

 
     適当に左斜め下に向かう                     やっと尾根の形が現れたぞ

 
でもこの尾根はすぐにシャクナゲ藪となる            ここのシャクナゲはみんな同じ色をしている



左右が高度差のある崖になったが左手の方が下り易すそうなのでこの大岩を左に巻いて慎重に下る。14時20分大岩の下側で外し
た尾根に復帰するとテープがあり踏み跡が続いていた。どうもここの正規ルートはヤマシャクヤクの沢部から尾根の右手を下がって
大岩の下で尾根に上がっている様だ。

 
崖となったので左側へトラバースして下る              シャクナゲが沢山咲いて嬉しい景色だ

 
崖下で尾根に復帰する (尾根から振り返ると左側にテープがあった)  14時20分ここから明瞭な尾根道となる  


後は尾根に沿ってず〜っと名野川沢筋まで踏み跡が続いている。壊れかけた木の橋などもありそこそこ整備されている様だ。ここも
岩場を左を巻いて又尾根に復帰する。14時40分右手にトラバースして10分すると石楠花の藪となるが、これも直ぐに収まる。

14時52分ネットで見たコラボ樹に着いた。この辺りから周りは植林地帯が現れるが自然林も混在している尾根を右へ左へと巻いて
踏み跡が続く。雑木の枝や下草が登山道を覆うが足元にははっきりと踏み跡がある。

 
この尾根道はかつては正規の登山道だったようだ        岩を巻いて尾根に復帰していく

 
  一本尾根なので安心して下る事が出来る           少し笹薮が現れるが踏み跡はちゃんとある

 
     シャクナゲ藪も長続きしない              有名なコラボ樹 これを潜ると安産にご利益があるそうだ
                                      (14時50分)

 
      ちょっと下草藪だが道はある                  イノシシのミステリーサークル

 
      どんどん下る                         15時20分 ケルン分岐に到着 ここを左へ曲がる

最後の詰め 3度の沢渡り

15時20分道が左右に分かれ、切株にはケルンが積まれている。これは髭じじーさんの登山記で分岐の目印になっていた場所だ。
この分岐を左手上流方面へと進む。右手下に見える沢に危なかしげな丸木橋がかかっている。だがこの橋に向う道は無く、そのま
ま沢へ斜めに下がって行く。最初の沢を渡って更にその向こう側にある2つ目の沢へと進む。

 
ここが北尾根へのケルンターニングポイント             川に沿って道が続く

 
おっ  丸木橋がある (これは渡れないので道は上流部の沢へ至る)   対岸にテープがありこれを渡る



対岸にテープが見える2番目の沢を渡ろうとすると左手上流部の大岩近くにテープがあるではないか。はは〜ん  これが髭じじー
さんが間違って進んだ尾根道に違いない。(とその時は思った)  このこのルートが気になりログ取りの為テープに沿って尾根部へ
向って進んでみる事にした。次第に高度を上げるが踏み跡とテープがず〜っと続く。整備された古びた木橋などもあるのでこれはい
わゆる登山道と言える。いい加減な所まで尾根を這い上がって埒が明かないので切り上げる。

 
2番目の沢に着くと左手の尾根に向かってテープがある    ログ取りに少し尾根を上がってみる

 
  壊れかけた木橋などもあり登山道の名残がある         元の2番目の沢に帰る

沢に向っていると先ほどから人の声がする。釣師だろうか?一旦2つ目の沢を渡る場所まで帰って少し北側へ進むと沢が下側で
合流していた。つまりこの辺りは沢二つに囲まれた中州の様な場所だった。もう1つこの辺りの地形がわからないので、最初に見え
た壊れた橋の直下を渡り返し例のケルン分岐まで引き返し、そこから再度スタートしてみる。

 
1つ目の丸木橋へ渡り返してみる                  ケルン分岐まで引き返してみる

15時50分最初の沢を越えて、中洲に渡り次の沢を間髪を入れずに渡る。対岸から右手=北の方角に踏み跡が続き、壊れかけた
木橋があり手がかりロープが敷設されている。16時00分3番目=最後の渡渉地点がありこれを渡るとヘアピンカーブの少し手前の
林道に飛び出した。

 
   最初の沢を右手に見て沢へ下る                丸木橋の上流部を渡る

 
すぐ中州を乗り越えると2番目の沢がありこれを渡る              手箱山が見える
(左に見える大岩へ続く別な尾根道があるがここへは進まない)

 
3番目の沢までには少し距離がある 壊れた木橋を渡る        沢の橋は流されている

 
    この3番目の沢を渡ると車道はすぐ近くだ         16時03分 ヘアピンカーブより下流側に這い上がる

 
ヘアピンカーブには小畠さんと尾崎さんがおられた            使わなかった虚しい自転車

後から掲示板やヤマちゃんのブログを確認すると、北尾根へ取り付くケルン分岐までに間違い尾根ルートが2つある事が分かった。
ヘアピンカーブに着くと、明日北尾根を歩くというご夫婦と筒上山で会った尾崎さん・小畠さんが居られてルートの説明をされていた。
先ほど沢筋で聞こえた声はこのお二人がルート確認に来られたものだった。ご挨拶を済ませて車に帰る。運転しながら今日の山歩
きを頭の中で反芻する。

少し最初と最後にドラマが起こりそうな予感がする手箱山北尾根ルートだったが、見事なシロヤシオと嬉しい出会いもあり大変満足
な名野川コースであった。


参考にさせてもらった 髭じじーさんの 名野川コースは  ここ
             reiko さんの名野川コースは  ここ


付録

手箱山北尾根コースの登山口進入路解説

今回、周回ルート変更した為手箱山北尾根を下山路に使った。この為最終沢部でのトラブルは無かった。しかしながら逆にこの手箱
北尾根コースを登りに使う場合ルートが非常に混乱する恐れがある。事実髭じじーさんやま・きぬコンビも同じ間違いルートに誘い込
まれていた。6月8日再度この入り口を確認に出かけた。そのレポートをご参照下さい。


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
再度ログ取りをしましたが、いずれも衛星受信の問題があり正確なログが取れませんでしたので手書きルート解説となります

ヘアピンカーブのカーブミラーから直接沢に下りるより、10m位道路を下った場所からの方が沢に下りやすいです。

 
   カーブミラーの横から沢に下る道                壊れた吊り橋の場所に鉄梯子で降りる事になります

 
一方10m位道路を下がった場所から沢に下れます      渡渉ポイント@吊り橋を右手(上流)に見ながら渡渉

 
沢を渡って吊り橋方向(右)に上がってはダメ          こんなものがあるから間違いがおきます (こちらはダメ)

 
沢に沿って左(下流)方向に道があります             コーナーを曲がるとすぐに木の梯子橋があります

 
2つ目は壊れていますのでロープを持って慎重に            大きな倒木をくぐる
(逆方向から撮影しています)

 
渡渉ポイントA (渡って向かいの中州を真っ直ぐ越えます)  渡渉して右の大岩方向にもテープがありますがそちらはダメ

 
渡渉ポイントB 壊れた橋を左に見ながら渡渉         左の中州へ進むとこの壊れた橋に着きます
                                     又元に引き返して下さい
                  

 
    渡渉したら沢に沿って左(下流)へ進む           切り株にケルンが積まれた北尾根分岐


名野川登山口よりこの北尾根切り株ケルン分岐まで約15分以内で到着します。この分岐からは尾根道を一直線に北尾根を
登る事になります。

登山口からすぐ最初の渡渉 → 渡渉して沢沿いを左へ進む
曲がり角を右に曲がると木橋が2つ連続する。 2つ目の木橋は壊れて斜めに傾いている
沢に下りるとそこを渡り、わき目も振らずに真っ直ぐ次の沢へ向かう
3つ目の沢を渡ると左へ進み、右手にある倒木ケルンの場所から右手に登って行く
(まっすぐ道は続いているので要注意)

以上間違っても危険な場所は無いとは思いますが、登山口まで遠いだけに更なる時間のロスが痛いですよね  ご安全に〜〜



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