11月2日 紅葉の石鎚ご来光の滝ー愛大小屋ルート  
       エントツ山1号、2号 マーシーさん、 pecoさん、 reikoさん 、 keitann さん


11月2日 石鎚ご来光の滝ー愛大小屋ルート


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである 

長尾登山口(0720h) − 新・七釜(0820h)ー南沢出合い(0925h)−御来光の滝(1030h)
滝出発(1100h)−愛大小屋分岐(1130h)−愛大小屋(1230h)−弥山分岐(1410h)−
土小屋(1530h)

カシミールソフトを使ったGPSトラックログ (ペーコさん提供)

去年からreiko さんを御来光の滝へご案内する約束をしていた。今年は サイト仲間の keitannさんからの要望で
愛大小屋へ這い上がるルートを希望された。

11月2日、夕方から万作おじさんの木の根ふれあいの森でサイト仲間の集まりがある為 又0700時土小屋集合
とする。

長崎から帰省中のエントツ山2号、マーシーさん、pecoさんと土小屋に着くと、ご来光の滝へ行く鬼手佛心さん、
北壁にぶら下がるガクちゃんのグループが居て互いの健闘を祈る。


私の車を土小屋に残しスカイラインのゲート開門と同時に長尾展望所へ下がる。
keitann さんは reiko さんの掲示板で蘭ちゃん達と花散策仲間で名前は知っていた。reiko さんによると学生時代から
登山部のサークルで鍛えられた女傑らしい。 う〜〜ん、その雰囲気はある!



    
        瓶ヶ森林道にて夜明けを迎える                 土小屋にてガクちゃんグループに遭遇           

07時30分 長尾展望所を出発、堰堤に下がる。マッターホルン石鎚が木立の間から見えるビューポイントがあるが
曇天の為、残念ながら黄葉は輝いてはいなかった。何度来ても決して登り返したくない急斜面である。

川面には水が見られず、今日は期待したドラマが起こりそうにない雰囲気だ。青いビニールがある右岸トラバース道を
抜けて第一渡渉地点に下りる。


     
   長尾展望所にて神出鬼没の鬼手佛心さんと            木々の間から垣間見るマッターホルン石鎚   

     
 ここから御来光の滝上までは石鎚の姿とはお別れだ          堰堤について衣服を減らす


問題のない水位だが、折角簡易渡渉用具「赤い靴1号」をreiko さんに無理やり勧めてみる。やっぱり嫌々実験台になると
結果も思わしくない。この赤い靴1号はダブルストックとの併用をターゲットに設計された物であるから、ストックを持
たない
reiko さんの足取りがおぼつかない。やっぱりこういう実験は血のつながった孫で今後行おうと決意する。

   
   堰堤上部には水がない  楽勝〜               渡渉用具実験
                                     「赤い靴1号」 と「P2C2R3(ピチピチ・チャプチャプ・ランランラン)1号」


見ればkeitann さんもストックを持っておらず、聞くとストックを使わない主義との事。足腰の比較的弱い上品な女性、比較的
歳を重ねた女性(う〜ん いい表現)が長距離を歩く場合、2本足歩行をしながら4点確保が出来る訳だから、特に転倒防止
や大腿筋の疲労防止の為にストックを使うべきであると思うのじゃがのうし・・・

そんな事を考えながら歩いていると、深い水溜りに落ち葉がぎっしり浮いておりモロに落ち込んでしまった。
他人の心配をしてる場合か!

左岸に渡渉すると赤茶けた滑がありその上流に実に素敵な「新・七釜」の広場がある。
ちなみに地図を確認すると「七釜」という地名は例の青いビニールがあるトラバース地点をさらに上流へ沢沿いを進むと二股
に分かれており、その右側=番匠谷側になっている。

先日 与力さん、おじょもさんとこの本家・七釜へ行って見たが美しさの上ではこの「新・七釜」に軍配が上がる。
Keitann さんは花のオーソリティらしく花季の終わった草を見ながら「これは何の花でこれは何で・・・これは栃の実よ」と
reiko さんに話しかける。う〜〜ん 確かに萩生の森 okaちゃんも花の終わった哀れな姿の草を名前付きでよく載せているわい。

何かを好きになるって事は哀れになっても醜くなってもなお愛情を注ぐ事なのか・・・

そんな事より早く歩けとばかりにマーシーはどんどん先へと進む。

   
枯れた落ち葉が溜まって赤茶けた色になっている滑床       新・七釜のコーナーにさしかかる

  
                              新・七釜の風景

  
      新・七釜 栃の木広場を歩く               今日の岩は滑らない=ドラマは起こらない  残念!

  
 右岸から左岸、更に右岸へとトラバース道が多い      トラバース道は沢部から高度がある場所も多い

  
   黄葉が美しい面河渓谷                          美しい沢に誰もがカメラを構える

  
    沢を渡ると景色を眺める余裕が出てくる          この崖を下れば南沢出合いが近い

大蛇のモミを過ぎ、バランス岩を越え、幾つかの渡渉地点をクリアし、快調に美しい面河渓をご来光の滝に向かう。
魚止めの滝を過ぎ、更に沢を左岸に渡り、又右岸に渡り返す。間もなく沢に下り、この面河渓谷には大岩がゴロゴロ
する風景となり、南沢分岐に着く。

南沢出合いはちょっとした滝になっており、付近の木々が黄葉し美しい風景となっている。この小滝を乗り越すと南沢を
経由して石鎚東稜部へと続くのだ。



               この沢コースには比較的少ないブナ

  
              南沢出合い                     洞門過ぎの難所を下りるとおじょも隊がやってきた

そのすぐ上流に両側から岩が張り出した洞門があり、ここまでくるとご来光の滝右岸の岩が見えてゴールは近い。
この洞門からは沢沿いにご来光の滝を詰めるのが一番簡単なのだが、沢歩きに慣れない人には難所の斜め岩棚歩きが待って
いる。


ここは手がかりがない斜めの岩場を5mくらいクリアしなければならず、その下はちょっと1m以上の渕になっている。
ここに滑り落ちれば全身ずぶ濡れとなる。

前回モチ モチ隊同様、ここは右岸の迂回路に入るつもりであったが先頭のマーシーは既に洞門を過ぎて沢道を先導している
ではないか。サルの化身の尺度でイージーに先導するこの態度には困ったもんだ。

案の定、ここで女性軍は進路を絶たれた。ペーコさんが岩場を迂回して上部へと導く。確かにここはその難所の迂回路となっ
ており踏み後も見られる。が・・・すぐに絶壁の様な岩の斜面を降りなければならない。ここでエントツ山2号はやおら
ザイルを取り出したが、いかんせんザイルが絡まり即実践道具とはならず、その間に
keitannさん、 reikoさんは何とか男性軍の
アシストで無事沢に降り立った。



おじょもさんにお借りした洞門上流部の難所  手がかりが浅く滑るとカメラは水没する

まあ、右岸の高巻き道とてご来光の滝展望所があるものの、ニセご来光の滝下部のV字沢部と斜めに木が渡されたウッデイ・
パスの2箇所に危険箇所が待っているのでどっちもどっちだ。


洞門からはどこでもルート、各自歩きやすい場所を選んでご来光の滝に至る事になる。

この難所で手間取っている間に keitann さんの知り合い男性が来て風のように去って行った。 山男の風格はあるが、こういう
タイプに方は孤高の人らしく得てして無愛想と相場が決まっている。あれ? その後にも5人組が・・・ 鬼手佛心さん達?
いや あのケバいオレンジ佛心カラーではない。 

近づくとなんとおじょもさん達 「高松山の会」の人達だった。

  
  洞門上部からはおじょも隊と一緒に歩く                  大岩と黄葉の面河渓谷

その中にどこかで見かけた事がある男性が・・・あっ 先日社員食堂でお会いしたSさんだった。横でにこやかに微笑んで
いるKさんは仕事上の関連会社の方で我がHP読者でもあった。もう一人おしとやかな女性を含めたこのグループは本谷
ルート、つまりご来光の滝上流を石鎚西側に至る遡行が目的らしい。 え〜〜なあ


ここからご来光の滝までは各自散開して進む。巨大な岩を乗り越えながら滝下に来ると流木をはさんで滝の全容が姿を現す。

  
御来光の滝上部にある矢筈を見ながら沢を歩く    デカイ岩の間を這い上がって行くザマス

  
  やはり太陽の光は黄葉を輝かせる         お〜〜  もう少しやど〜〜

  
         ムム〜   何度来てもスンバらしい風景


ご来光の滝は先週の水量には程遠かったが、それでも初めて訪れるreiko さんを感激させるに十分な迫力を保っていた。
Keitann さんは2回目で今日の目的はご来光の滝から愛大小屋這い上がりにある。

他の単独者も来ており、この時期、ご来光の滝は比較的賑わう。
紅葉の全盛期としては今一つではあったが、そこそこの赤い葉を付けた枝が滝を飾る。


 
  アンタも私もポッキー御来光〜♪                次第にご来光の滝が近づく


                     秋の定点観測地点  石鎚御来光の滝

   
        御来光の滝                               職場関係の Kさん Sさんと

  
  keitann さんのお知り合いの岳人                 ウロウロするマーシーさんをやっと捕らえる

ここで写真タイムと行動食をとりながらの休憩とする。この間、エントツ山2号はというと先ほどもつれたザイルの
後始末に追われていた。

さて、女性軍には悪いが先は長いので出発する事に。いつもの如く待てないマーシーはさっさと視界から消え去って
いる。ペーコさんがしんがりの任務についてくれているので、こちらは前には「もっとゆっくり行け〜」後ろには
「もっと早く歩け〜」とまっこと損な役割に徹する。

ご来光滝に向かって左側を進むと小さい枯れ沢出る。それに沿って這い上がり、さらにご来光の滝右岸から派生する
支尾根部に向って斜面を進み、石楠花の尾根部を少し行くと愛大小屋分岐に出る。


  
  ご来光の滝に向かって左側の岩を巻く             黄葉の中を歩くkeitannさんと reikoさん

   
      荒れた小沢を這い上がる                   あくまで紅葉は美しい場所だ


  
  黄葉と岩の風景も中々なもんですわ                  愛大分岐の目印大木
    

ここに大きな木があって、左に続く尾根を進めば愛大小屋に至る。ここまで来ると石鎚南尖峰と柱状尾根の2本角を
木々の間から眺める事が出来る。


あとから追っかけてきたおじょもさんのグループはこの愛大小屋分岐を経由してそのまま面河川本谷へと降りてゆく。
頑張ってね〜

しても先頭のマーシーの姿は無く、その間をエントツ山2号が埋める。振り返るとこの尾根からは終始、石鎚二角獣を
散り残った葉っぱを付けた木々の間から眺める事が出来た。普段は藪っぽい道だが、この時期とても素晴らしい
コースに
変身する。

前回歩いた時より踏み跡はしっかりしており、敷設者のイニシャルが記せられた真新しい赤い布テープが沢山見られる。
残置テープとは初心者の道迷いを防ぐ事を保証する代わりに、山歩きに大切な「山勘」の養成を妨げる盾と矛の宿命がある。
テープはいずれにしても最小限が良い。



                      紅勝て ! 黄勝て!

  
             南尖峰                        これも南尖峰


                     ど〜〜んと南尖峰と柱状尾根の二角獣

尾根右のトラバース路を尾根部に乗り越すと、次第に熊笹の背丈が高くなりブナや黄葉の木々が散在する美しい風景
となる。一部笹枯れ箇所も見られた。後続の
keitann さんは完全に笹に埋もっている。その後ろに大柄なreiko さんが
うごめき、
pecoさんの赤シャツがそれに続く。笹藪と急坂・・・エラいやろなあとこの正念場と格闘する後続部隊を
見やる。


 
    ガンバ  頑ば〜! がんば〜〜                  視界悪いんですけど・・・・



                      愛大小屋コースの美しさ


  
  確かに美しいけどそれ以上にしんどいワ                  笹枯れが一部見られた



               美しい風景をバックに 笹と一体化する keitannさんと  reikoさん 



                 石鎚って 何故 こんなに美しいの?



 
        弥山も見えてきた                  いつ見ても笹に埋もれている keitann さんと reikoさん

ブナ尾根を越すと、明確な尾根部は無くなり、いよいよ愛大小屋に向かう最後の笹と急斜面との格闘となる。
振り返ると石鎚の右側に岩黒山、筒上山とそれに続く県境尾根が見渡される。

上からマーシーとエントツ山2号の余裕の話し声が聞こえ、「着いたか〜?」と叫ぶと「着いてますよ〜」と
返事が返ってくる。 それくらい突然面河道に飛び出すのだ。
あの藪を抜けた時の嬉しさは他に比べようもない。
後続部隊にもうすぐ面河道に着きますよ〜と叫んでも半信半疑みたいだ。

     
                 岩黒山         手箱山(後)  筒上山      県境尾根


  
  ペーコちゃん  しんがりお疲れさん                いきなり面河道に飛び出す

面河道に這い上がり、すぐ横の愛大小屋で昼食を取る。ここまで来ると石鎚の弥山にある山頂小屋がやけに白く
大きく無粋に見える。神を祀るには小さな祠が素朴で良いのだが、人間様が神の権威をあの立派な社に象徴する。
これは石鎚神社に限った事ではないのだが・・・


  
                           面河道から見る石鎚弥山

愛大小屋を覗くと、中は2部屋に分かれていて快適な空間となっている。水や食料も、期限切れの缶ビールなんかも
置いてある。トイレも有料ではあるが設置されていて有難い。


 


 

「木の根ふれあいの森」で万作ワールドが待っているので出発する。
はるか彼方の目線上に土小屋にある旅館が見える。げ〜〜 これから一旦石鎚の高さまで上がり、又下がっていく
のか・・・


先ほどまで「高速道路に出た〜」と喜んでいた女性軍も、対岸に刻まれた石鎚への面河道を眺めると、途端に歩みの
のろい亀さんとなる。


  

笹原に刻まれた面河道は見晴らしが良く、ご来光の滝上で別れたおじょも隊を皆で探す。崩壊地の下部あたりで
うごめく人影を発見。大声で「ヤッホー」と叫ぶとなにやら返事が返って来た。


本谷コースと面河道の合流点と思われるモミ林付近に先に行きおじょも隊を待ち受ける。

 
             面河道崩壊地                  笹も遠くから見るとビロードの様に美しい



                
                            ↓↓


                  本谷コース最終部を這い上がるおじょも隊を発見


 
         弥山に向かって進む                  ここからの石鎚はちょっと中世の要塞
 

なかなか待ってもおじょも隊が下から現れる様子もなく、後続隊もそこで追いついて来たので keitann さんとpecoさん
から車のキーを預かり先に土小屋に下りる。

弥山分岐からは登山客が増えて、広い場所では後ろから「失礼しま〜す」と声をかけながら追い越させてもらう。
15時30分頃土小屋に着き、先着のマーシーさんと合流。長尾展望所にて車を回収し、後続部隊を待つ。

万作おじさんの木の根ふれあいの森での山サイト交流会になるべく早目に行きたかったのでkeitann さん reiko さん
にはちょっと休憩が少なくキツかったと思うがよく頑張った。 ペーコさんは最後までしんがりの任務に徹して頂き
感謝。 大変紅葉が美しく満足のいく山行であった。

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