平成20年6月1日 石鎚 北沢アゲイン 高御位山隊と共に


石鎚北沢 2008
メンバー: マーシー、高御位山、女カンスケ、ゆーみんママ、前田さん、森安さん、エントツ山


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである 

長尾展望所登山口 0715h − 堰堤 0745h − ご来光の滝 1030h− 北沢入り口 1130hー
F5/F6滝口 1330h− 墓場尾根 1550h − 弥山 1630h −土小屋 1800h

兵庫県「稲美(いなみ)山の会」の高御位山さん達が石鎚北沢の山行計画を立てられたので合流する事に。前日
(平成20年5月31日)マーシーさんと旧寒風山トンネル口の展望所で皆さんを迎え、再会を喜び合う。
美しい夕焼けが冠山の上空を染めて山で夜を迎える実感がする。

展望所にて親睦会をしていると、エントツ山HPの愛読者の方が偶然近くにおられたので宴会に加わって頂いた。
冷え込みが厳しく各自余分な防寒具をつけて山の話は尽きなかった。

私はテントを張ったが、他の皆さんは展望所の東屋で寝袋に包まって就寝。高御位山さんは横のスペースにて一人で
寝袋に入ったが、まるでツタンカーメンの棺を見るようだった。


 
明日は頑張ろう〜  カンパ〜〜イ                    ありがたいエントツ山HPの方と

 
     ミノムシ状態でゴロ寝                   黄金のマスクを付けて眠る高御位山さん

星の美しい夜が明けると、清々しい朝を迎えた。例によって神経質な私は時々石鎚に向かって夜中に通る車の音であまり
寝る事が出来なかった。 高御位山隊の朝は無茶苦茶早い。 
平成20年6月1日 05時30分 旧寒風山トンネル口を出発し、土小屋に06時30分頃到着したが、石鎚スカイラインの
ゲートは閉まっており、私の車をここにデポして一足先に折り畳み自転車にて長尾展望所に下る。

途中スカイラインから見る尖った石鎚の横顔は造山活動のズレが太陽の影となってよく見える。石鎚南面の鋭い傾斜を
眺めながら、あんな所まで這い上がるのか〜としみじみ思う。

07時が過ぎるとゲートが開き、御来光の滝展望所(長尾点某所)で待つ私の元に高御位山隊とマーシーさんが到着。07時
15分、例のカーブミラーから面河川に下りる。

堰堤に下りた途端いつもと違う風景に驚く。いままで何度となくここに来たが、こんなに水がたくさん溢れている光景は初めて
だった。渡れる場所を探しながら進む。 ショートカットで山に入る場所に来るとマーシーさんが「このまま沢沿いを行きます」
と言う。先日、紫雲さんの掲示板で与力さんが七釜の場所が違っている事を指摘されていたのでそこを覗きたいのだ。

私は正規の登山道に皆さんを案内し、マーシールートに高御位山さんが付き合う。ショートカット道が沢に合流する場所にて
二人を待つが、中々やって来ない。沢沿いに釣り人がやってきて「何処へいかれますか?」と聞くので「沢沿いを御来光の滝
まで」と答えると「今日はツイてない日や・・・」と嘆く。 沢沿いの道を人が通っただけで魚が隠れてしまうらしい。

元々、この沢道は釣り人によって開拓されたものだからスミマセンと謝る。


   
                 石鎚スカイラインから見た マッターホルン姿の石鎚

 
  長尾展望所を出発  バックに石鎚が            カーブミラーから面河川に下りる



 
     何や〜  この水量は                   新・七釜  (実際 この場所は七釜ではなかった)

    
                高御位山さんが撮影した七釜付近のゴルジェ

今日はこの増水の為に渡渉に苦労する。マーシーさん達が来る間渡渉地点に石を投げ込んだりして足場を作る
が水深があるので中々の作業だ。 案の定 沢沿いから現れた高御位山さんが足を滑らしてヒザを強打してしまった。

その後も渡渉場所を選びながら御来光の滝へと進む。洞門を過ぎた難所をクリアすると後は巨大な岩が沢に転がって
いるので水に濡れそうな場所はなくなる。高御位山隊のメンバーは普段沢歩きをされているので身は軽い。
10時30分ご来光の滝に着く。

 
     岩を飛び移って渡渉する                 ヒザを負傷した高御位山さん  大丈夫?

 
          南沢入り口を通過                      洞門を通過

 
  増水の為 渡渉地点が多い                      流された大木の上を渡る

   
            御来光の滝直前の大岩這い上がり

  
      もう岩と言うより 岩盤だ  バックは御来光の滝


    こら〜〜〜  真面目にシェ〜をせんか!!  女カンスケさんだけマトモ

御来光の滝は増水の為迫力満点。耳鳴りがする程の轟音を立てて上から水がド〜〜と落ちてくる。暫くの間
行動食を摂りながら御来光の滝から伝わってくる自然界の鼓動を全身で楽しむ。

いよいよ滝の上部に向かう。ここは滝に向かって左側に巻いてルートがあり、小沢を使って比較的安全に滝の上部に
出る事が出来る。滝上部のコルの出ると愛大小屋に向かうルートが左手の尾根伝いに続く。この尾根には乗らずに
真っ直ぐ御来光の滝上部の本沢に下りる。

途中、木々の間から「もう一つの石鎚」の顔を拝む楽しみがある。ちょっと場所を選ばなければならないが、石鎚南面
の南尖峰から墓場尾根を眺めるポイントだ。この界隈に来なければ拝む事の出来ない石鎚の姿。

本沢に下りて少し右手に下がると、北沢、西沢、中沢への分岐がある。
南沢の入り口に比べると水量がなく気楽だ


       
     水量が多く迫力満点                  滝の左手を岩盤に沿って巻いていく


                    これがご来光の滝コルから見上げる石鎚南面 

  
   愛大小屋ルートの分岐となる大木        北沢・西沢・中沢 合同入り口


本沢から分かれて支沢を入ると、暫くして北沢への分岐がある。ここは上からおびただしい量の岩が押し出されている
ので注意を払う必要がある。以前 うっかりして中沢を真っ直ぐ進んでしまった。これでいいのか?と思うほど迫力に
欠ける左手の沢筋に入らなければならない。 ここをうまく入れば後は F5、F6地点まで一本道となる。

途中、様々なタイプの滝があるので一度正式に F1,F2、F3,F4を確認しながら歩かなければならないと思っている。
最初のスラブ状の滝は何とか滝横をクリア出来るが上部の連続して滝が続く場所は右岸(向かって左側)のブッシュに
逃げる。 後はひたすら F5,F6の岩壁にぶつかるまで沢を進むだけである。

北沢入り口からこのF5,F6に突き当たるまでおよそ二時間が目安と思われる。


   
   右手の大木に付けられた標識                北沢を進む

  

    
             F2か?   スラブ状の滝

  
    水が流れればどこでも滝だから・・・           ここも問題なくクリア出来る滝 

  
   唯一 大迂回を強いられる滝横                  この滝を直登する勇気はない

  
            F6(左)、 F5 (右)に突き当たる

F6,F5の滝 どちらでも登れるらしいが、見た目に右側のF5が容易である事がわかる。要はこのF5上部に
出て、その尾根を進む事になる。以前はF5を30分くらい右側に迂回して、笹の崖を這い上がった。

今回はF5の右手にある取り付きからマーシーさんを先導に稲美山の会がそれに続いて這い上がっていく。ここで
ヒザを強打し少し遅れた高御位山さんを待ち後に続く。 F5上部に出た場所でちょっと危険と思われる場所が
1箇所あったが、皆枝を掴んでクリアしたようだ。

以前は右手からすぐに尾根に取り付いたが、今回はこのF5の上部に続く小沢沿いに上がれる所まで登って行く。
沢が切れると笹の大藪を右手の支尾根に這い上がる訳だ。


  
    F5が正面に見える                      F5の右手に回り込む

 
      先導隊は崖を登っていく            この場所から崖に取り付く (以前はまっすぐ前方に回り込んだ)

 
        取り付き場所                      F5まで這い上がって来た沢を見下ろす

  
    F5上部に到着                         F5上部に続く沢を這い上がる

F5上部に続く沢をひたすら這い上がり、この終着部付近から右手の笹原斜面に取り付いて行く。このまま進むと
第一幕岩にぶち当たってしまうので、体感的には右へ右へと笹原を迂回し、墓場尾根に至る。

途中 3m位のスラブの凹んだ岩場を渡らなければいけないが、ここを滑るとサンタマリア。単純な渡りではあるが
油断すると命がかかっているので慎重に場所を選らばなければならない。

ここをクリアすると後は笹を掴みながらひたすら急な勾配を墓場に向かって進む事になる。生憎の霧で稲美山の会
の皆さんにはこの「墓場の天国」をお見せする事が出来なかった。 残念!

先鋒隊は既に墓場尾根に這い上がっている。去年 稲美山の会の皆さんと一緒に東稜コースから御塔石コースを歩
いた時に、この墓場尾根に寄ったので懐かしい場所だった。

  
        沢の最上部付近                   沢の最終地点付近から右手に這い上がる



 
   このあたりは猛烈な笹薮                    岩が現れるのでその右手に沿って進む

 

  前方に第一幕岩が現れるのでこれを大きく右手に迂回していく

 
    第一幕岩の縁に沿って這い上がる             もう笹が無かったらお手上げですわ

 
      スラブを越える                      う〜〜ん 霧で景色が悪いわ

  
   笹を掴みながら這い上がってくる高御位山さん          岩壁が左手に迫る



 
         唯一 霧の晴れ間に撮影出来た墓場尾根



                    大砲岩が見える


             墓場尾根に這い上がる   やった〜

墓場尾根で少し休憩を取り、南先鋒へ上がる。岩尾根に出て一旦20mくらい下るのが安全ルート。途中の
岩場は凹凸があるもののやはり安全に一旦下の土壇場まで下がるのが肝要。

南先鋒まで這い上がり、天狗岳、弥山といつもの岩尾根を歩く。途中イワカガミが綺麗に咲いており、それまで
の花と無縁だった猛者・女性軍に女らしさが戻る。

 
  シャクナゲと南尖峰                              岩穴がある


 
     石鎚のオベリスク                   岩尾根を一旦下る

   
   南尖峰取り付き部へのターン                白骨林のある石鎚南斜面 

 
  イワカガミとゆーみんママ                             天狗岳

 
  へっぴり腰は一人もいない                     天狗地蔵とイノシシ天狗

  
     落石があった土小屋登山道            土小屋登山道の風景


      
      土小屋にて解散   お疲れ様でした〜

今年も稲美山の会「高御位山隊」の皆さんと前夜祭を含めて楽しいふれあいの機会を得ました。四国の誇る石鎚山
バリエーションルートを一緒に歩けた事に喜びを感じた一日でした。
(このお返しに 高御位山隊には北アルプスをご案内頂ける事になりました。)

「稲美山の会」の石鎚北沢レポは ここ


          目次に戻る              トップページに戻る