縦走はモンキーに乗って ♪ 気軽に行きまっしょ ♪マーシー、ランボルと
金山谷登山口、笹倉湿原から県境尾根、筒上山、岩黒山ルート
笹倉湿原ー筒上山ー岩黒山 カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ ルート図
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)
色々あってマーシー、ランボルギーニと無国籍トリオを組んで7月30日、かねてから懸案だった金山谷から笹倉(さぞう)湿原へ行き、
そこから県境尾根を経て筒上山、岩黒山を経て土小屋へ帰るルートを歩く事にする。
朝、6時半に川之江インターにて二人を拾い、寒風山トンネルー瓶ヶ森林道を経由して土小屋へ。そこでモンキーをデポし後部座席
が若干広くなったラッシュで金山谷の登山口へと面河スカイラインを下る。登山口には既に4台くらいの車が停められていたので、
橋を渡り返して拾いスペースに駐車し準備。
ヘンな中年トリオ 橋を面河側に渡った場所から谷筋へ
金山谷登山口から笹倉湿原 (約1時間40分)
登山口は金山谷に向かって右側の林道を入っていく。道はしっかりしていて迷う事はない。暫く進むと前方に大きな網を持った男の人が
枝の葉っぱに向かって盛んに網を振り回している。はは〜〜ん 「アサギマダラですか?」と問いかけると「いいえ カミキリムシです」と
答える。「何かの研究ですか?それとも単なる趣味ですか」と例によってぶしつけな質問を笑いながら投げると「単なる趣味です」と子供
っぽい表情で答える。
笹倉湿原への入り口 カミキリムシを追う男
更に進むと堰堤が現れ、これを左に渡る。またしばらく進むと右に向かって登る分岐に到着。ここからは急な登りとなりやっと山歩き
の雰囲気となる。こんな場所にも立派なブナがあり予想以上の景色の素晴らしさに驚く。
堰堤を渡る ギンバイソウ
ここで金山谷の沢筋から右に分かれる 野生動物撮影センサー器具
ちっともじっとしていないマーシーさんが何か罠の様な物を発見。どうも野生動物のセンサーカメラの様だった。ランボルギーニがわざわざ
物珍しそうに正面から覗き込んだ瞬間フラッシュが焚かれてパシャっとシャッター音がした。 あ〜〜あ 知らんぞ〜 冷やかし写真に研究
者が落胆する様子が目に浮かぶ。
森の風景
嬉しい事にブナの木が結構多い 止めてくれよ いや〜〜ん離さない! (俗称 セクハラボク)
森の風景
大好きなブナの大木に触れる 緑深い森を歩く
スズタケの生い茂る枯れ沢部を登って行くとマーシーがイワタバコを発見。初めて見る不思議な形の花に満足して歩みを再会する。
やがて道は左に曲がり暫く行くと沢に出会う。辺りには植林地帯があり五右衛門風呂の釜が転がっている所をみるとこの辺りに造林
小屋があったのだろう。
イワタバコ マーシー 撮影
水が冷たくて気持ちがいい沢 付近には五右衛門風呂が転がっていた
やがて植林地帯の中を下ると自然林や松の木に景色が変り、向こうが明るくなると笹倉(さぞう)湿原の空き地が現れた。
笹倉湿原には先客がおられて写真を撮られていた。何年もここに通っているという年配の方によると相当笹の侵食をうけて狭く
っているらしい。そういえば一部ウマスギゴケの中に笹が食い込んでいた。ぐるりと一周してこの不思議な空間を見つめる。
周りは樹木に覆われているのにこの場所だけが運動場の様にぽっかり開けているのだ。 まあ珍しい苔なのだが、苔だけしか
ない湿原も素っ気が無いものだ。黒沢(くろぞう)湿原みたいに花も咲かせてよ。
笹倉(さぞう)湿原のウマスギゴケ
笹に侵食されつつあるウマスギゴケ 負けるな〜
向かいに回りこみ撮影
コケにあまり執着のない中年3人組にとってこの場所に30分以上留まる事は拷問に等しい。それぞれに納得したような顔をしながら、
心は既に次の県境尾根への道に飛んでいる。
笹倉湿原―県境尾根 約30分
笹倉湿原を訪ねたという満足感に包まれて、三人は県境尾根を目指す事にする。右側から裏に回りこむと踏み跡が直ぐに見つ
かった。けっこう急な登りではあるが尾根までの距離は知れている。稜線が白んでくるとモミの大木近くで先行していたランボルギー
ニが地図を見て場所をチェックしている。尾根合流部は思ったより笹が深く、次回の為に西側の県境尾根をチェックする。踏み跡
がほとんど無いと見られたが、藪に強いマーシーさんの目でみると誰かが冬に歩いて笹が若干倒れていると言う。お前インディアン
かい?
湿原から右奥へ回り込むと踏み跡が ヒメシャラの古木
この斜面にも立派なブナがある
尾根合流部 (モミの大木がある) 笹深い県境尾根南西方面
県境尾根―筒上山 基部 (約1時間半)
県境尾根は筒上山方面に向かっては快適な踏み跡があり何ら歩行に問題はない。多少のアップダウンや深い笹薮、トラバース路が
あるが、これも基本的には尾根を外さなければ迷う事はない。全体的に木々のバランスが取れてとても美しい尾根道である。
ランボルギーニは給水チューブを装備 快適な尾根道
県境尾根から笹倉湿原を見る 右の蔭が切れた場所の空き地
筒上山が見渡せる笹原に出たので二人に声をかけて昼食にする。この辺りは休憩所と見えて笹があちこちで横倒しになっている。
当然小さなゴミもありマーシーさんが例のごとく小まめに回収。ご褒美に冷えた大玉リンゴをランボールギーニと一個づつプレゼント。
(凍らせた水と一緒に袋に入れていたら偶然リンゴも冷えていた)
目指す筒上山への尾根道が一望できる へ〜 まだあんなに距離があるの? (正面左が筒上山 右が手箱山)
リンゴを食べる アダムとランボー 筒上山展望所にて
見れば見るほど筒上山の壁は高くそそり立っている。それまでピークを2つくらい越えながら直下の取り付きまで進むルートが
想像をかきたてる。
笹深い休憩所を出発して一旦尾根道を下がり、樹林帯に上り返していく。尾根が筒上山の山塊に吸収されようとする時ちょっと
滑った瞬間に左のふくらはぎが攣った。あわててそれをかばうと暫くして右のふくらはぎが攣った。それをかばうと今度は左の
太もも、それをかばうと今度は右のふととも・・・・連鎖反応は続く。同行の二人に異変が生じたので先に行くよう頼んでペースを
落とす。
さあ〜 目指すはあのタコ坊主〜
尾根道 笹が深い 尾根道
ブナが美しい尾根道が続く 筒上山が木々の間から見えた
筒上山基部―筒上山山頂 地獄の2時間
私の持病であるこのトラブルは平坦地だとゆっくり歩くうちに直る。不幸にも今回は筒上山の一番厳しい登りで起こってしまった。
ゾンビの様にノロノロと両足をかばいながら斜面に取り付く。2〜3度 足中に痙攣が起こったときには10分くらい地面に突っ伏して
ガマンする。斜面がキツイのでズルズルと体が下がって行き貴重な2〜3mを無駄にする。
枯れ沢部近くの岩場付近にはお花畑がある
二人は岩場のお花畑で花を撮影しながら待っていてくれたが、迷惑をかけるのでそのまま先へノロノロと進む。しばらくして二人
のウサギの声が追っかけてきてカメをあっという間に抜き去る。(昔話だとカメがウサギに勝つんだけれど、現実はキビシイわ〜)
それからも孤独な自分の肉体との戦い、筒上山山頂への五体投地の巡礼歩きが続く。、精神が肉体を凌駕して山頂近くの尾根
に出た。最後の急坂を笹に助けられて登山道に這い上がる。
岩場や笹の急坂が延々と続く 大岩が現れる
山頂近くの笹原まで這い上がりホッとする
筒上山―岩黒山 約1時間40分
筒上山の頂きで二人に再会し遅れた事をわびる。私の歩きが約30分遅れたおかげで手箱山まで時間的に行けなくなって
しまった。まあこれが団体登山の宿命だわ。許せ
山頂で年配のベテラン女性トリオがやってきて楽しく山の情報を交換。ランボルギーニは筒上山が初めてだったので尾根道
を帰らず鎖場を下りてからキレンゲショウマを見に行く事にする。
尾根道合流部(棒が一本刺されている) 山頂で待つ二人
歩めば届く 筒上山へ着いた〜 手箱越えへ向かう
鎖場あたりには結構花が豊富で美しい風景だった。その頃には足のトラブルも回復していたが、手箱越えから岩黒山直下
までのトラバース道は思ったより遠く感じた。
筒上山鎖場を下りる
鎖場直下の風景 筒上山覚心寺道場へと下がる
ジグザグのロープ道にキレンゲショウマの群生があったが咲いていたのは一輪だけ。四国で最初に咲いたであろう一輪を三人で楽しむ。
立派な石垣を見ながら岩黒山へ向かう キレンゲショウマ 第一号
タマガワホトトギス ヤマジノホトトギス
丸滝山覚心寺道場から尾根道を岩黒山へ進む。トラバース路と合流すると道は石がゴロゴロする急坂となり、筒上山や手箱山を
振り返りながら上り詰めると細長い岩黒山の山頂に着いた。 石鎚方面は逆光で夏の雲が白くかかり、その間にひときわ高い姿を
見せていた。
丸滝山覚心寺修験道場 岩黒山 東部の岩峰が見える
手前 丸滝尾根 左奥 筒上山 (県境尾根は向こう側で見えない)
岩黒山 ランボルギーニとマーシー ゾンビの様に蘇ったエントツ山
岩黒山―土小屋 30分
岩黒山山頂から土小屋までは私がトップを快調に歩く。(今更遅いんじゃ〜)土小屋の旅館脇へ出てデポしていたモンキーと再会。
すぐさまこれに飛び乗り出発点の金山谷へ飛ばす。モンキーを手早くラッシュに積み込み、土小屋にとって返す。
逆光に雲間から姿を現す石鎚山 岩黒山を後にする
ここにも美しいブナ林がある 土小屋に帰り着く
ラッシュ 使用前 ラッシュ 使用後 やはり狭い
思わぬアクシデントがあったがそれを乗り越えて気のあった連中と懸案の周回コースを楽しむ事ができた。マーシー、ランボルギーニ
お世話になりました。
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