平成18年6月11日 「ご来光の滝」から面河道(愛大小屋)ー石鎚山へ
カシミールソフトを使ったご来光の滝ー面河道ー石鎚山ルート GPSトラック・ログ図
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)
昨秋、石鎚ご来光の滝へ2度程行きこの滝の勇壮さに魅せられる。この場所から面河登山道へ這い上がるルートが
あることを知り6月11日出かける事に。
瓶ヶ森林道より見た石鎚山 この姿が一番端正で美しい
香川の高松から伊予西条インターを下り、瓶ヶ森林道から土小屋へ。ここでナディアをデポして積んであった折りたたみ
自転車で「ご来光の滝展望所」まで面河スカイラインを下る。ここから見る石鎚山の形は実にシャープで四国のマッター
ホルンと呼んでもよさそうだ。
同じ石鎚山も縦から見ると鋭い形をしている 面河スカイラインより
いつものガードレールから堰堤に20分くらいで下りる。少し大目の水量の川筋を楽しみながらご来光の滝を目指す。最初のカーブ
の左側に青いシートがくくられている。このあたりから沢を外れて20分くらい左側の山斜面へ入る。
面河川に下りるカーブミラー 沢筋には水が多かった
一旦沢を外れる場所の目印 沢に下りる
再び沢に下り立ち、左岸(向かって右側)に渡り沢沿いにあるくと岩棚が続くこの沢一番の景観「七釜」に着く。このあと数回沢
を渡り返して後はず〜〜と沢を遡行する。大きな岩がゴロゴロしているので水に濡れる心配は無い。
七釜付近の風景
沢の風景
やがて洞門が現れると、そこからご来光の滝までは沢から外れる事はない。以前この付近で左手の山道への取り付きを印す
為、倒木に沢山付けられていた赤いテープは全て除けられていた。
巨大な岩が転がる沢 ロックゲート
ロックゲート 上流から撮影
頭上を覆う緑の木々、巨大な岩と澄み渡る清流。秋の風景とは又一味違った素晴らしい風景を楽しみながら徐々に上流へと
遡行する。木々の間から滝が見え出し「ご来光の滝」に近づいた。
ご来光の滝 一部が木々の間から見える とてつもない巨石とご来光の滝
今日はこの滝が目的ではない この上に進むのだ
水量豊かなご来光の滝
ご来光の滝から面河道「愛大小屋」へのルート
ご来光の滝から愛大小屋までのルート図 (GPSトラック・ログ図ではありません)
*ご来光の滝から左側へ2〜30m並行に進む *幅3〜4m位の小さな沢(枯れ沢)に行き当たるのでこれに沿って北(稜線に向かって) 上がる。 沢の基部にロープあり *沢の上部から更に明るい稜線を目指して這い上がる(後半 笹が出てくる) *稜線に出ると道があるので左(西側)へ歩きひたすら面河道を目指す *ブナの美林の後、猛烈な笹薮になりますが踏み跡はあります
ご来光の滝より愛大小屋まで 約1時間半〜2時間です
ご来光の滝岩盤に沿って左へ迂回 約30m 左へ進むと小沢に突き当たる
しばらく滝を眺めた後、滝に向かって左側(西)の取り付き場所を探す。すぐ横を上に登るも断崖に遮られて元に戻る。2〜30m
くらい崖下を西側に迂回すると幅3mほどの沢筋があった。沢筋の向こう側に渡って取り付きを探すがどうも藪が深くて登れそう
にない。しかたなくこの枯れ沢に取り付き上部(北)に向かう。沢を上り詰めるとザイルがあり倒木に繋がれていた。
今治 SYさんがここにも来ている 沢最上部にザイルが置かれている
ここを這い上がるとスペースのある潅木斜面で適当に上へひたすら登る。しばらくすると笹が現れた。笹の薄い場所を選んで
喘ぐと滝上部の稜線へ着いた。狭い痩せ尾根の向こう側が谷になっており、その向こうには緑豊かな斜面が天に向かっていた。
この痩せ尾根には一応道がありテープも見られた。地図で確認済みだが、ここから西へ尾根を上がるといずれ面河道に合流
する筈。
沢をあがるとスペースのある斜面に出る さらに進むと笹が現れる
尾根道はしばらく進むと北側斜面へ少しトラバースして傾斜を登っていく。次第に笹が深くなり南側の稜線を臨むようになると
あっという様なモミやブナの林が出現して息を呑む。この景色を見るだけでここに来た価値があった。でも笹が物凄く深く傾斜が
きついのでヘロヘロ状態で這うように笹を掴みながら登る。
やっと尾根部に出る 向こうは谷 尾根を進むと笹が深くなる
見事なブナ林に見とれる
ブナの下は一面の笹原 これが深くて急坂なのよね
まるで要塞の様な石鎚山が現れる 左上に山頂の社が見える
岩黒山と筒上山も望むことができる
いつまでこんな笹薮と急坂が続くのだろうかと不安になりながら、「う〜〜ん たまらんわ」とか「何じゃこりゃ〜」とか悪態を
つきながらがむしゃらにあがいていると急に細い登山道に出た。近くに松山から来られたご夫婦がこの正規の面河登山道
を下山されていたので「愛大小屋はどこでしょうか?」と聞くとすぐ近くである事を教えてくれた。
あれ? 綺麗な道じゃなあ(面河道) 面河道からご来光の滝への藪道を見る
愛大小屋は相当傷んでおり往時を偲ぶ事は出来ないが、ここから石鎚の南斜面が見渡せる絶好の場所にそれはあった。
愛大小屋から石鎚までの面河登山道は至る所で沢部崩壊箇所が出現するが、歩けない事はない。いつもと違う角度から
石鎚山を見上げながら大きくループを描くように稜線へを上がって行く。この笹原を横切る道が面河登山道の最後を飾る
フィナーレにふさわしい景色だ。
愛大小屋 いい場所にある 西の冠岳 下斜面を登山道が抜けている
面河道 崩壊した面河道
面河道 石鎚へのスロープ
雄大な笹原をループする面河道のフィナーレ
シコクシラベの林を抜けて二の森縦走路の合流点に着く頃には霧が立ち込め、遠くには雷鳴が轟き出した。急いで石鎚
山頂に上がると山頂にはもう一組の山男だけしかいなかった。天狗岳は霧に包まれて全容は見えない。
何とか霧が飛んだチャンスを捉える
相当重そうな大きなザックが山頂岩横に置かれているのでこの二人に話を伺う。姫路から来られた方で面河より2泊して
沢を遡行、ご来光の滝から私とは逆に東側を上がり、東稜部に登ってこられたという。びっくり! 上には上があるものだ・・・
姫路から沢を詰めて来られた山ヤさん 大きなザックに2泊の沢歩き道具が
姫路の山師 八瀬さんから送られた面河渓谷 遡行写真です
土小屋から面河まで送りましょうかという申し出に「出発点まで自分の足で歩いて帰ります」と丁寧に辞退された。
(後ほどこの方達は2時間で面河まで下りられたとの連絡がありました)
石鎚山頂を後にして少し下ると15時半というのに数組の登山者が下から登られて来た。どうも山頂小屋で一泊する
らしい。そのうちの一人、白装束の人は高松の方で山に登るときはいつ神(仏?)に召されてもよい様に白装束で登る
との事。へ〜〜そんな凄い覚悟で山登りしてんだ〜。
杓杖、白装束の高松から来た人 石鎚の風景
土小屋コースは楽勝すぎるけど景色はあなどれない
整備された土小屋登山道 同じく整備された土小屋登山道
土小屋までの登山道は整備しすぎじゃないの?と思うぐらいで、先ほど歩いた面河道の荒れ方と対照的だった。
土小屋に下り、車でご来光の滝展望所まで自転車を回収に行き、そこから又土小屋へ引き返し瓶ヶ森林道経由
で帰宅する。
今回も我が四国の誇る「石鎚山」の懐の深さを実感した山歩きでした。
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