2005年11月27日
美しき天然 石鎚「ご来光の滝」 (長尾展望所より沢コース)
美しき天然 石鎚の宝石 秋の「ご来光の滝」
前編 11月3日 小雨のご来光の滝 ブルータス・しんちゃんと
後編 11月5日 晴天のご来光の滝 マーシーと


石鎚スカイライン ご来光の滝見駐車場コース カシミールソフトによるGPSトラック図
                                 (地図作成 国土地理院数値地図50000 承認番号 平15総使第634号)


石鎚スカイライン展望台よりのご来光の滝 左下の白っぽい場所

前編 : ブルータス・しんちゃん、クレオパトラと滝を目指す (往路)

週末、歩きそびれた堂が森―二ノ森へ出かける準備をしているとブルータス・しんちゃんから電話が入る。「掲示板ではるちゃんの行った
ご来光の滝が綺麗そうなんだけど登山口はどこやろか?」レポートにあった下り口を説明するが要領を得ない。ブルータスにはザックや
ウィンドブレーカーを貰っている大事なスポンサーだから「え〜〜い 一緒に行くわ」と答える。

朝暗いうちに坂出で集合。ブルータスのトヨタ・ランクル・プラドに乗せてもらい、川内インターから面河経由で石鎚スカイライン「ご来光の
滝展望駐車場
」へ。用意をしているとストーンリバーさんとバッタリ。瓶が森林道の紅葉を見に来られたらしい。ご来光の滝は自分も初めて
なので一緒に行きましょうとも言えずお別れする。

 
神出鬼没のストーンリバー夫妻       登山口のガードレール

ポイント1 
ご来光の滝は我がしまなみ登山隊のレポを編集しているので大まかな場所はわかっていた。おいわさんのレポートもざっと目を通している。
駐車場のすぐ近くにカーブミラーがあったがとても下におりられそうにない。100mくらい土小屋方面に向かって歩くと左側にカーブミラー
があり、その向こうに踏み道があった。


美しく紅葉した木々の間から石鎚山が姿を見せる (11月5日撮影)

ここから堰堤までの急坂がこのご来光・スカイラインルートで一番キツイ場所だ。でも木々の間から見る石鎚山はその形を作り上げた
節理の様子がよくわかる。石鎚スカイラインの紅葉は素晴らしく黄金の輝きを放っていた。釣り師たちによって開かれたであろう坂道を
を半時間ほど降りると広い川原の堰堤に下り立った。

 
ガードレールを越えて坂道を下る     いい年こいたバカ夫婦  堰堤に出る


  堰堤の風景  普段水はない (伏流している)

ポイント2 
大きな石がゴロゴロとした広い川原の上流に向かって歩く。所々に赤いペンキで印が見える。ここは水が伏流していて水はあまりない。
10分くらい進むと上流に向かって左に蛇行するが、その向こうには大きな淵となり通れない。そのコーナーの左側に木々がせり出し
青いビニールカバー
が置かれている。そこから(上流に向かって)左側の登山道へと上がっていく。

 
山道へ一旦上がる              倒木を二つ越える

 
まあ そこそこ整備もされている道            沢に下りて渡る

山の斜面をしばらく進むと静かな沢に下り、そこを渡ると沢に沿った美しい紅葉の道を進む。ここは本当に美しい場所で沢を左手に
見ながら平らな紅葉樹海をしばらく進むと落ち葉で赤茶けた広い岩棚が現れる。丁度南予の滑床渓谷を思わせる風景に見とれる。


   沢道のステンドグラス  (11月5日撮影)

   
沢に映えるお揃いのレインウェアをまとったブルータス・クレオパトラ大型夫婦

   
    清流が岩棚をスベってここに集まる
     
        
          岩棚を澄んだ流れが滑り落ちていく

   
       滑床渓谷を彷彿とさせる岩棚を歩く

 
    沢を数回渡る                 沢の風景

     
    この沢に入るまで黄色がこんなに美しい物だとは思わなかった

ポイント3
沢を渡ったり、渡し返したりして堰堤から約1時間あるくと岩が次第に大きくなり岩ゲートが現れた。左の崖に赤いテープがあり、そこ
から少しザレた急斜面を登って行く道がある。その前には大きな流木があり赤いビニールテープで×印が3〜4個巻かれてある。
?? 何の印? こういう意味不明の印は返って登山者を混乱させる。

結論を言えば、水量が異常に多くなければ洞門を通って沢伝いに進むのが正解!! 時間も短縮できるし、山道よりも安全です。
この岩ゲートコースにはいるともうご来光の滝までは山道へ上がる事がなくず〜と沢伝いに進みます。

一方、山道コースは恐らく増水時の予備ルートで、一箇所ご来光の滝を見渡せる「滝見台」があります。でもこの道は結構注意が
必要です。予備知識のない私は11月3日 テープに導かれて山道コースへと上がっていきました。

  
 
   洞門が現れる              山道コースに上がる



本来は山道コース滝見台(登山道から3mほど上がる)よりこのような景色が見えるハズでしたが、11月3日は雨でガスがかかり、
足元が悪いので周りを見る余裕がなく全く気づきませんでした。これさえ見えていれば・・・(11月5日撮影)

 
滑ると奈落が待っている          ニセご来光の滝でシェーまでしてしまった

この山道コースはほぼ右手に沢を垣間見ながら2〜30メートル上側を通っています。11月5日にマーシーと二手に別れ、
お互い大声で呼ぶと会話出来ましたのでそんなに沢を外れません。所々崩れかけの場所や腐りかけの丸太渡しなどがあり
注意が必要です。岩場の急な崖沢がありそこを対岸に渡るのですが、対岸のテープを見失い、そのまま沢を上がって行き
詰まりました。

後続のブルータスに「その沢の向こう側に道が無いか〜?」と聞くが「無いぞ〜」の返事。 仕方なくガレ場を進むと滝がある。
??なんか崖崩れの工事現場から雨水が落ちている感じ。 更に回り込むとこれが結構上流から落ちている。「これ ご来光
の滝?」「そうやろか?」「何かヘンだけどみんな写真のアングルで迫力があるようにみえるんじゃろか?」「う〜〜ん」 結局三人
ともこのニセご来光の滝の魔術にかかり納得してしまった。

     
      まさかとは思ったが 結構のこ滝が立派だったので・・・

しまなみ隊の楠橋さんが確か滝の岩場で赤いおべべで得意そうに立っていたのを思い出し、岩場を這い上がる。え〜こんなスベ
スベの岩場 楠さんには無理やで・・と思いながらも記念撮影。何か妙に納得してこのショボイ偽ご来光の滝で食事を摂る。それ
から滝の前でシェーだのイェイだのポーズを取って記念撮影。 さあ帰えろか・・・

 
さあ 帰ろ 帰ろ                ご来光滝手前の危険な崖沢を渡る

元来た山道に帰っていると「誰か下からこっちへ来るで・・・」とブルータス。「おっ我々以外にもご来光の滝に来たんやなあ」「あれ?
僕らが来た道へ行ってるで?」「え〜〜??」 それまでの心のわだかりを晴らすべく「すみませ〜〜〜ん」と大声で呼び止める。
登山道を下りて見えなくなりかけた男性二人に「ご来光の滝ってこれですか〜〜〜?」「「そんなん 違うで〜〜」・・・・・・・・・・

ラッキー!! ちゃちゃちゃ  何がラッキーか?って 本家ご来光の滝に行けたって事? 否! そうではありません
帰って掲示板にニセご来光の滝前のシェー写真を貼って得意げにしているとまず「おいわさん」から「そんなご来光の滝見たこと
ありませんわ」ってちょっとキツめの返事があり、はるちゃんから「ちょっと違うような・・・」って書き込みがあり マーシーからは
散々あざ笑われ、KAZASIさんからは「間違いは誰にでもありますよ」って励まされ、他の仲間は気の毒がって沈黙を守る・・・・・ 
そんな悲しい結末を免れた事 こんなラッキーが他にあろうか! この奇特な登山者に感謝!!

さて、話が本題に戻って 二人の神様と仏様が我々を心配そうに立ち止まって見てくれる中、見落とした対岸へ渡りお礼を述べる。
更にもう一箇所危険な崖沢を越えると滝の音が爽やかに聞こえてkる。待ちきれずに沢の大きな岩伝いに上がっていくと、先ほど
のニセ滝がいかにスケールが小さいものだったか思い知らされた。

ご来光の滝 写真 (容量の関係で画質サイズを30KBに落としています)

次第に近づく滝の風景をご覧下さい

     





      
               滝の上部が見える場所から


        ブルータス・しんちゃん夫婦も大満足 !

     
          ご来光の滝  やっぱ迫力が違うわ
     

      

      
      
         右側の節理岩から撮影

後編 マーシーさんと沢コースを下る (復路)

さて、ここからはマーシーさんとともにご来光の滝をご案内。11月3日にGPSが途中で電池切れでルートトラックが出来なかった。
それともう一度あの別天地をどうしても晴天の日に訪れたかったので11月5日にもう一度出かける事に

こんどは瓶ヶ森林道から土小屋に出て、ご来光の滝見駐車場へと向かう。瓶ヶ森林道の紅葉は既に終わっていたが、石鎚スカイ
ラインにはいると眩しいくらいの紅葉が車道の両脇に展開していた。石鎚の姿が対象的に尖って見える

    
 これがいわゆる一般的な石鎚山の形 瓶が森林道 (右は子持ち権現)

    
    これが石鎚(面河)スカイラインからのマッターホルン姿

 
 出戻り登山隊を急遽結成         展望所より 滝が見えるぞ〜

前回は雨で展望所駐車場より滝が見えなかったが、今日はよく見える。これさえ見ておけばニセに騙される事もなかった
のになあ・・・ あっという間に堰堤まで下りて二日前歩いた道を再び晴天の下、紅葉に感動しながら歩く。
往路は例の洞門から二手に分かれて滝を目指す。 マーシーさんはヤブ? 否今回は沢、私は山コース 時々声をかけて位置
を確認しながら歩く。

 
やはりここの風景が一番気に入った   マーシーが魚に喜んだ淵

滝に着くとさすがのヤブ男マーシーさんもその素晴らしさに唸(うな)っている。「来て良かっただろ!」を3べんほど念押しして
うなづくたびに得意がる私。確かにそんな気持ちにさせてしまうくらいこの光景は衝撃的なのだ。

 
毎度お馴染み 本物のご来光の滝   ラーメンの麺具合をチェック 滝に打たれろ!


           滝下で息の合ったシェー姿

滝下の風景

素晴らしいのは滝の荘厳な姿だけではなく、周りを取り囲む風景全体がまるで芸術祭参加作品のように360度巡って
いる。こんな美しい姿は四国でもあまりお目にかかる事は無いだろう。それも秋のこの一瞬のひと時だけ特別なのだ。
何度も景色を振り返りため息をつく。


    
           滝の左岸岩壁下より振り返る


   滝の下から振り向くとこんな光景が


           何度も滝を振り返りながら 沢道を下っていく事に

滝下でウロウロした後、今度は「本家ご来光の滝」で食事をする。マーシーさんはバーナーを持ってきてラーメンを作る。お
いしそうだなあ。こちらはマーシーさんのバーナーをアテにしてインスタントコーヒーセットを持って来たのでそれを作って飲む。
やっぱりバーナーは持ってくるもんだ。

帰りは沢道を下る。巨大な岩がゴロゴロしているがちゃんと歩けるルートがいくつもある。水量もそう多くなく渡れない淵などもない。
これならわざわざ山道を通ることもないでしょう。所々に岩に赤いペンキも見える。

 
大きな岩がゴロゴロしている沢道     石の上を適当に選んで下りていく沢道

 
沢の中州や周りには美しい紅葉が広がる  洞門の場所が近づいてくる

 
ここが増水時や雨の時は気をつけなければ  危ない尖った流木を切るマーシー

 
   大きい流木の上をを渡る        洞門に着く

 
上流から洞門 右が山道へ        洞門手前で山道への登り場所 テープあり
(下流からは左側へ上がっていく)

後はもと来た道を堰堤まで沢を渡り、山道に入り堰堤の川原まで帰る。過ぎ去っていく季節を惜しむように沢山の紅葉が風に
揺れ葉をハラハラと落としていく。やがてこの場所は色彩の少ない冬の沢に変わっていくのだ


    あくまでも清い水が澄んだ音を立てながら流れていく

 
不安定な灯篭石を見に行くマーシー    滑床の風景 ちょっと滑りやすい

堰堤から最後の急坂を喘ぎながら登る。ヘロヘロになった後半振り返ると石鎚の姿が木々の間から垣間見る事ができる。
この坂の苦しさが、お手軽にこの世のものとは思えない別天地「ご来光の滝」へ行かせて貰った最後の自然へのお礼参りだ。

     
        紅葉の向こうに石鎚山頂付近が見える


石鎚・面河スカイラインより見える石鎚山  (南東から見る縦の石鎚)

スカイラインのガードレールを越えて、紅葉に包まれた道路をご来光の滝見駐車場へと下っていく。右手には夕日に照らされた
尖った石鎚山がどっしりとした稜線に支えられその雄姿を誇っていた。

ご来光の滝 この素晴らしい自然に出会えてまた 我が故郷の石鎚山の奥深さを知りますますファンになった。
今回はこのご来光の滝を訪れる人の冒険心を奪わないように大切なポイントを3つだけに絞り、登山記を作成致しました。
面河スカイライン登山口から 休憩も含め 往路約 4時間、 復路 約3時間半 合計 7時間半とみました。



        目次に戻る              トップページに戻る