平成23年1月2日 今年の山も石鎚山から



                        平成23年1月2日の石鎚天狗岳

今年も初登りは石鎚山だ。1月1日は天気がすこぶる悪い予報だったので翌2日に長崎から帰省していた
研治と一緒に出かける。南アルプス以来の還暦兄弟登山である。

08時のロープウェイはスキー、スノボー客で少し混んではいたが、いつもよりはマシな状態だった。ロープ
ウェイ成就社駅に着くと雲が低く垂れ込めていて展望があまりなかった。
外側でアイゼン装着などをゆっくり
支度をして先ず成就社を目指す。


天気が悪いので樹氷風景も映えないので写真もあまり取る気になれず黙々と歩く。

去年親父が亡くなったので成就社には初詣のお参りせず石鎚へと向う。身内が亡くなるとお寺はいいが神社へ
のお参りはダメって言われている。神社では一般的に死は穢(けが)れであり、穢れや
悲しみとかを持った
まま、神社の聖域に踏み込む事は失礼極まりないらしい。ここが愛のキリストと日本の神との違いかな。
とりあえずお参りは遠慮しておこう。 あっ よく考えたら鳥居を潜ってしまったわ


 
   成就駅を降りて成就社へ向かう                       雪も結構多い

八丁坂は沢山の雪で覆われているが、トレースがあるので快適である。09時20分 前社ガ森への休登りが
始まり、息を切らせて歩いていると、下から元気そうな山男が2人追いついて来た。 よく見ると紫雲さんと
与力さんだった。
この二人は山嶺、天狗塚方面の静かな山が専門で、こんな俗っぽい山で会おうとは思わなか
ったので嬉しかった。


見ると二人とも細長いヘンな器具を持って見せ合っている。「何それ?」って聞くと温度計だと言う。そう言
えば趣味山さんのブログで見た事があるぞ。で・・・良く似ているのだが微妙に色や形にちょっとした違いが
ある様で、どちらが高いとか自慢している。
私は温度計などちっとも興味がないのであるが、社交上「へ〜 
そんなものがあるのですか〜」って無理して驚いたりしている。


暫く4人で歩いて休憩しているとグランパの盟友「仙ちゃん」が追いついてきた。やはり正月の石鎚ともなると
知り合いの一人や二人に会うものだ。


  
  吹き溜まりで埋まった尾根                     あれ? 後ろから見慣れたコンビが・・・・

 
 チャラリ〜〜ン  紫雲さんと与力さんじゃおまへんか         ヘンな器具だこと 風力・温度計

10時30分前社ガ森の小屋に向って這い上がり小屋で小休止の後、石鎚を目指す。仙ちゃんはピッケルの先に
ビニールホースを切って尖っている場所を保護している。グッドアイデアだと思いながらまだ見習っていない。
ここからトラバース道が少しあり、登山道は180度近くターンして弥山方面への尾根に取り付いていく。雪が
沢山積もっている場合、このコーナーに真っ直ぐ下がっていく尾根道が現れる。どうも、後日この場所で下山時
霧で右へのトラバース道を誤り、真っ直ぐ下りた登山者があり遭難騒ぎとなった様だ。

10時30分平らな夜明し峠へ到着。ここは成就社コースで一番の撮影ポイントなのであるが、生憎の霧で残念
な景色であった。いよいよここからが冬の石鎚冬登山真骨頂となる。紫雲さんと与力さんがここでアイゼンを装着。
紫雲さんは久しぶりの12本爪アイゼンに悪戦苦闘している。どうもゴムが朽ちていている様子。こんな時の紫雲
さんの顔は見るからに機嫌が悪そうで結構怖いからなるべく顔を見合わせずに済ませる。
横で与力さんがニコニコして待っている。本当に息の合った仲の良いコンビだと思う。


 
   登山道にテントを張っていいの?                    前社ガ森の茶店が見えた



 
 仙ちゃんのアイゼンは青いゴムホースで保護                 雪ピも出来ている



 
       夜明し峠はサッパリ                     紫雲・与力の二人はやっとアイゼンを装着


11時07分土小屋分岐の鳥居に到着。積雪量の多少はこの鳥居がバロメーターとなる。上側に手が届く程に
雪が沢山積もっていたのでまずまず多い積雪である。
雪を大量に被ったモミの木が霧の中に沢山現れる。どこが正規の
登山道か定かでは無いがとレースに従って上に進む。

すると上から愛嬌のある笑顔が我々に挨拶を交わしてきた。リップさんだった。上からも下からも人が来るので
ゆっくり話を出来なかったが何でも鎖直下の避難小屋が今年で閉鎖になるので大晦日から石鎚に入ったが、今
まで何の展望も無かったと言う。こういう時って普通「お気の毒に・・・」と言わなければならないのであろう
が、私の場合はそういった情けない状況が面白くてつい大笑いをしてしまう。
リップさんもそれなりに冬の石鎚を楽しんだ様で雪の斜面を明るく転げ落ちていった。


運が悪ければ安全の為敷設された鉄階段が雪と氷の殿堂となり最も危険な場所に変貌する。 幸いに今日は上から
落ちてくる雪の量が少なく安全にクリア出来た。

11時50分 大きな雪のトンネルを潜り山頂への石段を上がる。

  
     鳥居での紫雲・与力コンビ                          中々の積雪量だ

  
     う〜〜ん  いいアングルだこと                  深い雪でズルズル滑って歩きにくい 

 
   あんりゃ  リップ姐じゃおまへんか                代わりに天狗を見て来るからね〜〜

 
       鉄階段も問題なし                        最後のコーナーを回りこんで山頂へ

弥山は風があまり強くなく天狗岳は霧の中だ。去年の正月はここで凍えたものだったが、比較的暖かいので昼食を
食べながら霧が晴れる一瞬を待つ事に。


時々、天空に青空が出現して期待を持たせる。紫雲さんや与力さんは「今度は晴れますよ〜」と呼びかけるので、
その度にカメラを抱えて弥山の端っこまで走っていく。何度もオオカミ中年に騙された挙句、やがて本物のオオカミ、
いや天狗様が現れた。

約5分位のサービスではあったが、リップさんに見せて上げたいような神秘的な光景だった。山の写真はピーカンの
景色よりは雲や霧の効果を期待してしまうものであるが、全く見えなかったら元も子も無い。


 
ピッケルとは山頂に突き立てて記念写真を撮る道具である           与力・紫雲・エントツ山・仙ちゃん

 
   風力発電機のプロペラも凍っている               見えそで見えない天狗を待つエントツ山

      
                                   冬の天狗

 
           紫雲さん  エントツ山  与力さん             研治  ・ 公治  合計120歳コンビ

これに満足して13時下山する。時々部分的に青空が姿を現すが、相変わらず霧が山全体を覆っている。
13時20分土小屋分岐の鳥居を過ぎ、13時50分夜明かし峠を抜ける。登りより少しマシな程度ではあるが、相変わらず
霧は晴れず残念であった。

ここで石鎚にある剣山へ行く事を提案し、取り付きから雪にまみれながら紫雲さんを先頭に這い上がって行く。14時
10分、何の意味があるのかよく分からない「剣山」を4人で極めてた頃には天気が回復し青空が現れた。ここを転がり
落ちる頃は青空と霧氷がとても綺麗であった。
非常に楽しい剣山訪問だった。

 
   そろそろ下山する事に                            時々現れる部分晴天
 
 
与力さんのストック使いは得意のスキーそのもの               北壁も展望なし

 
         雪道まっしぐら                          イェ〜イ  今年も山歩きまっせ〜


                           夜明し峠

 
  紫雲さん  トップお願いしまっせ〜  剣山へ              雪の硬い所を探しながら這う

 
        まあ 適当にね                            もうすぐでっせ〜

 
   石鎚の剣山  地図にはあるけどホンマかいなあ?        やっと霧氷が青空に映える

 
霧氷に魅せられる紫雲  何でも真剣に取り組む性癖あり        最後は深い雪を掻き分ける

 
     落雪風景が神秘的だった                      ベタなアングルですが


          西陽(にしび)に照らされる下山道を行く紫雲・与力

剣山の雪遊びを思いっきり楽しんでロープウェイ駅に向かう。紫雲さん、与力さんは靴スキーを器用に楽しみ
ながら、転げながら先を行く。成就社でちょっと石鎚を振り返るがやはり展望がなく広い参拝道を歩き、16時
のロープウェイにギリギリ滑り込んだ。


今年の山歩きも紫雲さん・与力さん、仙ちゃん石鎚から楽しいスタートを切ることが出来ました。

    
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