平成25年8月17日(土)
弟三人で沢歩き 「一の谷」吉野川水系・桑瀬川上流 (高知県)


「一の谷」沢歩き (高知県)

平成25年の盆休み東京と長崎からそれぞれ帰省し三人兄弟が揃った。三人とも歳と共に何故かアウトドア派になっているので、
さてどこかを歩こうかとの話になる。丁度おじょもさんから一の谷の沢歩きをした楽しそうなレポが掲示板で紹介があったので行く
事にした。

この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図

登山口:西条方面から寒風山トンネルを高知県側に抜けてすぐ左折し、寒風山登山口へ向かうとすぐ右側に「一の谷館」があり
     そこから入渓
終了場所:寒風・大座礼線の林道 (そこに車を1台デポする)


左 :修一(長男)東京在住 65歳
中央:公治(エントツ山) (三男) 高松在住  63歳
右 :研治(次男) 長崎在住 63歳

平成25年8月17日車2台で新居浜を出て寒風山登山口手前から林道・寒風大座礼線に入り一ノ谷付近にラッシュをデポする。
研治のホンダ・フリードスパイクはFF車でスペアタイヤが無いのでこの少しダートな林道を慎重に運転し、一ノ谷館近くへ返る。

入渓地は一の谷館

09時頃休業中の「一の谷館」を通らせて頂き橋手前から入渓する。以前数回この一の谷館で蕎麦を食べた事があるが確かに
お客さんは少なかった様な気がする。
直ぐに樹木の葉っぱを映し出し黄緑色をした淵に遭遇ししょっぱなから泳ぐ気にもなれずに滝を左側の踏み跡を辿って迂回する。

沢に復帰すると早速大きな岩が現れて沢に沿って流れ落ちる水も良く澄んでいて気持ちがいい。一の谷へ入渓して約30分程経
った頃、岩が両サイドから張り出して細い回廊となる。ここは岩を両足で踏ん張ったり手で押したりしてクリアする事になる。

 
  一の谷館前から準備して沢へ向かう                 入渓ポイント

 
   さっそく美しい淵が現れる                    ここは左手に迂回して沢に復帰する

 
       少し落差がある滝                   大きな岩の間をぬって進む

 
      岩が両側から迫る                    腕と脚を利用して進む

 
      開脚と腕立て伏せが大事ね               更に岩壁に挟まれた谷を進む

 

 
        そこそこ深い淵                              修一と研治   



第一滝迂回場所 (沢分岐)

沢幅が広くなっても両側には高い岩壁がそそり立ち少し沢も深くなってくる。そこを抜けると09時40分沢の分岐点となる。本流の
左手沢は高い滝となって直接進む事は無理。
ここはおじょもさん達が左手を迂回した場所だ。右手に分岐する沢は水が極端に少なく本筋は左手と理解出来る。今回はおじょも
ルートとは逆にこの流木が沢山転がる右手の沢から中央に張り出した岩壁に取りつく事にした。

 
   少し寒いが胸まで水に浸かって歩く             沢分岐の左側に滝が出現

    
           う〜〜ん  こりゃ這い上がれんわ   F1  (09時40分)


               右手の沢は水量が少なく流木で荒れている


最初は草付きの急斜面を這い上がりテラスに出る。ここから左手の本流側を偵察するが絶壁で下りられない。更に3m程の崖を
よじ登り滝の上部へと進む。この支稜線部は植林されており伐採地からは冠山から派生した南支尾根が見える。植林地帯の境目
から左手に沢へ下りるルートを確認。尾根まで又這い上がって二人を大声で呼ぶ。

ルート探しに手間取り時間がかかったが何とか10時30分滝の上流部に復帰出来た。その後は流木を潜り小滝が続く雰囲気の
良い沢が続く。10時50分流木群が現われ潜ったり乗り越えたりして進むとその後はあまり高低差のない沢風景となる

 
 草付きを這い上がるのはお手の物              修一兄を確保してテラスまで上がる

 
     更にもう一つ岩場を這い上がる             植林伐採地らしく見晴が良い支尾根に出る

 
   少し支尾根を進んで左手の沢に下りる                 沢に復帰


  
          良い沢だわい                     大きな岩の間を這い上がる


     大きな流木をこんな所に持ってくる水の力は凄いもんだ


                     気持ちいい〜〜〜 

 
  日差しがあると水しぶきを浴びるのが気持ちいい       時々両側が狭まった落差のある水路が現れる

 
       よいしょっと                             こらしょっと

 
    10時50分前方に流木群が出現                   乗り越えたり潜ったり

川辺の大岩に濡れたイワタバコの葉っぱが沢山ぶら下がっているが花は既に終わっていた。11時頃になると沢の高低差がやっと
出てきて大きな岩が現れる。

 
       イワタバコ岩を過ぎる                   変化のある地形に少しテンションが上がる



                     行くぞ〜

 
   白い筋が入っている岩が多い                    尚もクリークが続く

第二滝迂回場所

    
                奥に第二滝が出現   F2     (11時06分)


11時06分沢が右側に曲がり、その奥に又大きな滝が現れた。この場所が大変美しい場所だったので10分程休憩する事に。曲
がり角にある低い岩の上にミニ三脚をセットして三人で記念写真を撮る。10秒の間で少し深い場所を経由して撮影場所に帰るの
だが、これが深みに足を撮られて中々うまくいかない。

一応滝下まで進み這い上がれないか確認するがやはり直登は危険だったので淵を引き返す。

    
     
       10秒で岩から下りて深みを飛び二人の元に行くのが大変だ

 
奥の滝落ち口まで行くがやはり這い上がるのは難しい           泳いで帰る

ここもおじょもさん達は左手からこの滝を迂回したと聞くが、少し下流の右手に岩に沿ってガレ場が上に延びていたので第一感こ
れを利用すると迂回出来ると考えていた。休憩の後11時30分これを偵察をする。修一兄は古道歩きや沢歩きをしているが余り
危険な場所は苦手なのでなるべく安全そうな迂回ルートを探す。ガレ場を詰めると左側へ行けそうなので大声で二人を呼ぶ。

高みを乗り越えて沢の下り口を探すが相当の崖が続く。少し藪漕ぎしながら上流部へ進むと沢への下り口ルートを発見。12時に
すぐ上に復帰する。やはり初めての沢はルート探しに時間がかかるものだ。

 
沢の右側(左岸)に取りつき場所があった             上に上がって二人を大声で呼ぶ

 
       藪漕ぎはお手の物                     沢へ下りるルートを見つけて二人を呼ぶ


             12時00分 沢に復帰し 迂回したF2の上に立つ

12時10分2筋の滝を通過すると今度は三筋の滝が現れた。ここはおじょもさん達が真ん中の滝でオーバーハング気味の岩を
クリアした場所だ。こちらは左側の水量の多い滝が面白そうなのでそちらを選択。こんな場所に森に覆われた美しい谷間を澄ん
だ水が流れ落ちる沢があったのだ。おじょもさんに感謝。

 
       F2の後は暫く平和な沢が続く                  2筋の滝


                12時10分 3筋の滝を通過

 
   修一兄も四国の沢が気にいったみたいだ          九州で磨いた沢歩きの研治

 
   左端のルートも結構面白い                  水が多い中央突破が楽しい

 
    頑張れ アニキ 65歳                      どうですか この澄んだ水


       こんな平和な場所をバシャバシャと歩くのも沢歩きの楽しみだ
 


                          陰影の深い沢は美しい

 
 防水カメラは沢の中でも出し入れが気楽だ              これ位の深さがいい


12時30分、沢の主オオガエルとおじょもの足跡甌穴を通過。12時37分少し淵を持った小滝が現れるが少しの緊張感を持ちな
がら安全にクリア出来る理想的なものだった。その後こもれびが差すのどかな沢歩きが続くと次第に高低差が出てくる。研治は
九州で沢歩きをしているので段取りが良いが、修一兄は防水機能がないスマートフォンを沢に持ち込むからあまり沢に入らない
し、防水袋からいちいち出して写真を撮るのでちょっと遅れる。

沢歩きではカメラは防水タイプでなければと思う。最近はあちこちのメーカーから防水耐衝撃機能のあるカメラが2万円前後で発
売されている。これだと雨の登山も写真撮影が安心だ。先日キタムラカメラで2万円を切る防水カメラがソニーから出ていた。

12時55分沢の水流が早く狭い峡谷状になり面白い

 
 えらく平べったいカエルだこと こいつは中々動かない     水が滑り台で遊んでいる

 
   満足 満足〜                           ありゃ 先日来たおじょもさんの足跡があったぞ


             12時40分 いよいよ一の谷沢の佳境に入る

 
        落差が出てくる                     トップを行く研治


       沢歩きはなるべく水の中を歩くのが安全だ


            緑に溢れた沢には柔らかい陽が射し込む


 
      沢が次第に狭まっていく                  狭い岩場は手がかりが多くて歩きやすい

 
    白蛇の様な筋が川底を走る                修一兄のヘルメットはワークショップ物

 
   おじょもさんはここで泳いだのかな?              長男はしんがりを務める

 
   わしゃ こんなとこ補助ロープは要らんぞ〜        研治がトップで下滝を上がる

  
         エントツ山はザイルを引きながら続く


第三滝迂回場所 (ここは左側=右岸を巻くのが正解)

13時00分峡谷部を抜けると左手から滝の水が落ちて来て沢が左手にターンする。滝基部まで這い上がり研治が先遣隊で滝
を上がる。ここはおじょもさんのレポートで誰かが足を滑らせて水没を繰り返した場所だ。先に上がった研治からいくら待っても
合図がないので確保ザイル無しで上がっていると上から「大きな滝があってこれ以上進めない」と研治が叫んでいる。修一兄貴
を右手から確保して上部に上がる。

う〜ん 迫力ある大きな滝が人間の侵入を阻止している。おじょも隊のレポによると彼らはここから左手に迂回するも沢に復帰
出来ず登山道へ這い上がったらしい。従って我々は13時20分右側(左岸)から巻くことにした。


    13時20分 滝を一つクリアすると更に奥にドデカい滝が現れる   F3

 
         修一兄を確保                     大滝の水を集める大テラスの淵

   
                       大迫力の滝 F3

こういう場所のルート取りは私の役目で一か所右手に這い上がる場所を見つける。ルートの左手には岩の絶壁が続きいくら
進んでも岩壁が衝立の様に高くどこまでも続いている。沢から遠ざかる様にしか進めない岩壁に沿ってスズタケの藪をひたす
ら這い上がる。13時45分やっと岩の上端に到着。上部に支尾根が見えたので少し這い上がるがそこは猛烈なシダの藪で
到底進めない。

仕方なく植林との境目に沿って暫く進むと、左側から別の支尾根と合流した。14時10分前方が開けて林道のガードレールが
山の斜面を走っているのが見える。もうここまで来ると沢に復帰する意味もなく林道まで這い上がる。到着場所は予想通り一
の沢橋から相当東側にズレており15分ほど寒風・大座礼線を歩きデポしたラッシュに14時30分到着した

 
   大滝の右側(左岸)にルートを探す              左手にはず〜〜と断崖が続く

 
   笹薮になっても岩壁が続く                   13時45分 やっと岩壁の上端に到着

 
   あちゃ〜〜  猛烈なシダの藪だった            植林地帯の右端を這い上がる

 
   支尾根を登ると林道のガードレールが見えた                 林道に向かう


      寒風山を振り返る   ちょっと一の谷の沢筋から東側に外れていた

 
  バンザ〜〜イ 無事林道に到着                計画ではここに到着する筈でした 一の谷橋


おじょもさんからタイミング良く紹介され太一の谷、お蔭で今年も諦めていた沢歩きをする事が出来ました。 感謝

追記)後日、マーシーさんが第三滝を左側から迂回して滝の上側に出る事が出来たとの報告がありました

     
           F3の左側(右岸)から滝の上部に到達   (マーシーさん撮影)

 
  更に F4 (マーシーさん撮影)                更に更に F5も  (マーシーさん撮影)


おじょもさんの「一の谷」沢歩きブログは   ここ




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