イノシシ達の沢歩きシリーズ
平成23年9月10日 日浦谷を完全遡行し、前赤石山に直登


日浦谷(県道47号線入渓)〜ナベラ滝〜前赤石山〜物住ノ頭〜西赤石〜
尾根標識小足谷分岐〜接待館跡〜日浦登山口  (8時間50分)

 

日浦谷とは

赤石山系の沢 


山と渓谷社 西日本の沢本より拝借 山と渓谷社の本は相当数購読してますので地図拝借をお許し下さい、

日浦谷は西赤石・物住ノ頭・前赤石・コマドリ山から発する銅山川の支流で、赤石山系南斜面の主な沢
では西の端に位置する。
現在別子銅山の遺構はマイントピア別子・東平(とうなる)が東洋のマチュピチュとして売り出している。
しかし、江戸時代に始まった別子銅山は山の南側=旧別子で稼業され、日浦はその入り口として栄えた。

日浦登山口から旧別子への遊歩道の左側にある谷は小足谷川と言い、「日浦谷」はその東側にある谷川だ。
少し上流で左が西赤石へと辿る沢は「枯木谷]と呼ばれる。右側の本流が物住ノ頭へと分かれるのでその
上側を「物住谷」とも呼ばれている。


入渓地点は西赤石山日浦登山口より県道47号線を車で2〜3分位東に下がったヘアピンカーブにある橋から
となる。
全体的には沢の右岸に沿って奥まで古い道が断続的にあり、綺麗な水と大岩の美しい沢で、滝も巻けるので
お手軽な沢と言える。


奥の二股より左手の沢は採石場を経て物住ノ頭や西赤石方面へと続くが尾根まで這い上がるのには相当の藪
コギの覚悟が必要となる。従って奥の二股では右手に進み前赤石のトラバース路に出るのが良いと思われる。
又 日浦谷右岸に沿って道があるのでそれを辿って下山するのが一番手っ取り早い。


二股を過ぎた場所にある三連滝は圧巻で最初の大きな岩盤を持つ滝が「ナベラ滝」と呼ばれている滝の様だ。


旧別子の高橋溶鉱炉や東延へこの辺りから取水管(土管と鉄管)が上部と下部に延々と引かれていたらしく、
地図にも上側の鉄管道は破線で、下の鉄管道は別子ダムを造成した時の採石場から車道として工事され地図の
実線として記されている興味深い場所である。


登場人物


    還暦を過ぎても大人になれない悲しい男   エントツ山


  手足にひずめと吸盤、さらに水かきがあるミュータント  マーシー

 

日浦谷遡行記


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラック・ログ図  日浦谷遡行ルート図

今年の夏は紫雲さん、与力さんのお蔭で沢歩きの楽しさを味わう事が出来た。伸び伸びになっている日浦谷が気
にかかり、9月9日連休に計画した北アルプスの件でマーシーさんに電話を入れると他の沢に行く予定だったが
日浦谷に付き合うと言う事で話がまとまった。


私は沢に入る気が無かったが、マーシーさんは沢に入ると言うので妥協してモンベルの沢でグリップ力が無く
返品仕様の沢靴(3000円だったので衝動買いしてしまった)を持っていく。

07時00分四国中央市のSKコンビニで落ち合い、法皇トンネルを抜け私の車を日浦登山口へデポしてマーシー
さんの車で少し東に戻り急カーブにある日浦谷に架かる橋の横に止める。



08時00分橋の左手から沢に入る。深山牛さんは上の堰堤から入渓を勧めてくれたが、水が結構流れていたの
で最初から沢歩きと決めた。水が緑色に澄んでまるでエメラルドの様だし、岩も大きくて迫力がある。 ミニ・
ゴルジュの美しい岩を通過ししばらくすると08時30分堰堤下に着いた。右手からセメント沿いに堰堤を這い
上がると左手(右岸)には大きな取水口があり、メインの流れはそちらに落ち込んでいた。


 
   ヘアピンカーブの橋が入渓地点               橋の上から沢を見る  デカい岩が転がっている

 
    橋の横から沢に下りる                    中々落ち着いて良い沢だ

 
      面白いゴルジュもある                  こりゃ岩登りに近いぞ

 
  水に削られた滑岩 さっそく吸盤のチェックだ             水はあくまで澄んでいる

 
     堰堤の右側を這い上がる               ダムの上には取水口が右岸にあった


堰堤を越えると又平坦な川原となる。こういう沢歩きはストレスが無いが、その後に来る高低差の反動が怖い。
08時48分大きな岩が両側から迫る「キッス岩」の左を巻き前方に出ると二股に分かれている。左が西赤石へ
続く「枯木谷」右側が物住ノ頭、前赤石に至る日浦谷本流、別名「物住谷」だ。それまで高低差の無い美しい沢
だったが、08時58分初めて滝らしい2条の滝に出会う。その上側の岩が水流によって滑らかに削られたゴルジェ
状になって美しい曲線を描いていた。

更にその上に渕を持った3m程の滝があり、左の岩に這い上がろうとしたマーシーさんの手元が狂いバランスを
崩して背中から水に落ち込んだ。サルも木から落ちるの巻だ。

09時10分前方にコンクリートの橋が見えて沢筋が水量が多く結構複雑で滑りやすい岩盤となっている。私は
迷わず左手斜面から上の道路に出た。なるほど、これが入渓地点から続く地図に出ていた林道か。車道は更に橋
の向うに伸びている。橋を渡って左岸から又沢に下りる。


 
  しばらく高低差のない沢が続く                   前方にキッス岩が現れる  ここは左から迂回


08時58分 最初の大きな沢分岐  左手は枯木谷→西赤石方面  ここは右の本流を進む

   
       2条の滝  両側が水で削られて中央にカモノハシの嘴(くちばし)岩が残った

 
 ちょっとこのゴルジュは中央突破は無理か               マーシーさんが落ちた猪落淵

 
         橋の上から沢を見る               橋の上流から  正面にコンクリートの橋が見える

更に進むと美しい流れを持った低い落差の連続滝があり、それを越すと釜を持った小滝が現れた。09時20分
「水垂(みだ)れ滝」を過ぎると大岩の上に一本の木が立っている。ここなら水で流される事もないだろう。
落差は無いものの巨大な岩の間を沢水が流れる迫力のある風景だ。


09時31分沢の分岐があり本流と思われる右へと進む。左側の沢は西赤石直下へと続く「枯木谷」だろう。
又美しい沢を持った小滝が現れその上で少し沢が蛇行している。
穏やかな瀬を歩いていると蔓(かずら)が上
から垂れ下がっているのでターザンごっこをして遊ぶ。私は上手く行ったが、マーシーさんがぶら下がると重さ
に耐えかねた蔓がズルズルと落ちて来た。


その上流に2条6m程の滝があり、気持ちよくしぶきを浴びながら直登する。


 
                      09時15分 低い段差の滝が美しい


   09時16分 更にその上には又澄んだ釜を持つ小滝が現れた


           09時20分  水垂(みだ)れ滝

 
    09時22分 大岩の上に立つ木             落差も少しある2段滝

 
  09時25分  2段滝を越える                  09時32分 のどかな風景に

 
    しばし童心に帰りターザンこっこに興ずるイノシシ達   え? いつも童心やんかって? そんなバカな!
    普段の我々は日本を支えるキキリと締まったサラリーマンですがな


          09時38分 2条6mの滝を通過

更にその上には釜を持った8mの滝があり落ち口の岩が迫っている。私は左、マーシーさんは右とそれぞれ
のルートを這い上がる。
その上側も岩がデカいが比較的傾斜が緩やかな沢を歩く

10時12分右手に半端でない大岩が出現。時々沢の真ん中にあるこんな大岩に不思議を感じさせられる。

このあたりはとても平坦な場所で、10時20分左手に倒壊した小屋跡を見つけそこに寄って見る。五右衛門
風呂の風呂釜や四角い箱状の物、辺りには土管なども残っていた。それまでも沢に錆びた鉄板や鉄管が見られ
たのであるが、この辺りから流出したものだろう
その上側にも更に倒壊した建物がある。マーシーさんはこの様なかつて人が住んだ風景が気になる様でウロ
ウロしている。
確かに自然一杯で水も豊富だが、こんな所にずっと住むのだけは勘弁してほしい


 
09時58分 岩間8m滝                        10時12分 巨大な岩がデンと構える  

別子銅山 下部鉄管道取水口 かな?

 
    10時20分 沢の左手に住居跡がみられた  土管やトタン屋根が散乱している

後からわかったのだが、この辺りでは別子銅山「下部鉄管道」の取水口があるらしく、この付近から延々旧別子の東延
付近まで土管や鉄管で水を送っていたらしい。(但し この場所は取水口より少し下流で造林小屋跡かも知れない)

この鉄管道について解説されえいる曽我さんのHPは ここ

この中にある高橋幹さんの鉄管道地図は非常に興味深いものでした。曽我さんと高橋さんにはこの地図を拝借
させて頂きました事を感謝致します。下記地図によると下部鉄管道の取水口はナベラ滝の上部になっていますが、
滝下のこの付近も標高的に考えて取水口であった可能性は高いです


高橋幹さんの上・下鉄管道地図



いよいよナベラ滝の登場〜

倒壊小屋からも相変わらず平坦な沢で、10時30分滝が二手に分岐していた。恐らく左手は物住ノ頭方面への
分かれ目で地図にある岩壁のマークがどんな場所か気になったが、ここは本沢にそって右側の沢を選択する。
後で知ったのだが、この地図に記されている岩壁マークは採石場付近であるらしい。

  
     フラットな沢が続く              10時30分 沢分岐を右手に進む

あまりにも平坦な沢なのでちょっとこのままでは済まない気がしてきた頃、10時39分釜を持った6m滝があり
迫った岩間を抜けると眼前に白っぽい大岩盤が現れた

日浦谷の三連滝

第一滝 (なべら滝) 10時40分〜10時48分

一番滝は大きく広い岩盤を持っており、これが「ナベラ滝」と思われる。右手の侵食されたクリークから水が落ち
ている。


こういう場所は遠目に見ると厳しそうだが、近くによって様子を見る事が肝心で、結構ルートがあるもんだ。難し
ければ左右に逃げる事が可能なのだが、マーシーさんがザイルを持っているので直接岩盤に取り付く事に。


右端に落ちる滝のど真ん中を進む事は明らかに無理で、その左側の岩盤に斜めバンドが走っている。そのバンドが
3分の2の高さまでしかないが、その上側に岩のクラック筋が見える。


マーシーさんは難なくバンドの上部まで上がり、私が途中までロープ確保で上がる。安定した場所で待機し更に
マーシーさんが岩の割れ目を伝って上まで這い上がる。次に私が上からの確保で割れ目に手や足をかけて這い上がる。
ロープの確保が無かったらとてもじゃないがこんな場所を這い上がる暴挙は決してしない。


 
10時35分 静かな沢風景に満足〜               10時40分 これが三連滝の前兆だった

 
   うんりゃ?  なんや この滝は?    上部はクラックを足がかり手がかりに トップはマーシーに決まっとります
                           グッド上部(ジョッブ) ちょっと苦しいのんびり山歩きさんクラスのダジャレ



 「 ナベラ滝 」どことなく 鏡沢にあった鏡岩を彷彿とさせる大岩盤です
左でも右でも迂回は簡単なのにザイルがあるから中央突破でいきませう


            ナベラ滝を上から見下ろす


大岩盤を這い上がってホッとするのも束の間、上側に2番目の滝が現れた。

第二の滝 10時50分〜10時57

二番滝はナベラ滝と対照的に狭い岩盤を水が勢いよく落ちている。遠目に岩がゴツゴツしていて何とかなり
そうだった。だが近づくと予想に反して難しそうな岩盤である。先ず左手のバンドを伝って3分の2程上がる。
そこから左手には安全な手がかりが無いので滝の下を潜って反対側に出なければならない。

こちら側でロープを確保してマーシーさんが滝を渡る。結構水量が多く冷たい滝水を一杯被りながら慎重に
渡った。さて次は私の番だ。あれ? こんなシーンが過去にも確か・・・・黒滝の冷水修行の嫌な記憶が蘇った


滝のバンドを渡るのは一見容易そうだったが、いざ滝に突っ込むと物凄い水量の攻撃にあって何も見えない。
手探りで足場と手がかりを探すが中々見つからない。いくらロープで確保されていると言っても転落は真っ平
だ。全身水だらけで滝の向うに這う様にして飛び出す。 又二人で顔を見合わせて大笑いする。 
あ〜〜寒〜〜う  マーシーさんとの沢歩きにはどうも水攻めの修行が付き物の様だ。


    
      2番滝も結構迫力がありまっせ  遠目には簡単そうなんですがねえ

 
う〜〜ん 取り敢えず左から這い上がってそこで考えよか      やっぱりこの滝バンドを渡る羽目に・・・

  
      2番滝も結構落差があり、渡った滝のバンド渡りも水量がありスリルがありました

第三の滝  11時05分〜11時13分

更に上側のテラスに出てホッとすると、更に流木の向うに次の滝が現れた。
第三滝はのっぺらとした逆層スラブの岩盤を左手に沿って滝水が流れていた。傾斜は一番緩そうで何とか
なりそうだったが、いざ岩盤に取り付くと手がかりに乏しく結構滑る。


ここも3分の2までは容易だったが、その上がツルツルで手がかりが非常に少ない。スルスルと蜘蛛の様に
(いやヤモリの様に・・・)這い上がったマーシーさんが上から蜘蛛の糸を垂らす。


スワミベルトのカラビナにロープをセットして足がかりを探しながら這い上がっていると、いきなりマーシ
ーさんが上から蜘蛛の糸を引っ張り上げ出した。ぐへっ 私の腰スワミベルトが胸まで上がって肋骨を締め
上げる。ぎょへ〜 マーシー ちょっと待った〜 わたしゃボーンレスハム状態やんけ

ちょっとした滑落防止の確保にはハーネスは不要だが、こんな状況ではスワミベルトはキツイ。息を整えて
又手がかり足がかりを確認しながら進むと又上から蜘蛛の糸が力強く引っ張られる。 グエッ ちょっと
待った〜 息が苦しいよ〜〜

11時13分胸を締め付けられたまま第三滝のテラスに這い上がる。
ふぅ 肋骨が折れるんじゃないかと
思ったわ
  やっぱりB型人間とA型人間は協調性が問題だという事がわかった


      「3番煎じの滝」も左から巻くと容易に上がれるが、ここも中央突破だ〜〜

 
逆相スラブ気味なので手がかりに乏しい 最後は苦労した     あ〜〜 胸が苦しい滝上がりだったわい



三連滝を越えると暫く平坦な沢となる。すぐ左手上に石垣が見えたので這い上がって見ると道があった。とする
と日浦谷の沢沿いにはこの辺りまでずっと道がついていそうだ。こりゃ冬場の楽しみが出来たというものだ。



11時22分6m斜滝があり、その向うで沢は二股に分かれていた。左側の沢は地図にある大岩盤付近を経て
日浦谷下部より伸びた古い車道方面へ伸びているはずだ。ここは沢の主流である前赤石方面へと続く右側の沢
を進む。


ここを少し進むと左手に炭焼き窯の跡があった。こんな場所に炭焼きの場所があるって事は別子銅山の精錬用
炭と関係があったのかも知れない。


右から細い滝が落ちてきてしばらく進むと11時37分沢に赤石橄欖岩が現れ、ここが前赤石の直下である事を
主張する。一旦岩とコケの伏流水地帯となるが、直ぐに水が現れる。この辺りから沢は狭まり、流れが細くなる。

11時48分段々の斜滝10mがあり、これでまともな滝の終了となった。12時00分 沢の最終分岐があり
GPS
にて位置確認の後、前赤石直登ルートである左手の沢を進む事に決める。分岐を左手に進んだのは同等分岐では
これが初めてだろう。


 
11時17分左手に石垣があるので這い上がると道があった  3連滝を過ぎると又平和な沢風景に戻る


 
 11時22分 ちょっと落差のある滝      11時23分 小さな分岐は右へ進む

 
小さな分岐を過ぎるとすぐ左手に石垣があり     11時26分も右側の高みに向かって分岐しており
炭焼き窯跡があった               更にその右上から小滝が落ちているがこちらへは行かない

 
 
   11時48分 これが最後の滝となる  12時00分 最後の分岐は左へ進む(上から見ている図)

ここから15分歩く間に周りに笹が現れて来て、水も途切れ気味になったので、水のある場所で昼食を取ろうと
いう事になった。まだ衣服が濡れて寒いのでマーシーさんの沸かすお湯をもらい、それを飲んで身体を温める。


20分程昼食休憩の後、12時35分出発。案の定この上側で水が切れ、枯れ沢となった。この後はコケの生え
た橄欖岩のガレ場を進む。所々で藪っぽくなるが足元のガレ場を探しながら進む。とても周りの藪に入る気が
しない。


 
     赤石橄欖岩が出てくる                 12時15分から35分まで最後の水場で昼食

 
12時45分橄欖岩に苔が生えているのが沢筋の証拠だ 12時50分 ちょっと藪っぽくなったがあくまで沢筋を進む

12時52分前方が開けて岩峰が現れる。いよいよ前赤石の岩稜地帯である。高度差のある橄欖岩のガレ場を
這い上がるのだが、掴む枝はほとんどヘビノボラズでその刺の洗礼を受ける。アサマリンドウとシラヒゲソウ
が元気をくれる。相変わらず視界は悪いが少しだけ霧が薄く展望をプレゼントしてくれた。


 
12時52分 前方が開けて岩峰が見えた          12時56分 這い上がって来た日浦谷の源頭部

 
    若干ルートを左目にとって進む                             シラヒゲソウ

右手に大岩が覆いかぶさっているので少し左手を岩に沿って上昇する。13時20分 いきなりトラバース路に
這い上がった。ご来光の滝から面河道に這い上がる時もそうだが、下からは登山道が見えず突然あっけなく飛び
出すのだ。


霧で場所が定かでは無いが、山頂直下付近である事は間違い無い。トラバース道を横切ってそのまま前赤石山頂を
目指す。
歩きやすい場所をなるべく左方向へ進んで前赤石山ダイレクト登山を試みるがほんの少しだけ東側に外し
てしまった。


13時30分前赤石の山頂に到着する。県道より日浦谷に入り5時間半で前赤石山に直登した。藪は殆どなかった
し、快適な直登ルートであった。
霧の中10分位休憩し、写真を撮りながら沢靴を登山靴に履き代える。



 
13時20分前赤石トラバース登山道に這い上がる       更にそのまま前赤石山頂を目指す

 
   13時30分 日浦より5時間30分かけて前赤石の山頂へ着いた

 
数少ないエントツ山の写真 マーシー頼むぜ〜           銅版標識も異常な〜し


前赤石山のルートについては細い尾根筋を安全な場所を探しながら進めば良い。今ではウザイ程の赤テープや岩ペンキ
が嫌でも目に付き、ルートを探しながら歩く面白さが無い。さっさと下山して尾根縦走路を歩く。

小足谷鉄製標識分岐から接待館へ下る

14時15分物住ノ頭14時55分西赤石15時40分小足谷鉄製標識を左に折れる。この道は以前から
気になり歩きたかったルートだったが入り口の余りの笹藪深さに恐れをなして遠慮していた。


 
          物住ノ頭                        西赤石山

 
  小足谷分岐を左に折れる 最初は笹薮だ              直ぐに快適な道となる


最初は笹薮が酷くとても歩ける状態には見えないのだがそこを我慢すると直ぐにまともな道となる。一般登山者が
迷い込まない様にわざと笹を刈らずに藪状態にしているのだろう。事実ここから接待館まで歩いてみて時間的には
銅山越への一般道と時間的にそう変わりはないし、コースも複雑なのでショートカットルートとしては余り意味は
無い

15時55分 立派な踏み跡が尾根を横切っていた。右へ進むと東延斜坑跡へ続いているらしいからこれがいわゆる
鉄管道だろうか。ここは真っ直ぐそのまま尾根を下る。

道は所々不明な場所もあるが赤テープなども見られるから結構歩かれている道らしい。暫くすると崩壊地があり西山
方面が見える。まだ高度差が相当あるようだ。松林の尾根になり16時10分鉄塔の様な物を過ぎる


 
15時55分 道と交差する  これが鉄管道かも知れない    16時10分  鉄塔を通過

その後は樹林帯をジグザグに下り16時25分石垣が組まれた住居跡に出ると接待館の裏手にあるレンガの門の
横に出た。酒造所跡の煙突横を通って登山道に復帰
16時48分日浦登山口に到着した。

 
  樹林帯を下る  ちょっと道が不明な場所あり           16時25分 接待館の裏手に出た

 
産業遺産 醸造所の煙突も整備されている様だ       16時48分 日浦登山口に帰る


今回の日浦谷から前赤石山への直登ルートはマーシーさんの協力によってここに成し遂げられた。又、この日浦谷
遡行は今後別子銅山に於ける西赤石山南面の役割や地形を知る上で色々含みを持たせる意義深い旅でもあった

我が故郷に自然の豊かさ・美しさのみならず歴史を持った山々が存在するのは嬉しい限りであります。

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