平成22年10月2日(土) 石ヶ山丈 旧端出場発電所用・導水路跡を歩く


端出場水力発電所跡―落水鉄管敷設跡ー石ヶ山丈貯水設備跡―石ヶ山丈停車場跡―
貯水池跡(沈殿池・沈砂池)ー水力発電用導水路ルートー東平



カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 

端出場発電所跡(09:00h)―落水鉄管敷設跡ー石ヶ山丈貯水設備跡=沈殿・沈砂池跡(11:20h)―
導水管第1暗渠(11:45h)ー石ヶ山丈停車場跡=ペーコさんに遭遇(12:10h)―導水管第1暗渠(13:00h)ー
導水路跡ルートー東平
(14:50h)


以前から国土地理院2万5千分の1地図にある上部鉄道跡の下側に続く破線ルートが端出場発電所への
用水路であるらしい事を聞いて気になっていた。

掲示板でその事を話題にするとさっそく「伊予の鈍亀」さんが途中まで歩き、「ペーコ」さんも後に
続いた様だ。こりゃ言いだしっぺの私としては全ルートを歩かにゃイカンやろ。


・・・と言う事で10月2日早朝、折り畳み通勤自転車を東平(とうなる)に置き、マイントピア別子の
対岸にある旧端出場発電所跡から通水管跡を直接石ヶ山丈貯水場跡まで這い上がり、導水路を辿って
東平まで歩く事にした。

「旧・端出場水力発電所」とは

別子銅山では施設の近代化につれてそれまで稼動してきた小規模の火力発電や水力発電では間に合わなく
なった。大幅な電力の供給が重要な課題となり、当時日本一 597.18mの落差を誇る「端出場水力
発電所」をドイツ製発電機を導入して明治45年稼動させた。
最大出力は当初 3,000kw でその後 4,500kw
(T12年)  4,800kw(S5年)となり別子銅山ー住友金属鉱山の電力供給に貢献した。
ちなみに現在四国で最大出力を持つ発電所は四国電力本川発電所で61.5万kwとなっています。

その当時日本一の落差を誇る水力発電所の水はと言えば、銅山峰を隔てた「銅山川」の川水を日浦通洞、
第三通洞を経て東平へ通し、そこから壮大なる導水路を石ヶ山丈貯水池(沈殿・沈砂池)まで建設した訳で
ある。
大正時代にはこの発電所から四阪島精錬所へ海底ケーブルを使って送電していた。

昭和45年別子銅山の閉山を控えてこの旧端出場発電所は閉鎖され、今はマイントピア端出場の対岸に
明治時代を彷彿とさせる雰囲気でレンガ造りの建物が残されている。今年(2010年)4月、住友共同
電力から建物と中の機械が新居浜市へ寄贈されたらしい。


第1章
旧・端出場水力発電所跡から石ヶ山丈(いしがさんじょう)貯水池跡(沈殿池)まで  
約2時間20分
 


旧端出場水力発電所上の道路を挟んで導水管(水圧鉄管)が山に向って延びている。その入り口に
セメントの石段があり、道路下部の沢側に駐車スペースがあったのでここにラッシュを停める。

建物はロマンチックなのだが、何せ 600m近くの落差を誇った山の傾斜で、今はどうなっているのか
わからない荒れ道を想定して汚れても良い服装と長靴で行く事にする。


09時00分セメントの階段を上がると少し右に迂回して階段が上に向って続いている。他のHPなど
では「今は貯水池まで行けない」と書かれていたがそんな事はないやろ。要は歩く気があるかどうかの
問題だ。最初のところは快適な道である。

あっという間に第1段階(階段?)をクリアすると林道に行き当たり、ここに「新居浜市立郷土美術館・
自然漫歩の集い・「端出場水力発電所 導水管跡」の標識が立っていた。



現在残っている旧端出場水力発電所跡 (平成22年10月2日撮影 
レンガが少し黒っぽいのは戦時中の爆撃から逃れる為施された迷彩色の名残りらしい

 
導水管を巡る入り口はここ  道路下に車を止めている      右手から石段が上に続く 鉄管はないが台座が残っている

 
    トーチカみたいな鉄管支持施設                  突き当たると道は又右に振る

 
  こんな看板がおかれている (ここまでは整備されている)    ここは昔の牛車道跡か住友共電の保線路やろね


ここを右に迂回すると住友共電「東平線」の鉄杭があり、09時15分鉄塔付近を通過して更に上を目指す。
石段は少し荒れ気味ではあるがもっと荒れた両サイドの植林地帯を歩くよりは快適である。今日は徹頭徹尾、
頑固に落水鉄管路跡を這い上がるつもりである。


 
まず、住友共同電力の鉄塔付近を通過  (09時16分)          マイントピア別子・端出場ゾーンの駐車場が見える

09時22分広い道路に出る。見上げると左手の斜面一体が伐採地となっている。上がり口は荒れていたが横手
から這い上がると又比較的歩きやすい窪地に石段が続く。左手には伐採地が続くが荒れていても落水鉄管跡に
沿って歩くのが楽しい。こんな山中にレンガ造りの鉄管を支持する出城が現れるのだ。

でも結構枝打ちなどの木々が窪地に溢れて往生する場所もある。行き詰って一旦右に見える四国電力・鉄塔付近へ
09時40分一旦這い上がる。

ここには四国電力の鉄塔巡回路だろうか整備された広い道があるが、上側の藪か薄い場所から又溝に復帰する。

 
     結構デデカイ施設やなあ               林道への這い上がり口と林道からの這い上がり口が特に藪いている

 

 
    これ位の荒れ方なら楽勝や〜                 お〜 ええ感じ  インカの遺跡みたいやわ

 
    次第に端出場が眼下に遠ざかる                上側から見ると鉄管のフランジ・ボルトが残っている


 
        左手には伐採地が続く                         随分荒れてますなあ

 
       09時40分 四国電力の鉄塔            又藪に復帰すると 09時45分上の道路に出てそこを又上がる


更に上を目指すが、藪っぽい窪地に往生して赤土に滑りながら這い上がると09時52分又、林道が横切って
いるパターンが続く。(こんなに林道と交差して、果たして直登する意義があるんだろうか?)と思いながら
もやはりクネクネ曲がる林道など歩くのはまっぴらだい。

林道に出る度にログ取りの為左右に林道を少し歩いて見る。皮肉にも林道からの方が下界が良く確認出来、
そこから見るマイントピア端出場付近の景色が次第に遠ざかる。


所々に出現するまるで城の城壁の様な立派な石垣の間に続く導水管のルートを追う。赤土でズボンがドロドロに
なりながら倒木を乗り越えて進む。
10時00分 トーチカみたいに大きなコンクリートの塊に丸と四角の穴が
空いている場所を通過。

すると10時03分 又道路に飛び出す。枝打ちされた沢山の枯れ枝を乗り越えると又もや10時11分道路に
出た。 何じゃこりゃ


基本的には石段がある場所は窪地に戻ってそこを歩く。藪が濃くなり蔦っぽい蔓に行く手を遮られるので右へ
迂回し、又左手へと倒木伝いに移る。

 
     09時52分 道路に出てまたそこから這い上がる         勘弁してよ〜〜  藪は嫌いぜよ


 
        石段が現れるとホッとするわい              ムムッ    丸が鉄管で、四角が通路

 
    10時3分 又道路やんけ                      四電の鉄塔も随分下になる


次第に標高が高くなり左手に立川山の尖がりピークが見る。でもまだ稜線までは随分ありそうだ。ここから
20分位は中々雰囲気の良い鉄管道である。 蔦が垂れ下がる崩れかけた石段を一歩一歩上がっていく。
ふと考えると「これって立派な産業遺産ではなかろうか?」同じ産業遺産でも場所によっては整備され、ここ
ではこんなに荒れ放題だ。この藪道の不公平さを想いながらも、缶ビールや飴の紙などのゴミは落ちていない事
に満足して更に上を目指す。


 
  人生 苦難を乗り越えてナンボやで                        荒れ放題の鉄管道

 
 右手に振ると又行き詰まり左へ倒木を踏んで渡り返す              ええ道やぞえ

10時25分セメントで補強された林道に這い上がる。そこから少し藪っぽい鉄管道を這い上がっていると
ハンショウズルが咲いておりすぐにその上にある林道へ着いた。右手はヘヤピンカーブになっており、この林道
は一体何処からスタートして何処まで続くのだろう?

 
 
10時25分 コンクリートで補強された林道に着く            藪っぽい鉄管道に向かって這い上がる

 
   端出場が相当下界に遠ざかる                     ハンショウズルがひっそりと咲いていた


 
     林道は右手でヘヤピンカーブしていた            又 林道から這い上がる

さて10時30分林道を這い上がり最後の詰めに入る。相当高度を上げているのであと30分位這い上がれば
貯水池近くまで到達するだろう。基本的には植林地帯であるが、鉄管道には杉が植えられていないので窪地が
残されて荒れてはいるがルートははっきりしている。

そしてこの最後の詰めが一番良い雰囲気に浸れる場所でもある。



鉄管補強施設  左の円形でドイツフォイット製の水圧管を支えていたらしい  右の四角は通路


 
  この辺りが下界を見渡せる最後の地点           土砂崩壊から鉄管道を守る為石垣が両側「に積まれている

 
        鉄管が埋まって残されていた                  人が通る四角い方をくぐるの図

  
         アケビの殻が沢山落ちていた                    最後のトーチカ


11時10分 見覚えのある平坦地に着いた。周りには笹が生えており標高も高く、雰囲気的にきっと牛車道だろう。
ここは以前マーシーさんと煙突山から尾根を歩いて石ヶ山丈を目指した時に通った貯水池直下の場所だった。


 
         貯水池直下の林道                        もう長靴もズボンがドロドロや〜

後日、伊予の鈍亀さんがこの辺りを歩いてログを頂いた。今回鉄管道を直登し途中何度も出くわした林道の存在が気になっていた。
と言うのは石ヶ山丈から立川まで索道が敷設されるのであるが、それまでは牛車道が存在していたのだ。ひょっとしてその牛車道を
利用して林道が現在使われているのではなかうか?

下の地図が伊予の鈍亀さんが歩かれた林道のトラック・ログ図であるが、これを見るとまさに牛車道にほぼ間違いない!こんな
ルートを歩き通したのは近江牛と牛使い以外には伊予の鈍亀さんたちだけでしょう。 貴重なログありがとうございました。

石ヶ山丈〜立川間 牛車道図

カシミールを使ったGPSトラックログ図 (伊予の鈍亀さん提供)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 

ちょっと左手へ進み以前歩いた煙突山からの尾根部を確認に行った後、いよいよ最後の薄暗い石段を上がる。
倒壊しかかった小屋があり、11時20分その横手からレンガ造りの貯水施設に這い上がる。


*この石ヶ山丈貯水池は正確には春秋さんの調べによるとここで砂を沈殿させる施設=沈砂池である事がわかった。

懐かしい石ヶ山丈貯水池跡をグルリと半周する。ここへは中学時代、立川(たつかわ)に居た悪がき仲間と
一緒に来た懐かしい場所だ。当時はこの水槽には満々と水が湛えられていた。石段を歩いてここまで来た
記憶があるが、2時間も歩かなかったのできっと立川の神社方面から林道を歩いて来たのだろう。

今では水槽部も松などの木々に覆われて荒れている。錆びた水門や歯車がここが使われなくなって久しい事を
物語り、時間の経過の寂しさをかもしだす。

左手に進むと石ヶ山丈分岐(魔戸の滝・石ヶ山丈尾根コース・上部鉄道跡の三叉路)への登山道が続き、
以前はこちらを進んだ。

今回は右手に回りこんで残された水路に沿って東平(とうなる)まで歩く訳だ。


 
       最後の階段を歩く                       壊れた作業小屋横手から木を伝って這い上がる

 
               水門だろう                          落水鉄管への出口付近

 
   こちらを進むと石ヶ山丈登山道へ                     今回はこちら、右手を進む


第2章 石ヶ山丈導水路を歩く   
石ヶ山丈貯水池跡(沈殿池跡) 〜 端出場水力発電用導水路 〜 東平   約 2時間

11時30分しっかりしたクリークの右手縁に上がって歩く。幅が60cm位あるので危険はなく、そこが
一番歩きやすい。
暗い植林地帯に立派なレンガ造りのクリークが続く。こんな山の中に似つかわしくない立派な
施設なのだが、それがうまく森にとけこみ何とも不思議な光景だ。

右下10m位に小さめのクリークが並行して走っている。植林の中に続くクリークを追っていると11時45分 
導水路が暗渠の中に消えていた。
    あんりゃ さて続きはどげんしたばってん??


              導水路コースへの入り口 右のブロック上を歩く

 
下側に平行して小さい水路が続いている                植林の中をクリークが続く

 
           所々で段になっている                下側に水を落とす施設がある



                    クリークが暗渠に消える  (11時45分)

ふと上を見上げると石垣があるのでそこに向って這い上がると荒れた林道だった。這い上がった林道を右手に
下がると、先ほどクリーク沿いにあった林道とヘヤピンカーブで合体した。


すると導水路の続きは何処へ? この辺りを探索するが岩尾根を上に這い上がるルートしかイメージが湧かない。
(これは絶対違う・・・)

とすると、残りはこの林道を進めばクリークと出会えるかも?・・・と二者択一に考え左手に向ってクリーク
とは反対方向へ歩く。しかし
いつまで経ってもこの林道は右に振れず、とうとう石ヶ山丈の直下に出てしまった。

う〜〜ん それならば上部鉄道跡を少し東平側へ歩き、適当に下り易い支尾根を下って導水路に合流しようかと
考えた。12時10分石ヶ山丈分岐に上がり、上部鉄道石ヶ山丈跡を歩いていると前から一人の男性が・・

こんな所で気味が悪いなあ・・あれ? どこかで見た人だけど  あ〜ペーコちゃんじゃないの 「どうしたの 
こんな所で?」「そちらこそ何しとん? こんな所で」

ペーコちゃんは先日「伊予の鈍亀」さんと同じく前回撤退した壊れた鉄橋部の続きを歩きに来たらしい。人生
リベンジ精神って大事なのよね
「ここで会ったが百年目!(仇かい?)」「 千載一遇のチャンス(大げさ)」「
待ち人来る(いや 待っては
いなかった)」 「渡りに船 ?(ちょっと違う)」 「旅は道連れ (一緒に歩かないし・・)」 
正確にはこんな出会いで何と表現するのだろう?

兎に角、事情を説明してルートが不明だった場所まで一緒に行って貰う事に。 「その前に昼飯を〜」
一緒に石ヶ山丈の分岐あたりで食事をする。こちらはいつものローソン卵おにぎりときたもんだ。
その後、一緒に貯水池方面に少し下り、先ほど来た左手の林道へ進む。

 
    林道合流地点から左へと進んで見る                ちょっとガレてはいるがしっかりした道が続く

  
石ヶ山丈駅付近の石垣                              石ヶ山丈登山道分岐

 
  あんりゃ? ペーコちゃんじゃおまへんか              じゃあ ここでお別れを エントツ山さん グッドラック


12時50分ヘヤピンカーブに帰り着き、「ここどう進むのよ」と聞くと「この右下に見える狭いスペースです」と
言う。まさか・・・・ここは想定外だった。 そうか! ここは三択問題だったのか〜  ヒントを頂いたので
導水管が消えた暗渠まで二人で歩きここで別れる。別れ際に「途中まで一緒に行きましょか?」とペーコさんが申し出て
くれたが、折角の冒険が台無しになるので丁重にお断りをする。


さて、13時00分 くだんの狭いスペースを岩に沿って斜めに進む。どうひいき目に見てもこれは導水路に進む
まともな道とは思えない。沢部に行き詰まり上に行くか下に行くかさっぱりわからない。少し上に這い上がるが、
これだと谷の上部を大幅に迂回する事になる。そこで少し引き返し鋭角に切れ込んだ沢部へ下がる事にする。


平らな場所まで木の枝を頼って下がると「あれ?」眼下に導水管が見えるではないか

又もや木の枝を頼ってこの導水管まで慎重に下りて行く。13時10分導水路の右縁に這い上がると、上からは見え
なかったがそこから又快適な導水路が続いていた。ラッキー〜



ここが導水路コースを歩くターニングポイント  林道ヘヤピンカーブの端から右下の狭いスペースに向かって進む
(岩尾根を上がってはいけない)

 
     大岩にそって狭い踏み跡を辿る               木々が茂っているので危険は少ない


   沢部に突き当たり、そこを少し下ると下側に導水管が見えた  ホッとした瞬間 上からここまで10分弱

深い山の中に続くレンガ造りのクリークを進む。町の中なら工事も簡単だか、こんなな山中と地形を考えると凄い
施設だ。(もちろん上部鉄道はもっと凄いんだけれど)

2回程導水路は暗渠に消えて岩肌を回り込むと又現れる。

13時26分短い鉄橋が沢部にかかっておりしっかりした骨組みは残っているので渡る。直ぐに次の暗渠が現れ
又迂回路を進むと13時40分鋭く切れ落ちた沢に壊れた長めの鉄橋が現れた。
は〜〜ん これが伊予の鈍亀さんやぺーこちゃんが撤退した場所か〜
確かに相当下の沢まで高いので落ちたら相当危険が危ない。(古〜〜)

恐らく上部から相当大きな落石があったのだろう。ぐにゃぐにゃになって原型を留めない鉄橋が向こう岸まで
延びている。良く見ると情けのない形の割りには鉄骨部がしっかりしているではないか。足場さえ気をつければ
落下はしないだろう。途中でスリルを味わいながら向こう岸まで這い上がる。


 
    また素晴らしいクリークが続く                    暗渠があると道は右手に迂回する。

 
  岩の中に暗渠が消えると右側に迂回路がある          迂回路も中々趣深い


                岩に沿って伸びるクリーク  いい風景だわ



 
    長め迂回路があり峠を越える                              峠を下がる

 
  導水路に復帰すると短い鉄橋が現れる              おっとっとっと  と端の鉄部を渡る
  

  
又鉄橋がありその向こうが暗渠となり迂回路がある            迂回路へ進む

 
   迂回路もしっかりした道となっている                 これかい  壊れた鉄橋ちゅうのは
 
 
   ほ〜〜 結構深い谷じゃこと                   何処が現役の強さがある鉄部か見極めが必要だ


     鉄橋を渡って逆から長める  この崩壊は巨大な落石によるものだろう

*ここの迂回路は鉄橋手前から上側へ這い上がり、鉄橋部の少し上流部に平坦地があるのでそれを利用して渡る事
  が出来る。いずれにしても自己責任でね

鉄橋を渡ってから5分位するとトタン小屋を通過、そこから更に10分ほど進むと、少し広い沢がガレている
場所に出る。白っぽい巨大な落石がデンと構えており少しルートが分かりにくいがよく見ると右手に導水路が
延びている。
短い鉄橋が又出現するがもう危険な場所はない。

緑の自然林の中を一本のレンガ造りの水路が延々と延びている。とても気持ちが良い景色だ。

レンガの導水路がある場所では右側の縁蓋に沿って歩く。幅が60cm位あるので快適だが、場所によっては
10m位の崖になっている所もあるので高所恐怖症の人はちょっと足がすくんで歩くのが無理かもしれない。

14時10分 暗渠となるが直ぐに復帰14時16分 壊れた短い鉄橋を通過
14時17分 又、暗渠 覗くと向うの出口が見える。トンネルの中を歩けば早いのだが、さすが気味が悪い
ので遠慮する。右手から周り込むとすぐ向こう側に出た。


14時24分 谷をショートカットする長い鉄橋に出た。鉄管は撤去されて蔦などが絡んでいる。周りの景色
を楽しみなら低い姿勢でこれを渡る。直ぐに暗渠があり又迂回する。これ以降導水管は見ることが出来なかった。

銅山だからトンネルを掘るのはお手の物だろうがこんなに沢山暗渠があるのは確かにすごい。 
別子銅山よ お前はすご〜〜〜い。 そう叫びたい衝動を抑えて還暦のじいさんは紳士然と森を歩く。



 
    13時45分 トタン小屋を通過                     水路を鎹(かすがい)で補強している

 
     沢部崩壊地では導水路が切れる              こんな沢だから大雨が降ると岩が流れ落ちるのだろう

 
   地盤が悪い場所は短い暗渠となっている              落石というにも程がある巨大な白い落石

 
              尚も続く水路                    壊れてはいるがしっかりした骨格の鉄橋

 
 
 落ちたらアカン  落ちたらアカン〜 ♪                    暗渠と迂回路のセット図

 
   迂回路は導水路が敷設しづらい岩場が多い               こりゃ又保存状態が良いわ         


        岩を穿ち沢を渡り延々と続く「端出場発電所用導水路」

 
          暗渠前の鉄橋                        向こうに出口が見える

 
この木は落石や落ち葉防止の為に上に被せていた屋根かな    これでも写真の枚数 減らしているんですけど・・・


                        お〜〜  ここは絵になる風景や

 
   蔦っぽい木が生えて渡りにくい                      渡った鉄橋を振り返る

 
  14時26分 最後の暗渠を通過する              ここからは住友共同電力の鉄塔巡視路となる 

14時33分 人の声が対岸よりして東平が近づくと住友共同電力の鉄塔が現れた。住友共同電力「高藪西線」
の鉄杭があり左が47鉄塔、右が49鉄塔とある。この辺りから残念ながら平凡な鉄塔巡回路になっている為
導水路は見えなくなる。


14時42分「高藪西線」48番鉄塔の鉄杭を通過。快適な道を進むと見覚えのある東平第三広場に出た。

15時00分自転車を置いてある東平登山者用臨時駐車場に帰り、団体観光客であふれるマイントピア東平の
自動販売機でグレープジュースを買って飲む。


沢山の観光客がボランティアの説明を受けていた。服装が泥で汚れてひどかったので隠れる様にしてトイレで
ズボンを水で濡らしたタオルでこするが粘土なので落ちない。

広場では「ここからマイントピア近くにあった端出場水力発電所まであそこを通って水路があり石ヶ山丈貯水池
より発電用の水を落としていたのです」と観光客に指差しながらの説明をしている。それを横で聞きながら
(今そこをこの私が歩いてきたのですよ・・・)と心の中で呟いた。

自転車で東平から端出場まで軽快に風を切って14時50分車に帰る。

 
            住友共同電力鉄塔                     整備された鉄塔巡視路

 
    こういう場所が好きな道なんです                こういう場所ももっと好きなんですわ

 
       第三広場が向こうに見えてきた                意外と早めに東平に着いた

 
   第三変電所跡 明治37年から昭和40年まで稼動      通勤用折り畳み自転車  ブリジストン製やで
 
   もう服もズボンもボロボロですわ               30分で旧・端出場水力発電所に帰る


以前から気になっていた旧・端出場水力発電所の導水路ですが、伊予の鈍亀さんとペーコちゃんの協力でほぼ完歩
する事が出来ました。このルートを歩いたHP記録がまだ無いと思いますので写真も少し多めにしました。
また一つ新居浜人として、お二人のお陰で銅山峰界隈の面白い歩きが出来た満足感の一日でした。
  感謝



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