平成21年7月5日 瀬場谷遡行 石室越まで もう滝だらけ


瀬場谷登山口ー瀬場谷遡行ー石室越ー赤石山荘ー登山道経由瀬場谷登山口


                 瀬場谷の目玉   八間滝  落差 60m 3段

プロローグ

去年マーシーさんと瀬場谷から大いなる藪尾根「コマドリ尾根」を這い上がり駒鳥山を経て石室越に至った。
先日肉淵谷を二ッ岳まで遡行して面白かったので今度は「瀬場谷」を遡行して石室越えまで沢歩きをしようと話が
決まった。仕事は遅いが遊ぶ時の決断は二人とも実に早い。

それから地図で確認するにこの瀬場谷は赤石山系、峨蔵山、法皇山系の沢で一番距離が長いし、高低差も約1千m
程ありとても厳しい事がわかった。。
ネットで「瀬場谷遡行」を検索してもまともな記録は一つも出て来ない。されば我らがその記録を刻まん! でも
沢ヤでもない我々で大丈夫やろか?とちょっと不安になり今回は沢靴を使用する事にした。

前夜、よく雑誌で見かける沢スタイル、タイツと短パン姿になってみる。するとサマンサが「どう見ても怪しい中年
やわ。どうせ又タイツや短パンを破るんやからいつもの藪用ズボンで行ったら?」と言う。確かに鏡の前で自分の姿
を見ても笑える格好や。 似合わん やっぱ 止めとこ。

平成21年7月5日(日)四国中央市のとあるコンビニで0700時マーシーさんと待ち合わせる。天気はもう一つ
じゃが沢歩きやから多少雨に降られてもまあええじゃろ。
瀬場谷登山口までマーシーさんのパジェロ・イオで行き準備をする。 あれ? マーシーさんの正装姿は昨夜私が諦め
たタイツと短パン姿じゃないのよ

かくして瀬場谷遡行は曇天の中決行された。


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 (マーシーさん提供) (赤っぽい線が瀬場谷遡行ルートです)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである 

瀬場谷登山口(08:00h)−八間滝(09:00h)−瀬場谷分岐(10:30h)−大岩渡渉地点(12:20h)−石室越(14:50h)−
赤石山荘 (15:10h) − 大岩渡渉地点(16:00h) −瀬場谷分岐(16:35h) −瀬場登山口(17:10h)


ステージ1  瀬場谷登山口から瀬場谷分岐の丸木橋まで 08:06〜10:26h (約2時間半)

08時06分、東赤石瀬場谷登山口の橋を挟んで右手にある2m少しある護岸コンクリートを伝って沢に下りる。
なんとも盛り上がりに欠けるスタート地点だこと。数日前の雨で水量が結構多い。果たしてこんな谷の遡行なんて
出来るんやろか?現場の様子を見ながら少し不安になる。

案の定、最初から落差と水量とスリルたっぷりの滝がインディジョーンズの映画の様に次から次へと登場する。
フェルト地の沢靴は少し窮屈だが、あまり傾斜の無い岩場では非常に安定した歩行が出来る。一方ヌルヌルして
傾斜を持った岩は不用意に歩くとさすがに滑る。
何事も神以外にパーフェクトという物は有り得ないらしい。

滝下に滔々(とうとう)と水を溜めた淵を泳げば早めにクリア出来そうな滝があるのだが、沢用の防水グッズを持っていないのと、やはり
天気も悪く肌寒いので水の中に入る気もせずそういう所は迂回して歩く。デジカメは二人ともペンタックスの防水仕様なので深い場所に
落ち込まない限り問題ない。先ずは八間滝を目指して歩く。

 
瀬場谷登山口 マーシーさんがいる所から乗り越えて沢に下りる。   早速出ました 滝のオンパレード

 
        ここは左へ迂回                          今度は右へ迂回


            もう出だしからこんな滝かい


 
      ほとんどの滝が釜や淵を持っている              最初は水の少ない場所を探して這い上がる

  
   お〜〜 結構曲線的な滝もありますなあ             平らな風景もたまに出現

08時55分到底直接攻略が無理な淵(赤子淵)を右手に迂回する。キツイ傾斜を這い上がるとなんとコンクリート
の水路があった。発電所の取水口で丸いハンドルが付いた鉄製の器具も見える。
ちゅうことはこの場所までは下から何らか
の道が付けられているって事よね  今度はこの取水口への道を辿って・・・・・いやいや、人間楽をしちゃいかん。

その場所からクリーク越しに再び沢に下りしばらく進むと前方が緑の壁になっていて、どうもここで沢が右に曲がっ
ている様だ。すると右手上方から白い水がほとばり落ちてくるのが見えた。お〜〜ここが八間滝(別名 八間棚の滝)
に違いない。

09時02分、沢を進むにつれて次第にこの滝の全貌が姿を現す。落差も水量も申し分ない美しい滝だ。落差60m三段
に分かれて森の中から流れ落ちる景観にしばし二人は苦行を忘れこの躍動感に満ちた自然の造形美を眺める。


登山道から眺める八間滝ってあまりにも木々が生い茂り実のところあまりよく見えない。何か水の白い線が見えたら「あ〜あれが八間滝
や〜」って納得する。東赤石の帰りなんて疲れきって覗き見る人もいないくらいだ。そんな半分幻の滝を何の遮る物もなくつぶさに見上げる
この快感。 (まあ物によってはチラっと見える方が良い場合が多々あるんだけど・・・)


 
  きゃ〜 足を滑らしたら赤子淵にドボーンやで         急斜面を這い上がったらいきなり人工物があった

 
   お〜 これは絶対 八間滝に違いない        最近 ヒコーキ野郎が台頭してきたからシェーをぴしっと決めよう

         
                     八間滝の全容

 
           二つに分かれて棚の上から清流が流れ落ちる

 
記念写真を撮ったりしてひとしきり騒いだ後、やがて二人は顔を見合わせる。「ところで、ここ一体どうやって這い
上がるん?」 急に現実へ戻ってこの滝を這い上がるルートを目で探る。左手は谷が細く切れて途中で危険な場所が
ある事が予想された。狙いは右手の崖尾根に生えている木々を頼りに這い上がるルートだ。

滝壺の洲を対岸に渡り左岸の取り付き部を探して斜面に分け入る。すると途中からかすかだが明らかな踏み跡を発見。
これを辿って木々や岩を掴みながら上昇する。高瀑(たかたる)の滝を這い上がった時とよく似たシチュエーションだ。
途中の岩尾根から滝下が見渡せる場所がある。やはり上から眺める八間滝も迫力があった。
滝の上部に出ても崖の為直ぐには沢に復帰出来ない。左岸の上部を踏み跡を辿りながら09時47分沢に復帰した。


 
   八間滝の左岸(向かって右側)を這い上がる           八間滝の水が落ちている

 
      ヒメシャラやナツツバキが多い              30分くらいかけて上流の沢に復帰する


沢に復帰してしばらくすると水量の激しい滝が現れた。右手には這い上がるルートがないが、よく見ると滝の裏側が
棚状になっており裏を潜(くぐ)って左手(右岸)に出る事が可能だ。

マーシーさんが先に滝を潜(くぐ)る。「滝に打たれてちっとは煩悩を消し去れ〜!」と声を掛けるが当人は「ヒエ〜
〜ちびたい〜」と叫びながら滝の裏側を一目散に駆け抜けた。見ると全身ずぶ濡れである。

今度は私の番だ。近づくと凄い水量で足元も棚になっているものの変化があり、ここでつまずくと滝壺にドボ〜〜ンで
ある。ここは一つ修験者になったつもりでゆっくりと通過する。 

「おんばざら、あらんたんのう、そわか〜 のうまく、さんまんだ、ばざらだんかん 
     おんまからぎゃ、ばぞろうしゅにしゃ、 ばざらさとば、じゃく、うん、ばく〜〜」

「ひゃ〜〜 つべた〜い」必死に滝裏をずぶ濡れになりながら走り去る。 結局二人とも修験者にはなれない様だ。

右岸のルートは4〜5メートル程の崖になっており、少しの足がかりを頼りによじ登らなくてはならない。細いロープ
が掛けられているが、こんなもの当てに出来ない。先に這い上がっているマーシーさんにスリングでい確保してもらい
無事クリア。


 
       水量豊かな滝が続く                         岩盤を這い上がる


       早瀬に咲くアワモリショウマかアカショウマ?

 
  むむつ この滝をどう迂回しようか                    滝の裏を通れそうでっせ〜


           うひゃ〜〜   近寄ったら凄い水量や

その後も次から次へと滝が現れうんざりするが、少し平坦になったと思うと向こう側に丸木橋が見えた。10時28分
丸木橋の下を通過。10名位の登山者が丁度丸木橋を渡って東赤石に向かっていた。一人の女性が「沢 寒くないです
か?」と声をかけてきた。実は滝潜(くぐ)りの難行で全身ずぶ濡れになり少し寒かったが
大丈夫で〜す」とちょっと
見栄を張ってしまった。


 
   段になって岩を滑る瀬場谷の清水                よいしょ  こらしょ

 
    四国電力「本川幹線」の保線路が横切っている           大きな岩も当然あります


         ここの滝は立派な淵を持つものが多い

 
あそこにおわすは瀬場谷分岐の橋じゃおまへんか      瀬場谷分岐の橋の下を通過〜(あの立派な橋の下はこうなっております)

総評: ステージ1は水量も高低差もあり高巻きをしなくてはならない滝が多く辛抱が大事だ。圧巻は八間滝でこの
左岸を這い上がるのがポイント。その後も無数の滝が待ち受けている


ステージ2 瀬場谷分岐橋より第2丸木橋(大岩 渡渉地点)10:30h−12:18h 約1時間50分

登山道の名前ではこの場所は「瀬場谷分岐」と呼ばれているが、我々は分岐をする筈もなく引き続き沢を分け入ら
なければならない。瀬場谷分岐を越すとちょっとした淵になっているが、右岸が棚状になっているのでそれに沿って
這い上がっていく。その岩棚を上がると暫く滑(なめ)状の沢が暫く続く。

ホッとするのも束の間で、又高度差がある滝が現れてそれを乗り越える作業が待っていた。ヤマアジサイが沢の景色に
清楚な彩りを添えていた。


                       さらば瀬場谷分岐の橋よ

 
  瀬場谷分岐の橋が眼下に消える                     ありゃ  又滝かい

 
     滝の上からの眺め                        じゃばじゃばだ  ジャバダバダ

          

              清楚なヤマアジサイが沢風景によく似合う

突然巨大な岩の壁が右手に覆いかぶさって、正面も又岩壁が迫る。こりゃどんな事になってるんじゃろか?と思いながら回り込むと
10時50分右手に深い淵を持った「第一セリ割りの滝」があり、ここはその左側へ大きく迂回してクリアする。

水は高い所から低い場所へと流れる。どんな場所も変幻自在だ。岩をしなやかに滑り下り淵で合流する。その岩で
さえ長年をかけて穿っていくのだ。我々も液体が持つ臨機応変の根性を見習いたいものだ。

その後比較的平らな沢が続く
。岩にはヤマアジサイやアワモリショウマ、頭上にはヤマツツジが鮮やかに咲いている。


                      右手に巨大な岩が迫る

 
    巨岩の向こう側に細いセリ割りの滝があった       一枚岩の上を水が流れて落ちる


                    相変わらず アワモリショウマが多い

11時24分中央にどデカイ正方形の大岩がある「天狗のサイコロ滝」を通過。巨大な岩がゴロゴロしてスケールが
でかい沢風景となる。11時44分 「末広がりの滝」が現れ、ゴツゴツした岩肌を沢水が勢い良く広がりながら流れ落ちる。ここは
傾斜があるものの、足がかりが沢山あるので滝の中をある程度進む事ができた。

水しぶきを浴びながらイノシシ達の滝登りを終えると、更にその上に鋭い滝が2段になって続いていた。 一難去ってまた二難?


          「天狗のサイコロ岩」を挟んで谷水が流れ落ちる

 
防水カメラもレンズに水がかかって綺麗に撮影出来ず     巨岩の上にヤブウツギの花びらが落ちている

 
    淵に飛び込む体勢に入るマーシーさん           人生とは苦難を乗り越えるゲームなり



  「末広がりの滝」  蜘蛛が糸を放った様に上から水が広がり落ちる

 
    スパイダーマン マーシー                   あんりゃ まだ上に鋭い滝が待っていた

 
     この滝は左側の草付きを這い上がる                 沢水が森に消える

鋭い落差のある滝を這い上がりしばらく進むと12時02分 「蛸足の滝」が現れ、もう水に慣れた二人はこの傾斜の比較的緩い
滝の中を歩く。傾斜のある滑岩は文字通り滑って危ないが、普通の岩を流れ落ちる滝には傾斜が急でない限り手がかり、足がかり
があってちょっと沢ヤ気分を味わう事ができる。

この辺りの岩盤には白く貫入した鉱石の細い筋が所々に見られる。岩石が造られる過程は人間の想像を遥かに越えた不思議な
神の仕業である。

12時18分やっと第二丸木橋に着いたようだ。


             うむっ  蛸足の様な滝じゃとて


                 「タコ足の滝」を正面突破する


 
          白蛇岩                        滝を上から見る光景も見飽きた?

 
        くわばらクワバラ                          あら又 淵なのね


                         涼しげな沢風景

 
    やっと登山道第2渡渉地点の木橋が見えた                   木橋の大岩を裏側へ回る

ここでマーシーさんが「どうします?」って聞いてきた。最初は感激したり美しいと感じたものだが、確かにもう滝は
うんざりの気分になってはいた。人間の慣れという習性は様々な苦境を乗り越える重要な天分であるが、同時に又素晴
らしい感激をも薄れさせるという悲しい宿命をも併せ持つ。


でも、ここは断固初心を貫く。これも又人間に与えられた意志、心意気っていうものであろう。

              
              こっちに行く方が楽でっせ〜と悪魔がささやく

総評:ステージ2も相変わらず水量は衰えず大小様々な滝が現れる。でも八間滝の様な大迂回をする様なロスはない

第3ステージ 第2丸太橋より石室越え 12:18h−14:48h (約 2時間半)


橋の近くに大岩があり、その裏側に回りこんで最後の沢歩きが始まる。
この辺りでは水量はまだ結構あるが比較的平和な
沢風景が続くのでホッとする。又浅瀬が多いのでもう沢の中をジャブジャブと歩く事が出来る。お〜こりゃ快適な沢歩き
じゃないの。

15分位歩くとダムの様な低い滝が出現。その上にはミニ夫婦滝がある。この辺りでは岩石の中に赤茶けた鉱石が貫入して
いる。先ほどまで見かけられた白い鉱石が変色しているのだろう。

今までとうって変った穏やかでバラエティ豊かな風景が続くと13時02分 沢の二股部に着いた。



 
   傾斜が緩やかだが水量がまだある                  理想的な沢歩きやね


 
   このあたりは秋に歩きたいわ                      ダムの様な滝

 

                    ミニ夫婦滝

 
 こんな風景が続いてくれれば良いがなあ              うん?  又 落差のある滝が現れたぞ

 
  迂回するような滝の鋭さはなくなった                     赤筋の滝


                 12時48分 男性的な滝を通過する


 
   13時02分二股部に着く。主沢は左側なので水量の多い左側に進む。

沢の二股を主流と思われる左手に進み、幅が狭くなるにつれて沢部に木々が張り出してくる。足元の岩は赤石橄欖岩が多くなり、
赤石山系の山頂部に近づいた事を感じさせる。13時29分通過した「第2セリ割りの滝」で高度差のある滝は終わりを告げた様だ。

13時40分 遅い昼食を取る為10分程休憩。天気が悪いのであまり虫がおらず腰を下ろして休む。登山口を08時頃に出発して
初めての長い休憩だ。最近の昼食はコンビニの稲荷寿司と巻き寿司セットが多い。これは食欲がなくても口にし易い。

最近わかった事だが、人間の体はよく出来ていて相当キツイ山歩きをした所で消費カロリーはたかが知れている。しこうして山登り
だからといってチョコレートやスナック菓子などを持って行くと家に帰って体重計に乗ったら大変な事態になっている。

14時03分「双筋の滝」の岩盤を過ぎると急に沢が殺風景になり、川床もコケが生えて廻りが藪っぽい。やはり沢は水が流れて
いないとダメやなあ。

左手はコマドリ山から派生する急な笹薮斜面だが、右手上は稜線に近い高さが先ほどから続いている。

沢の両側には益々深い笹が迫り「あ〜あ 最後はやっぱり藪かいなあ」と嘆かせる。足元がゴロ石となり14時
37分沢部が無くなりここに「瀬場谷遡行」は終了した


総評:第3ステージの沢歩きは最も距離が長いが高低差が少なく滝を高巻きする所もあまりなく、快適な沢歩きを堪能出来た。
沢が切れた後の石室越までは約10分なので藪歩きの心配もない。



 
   赤石橄欖岩の岩が次第に多くなる              これが最後の落差のある滝やね 第2セリ割りの滝

 
     廻りに藪が多くなる                      ヤブウツギが色彩をくれる

 
  双筋(ふたすじ)の滝  別名 「鬼の両目に涙」滝     水量が次第に少なくなり両サイドに笹が迫る

 
  ほぼ水がなくなるガレ石部                       瀬場谷  沢の終焉

沢が終わり、藪とトゲアザミを避けながら正面の明るい高みを目指す。赤石山系には少ないブナやハンショウズルに
しばし足を止める。心配していた笹薮はほとんど無くスペースたっぷりのフィナーレを瀬場谷が提供してくれた。

クロズルを掻き分けると14時48分「石室越」(いしむろごえ)にドンピシャ着いた。ここで二人はお互いの健闘を
称えて握手を交わす。
朝08時登山口から沢に入り、約 6時間40分で今終着点に至った訳だ。やっぱ ここは一人じゃ歩けないわ。

怪我もなく、お金も落とさなければ多少の苦難も楽しい思い出になる。いい沢歩きじゃった。


 
ブナの風景  イノシシの獣道に沿って進む               痛いよ〜  辺りはトゲアザミだらけなの

 
あらま  ハンショウズル様じゃないの                 白く化粧した「おいらんブナ」がある

 
    じゃ〜〜ん!!  石室越に着いた〜〜                  無敵艦隊イノシシ号   


あたりはガスがかかり八巻山へ行く気にもなれず「今日は山頂を極めんでもええか・・」と赤石山荘に向かう。

タカネバラは既に花期が終了し虫に食われている。イワガサはまだ旺盛で、シラヒゲソウもある。ギボウシは蕾が
黒ずんで紫に変わる態勢を整えていた。花の写真を撮ったが、これは他のサイトで東赤石へ行ったレポに任そう。

15時09分赤石山荘の縁台で沢靴から槍ヶ岳に登った時の通勤靴に履き替える。マーシーさんの沢靴は釣具店で買った
と言うが、上部にファスナーが付いていて脱着が楽で良い。こちらモンベルの沢靴はくるぶし部が窮屈で水で膨らんだ靴下の為、脱ぐ
のに一苦労だ。

二人とも重たい登山靴を持って来ず、普段履きの靴に履き替えて楽になった。15時23分赤石山荘を後にして帰路につく。 すぐに福山
から来られた年配の3人家族を追い越す。例の橋千円効果で四国の山を楽しんでいるとの事だったが、天気が悪く薄暗いのでこの人達が
下山出来るのは日没ギリギリかも知れない。

15時48分 大岩渡渉地点の木橋を通過。沢を左岸に渡ると登山者のグループがいて挨拶をすると「原さん?」と声がかかる。
以前峨蔵山縦走でヘロヘロになり歩いていた時、後ろから3人くらいの沢ヤさんが風のように追い越し、途中で拾った私のストックを渡して
くれた方だった。「その節はどうも・・」
又もう一人の女性はその時にも居られた「沢ヤかアマゾネス」で私の石鎚北沢をアップした紅葉の美しさに引かれて女性2人で北沢を
這い上がった猛者だった。
色んな方たちが四国の山をそれぞれのやり方で楽しんでいる。

16時35分瀬場谷分岐で今度は橋の上を通過。平家の落人が拓いたという旧豊後(ぶんご)集落跡の筏津分岐を16時58分通過、
底の磨り減った通勤靴で濡れた登山道を滑ってズボンがドロドロになりながら、瀬場谷登山口に17時08分下りついた。


 
      赤石山荘  15時20分頃                        沢靴を脱いで楽になる

 
以前峨蔵山縦走時私のストックを拾ってくれた沢ヤの人      瀬場谷分岐  朝この下をくぐったんだなあ・・・
前の女性は石鎚北沢を私のネットアップ後に女性2人で
行って掲示板に登場してくれたアマゾネスだ

 
    やっぱ八間滝は直接見なきゃね ふふふ          瀬場谷登山口の橋に帰り着く   

今回初めて「沢靴」なるものを履いてみたが、水の中に入るという事がいかに安全な歩きを提供してくれるか思い知った気がする。
もちろん深い淵を泳いだり、腰まで水に浸かっての歩行は一切無かった。(浅瀬と間違って腰近くまで水に浸かった事はありましたが)
でも登山靴ならばもっと沢歩きの制約を受けた事だろう。

瀬場谷遡行を終えて撮った写真を見て唸(うな)った。
こんな同じ様な滝や沢風景のオンパレードでどう登山記を構成したら良いのだろう?と途方に暮れた。(おいわさんならお手の物だろうが)

先に述べたが四国の山では色んな方たちが色んなやり方で自然を楽しんでいる。我々の宿命として与えられた一つのジャンルを記録に
残す事もまた意義のある事かもしれない。

マーシーさん お疲れさんでした。

関連する登山記
「瀬場谷登山口から駒鳥尾根経由 石室越」 までの記録はここ
肉淵谷遡行の記録 「肉淵谷から二ツ岳」は ここ

    


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