平成19年10月6日  イノシシの挽歌
チチ山北尾根を這い上がる 河又ー北尾根ーチチ山ー獅子舞の鼻ー鉄塔巡回路ー河又

平成19年10月6日 チチ山北尾根を登る

このルートは言葉で言ってもまどろっこしい 下の地図を見て下しゃい

河又ー北尾根ーチチ山ーチチ山の別れー獅子舞の鼻ー船窪ー馬道の別れ
ー鉄塔巡回路ー大永山トンネル北側下山

登山口 0810h  − 鉄塔 1000h −  炭の道と交差 1230h
チチ山 1430h  − 獅子舞の鼻 1600h 下山 1715h
合計 約 9時間

カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)


以前から「獅子舞の鼻」ピークより見上げたチチ山がその急な北斜面よりせりあがった姿に惚れていた。いつかはこの斜面を這い
上がってチチ山へ登りたいものだ・・・

以前その話を聞いて「そんなバカな」と言っていたイノシシ大権現マーシーが黒森山へこの界隈からアタックしていて「チチ山へ
這い上がるいい尾根がおます」と言う。なるほど地図で確認すると河又を大永山トンネルへ少し上がった場所に尾根の最終尾
っぽが伸びていた。


チチ山とそれから伸びる北尾根 (角野ー立川ー大永山トンネル線より)

大永山トンネル手前の鉄塔巡回路入り口にラッシュと折り畳み自転車を置き、チチ山の北尾根の端となる切り通しへと下がる。
そこはゴムのポールが立てられた車の退避場所の様になっている。車をそこに停めて準備をしていると見た事のある車が止
まった。

ペーコさんやないかいな。黒岩山へ例の千手観音ブナを見に行く途中だったのだ。「こんな所で何しとんの?」「チチ山へここから
這い上がるんや」「え?・・・」「一緒にどう?」「遠慮しとくわ」 互いの健闘を祈って別れる。

 
「ペーコさん 一緒に行こうよ」       ここがチチ山北尾根登山口でございま〜す
「やだ ヤダ 勘弁してよ」(ペーコ)     (ヤブガイド マーシー)

さても、何とも言えんサエない登山口だこと。道路の切り通しから這い上がっていく。一応植林地帯だから踏み後があったり
なかったり・・・ 
幾つものピークを越えると進路を左に取らなければならない場所に突き当たった。そのピークの突端から先を見ると、左手に
一旦稜線が下がりその先から壁の様な尾根がチチ山へ向かって立ちふさがっている。

 
モミの木はどこでもデカイ           沓掛山・黒森山が右手に見える

植林地帯を下がりまた登り返して、それからも幾つかのピークをヘロヘロになりながら越えていくと鉄塔にぶち当たった。ここは
以前マーシーさんが見覚えのある場所だった。今までの尾根は言わば序章で、ここからやっとチチ山への斜面へ本格的に取り
付く事になる。

 
うへ〜 これを延々と登るんかい       鉄塔に到着

尾根にははっきりした道は無いがスペースがあり歩くのには支障がない。赤松の大木や立派な大きさのモミの木が尾根にあり
ビックリする。作業道の様な小道と交差したりして、やがてシャクナゲが現れる。この界隈ではシャクナゲと大岩とは切っても切
れない間柄。案の定とてつもない大岩が尾根にドンと構えている。

 
     尾根道                  境界石とリンドウ

 
    でっかい天然檜            尾根の定番 シャクナゲが現れた

左手にはツナクリ山、西山方面が、 右手には沓掛山が見え出すがまだ相当高い所に見える。という事はチチ山まで相当の
高度が残されているって事。 エライ〜〜


                覗いちゃイヤよ (沓掛山)

 
     大岩も出現              こんな場所   最高じゃ〜


あまりの急登にダウン寸前  こんな景色に元気を貰い 又歩き出す

やがて幅の広い道と交差した。尾根部には赤テープが見られる。はて? これが船窪から西に伸びてきた延長だろうか? 
としたらこれから更に沓掛山の鞍部まで続く炭の道だろう。(後日マーシーさんが船窪からこの道を西山越えまで歩いて笹ヶ峰
経由で帰ってきたから炭の道に間違いない)

 
広い道と交差した  テープも見られる   この道は笹ヶ峰方面へ伸びていた


マーシーが後日調べたこの「炭の道 」トラックログ図 
船窪から西山越付近まで続いている
カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図
(国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634)

さて、ここからは高度も増してエラいけど笹やブナなども現れる楽しい獣道歩き。でも何処までも続く急登に二人の息が荒くなり
ダジャレも出なくなった。枯れたブナの大木には菌類が森の輪廻のお手伝いをしている。点在する立派なブナを眺めながら獣道
の尾根寄りなヤツを選びながら高度を上げていく。やがて全面が開けてテンニンソウの群落地にやってきた。ここを避けて樹林
帯に少し迂回してさらに上を目指す。傾斜が更に急になりバテながらも必死にゴールを目指す

 
  笹が現れる緑の世界          大木が枯れて菌類が土に返すお手伝いを


     笹とブナと斜面の取り合わせは実にええなあ  ハアハア ゼイゼイ

 
テンニンソウの群落地                 もう急坂の連続


チチ山の主 ここにくるとチチ山の主役は南の笹原ではなく北側にある事が分かる

崖の様な岩場を木を掴みながらよじ登ると細い支尾根となり、ブナ越しに赤石山系の展望が広がる。先ほどから霧が出ていた
のだが次第に回復してきた様だ。
潅木と岩を這い上がって行くと眼前に大岩が立ちはだかった。左手に迂回は無理。右手に進んでちょっとヤバイ場所を這い上
がると岩壁の上に出た。

 
お宅はジンジソウですか?          絶壁に突き当たる


あれ〜〜  霧が次第に晴れて赤石山系が一望

ここは物凄い眺めの良い展望所となっており、登って来た尾根が眼下に見渡せる。また赤石山系の全貌が丁度良い角度で
広がっている。

 
   岩壁を右に迂回する          ヤブ崖を這い上がる


岩壁の上に立つと朝から這い上がって来た「北尾根」が姿を現した

 
お〜 山頂はもうすぐ(であって欲しい)   シリオの靴がドロドロ(左=エ、右=マ)


赤石山系から銅山峰を経て西山、ツナクリ、さらには獅子舞の鼻への尾根が
蛇行している

上を見るとまだ少し高い場所があるがもう先は知れている。元気を出して猛烈な潅木の藪に突入する。藪を掻き分けながら
這い上がっていくと周りが平らになり木々の向こうに見覚えのある白い祠が見えた。

 
最後の斜面へ向かい猛烈なヤブに突入   あそこがチチ山ピークらしい

 
向こうが透けて白い祠が見えた!      チチ山山頂に到着〜

やっとチチ山山頂に着いたのだ。祠の手前を這い上がると急にあたりが明るくなり大声を上げて喜んだ。すると、あれ?山頂
の大岩に一人の男性がいた・・・恥ずかし〜。「お騒がせしました」とヘンな場所からの登場を侘びる。

この男性は内子からこられた方で一人静かにチチ山からの風景に浸っていたのだ。「どこから来たの?」と地図を差し出され
たのでマーシーさんが取り付き場所を一応説明する。「色んな人がいるもんだ」って顔に書いてある。

 
チチ山山頂で内子の芳賀さんと       さあ 下山じゃ〜〜 チチ山の別れへ

暫くして「それじゃ失礼します」と挨拶をすると「え?もう帰るの?」って不思議な顔をする。 山頂まで折角やってきてゆっくり
と景色も楽しまずに下山していく気持ちが理解できないって感じ?。「エヘヘ・・・これが我々の山歩きですわ じゃあ 又」と
チチ山の別れを一目散に目指す

笹道の間にある登山道はデコボコしており、歩きにくいので笹の上をお尻で滑ってみた。お〜〜これは早いし楽しい。(後から
ズボンのお尻が破けていたのが判明・・・)

 
   チチ山の別れ               今日もいい歩きしたなあ


今年の偉業(?) 黒森山からシャクナゲの尾リーチングホームを眺める


這い上がったチチ山北斜面を眺める  バックは沓掛山と黒森山

獅子舞の鼻から逆光に霞むチチ山を見上げる。数年まえは夢に過ぎなかったあの尾根を這い上がってきたのだ。こんな所を
一緒に歩いてくれるマーシ大明神に感謝

船窪を過ぎ、途中から鉄塔巡回路を通って尾根に一旦上がり、そのまま巡回路を利用してバイクと自転車をデポしていた場所
に帰り着く

 
ブナ峠を通過  元気だったかい?     鉄塔巡回路を使わせてもらう (尾根)

 
鉄塔巡回路から尾根を振り返る       立川ー大永山トンネル線の道路に到着

 
バイクが自転車を追っかける 待て〜〜  登山口に無事到着

この歳になってこんなにエラくても面白い山歩きが出来る故郷の山の存在と、自分の健康、山仲間、家族の理
解など色んな境遇に感謝


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