望郷シリーズ 銅山峰ー赤石山系西部編  大永山トンネルーツナクリ山ー
     西山ー銅山越ー西赤石ー物住ノ頭ー前赤石ー石室越 ピストン縦走

4月29日 エントツ山  大永山トンネルから前赤石、石室越 ピストン
5月19日 徳永はるちゃん  日浦から上兜山 ピストン


銅山峰ー赤石山系西部 縦走路 国土地理院 50000数値図使用(承認番号 平15総使、第634号)


岩国の方からメールが入り4月29日ツナクリ・西山へアケボノツツジ登山をしたいので道路事情の問い合わせがあった。登山道は説明させて貰ったが、果たして今年は花が遅い。ちょっと気になり覗いてみる事に。
途中でマイントピアから登山装備で歩いている二人の御婦人がいたので事情を聞くと、何と車の運転の自信が無いので遠登志(おとし)から東平(とおなる)経由で西赤石へ行くという。 え〜〜? 四国でも屈指の整備された登山口への道なのに何てこった!このペーパードライバー達を乗せて大永山トンネルへ向かう

 
土山越 ここから東(右)へ進む     第一アケボノツツジ 発見!

大永山トンネル南口を出ていつもの公衆電話ボックス前のスペースに駐車。トンネル口を西(左)に入り、15m位進んで右の斜面に這い上がる。前半は沢筋、後半は杉の植林道をジグザグに上がっていく。登山口から40分位で尾根の縦走部(土山越)に合流する。左へ行けばチチ山の別れから笹ヶ峰へ、右に進めばツナクリ、西山を経て銅山越へ出る。

ツナクリへの縦走路は平坦部は少し藪いていたり荒れたりしているが道ははっきりしている。尖がった山が前方に見えるが、道は右側を巻いてから反転して登りの急坂となる。この急登は結構キツイ。ここを約30分頑張ると左手にアケボノの崖が現れ尾根部の縦走路が始まる。もうツナクリ山は近い。

 
第一分岐の右は崩壊気味の崖    巻き道が終わると急坂が待っている

 
あれ? アケボノはまだ小学3年生    ツナクリへの尾根道

明るい尾根道にでるとアケボノツツジが沢山あるが・・・ 未だ蕾だった・・・ がっくり・・・はるばる岩国からこの後を追ってお越しになる人に申し訳ない気持ちになってきた。こればっかりはライブ・カメラがあるわけじゃないので仕方ないか・・・

でもこの尾根道はいいぞ! チチ山から沓掛・黒森、平家平から冠山、進行方向にはこれから進む赤石山系が逆光に眩しいシルエットを見せている。最高だね。ツナクリ山の山頂標識は路傍にあるので見落としそうだ。過疎で廃線になったバス停留所みたいに錆びた丸い鉄の標識に拍子抜けした。(ちょっとダジャレているぞ)

 
汚ったねえ ツナクリの標識だこと    チチ山が見えるよ〜

 
西赤石から東赤石まで眩しい〜     沓掛山と黒森山も

2年前、ダメ隊長率いる山登山隊をほぼ壊滅状態にしてしまった「アケボノ喘ぎ坂」に着いた。この坂のきつさが「ダウンロード・ミーボ」や「フリーズ・ユキボ」の以後の山行きを消極的にさせてしまったのだ。その時を懐かしんで大きな木の登り西山方面の下り坂に咲くアケボノツツジを撮影。その間に下を数組の登山者が行き過ぎるが、全てが女性の二人連れだった。やっぱ女性は強か〜。
 
平家平から冠山の稜線          これが アケボノ喘ぎ坂だ

 
四国中央市からのお二人 バックはツナクリ 西条の方 バックは西山

木に登って撮影をしていると、下を行く登山者から「お猿さ〜ん」って声をかけられてしまった。どうせFRVさんやANちゃんもこんな格好で写真を撮っているんだろうねえ。ここで藪に入り斜面のアケボノ写真を撮ったりしていると、マイントピアで拾った二人組も追いついてきた。ここから西赤石山まで写真撮影で遅れて追いつきを繰り返しながら同行する。西山への登り坂途中で振り返るとツナクリ山の急斜面にアケボノツツジが結構咲いている。四国中央市から来られた女性二人組も一緒になって景色の素晴らしさを分かち合うあう。

       
        西山中腹よりツナクリ山斜面  奥が冠山

 
西山山頂                  西赤石と兜岩

西山の山頂は潅木が密生して展望は利かない。狭い山頂を右に回りこむと銅山越の砂礫地が見え急に展望が開ける。西赤石と兜岩が現れ、兜岩から続く石ヶ山丈(いしがさんじょう)の尾根がピンクに染まっているが、残念ながら西赤石の斜面は色付いていなかった。それでもこの時期、西赤石に向かって大勢の登山者がアリのように続いている。

 
銅山峰の砂礫地 ここにツガザクラや  東山を越えると登山者の集団が
アカモノが自生する

      

   振り返るとミツバツツジ越しに西山(右)、ツナクリ山(左)その間にチチ山が

東山を過ぎて、次の砂礫地を越えると道は西赤石手前の1,482mピークに向かってひたすら登っていく。このピーク北斜面にもアケボノツツジが群生しているのだが今日は色気が無い。

前に団体登山者が詰まっていたので「すみません、先に行かせて下さ〜い」と声を掛けるとリーダーらしき先頭の人がすぐさまグループに「ザックを道の外側を向けて追い抜き者の邪魔にならないように!」と指示を飛ばす。すると一斉に集団がロンド橋の様に両側に並んで通してくれた。あまりの手際の良さに恐縮してうつむき加減にペコペコしながら通りぬけると、誰かが私のいかり肩をトントンとつつく。 ん? あれ? クロスポイントのツアーリーダー「トロッコマン」さんだった。道理で礼儀をわきまえたツアー集団な訳だ。

  
懐かしいJR山キチ 御無沙汰〜  あれ?クロスポイントのトロッコマンがリーダーだった

さらに別な集団を追い越して相当前にいるその先頭グループに声を掛ける。お互いじ〜っと見詰め合う? あれ? お〜あなたは串ヶ峰に標識を立てに行った時にお会いした某鉄道会社の山キチではありませんか。2年ぶりにお互いの健康をたたえあう。今日もいい出会いがあった。


西赤石山頂手前から兜岩、石ヶ山丈越しに見る我が故郷 新居浜

西赤石での楽しみは兜岩越しに見る故郷新居浜の姿だ。きれいな町とは言えないがどんな町でも故郷は別格なのよ。黒っぽい金子山(西)と郷(ごう)山の間に、白っぽい人間の住む町と中央を蛇行する国領川、これが別子銅山と共に拓けた我が町、新居浜なんよね。いっぺんここから新居浜の夜景を見たいものだ。

 
西赤石山頂の西端見晴らしポイント  西赤石山頂ではみんなダレている

アケボノツツジのスカを食らったはずの大勢の登山者が名残惜しそうに西赤石山頂付近にたむろしている。ここを素通りして雲ヶ原から「大女の肩」串ヶ峰を見る為に東へと進む。ふ〜〜む やはりこの稜線は格別なのよね。ぼけ〜っと大女の肩を眺めていると一人の男がやって来た。


雲ヶ原より 串ヶ峰(左端)と上兜山の稜線 大女の肩を見る

この新居浜出身の人と山の話をしていると急に「エントツ山さんですか?」って言われてHPの話をする。萩生の森さんがN高校で後輩だと言うと同じN高校だと答える。卒業年月日を聞くと昭和43年 あれ?それじゃ僕達同級生?? 再び握手を交わす。一緒に物住ノ頭まで歩いて、休憩がてらお互いのサラリーマン哀史を語り合う。いろいろあった人生だよね。

 
高校の同級生 Sさん            前赤石の岩峰

      
        物住頭尾根手前から西赤石山を振り返る

物住ノ頭でこの同級生と別れてさらに東へと進む。ここからは未知の地だ。前赤石は険しいイメージがあるが登山道は南側を巻いていて比較的簡単にやり過ごせる。東側に回りこんで見ると前赤石は結構樹木が豊かな事がわかる。

      
           前赤石トラバース路  見た目より安全だよ

 
石室越 標識                下兜山を見下ろす

前赤石の東側にある稜線は比較的標高が高いまま南へ伸びているので八巻山と西赤石山の姿を屏風の様に隠している。前赤石を越えて東の石室越まで出る。標識では「悪路」となっている尾根道を少し進むと視界が開けて両山の全容が明らかになる。絶景かな


石室越を進むと 八巻山(左)と東赤石山(右)が現れる


石室越付近の見晴らし岩から前赤石(右)と西赤石(左の尖がったピーク)

        
         東から見た前赤石は樹木に覆われている 右は上兜

しばらくここからの景色を楽しんだ後、大永山トンネルまでの長い道を折り返す。東赤石から筏津に下りて車道を歩くより尾根を歩くほうが楽しいというもの。途中で京都からの縦走登山者とすれ違う。今日は赤石山荘泊まりだという。
西赤石山は誰も居ず、いつもの孤独な山頂に帰っていた。

 
京都から来られた縦走登山者 明るい〜  無人の西赤石に帰っていた


もう一度 西赤石から 故郷 新居浜を見下ろす 中央に国領川が流れる

銅山越に下りて西山へ上がり、ツナクリ山を経由する。朝通った時より若干アケボノツツジの色が夕日に映えている。朝通った同じ場所を夕方又歩いている。朝歩いた自分と今歩いている自分は同じ自分なんだろうか。時間という不可思議な魔物に頭を混乱さえながら時の推移に押し流されていく。確実にアケボノツツジは朝よりは花開いていた。

  
ANちゃん 撮ったど〜          ツナクリの斜面

 
     西山斜面               ツナクリ山斜面

 
チチ山をバックにアケボノが少し花開く  土山越 直前にある標識(七番越)

今日も故郷の山を西から東まで一直線にピストンした。新居浜の町を囲む主だった山々はおおむね一通り縦走した事になる。でもまだまだ知らない昔ながらの道歩きというライフワークが沢山待っている。

徳永はるちゃん 上兜山を制覇! エントツ山にエール
日浦ー銅山越ー西赤石山ー物住ノ頭ー上兜山 ピストン

5月19日早朝から1人で出かけ日浦登山口を5時56分から登り 銅山越えで7時15分、西赤石で8時30分。この辺りまでガスが強く瀬戸内からの風がかなり強く いくら歩いても汗も出ない。

 
午前中 ガスがかかる           ミツバツツジが鮮やか

物住頭で9時7分、ここで初めて23分休憩、ここから上胄山に下りるが物凄い潅木の藪漕ぎ。厚鎌を持っていたが余り効力を発揮できず上兜山まで1時間15分かかる。おまけに背に挿していたストックまで紛失

  
     シャクナゲの群生          下兜山から船木地区を見下ろす
 
でも夢にまで見た上胄山 苦労した甲斐があり見事でしたよ
頂上の檜の枝を伝って梢から360度の展望は大圧巻 新居浜が真下に見え国領川の蛇行が絵のようです。この近辺ではまだ沢山アケボノツツジが残りシャクナゲも見事な姿を見せてくれました。この先の串ヶ峰迄行きたい気持ちを押さえ後髪を引かれる思い出下山した。

     
    上兜山山頂 waiwaiさんのしゃもじとエントツ山の仮標識に対面
 
帰りは自分の歩いた道を勘を頼りに忠実に引き返すとなんと深い藪の中でストックが目に留まり感激した。物住頭でストックも還ったし気分的にもくつろいで昼食をとり12時50分から下山した。帰り道ダイセンミツバツツジのトンネルを抜け銅山越近くではツガザクラが気分を和ませてくれました。

      
              銅山越近くのツガザクラ

昨日の山歩きは朝から1人の登山者にも出会わず 下山中に歓喜抗前で若いカップルに出会っただけ。そこから少し下でNHKの取材班に出会いダイヤモンド水でもカメラが1台取材中でした。聞く所によると26日午後5時〜6時に旧別子銅山今の姿が放映されるようです。


 物住頭より北へ伸びる藪漕ぎ尾根の上兜山と串ヶ峰
 
今回の山歩きは1人が正解でした あのひどい潅木と笹の藪漕ぎで御婦人方と御一緒だとしたら皆さん顔に引っかき傷を作って大変だったと思う。尚、こんな藪漕ぎでは人に気を使うことなく1人で行動できて思考力をフルに発揮できたと思う
 
車に帰ったのが3時40分 若し串ヶ峰へ足を伸ばしていたらもう3時間は見て置かなければならずエントツ山さんの御忠告が見にしみて有りがたかった。昨日の山行時間9時間44分 写真75枚収録

エントツ山編集局より
はるちゃん 上兜山をトライして頂きありがとうございました。 物住頭から上兜山までの藪漕ぎ尾根は高度差もあり大変ですが、一方上兜山から串ヶ峰までは高度差が少なく思ったより簡単です。この間はスズタケは少なくびっしり生えた潅木との勝負です。時間は 上兜山ー串ヶ峰まで片道約 30分ー40分見当です。
ただし串ヶ峰展望所は山頂から更に30分ほど下がらなければなりません。 でもよく頑張りましたね



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